エナジードリンクやサプリメントなどに含まれていることが多いタウリン。
どのような効果・効能を期待できる成分なのでしょうか。
タウリンに期待できる効果・効能とタウリンを含む食品などを紹介します。
利用を検討している方は参考にしてください。
エナジードリンクやサプリメントなどに含まれていることが多いタウリン。
どのような効果・効能を期待できる成分なのでしょうか。
タウリンに期待できる効果・効能とタウリンを含む食品などを紹介します。
利用を検討している方は参考にしてください。
最初に、タウリンの概要を解説します。
タウリンは、どのような成分なのでしょうか。
タウリンは、1827年に牛の胆汁から発見された成分です。
ラテン語で雌牛を意味するtaurusにちなんでタウリンと名づけられました。
タウリンは、硫黄を含んだアミノ酸の総称である含硫アミノ酸のひとつです。
生体中のほぼすべての組織に存在しており、ヒトでは心筋や筋肉、脳、肺、網膜、肝臓などに多く含まれています。
ヒトは、体内でタウリンを合成することができます。
具体的には、含硫アミノ酸のシステインなどから合成されます。
タウリンには、身体の状態を常に一定に保とうとする働きがあります。
厚生労働省は、製品の原材料について、医薬品としての使用実態などを考慮して医薬品に該当するかどうかの判断を示しています。
この判断によって、タウリンは「専ら医薬品として使用される成分(原材料)」に区分されています。
原則として、化学的に合成したタウリンを食品に添加することはできません。
ただし、魚類、哺乳類の臓器、肉から得たタウリンを主成分とするものは食品添加物(調味料)として使用することが認められています。
タウリンには様々な効果・効能が期待されています。
一方で、タウリンの効果・効能には科学的根拠がないという意見もあります。
タウリンには、どのような効果・効能が期待されているのでしょうか。
また、なぜ科学的根拠がないといわれるのでしょうか。
これらについて詳しく解説いたします。
タウリンに期待できる効果・効能のひとつが肝機能をサポートすることです。
具体的には、急性肝炎患者にタウリンを投与したところ効果がみられたことから、肝炎に対する有効性が示唆されています。
また、一部では脂肪肝に対する効果も期待されています。
脂肪肝に対する効果は十分にわかっていません。
効果を評価できる客観性の高い研究が行われていないからです。
現時点では、効果があるとも効果がないとも言い切れないといえます。
疲労回復もタウリンに期待することが多い効果・効能です。
疲れたときに、タウリンを配合したエナジードリンクを飲む方がいるはずです。
中には、タウリンの配合量でエナジードリンクを選ぶ方もいるのではないでしょうか。
タウリンが疲労回復に役立つといわれる理由は、肝機能をサポートしてエネルギー産生を助けると考えられているからです。
肝臓の働きが悪くなると疲労感・倦怠感などの症状が現れます。
そのため、疲れたときにタウリンが役立つと考えられることがあるようです。
しかし肝臓が原因で疲労感が現れる場合、かなり肝機能が悪くなっていると考えられます。
タウリンの利用ではなく病院の受診が必要です。
過去に行われた研究によると、タウリンに疲労回復効果があるとは言い切れません。
自覚できる疲労とタウリンの摂取量に有意な相関関係が見られなかったからです。
エナジードリンクを利用している方の中には、タウリンを摂取することで疲労が回復したと実感している方がいるはずです。
実感を伴うので信頼性の高い意見ですが、エナジードリンクには様々成分が含まれているのでタウリンの効果で疲労回復したとは言い切れません。
タウリンの疲労回復効果についても意見が分かれています。
タウリンには、コレステロール値を下げる働きも期待されています。
コレステロールを排出する胆汁酸の分泌を促進するからです。
タウリンでコレステロール値が下がることは、ラットを使った実験で確認されています。
そのため、コレステロール値を下げる成分と考えられることが多いようです。
動物実験で効果は確かめられているものの、ヒトでの研究は十分に行われていません。
そのため、ヒトに対する効果ははっきりと分かっていません。
コレステロール値が気になる方は、この点を理解したうえでタウリンを活用する必要がありそうです。
タウリンは、高血圧や糖尿病といった生活習慣病を予防する働きも期待されています。
タウリンが高血圧の予防に有効といわれる理由は、タウリンに交感神経を抑制する働きが期待できるからです。
交感神経が優位になると、不要な塩分や水分を排出する腎臓の働きも抑制されるため血圧は上昇します。
この働きを抑える可能性があるので、塩分の摂りすぎによる高血圧の予防に役立つ可能性があると考えられているのです。
糖尿病の予防に有効といわれる理由は、タウリンにインスリンの分泌を促す働きを期待できるからです。
糖尿病は、インスリンの分泌量が低下することやインスリンの効きが悪くなることで、血糖値の高い状態が続く病気です。
タウリンにインスリンの分泌を促す働きが期待できるので、予防に役立つといわれることがあるようです。
広く知られたタウリンに期待できる効果ですが、どちらの効果についても十分な科学的根拠はありません。
効果があるといえるだけの研究が行われていないからです。
生活習慣病の予防に役立てたい方は、この点を理解したうえでの利用が必要かもしれません。
一部では、タウリンはダイエットにも役立つといわれています。
タウリンを摂ることで、新陳代謝が活発になり脂肪の燃焼が促進されると考えられるからです。
もちろん、タウリンを摂るだけで痩せることはありませんが、ダイエットに役立つ成分といわれています。
タウリンに期待されるダイエット効果は、一部の動物実験で認められています。
ただし、そのままヒトに当てはめられるかは分かっていません。
動物とヒトは異なるからです。
動物実験で効果を認めてもヒトでは効果を認められないケースもあります。
現時点で、ヒトにとってもダイエット効果があるとは言い切れません。
タウリンに様々な効果・効能が期待されている理由は、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)」に区分されているからかもしれません。
医薬品に使用される成分なので、信頼性が高いと思われがちです。
実際には、効果・効能が期待できる場合とはっきりと分からない場合があります。
タウリンを利用するときは、この点に注意しましょう。
タウリンを利用したい方は、どのように摂ればよいのでしょうか。
タウリンの摂り方を解説します。
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2015年版)」にタウリンの摂取量は定められていません。
このことから、公に推奨量・摂取量は定められていないと考えられます。
一般的には、1日の目安量は500㎎程度といわれています。
摂取量が気になる方は、こちらを参考にするとよいかもしれません。
摂取のタイミングに関しても特別な決まりはありません。
食事から摂りたい方は食事のタイミングで、サプリメントなどから摂りたい方は好きなタイミングで摂ればよいと考えられます。
一般的に、アミノ酸は空腹時にとると吸収しやすいといわれています。
摂取のタイミングが気になる方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
妊婦さん・授乳婦さんに対する付加量も定められていません。
妊娠中、授乳中であっても経口摂取であれば安全と考えられています。
サプリメントなどの利用は安全性が確かめられていません。
トラブルを避けたい方は、利用前に医師に相談しましょう。
タウリンを利用したい方は、注意点を確認しておきましょう。
過剰摂取と欠乏の影響を解説します。
アミノ酸の一種なので、摂りすぎてもそのまま排泄されると考えられています。
そのため、安全性の高い成分と考えられています。
ただし、好きなだけとって良いわけではありません。
目安量に従うなど、常識的な利用が勧められています。
副作用としては、吐き気、下痢などが報告されています。
体内で合成できる成分なので、健康的な食生活を送っている限り欠乏する心配はないと考えられます。
とはいえ、不足する恐れはあるので、積極的に摂ることが勧められています。
タウリンを利用したい方は、相性の良い成分と相性のあまり良くないものを抑えておきましょう。
効率よくタウリンを利用できるはずです。
ビタミンB群には、エネルギー代謝に関わる働きがあります。
例えば、ビタミンB1は糖質の代謝に関わり疲労回復ビタミンと呼ばれています。
この働きから、疲労回復効果を期待できるタウリンと相性が良いといわれています。
エナジードリンクなどに、タウリンと一緒に配合されていることが多い成分です。
疲労回復効果はありませんが、覚醒効果(目を覚ます効果)はあります。
一時的に、スッキリできるので、頑張りたいときにタウリンと一緒に摂ると良いといわれています。
ただし、摂りすぎには注意が必要です。睡眠障害や中枢神経関連の問題を生じる恐れがあります。
医薬品との相互作用は指摘されていません。
ハーブやサプリメントとの相互作用は、十分なデータがないためわかっていません。
他のハーブやサプリメントと一緒に利用する場合は、念のため医師に相談しましょう。
タウリンは、身近な食品に含まれています。
食事からタウリンをとりたい方は、次の食品などを利用すると良いでしょう。
タウリンは魚介類に多く含まれています。
中でも、多く含むのが牡蠣です。100gあたりの含有量は1100㎎程度です。
タウリンを効率よく摂りたい方は、牡蠣を利用すると良いでしょう。
タコもタウリンを多く含みます。
含有量は、100gあたり800㎎程度です。
牡蠣に比べると少ないですが、牡蠣よりも身近な食材である点は魅力です。
季節を問わずタウリンをとりたい方にお勧めの食品です。
タコと同じく、以下もタウリンを豊富に含みます。
100gあたりの含有量は、タコよりも少し少ない750㎎程度です。
タコと同じく利用しやすい点は魅力です。
様々な料理に活用できます。
アサリもタウリンを摂りやすい食品です。
100gあたりの含有量は400㎎程度です。
酒蒸しやおみそ汁などにアサリを利用すれば、タウリンをしっかり摂れます。
以上のほかでは、スルメもタウリンを含みます。
スルメの表面についている白い粉がタウリンです。
お酒を飲む方は、オツマミにスルメを利用すると二日酔いを防ぎやすくなるかもしれません。
タウリンは、硫黄を含むアミノ酸・含硫アミノ酸のひとつです。
ヒトの体内で合成可能で、心筋や筋肉、脳などに多く存在します。
興味のある方は、タウリンを多く含む魚介類を利用すると良いでしょう。
お手軽にタウリンをとりたい方には、サプリメントの利用がオススメです。
様々な効果を期待できるので、タウリンを含むサプリメントが登場しています。
利用しやすいサプリメントを見つけてみてはいかがでしょうか。
参考サイト
「タウリン1000mg配合!!」と強調している栄養ドリンク – 五本木クリニック