転職でハローワークをフル活用するためには手続きの流れを知ろう
会社を退職した後は様々な役所に行くことになりますが、その中でも複数回行くことが多いのがハローワークです。
ここでは、雇用保険の手続きや、その後の転職活動についてのサポートを行ってくれます。
特に雇用保険の給付に関しては、様々な条件、ルール、手続きの流れがありますので、この記事を読んでおおまかに把握しておきましょう。
事前に少し知っておくだけでも、手続きがスムーズになると思います。
細かい条件については、各個人やハローワークを管理している管轄によって違うので、必ず直接確認をとってくださいね。
目次
そもそもハローワークの役割って何?
ハローワークの役割は、失業中の方や求職中の方を対象に職業を紹介する行政機関です。
また、雇用保険関連の手続きも行っており、給付を受けるためには必ず行かなければいけない場所です。
「転職をしようと考える人は、やっぱりハローワークに行った方がいい?」に、ハローワークでできることをまとめています。
詳しくはこちらの記事を読んでみて下さい。
ハローワークで求人情報を探す際の流れ
ハローワークカードを作成する
初めてハローワークに来た時に、ハローワークカードを作成します。(失業保険を受けるためにハローワークに来た場合も自動的にハローワークカードを作ることになります。)
氏名、性別、生年月日などの基本的な個人情報の他に、希望勤務地や、前職の概要、職歴などを記入します。
履歴書と職務経歴書の簡易版のようなもので、ハローワークで求人紹介を希望している場合は必ず記入しましょう。
記入は義務ではないので、失業保険を受けるためであれば、必要事項のみの記入でかまいません。
ハローワークカードが完成すれば、パソコンを使って自由に求人の検索ができます。
2回目以降はカードを提示するだけで利用することができます。
冊子や求人情報検索端末から情報を検索する
ハローワークに登録されている求人情報は全てネット上で検索することができます。
一部「ハローワークカード」をもっている人のみ閲覧可能のものもありますので、その際はカードに書かれている自分の番号を詳細検索条件の求職者登録有無の項目に入力してください。
また、ハローワークはwebとは別に紙媒体の求人誌も発行しており、建物内で自由に持ち帰ることができます。
新着の求人を地域や職種ごとにまとめているので、こちらも参考にしましょう。
求人情報検索端末には載っていないものもあります。
気になった企業の求人情報について窓口で相談する
気になった求人情報があれば、そのページを印刷して窓口の担当者に相談します。
印刷できない環境で閲覧している場合は求人番号をメモしておきましょう。
番号さえあれば手軽に検索できますので、ハローワークで印刷ができます。
仕事の詳細や給料についてなど、相談内容はなんでもかまいません。
気になることは全て聞いてみましょう。
企業に募集状況の確認をしてもらい、面談に進める
気になる会社については、その時の応募状況を必ず確認をとってください。
採用が終了しているのにも関わらず、掲載が継続していることあります。
募集が終了している会社の応募書類を作ってしまって無駄になるケースに気を付けてください。
そういった意味では、新着掲載企業は高い可能性で募集中の企業でしょう。
また、応募数が分かることもあります、その数に応じて応募の優先順位を決めると良いでしょう。
その他にも、他の応募者の年齢層などが分かることもありますので、気になる方は担当者に聞いてみましょう。
色々相談した後に、応募したいと思ったら担当者に自己PRをしましょう。その企業の募集条件をクリアしており、適切な人材であることを伝えましょう。
担当者が「この人は紹介しても良いだろう」と感じてもらえれば、その企業への紹介状を作成してくれます。
紹介状があれば優先的に面接を受けられます。企業によっては紹介状が必須な場合もあります。
ハローワークでの雇用保険手続きの流れ
「求職申込み」を行ってから「離職票」を提出する
初めてハローワークへ行くと、必ず「休職申込書」が渡されますので、必要事項に記入して離職票と共に求職申込みをしましょう。
この手続きによりあなたは受給資格を得ることができます。
この時、離職票が無いと手続きができませんのでご注意ください。離職票は会社を退職してから、1週間~2週間後に郵便で届きます。
もし届かない場合は、ハローワークにその旨を伝えることで、会社側に催促をしてくれます。
「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取る
7日間の待期期間を経て職業講習会を受講します。ハローワークの利用方法についてが主な内容です。
「会社都合での退職」の場合はこのタイミングから給付を受けることができますが、自己都合の場合はもう少し先になります。
その2週間後にようやく初回の失業認定日と認められ、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」をもらえます。
ただし、条件としてこの2週間の間に求職活動を最低一回行わなければいけません。
失業保険についての説明会があり、それに参加することで求職活動の条件をクリアできます。
4週間に1度、失業の認定(失業状態にあることの確認)を行う
給付が開始すると、第2回目の失業の認定が行われます。
それからは4週間に一度の認定確認が必要であり、ハローワークへ行く必要があります。
失業保険は、当然、失業中の方のみに適応されるので、その確認をする必要があるのです。
給付制限がない場合は、給付が開始してから初回の認定日があり、それ以降は4週間に1度の認定があります。
定められた期間、失業状態で求職活動を行うと給付される
失業保険給付には「求職活動をしていること」も条件になっており、待期満了初回認定日までに1回、その後12週間の給付制限期間にも3回以上の求職活動を行わなければいけません。
また、給付開始後は4週間に2回の求職活動が給付継続、つまり、失業認定の条件になります。(給付制限がない場合も同じ)
ハローワークで申請できる失業保険に関するQ&A
給付はいつから始まるの?
自己都合で離職した場合は、給付制限期間が3か月間あり、申請してすぐに手当てを受けられるわけではありません。
求職申込をしてから7日間の待期期間があり、それから3か月後に給付制限が終了し、支給が開始されます。
会社都合で退職した場合は、待機満了のタイミングから支給開始となります。
給付期間はどれくらいあるの?
給付される期間は離職時の年齢と、雇用保険の被保険者としての期間(算定基礎期間)、そして退職が会社都合か自己都合かによっておおまかに算出ができます。
自己都合や、懲戒解雇の場合
算定基礎期間が10年未満の場合90日間の給付期間、10年以上20年未満の場合120日、それ以上は150日です。
倒産や解雇などの会社都合の退職の場合
算定基礎期間が1年未満の場合は全年齢90日間の給付期間があり、1年、5年以上、10年、20年といったボーダーを超えるごとに、給付期間が増加します。
30歳未満の場合は5年以上の算定基礎期間があれば120日の給付期間を得られますし、45歳以上60歳未満で5年以上10年未満の算定基礎期間がある場合は240日間の給付期間があります。
このように、状況によって期間は様々なので、具体的な日数に関しては直接ハローワークで確認をとってください。
給付される金額はどれくらい?
給付金の1日あたりの金額を基本手当日額と呼びます。
その金額は、離職した直前6ヶ月に得られた賃金の合計を180で割った(つまり約1日の賃金)金額の5割から8割程度となっており、金額が高ければ高いほど割合は小さくなります。
また、基本手当日額には上限があり、年齢におうじて区分されます。29歳未満では上限は6370円。45~49歳だと7775円となります。
例えば29歳未満で基本手当日額が上限の6370円で、受給期間が90日間だった場合、57万3000円が総支給額となります。
まとめ
ハローワークは行政機関であり、無料で利用できる国のサービスです。存分に活用していきましょう。
ただ、失業保険は少し複雑なので、面倒臭く感じる方もいらっしゃるかもしれません。
少なくはない金額の給付があるので、必ずいきましょう。税金を納めていたのであれば、しっかり手当をもらう権利があります。
また、再就職手当や、就業手当などの他の手当てもありますので、ハローワークへ直接行き確認をとりましょう。
何も知らずに放置していたり、面倒くさがっていかなかったりすると、保険料の分だけ損をすることになります。