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漢方薬を飲んで抜け毛対策ができる?!漢方と抜け毛の関係

 

抜け毛に悩む方の中には、具体的な対策を講じたいと考えている方が多いかもしれませんね。

あてはまる方は、漢方薬を試してみてはいかがでしょうか。

漢方薬の中には抜け毛の予防に効果的と考えらえているものがあるのです。

抜け毛と漢方薬について解説いたします。

 

目次

漢方で抜け毛対策?

抜け毛は男性型脱毛症(AGA)で起こるものと思いがちですが、AGA以外にも様々な原因が関わっています。

心身のバランスの崩れなどが関わっていることがあるのです。

これらに着目して抜け毛にアプローチする方法が漢方です。

漢方では、西洋医学と異なる視点から抜け毛をとらえています。

どのような原因で抜け毛が起こると考えているのでしょうか。

血虚(けっきょ)

血虚とは、文字通り血液が不足した状態です。

髪の毛は血の余りと考えられているので、血液が不足すると髪の毛が作られず抜け毛が増えてしまします。

あり得ないと思うかもしれませんが、血液が不足して頭皮の血行が悪くなると髪の毛の成長に必要な栄養が届けられなくなるので抜けが増えやすくなります。

髪の毛と血液には深いかかわりがあるのです。

虚血が原因の抜け毛は、妊娠中や出産後の女性に多いといわれています。

このような抜け毛は、血を補う婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などの漢方薬で治療します。

肝気鬱結(かんきうっけつ)

肝気鬱結とは精神的なストレスによる症状のことです。

身体全体の巡りを調節する肝がストレスから攻撃を受けると巡りが悪くなります。

髪の毛まで栄養を届けられなくなると抜け毛が増えます。

抜け毛が増えるとさらにストレスが大きくなるので悪循環に陥りがちです。

肝気鬱結による抜け毛には加味逍遥散(かみしょうようさん)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などの漢方薬を用います。

湿熱(しねつ)

湿熱とは、体内に不要な水と熱がたまって気や血の巡りが悪くなった状態です。

食べ過ぎや飲み過ぎで余分なものが体の中にたまっていることが主な原因で、男性に多いといわれています。

湿熱の状態が続くと頭頂部に熱がこもり毛穴がふさがってしまいます。

これにより抜け毛が増えると考えらえています。

湿熱による抜け毛には、瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)などの漢方薬を用います。

腎虚(じんきょ)

腎といえば腎臓を想像しますが、漢方の腎は発育、成長、生殖などに関わる生命力のもとと考えられています。

腎虚とは老化のことで、老化が早く進むと抜け毛に困らされることがあります。

腎虚による抜け毛は対処が難しいとされています。

治療には、腎の機能を補う海馬補腎丸(かいばほじんがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)などの漢方薬を用います。

漢方の効果

以上の通り、西洋医学と漢方では抜け毛に対するとらえ方が異なります。

西洋医学による治療に満足できない方や異なる視点からアプローチしたい方は、漢方を活用すると良いかもしれません。

漢方にはどのような効果が期待できるのでしょうか。

効果

基本的に、漢方薬が抜け毛の原因にピンポイントで働きかけることはありません。

漢方薬は、抜け毛の原因となっている体質に働きかけ身体のバランスを整えることなどで抜け毛を防ぎます。

体質改善により抜け毛を防ぐので、効果が現れるまで一定の時間がかかります。

面倒な治療に思えますが、体質に抜け毛の原因がある場合は非常に効果的といわれています。

先ほど説明した通り、漢方では抜け毛の原因は人により異なるととらえています。

そのため、抜け毛に効果的な漢方薬も人により異なります。

血虚が原因と考えられる方には、血を補う当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などを、肝気鬱結による抜け毛と考えられる方には気の巡りを改善する加味逍遥散(かみしょうようさん)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、腎虚による抜け毛には腎の機能を補う海馬補腎丸(かいばほじんがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)などの漢方薬などを処方するのです。

漢方の治療では、それぞれが抱える抜け毛の原因にアプローチできます。

飲み方

漢方薬を利用する方は飲み方に気をつけましょう。

正しく服用することで効果を高めることができます。

服用するタイミング

最初に気を付けたいポイントが服用するタイミングです。

漢方薬の成分は吸収されにくいものが多いので空腹時のほうが吸収しやすいと考えられています。

また、風味や香りも効果の一部なので、この点からも空腹時が適していると考えられています。

特別な指定がない限り、漢方薬は食前か食間に服用すると良いでしょう。

食前とは食事の30分前で、食感とは食事と食事の間です(食後2時間が目安です)。

ただし、食前や食間に服用すると胃の調子が悪くなる方は食後でも構いません。

服用するときの飲み物

漢方薬を流し込む飲み物にも注意が必要です。

ジュースや牛乳、お茶などで飲んでしまいがちですが、これらを利用すると吸収が悪くなることがあります。

漢方薬は水か白湯で飲みましょう。

多くの方が利用している市販の漢方薬、医療用の漢方薬の大半は生薬を煎じた液を乾燥させたエキス剤(錠剤・顆粒)です。

エキス剤は、水や白湯でそのまま飲むこともできますが、沸騰した湯に溶かして2、3分おいてから飲むこともできます。

香りを楽しめるうえ吸収が良くなるのでオススメの飲み方です。

漢方薬を効果的に利用したい方は試してみると良いでしょう。

注意

セルフケアで抜け毛が改善しない方は、漢方薬を試すとよいかもしれません。

漢方薬を試すとすぐに効果を期待してしまいますが、漢方薬に即効性はありません。

漢方薬の効果は、体質を改善して抜け毛の原因を取り除くことで現れます。

これまで培ってきた体質を改善するにはそれなりの時間がかかります。

また、体質が改善してからヘアサイクルが改善するにもそれなりの時間がかかります。

漢方薬を利用する方は、焦らずじっくり服用を続けましょう。

利用する漢方薬の選び方にも注意が必要です。

抜け毛を治療するための漢方薬があると思われがちですが、抜け毛の特効薬のような漢方薬はありません。

漢方では体質を改善することで抜け毛を防ぐので、原因になっている体質を改善する漢方薬を抜け毛の予防に用います。

体質や症状の現れ方は人により異なるので、最適な漢方薬も人により異なります。

誰かに効果があるからと言って、自分にも効果があるとは言い切れないのです。

最適な漢方薬を選ぶには、高度な専門知識と経験が必要です。

抜け毛の予防に漢方薬を利用したい方は、クリニックや漢方薬局で相談したほうが良いでしょう。

面倒に感じるかもしれませんが、それぞれの原因に合わせたオーダーメイドの治療ができる点が漢方の魅力です。

適応があれば効果的に抜け毛を防ぐといわれています。

気になる方は、漢方薬の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

漢方では、血虚、肝気鬱結、湿熱、腎虚などにより抜け毛が増えると考えられています。

抜け毛が気になる方は、原因や体質に合わせた漢方薬を服用してみるとよいかもしれません

。ただし、漢方薬に即効性はありません。

漢方薬は焦らずじっくり服用しましょう。