auのモバイルWi-Fiルーターはおすすめできる?他社の商品と徹底比較
外出先でノートパソコンを使ったデータ通信を利用したい、複数の端末を単一の契約でインターネットに接続したい、そんな需要を叶えてくれるのが「モバイルWi-Fiルーター」です。
通信事業者によってサービス名は細かく異なりますが、ルーターを持ち歩くことで電波の届く範囲内であれば、いつでもどこでもデータ通信を利用することができる便利なサービスです。
しかし、契約する通信事業者の選択肢が多いということは、それだけ比較が必要になるということです。
どれだけお得にそのサービスを利用できるようになるかということは、十分な比較検証が重要です。
そのためには各通信事業者のサービス内容等を知る必要があります。
そこで今回は、「au」のモバイルルーターの特徴を踏まえた上で、オススメできるサービスであるかどうかを検証していきましょう。
目次
auのモバイルWi-Fiルーターをおすすめできないポイント
ネガティブな言い方になるようで申し訳ないのですが、まずは「auのモバイルルーターをオススメできない理由について解説していきます。」
①月額料金は他サービスと一見変わらないように見えるが、実際は割高
まず、「料金面」でのポイントです。
簡単に言えば、他社と比較して見た感じの料金はほとんど同じ水準なのですが、「キャッシュバック」などのキャンペーンを含めると割高になってしまうのです。
これに関しては、次の項目を読んで頂けると理由がわかります。まずは、料金面ではお得ではないということを理解しておきましょう。
②WiMAXの場合、auでも契約できるが、プロバイダを通した方がかなりお得
前提として、WiMAXの直営店は「UQ WiMAX」です。
UQコミュニケーションズが運営している通信サービスなのですが、その「UQ WiMAX(UQ コミュニケーションズ)」は、「auの系列会社」であることをまず理解しておきましょう(なので、格安SIMの「UQモバイル」はau系の回線を利用しているのです)。
auとしてWiMAXを提供しているのと同じように、UQ WiMAXのプロバイダとして数多くの通信事業者がWiMAXをユーザーに提供しています。
それぞれで利用できる通信サービスの内容はほとんど変わらないのですが、プロバイダごとにキャンペーンや割引サービスなど、主に料金面で大きな違いがあるのです。
auとUQ WiMAX以外のプロバイダでは、
- 「2万円~3万円のキャッシュバックを受け取れる」
- 「月額料金が大幅に割り引かれている」
など、魅力的なキャンペーンを数多く開催しています。
金額面での違いなので、見た目にわかりやすいのも特徴です(複雑なキャンペーンではない、金額だけ見れば違いがわかる)。
キャッシュバックの場合は、受け取れる金額を利用期間で割ることで毎月の料金にフィードバックすることで、割引と同じ効果として考えることができます。
利用できるサービスの内容はほとんど変わらないのに、au系以外のプロバイダを利用するというだけで安い料金で利用することができるのです。
「格安SIM」という言葉があるように、ある程度の品質が確保されていれば、安い料金で利用できる方がユーザーにとって利益があります。
特に、通信料を節約したいユーザーにとっては、毎月の料金を割り引いたり、高額なキャシュバックがあることは大きなメリットです。
auのモバイルWiFiルーターをおすすめできるポイント
次に、auのモバイルWi-Fiルーターをオススメすることができるポイントについて解説していきます。
①au携帯を利用中の方の場合、手続きがスムーズ
まず、既にauのスマートフォンなどの通信サービスを利用しているという場合には、利用開始手続きをスムーズに進めることができます。
既に顧客情報はauが保有しており、非常に少ない手間で手続きを完了させることができます。
②auスマートバリュー(ルーター割引)
次に、「auスマートバリュー(ルーター割引)」を適用できるというポイントです。
これは、既にauのスマートバリュー(auのスマートフォンとネット+電話を一緒に利用している)が適用されているユーザーが、新たにWi-Fiルーターを契約する場合に、Wi-Fiルーターの基本料金がお得になるというサービスです。
③auスマートバリュー mine
また、Wi-Fiルーターと一緒に、auのスマートフォンに加入する場合、「auスマートバリューmine」を適用することができます。
こちらの場合だと、スマートフォンオン月額料金を毎月最大934円割引きしてもらうことができるサービスです。
④auWi-Fiスポットが利用できる(※ただし注意点あり)
最後に、auのWi-Fiスポットを無料で利用できるというポイントです。
auの通信サービスを利用している場合、一部の契約を除いて無料でauのWi-Fiスポットを利用することができます。
モバイルWi-Fiルーターでの契約とは異なり、特定のスポットでしか利用することができませんが、データ通信の利用制限に関係なくデータ通信を利用することができます。
この特性上、特に「月間のデータ通信容量に制限のあるプラン」の場合、データ通信量を節約することができるので賢く利用することができます。
ただし、「Wi2 300 for auマルチデバイスサービス」の利用に際して、auのWi-Fi契約のうち「WiMAX2+フラットfor DATA」の場合は無料で利用できるのですが、「WiMAX2+フラットforDATA EX」の場合は月額300円必要になります。
auのモバイルWi-Fiルーターを他社と比べてみよう!
プロバイダ |
au |
プラン |
WiMAX 2+ フラット
for DATA EX |
料金(月額) |
4380円(おトク割) |
通信速度 |
下り最大370Mbps |
通信制限 |
3日間で3GB |
キャンペーン |
数多くのキャンペーン |
UQ WiMAX |
WiMAX(GMO) |
UQフラットツープラス
ギガ放題 |
ギガ放題 |
4,380円
(2ヶ月間は3,696円) |
4,263円
(2ヶ月間は3,609円) |
下り最大370Mbps |
下り最大220Mbps |
3日間で3GB |
3日間で3GB |
JCB商品券1万円分
auスマートバリューmine |
最大29,000円
キャッシュバック等 |
WiMAX(So-net) |
Y!mobile |
ギガ放題
(キャッシュバック) |
Pocket WiFiプラン2 |
2ヶ月目まで:3,495円
24ヶ月目まで:3,980円
25ヶ月目以降:4,179円 |
3,696円
(3年契約の場合) |
下り最大220Mbps |
下り最大187.5Mbps
(端末スペックより) |
3日間で3GB |
月間7GB・3日間3GB |
20,000円キャッシュバック
月額割引のキャンペーンもあり |
アドバンスオプション
6ヶ月無料 |
WiMAXについて
WiMAXの目玉サービスである「ギガ放題」は、3日間で3GBという制限はありますが、月間での上限が設定されていないプランであるため、動画の視聴などのデータ通信量の多いサービスを利用する際には大きなメリットとなります。
これはどのプロバイダでも同じことですが、料金が割増になる代わりに月間データ通信容量が無制限のギガ放題と、料金が安い代わりに月間7GBの通信容量の制限があるプランを選ぶことができます。
これに関しては基本的にライフスタイルに応じたプランを選択すると良いのですが、キャンペーン等はギガ放題の方をメインとしているので、ギガ放題の方がよりお得感が増しています
Y!mobileについて
Pocket WiFiを提供している「Y!mobile」とは、通信速度や月間の制限で大きく異なります。
料金に関してはほぼ同水準で利用できるのですが、WiMAXの方が使い放題のプランが有るため使い勝手は良いのです。
Y!mobileでも使い放題のプランはありますが、その場合は通信方式がAXGPに限定されるなど、使い勝手の悪い部分が目立ってしまいます。
なお、通信速度に関しては、あくまでも理論値としての最高速度であり、利用する端末や利用する場所によって通信速度の最大値や実測値は大きく異なります。
細かい数値はさておき、少なくとも「従来のモバイルWi-FiよりもWiMAXの方が速い」と理解しておけばほぼ問題ありません。
auについて
auと他社プロバイダを比較してみると、auの場合は自社サービスと絡めた割引サービスなどを提供している点が目立ちますが、自社サービスを利用していない場合だとほとんど割引を受けられません。
一方でGMOとくとくBBなどのようにキャッシュバックを利用できるプロバイダの場合だと、例えば24,000円のキャッシュバックで24ヶ月利用する場合は1ヶ月あたり1,000円安く利用できるのと同じであり、料金面でauやUQ WiMAXよりも一回り安く利用できます。
ただし、WiMAXサービスの大元であるため、手厚いサポートを期待することができます。
何と言っても大手キャリアの一角で通信サービスの老舗なので、サポート体制は充実しています。
既にauのスマートフォンなどを利用している人の場合であれば、そのサポートの手厚さは十分に理解できていると思われます。
前述の通り、auのスマートフォンなどの通信サービスに加入している場合であれば、手続きは簡略化され、スマートバリューを利用しての割引などを受けられるので、auユーザーにはメリットが大きいです。
まとめ
WiMAX大元のUQ WiMAXと同じ、KDDIグループの大手キャリアであるauのWiMAXは、単純な金額での比較では各プロバイダに劣る点が大きいです。
しかしながら、同じauの通信サービスを利用している場合、条件さえ満たしていれば割引を受けることができますので、既にauのスマートフォンなどを利用しているユーザーや、WiMAXの利用を機に通信サービスを利用したいと思っている場合には、セットでの利用で総合的に考えることもできます。
しかし、スマートバリューを利用したいがために、わざわざ他社から乗り換えするようなことは本末転倒です。
既に格安SIMを利用しているのであれば、月額料金がかなり安くなっているはずです。
それを増額することになってまでauのWiMAXとスマートフォンを一緒に利用するようなことは無意味です。
つまり、auのスマートフォンやネット回線などを、コストの増額なしに利用することができる人が、auのWiMAXを利用するのに適していると言えます。
例えば、大手キャリアのスマートフォンを利用したい理由がある人、ガラケーからの乗り換えにあたってサポートの手厚い大手キャリアを利用したい人、あるいはdocomoやソフトバンクからの乗り換えなどが考えられます。
auの自社サービスとの兼ね合いを考えないと、単体で大きな割引やキャッシュバックを利用できる各プロバイダを利用したほうがお得です。
「auはWiMAXの大元であるKDDIグループだから」という理由で契約するのは、あまりにも安易すぎます。
Pocket WiFiと比較すればメリットは多いですが、プロバイダとの比較ではメリットは少ないということを十分に理解しておきましょう。