健康意識の高い方などから愛用されていることが多いビタミンB1。
ビタミンB1には、どのような効果・効能を期待できるのでしょうか。
ビタミンB1の概要、摂り方などとあわせて解説いたします。
興味のある方は参考にしてください。
健康意識の高い方などから愛用されていることが多いビタミンB1。
ビタミンB1には、どのような効果・効能を期待できるのでしょうか。
ビタミンB1の概要、摂り方などとあわせて解説いたします。
興味のある方は参考にしてください。
最初に、ビタミンB1の概要を解説いたします。
どのような成分なのでしょうか。
ビタミンB1は、チアミンと呼ばれることのあるビタミンです。
糖質からエネルギーを作り出すときに不可欠なビタミンで、神経機能の維持にも深く関わります。
一般的に、糖質の多い食品やアルコールをたくさん摂取している方で不足しがちといわれています。
欠乏すると健康に悪影響が現れるので、十分な量を摂取したいビタミンと考えられています。
ビタミンB1は、1910年に東京帝国大学の教授・鈴木梅太郎博士により、脚気(かっけ)を防ぐ成分として発見されました。
残念ながら、論文を日本語で発表したため世界的に認知されることはありませんでしたが、世界で初めてビタミンを発見したとされています。
ビタミンは、性質から水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けることができます。
水溶性ビタミンは水に溶けやすいビタミンで脂溶性ビタミンは油に溶けやすいビタミンです。
ビタミンB1は水溶性ビタミンに分類されます。
水溶性ビタミンは血液などに溶け込み摂りすぎた分は尿として排出されます。
対する、脂溶性ビタミンは肝臓などに蓄積されます。
これらの違いから、ビタミンB1をはじめとする水溶性ビタミンは、たくさん摂っても摂りすぎにつながりにくいと考えられています。
ビタミンB1にはいくつかの効果・効能が期待されています。
ビタミンB1の主な効果・効能といわれているのが疲労回復です。
この効果・効能から「疲労回復ビタミン」と呼ばれることもあります。
ビタミンB1が疲労回復ビタミンと呼ばれる理由は、糖質からエネルギーを作り出すときに必要不可欠な栄養だからです。
疲労回復とあわせて期待できる効果・効能が神経機能の維持です。
神経機能の司令塔といえるのが脳で、そのエネルギー源となるのがブドウ糖です。
ビタミンB1は、体内でブドウ糖を作り出すときに欠かせないビタミンです。
このことから正常な神経機能の維持にもかかわると考えられています。
ビタミンB1は疲労の回復に深く関わります。
具体的に、どのようにかかわるのでしょうか。
先ほど紹介した通り、ビタミンB1は「疲労回復ビタミン」と呼ばれることがあるビタミンです。
別名からわかる通り、疲労回復に深く関わると考えられています。
身体がだるい、疲れが取れないなど感じている方は、ビタミンB1を摂るとよいかもしれません。
ビタミンB1は、糖代謝に深く関わっています。
私たちの身体に取り入れられた糖質の多くは、ブドウ糖として吸収されて、細胞のミトコンドリア内でエネルギーとして活用されます。
必要不可欠な働きを担うのがビタミンB1です。
ビタミンB1が欠乏すると糖代謝が上手く働かなくなるのです。
体内のブドウ糖は、ピルビン酸という物質に変えられたのちアセチルCoAという物質に変換されてエネルギーとなります。
ピルビン酸からアセチルCoAに変換するときに働く酵素がピルビン酸デヒドロゲナーゼです。
ピルビン酸デヒドロゲナーゼが働くために必要な補酵素がチアミンピロリン酸です。
チアミンピロリン酸は、ビタミンB1の活性型です。
ピルビン酸をアセチルCoAに変換できないと、体内にピルビン酸と乳酸が蓄積して、血液が酸性に傾きます。
この状態がひどくなると、吐き気や疲労感などが現れ、命にかかわることもあります。
ビタミンB1は、健康維持に深く関わるビタミンといえるでしょう。
ビタミンB1は、血液などに溶けやすい水溶性ビタミンなので体内の蓄積量は少ないと考えられています。
そこで注目を集めているのがにんにくとの関係です。
ビタミンB1がニンニクに含まれるアリインと反応すると脂溶性に変わります。
吸収が促進されるので、ビタミンB1の働きを持続しやすくなるといわれています。
つまり、疲労回復効果を高めることが出来ると考えられているのです。
ビタミンB1の疲労回復効果が気になる方は、ニンニクと一緒に摂るとよいかもしれません。
にんにく卵黄がその具体例となります。
ビタミンB1を摂りたい方は、どのように摂ればよいのでしょうか。
ビタミンB1の摂り方を解説します。
ビタミンB1の推奨量は、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」に次のように定められています。
ビタミンB1の推奨量 | ||
男性 | 女性 | |
推奨量(mg/日) | 推奨量(mg/日) | |
1~2歳 | 0.5 | 0.5 |
3~5歳 | 0.7 | 0.7 |
6~7歳 | 0.8 | 0.8 |
8~9歳 | 1.0 | 0.9 |
10~11歳 | 1.2 | 1.1 |
12~14歳 | 1.4 | 1.3 |
15~17歳 | 1.5 | 1.2 |
18~29歳 | 1.4 | 1.1 |
30~49歳 | 1.4 | 1.4 |
50~69歳 | 1.3 | 1.0 |
70歳以上 | 1.2 | 0.9 |
摂取のタイミングに関する特別な決まりはありません。
食事で摂る方は食事のタイミングで、サプリメントで摂る方は好きなタイミングで摂ればよいと考えられます。
排出されやすい水溶性ビタミンなので、複数回に分けて摂取したほうが体内で利用されやすいといわれています。
気になる方は、この点を参考に摂取すると良いでしょう。
妊婦さん・授乳婦さんともビタミンB1の付加量が定められています。
身体活動レベルが普通の方で、1日当たり+0.2㎎の付加が勧められています。
20代・30代女性の妊婦さん・授乳婦さんで1日あたり1.3㎎が推奨量となります。
妊婦さん・授乳婦さんは、ビタミンB1をやや多めに摂ったほうが良いでしょう。
ビタミンB1を利用したい方は、注意点も確認しておきましょう。
過剰摂取・欠乏の影響を解説します。
体内に蓄積されにくい水溶性のビタミンなので、過剰摂取の悪影響は報告されていません。
ただし、好きなだけとってよいわけではありません。
サプリメントなどを利用する方は、メーカーが定める目安量を守るようにしましょう。
ほとんどの方で安全に利用できると考えられているので、安全性も高いと考えられています。
ごくまれにアレルギー反応を起こす方がいる点には注意が必要です。
摂取してから異常を感じる方は医師に相談しましょう。
ビタミンB1が欠乏すると様々な影響が現れます。
糖代謝が滞るのでエネルギーをうまく作り出せなくなるからです。
ビタミンB1の欠乏で注意したいのが脚気です。
同じく、ビタミンB1の欠乏で注意したいのがウェルニッケ脳症です。
脚気とは、ビタミンB1の欠乏により末梢神経障害や心不全などが起こった状態です。
初期の脚気では食欲不振や全身の倦怠感などが現れます。
症状が重くなると、四肢のしびれ、浮腫み、動悸、息切れ、血圧低下などの症状も現れます。
最終的には、寝たきりになり心不全を起こして死に至ることがあります。
ビタミンの研究が進んだこと、栄養状態が改善したことなどにより、脚気にかかる人はほとんど見られなくなりました。
ウェルニッケ脳症は、ビタミンB1の欠乏により脳がエネルギー不足になり引き起こされる脳症です。
注意力散漫、せん妄などの意識障害、バランス感覚を失いうまく歩けないなどの運動障害、眼球が震えるなどの眼球運動障害などが現れます。
適切に治療を受けないと後遺症が残る恐れがあります。
幸いなことに、最近ではビタミンB1の欠乏が起こることはほとんどないとされています。
ただし、インスタント食品中心の食生活を送っている方や過度な食事制限を行うダイエットに取り組んでいる方などは例外です。
ビタミンB1欠乏予備軍になっている可能性があるといわれています。
また、清涼飲料水など甘いものを大量に摂ると、糖代謝が過度に行われて一時的にビタミンB1が欠乏する可能性もあります。
ビタミンB1の欠乏が気になる方は、積極的に補いましょう。
ビタミンB1を活用したい方は、相性の良い成分と相性のあまり良くないものも抑えておきましょう。
ビタミンB1を効率よく利用できるはずです。
水溶性のビタミンB1は体内に蓄積しづらいと考えられています。
ビタミンB1とアリイン・硫化アリルが反応すると脂溶性に代わるので吸収が促進されます。
そのため、これらの成分はビタミンB1と相性が良いといわれています。
アリインはにんにく、硫化アリルはねぎやニラに多く含まれています。
ビタミンBの仲間には、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンなどがあります。
これらをまとめてビタミンB群といいます。
ビタミンB群には相互作用があるので、一緒に摂ると効率よく働くと考えられています。
ビタミンB1を摂りたい方は、あわせてその他のビタミンB群も摂ると良いでしょう。
サプリメントを利用すれば、ビタミンB群を効率よく摂れます。
清涼飲料水やアルコールなどを大量に摂取すると一時的にビタミンB1が不足しやすくなります。
これらを摂ることでビタミンB1を大量に消費してしまうからです。
ビタミンB1が不足すると健康に様々な悪影響が及びます。
糖質の多い食品やアルコールの摂りすぎには注意したほうが良いでしょう。
一部の医薬品と相互作用がある可能性が指摘されています。
何かしらの医薬品を服用中でサプリメントなどからビタミンB1を摂りたい方は、念のため医師に相談しましょう。
ビタミンB1は身近な食品から摂ることができます。
食事からビタミンB1を摂りたい方は、次の食品を利用すると良いでしょう。
動物性食品では豚肉がオススメです。
豚もも100gには0.90㎎、豚ロース100gには0.69㎎、豚かた100gには0.66㎎のビタミンB1が含まれています。
ニンニクと一緒に炒めれば、ビタミンB1を効率よく吸収できるかもしれません。
ビタミンB1を摂りやすい食品のひとつが玄米です。
100gあたり0.41㎎のビタミンB1を含みます。
この量は、精白米の約5倍です。
玄米が苦手な方は、白米2合に玄米1合を混ぜて炊くと良いでしょう。
食感などを大きく変えることなく玄米を食べることができます。
そば粉もビタミンB1が豊富です。
100gあたり0.46㎎のビタミンB1を含みます。
玄米に飽きた方はそばを食べてみてはいかがでしょうか。
乾燥したゴマ100gには0.95㎎のビタミンB1が含まれています。
一度に大量のゴマを摂ることは難しいですが、料理に振りかけるなどすれば小まめに摂ることはできます。
ビタミンB1を摂りたい方は、ゴマを上手に利用すると良いでしょう。
ビタミンB1は水に溶けやすい水溶性のビタミンです。
食生活が乱れている方などでは欠乏することがあります。
気になる方は、食生活を見直しましょう。
あるいは、サプリメントから補うこともできます。
サプリメントの魅力は、手間をかけずに効率よくビタミンB1を摂れることです。
食生活の見直しが難しい方や面倒な方は、サプリメントからビタミンB1を補うとよいかもしれません。
食生活が乱れがちな方やビタミンB1を積極的に摂りたい方は、サプリメントを利用すると良いでしょう。
サプリメントを利用すればビタミンB1を効率よく摂取できます。
糖質を燃やしてエネルギーに変えるビタミンB1を配合したサプリメントです。
1日の目安量に当たる2粒で28㎎のビタミンB1を摂ることができます。
40日分で680円と安価なので利用しやすいサプリメントといえます。
大塚製薬が製造・販売している点も魅力です。
糖質の摂りすぎが気になる方やスポーツをしている方などにオススメされています。
参考サイト
ビタミンと神経疾患ついて – 伊月病院
ビタミンB1とは| 一般社団法人 日本サプリメント協会