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会社を退職するときの流れは?「退職願」の書き方や注意点も紹介!

 

退職をする際、「退職願をどう書いたらいいのかわからない」と頭を悩ませる方は少なくありません。人生の中でそう何度も書く必要があるものではありませんが、退職願の正しい書き方を学んでおきましょう。合わせて、退職願を提出するときの注意点もご紹介します。

 

目次

「退職願」と「辞表」・「退職届」は違う意味?それとも同じ?

退職願とは、勤務先に退職したいという意思を伝え、労使関係を解消してくれるよう申し出るものです。一方、退職届とは「退職します」という意志を届け出るものです。退職願が「申し出に会社が承諾し、その後受理される」というステップを踏むのに対し、退職届は受理さえされればそのまま退職となります。退職願は「承認される前に取り消す」と言ったことも可能ですが、退職届は基本的に後からの取り消しはできません。

これらと似たものとして、辞表というものもありますが、これは取締役など会社役員のような立場の人が役職をやめるときに使うものです。普通の社員の場合は主に退職願を用いるのが一般的です。稀に退職願を提出した後、改めて退職届の提出を求められることもあります。

そもそも退職願って会社に提出するもの?

民法では、退職に際して「意思表示」を行うことは求められていますが、必ずしも退職願のように書面にする必要性はありません。ただし、後々「退職の意志を示した」という証拠として残しておくことができるので、退職願を提出する意味はあります。

退職願の書き方

退職願は、体裁の決まっているものなのでパターンを覚えてしまえば書くのはさほど難しくありません。具体的に書くタイミングや書き方をご説明しましょう。

提出するタイミングは?

民法では、退職の意思表示を行うタイミングは「14日前まで」と定められています。一般的には、業務の引き継ぎといった問題もあるので、退職の1~3ヶ月前には退職の意志を会社に伝えておいた方がいいでしょう。退職願を提出するタイミングは、口頭で退職の意思を伝えた後、上司と相談して決めればOKです。

使用する筆記用具

ボールペンや万年筆など、黒いインクのものを使って縦書きの白い便箋に書きます。書き上げた退職願をそのまま提出するのではなく、提出時は封筒に入れて渡しましょう。白い封筒の中央に「退職願」とタイトルを記述し、自身の所属部署名と名前を裏面に書きます。

用紙サイズはB5、A4が一般的です。封筒は用紙がB5であれば長形4号、A4であれば長形3号を使用すれば、それぞれちょうど3つ折りで収まります。

書き方の注意点

本文を書くときは、次のような点に注意してください。

タイトル

タイトルは「退職願」です。縦書きですから便箋の左側、高さで言えば上下のちょうど中央あたりに記入します。

本文の書き出し

本文の冒頭は、「私事、」と最下部に詰めて書き、その後行を変えて本文を書き始めてください。「私事で恐縮ですが」というような謙遜の表現になります。

退職理由の伝え方

退職理由については、「一身上の都合により」とするのが一般的です。具体的な理由を書く必要はありませんし、書かないほうが適切です。

退職期日

理由と合わせて退職の期日も記入します。続けて書くと、「この度、一身上の都合により来る○年○月○日を持って退職させていただきたく、ここにお願い申し上げます」となります。この例文と全く同じ文面でOKです。

署名押印

本文の後は一行開けて、退職願を記入した日付、所属する部署、氏名とそれぞれ改行しながら順番に記入していきます。氏名の下には印鑑で押印します。当たり前ですがシャチハタは使わず、正式な印鑑で押印してください。

宛名

末尾には宛名を書きます。宛先は会社の社長です。「株式会社○○ 代表取締役社長 ○○殿」と記入してください。社長の名前の位置が自身の名前より上に書かれるようにすると、謙遜する表現になります。

退職に必要な手続きの流れ

退職願を出すだけで退職が完了するわけではありません。退職願を出した後は、退職までには「必要書類の受け取り」と「返却物の提出」という2つの手続きが必要です。退職に必要な手続きの流れを予習しておきましょう。

退職に必要な書類

まずは退職の手続きの際、必要となる書類を確認しておきましょう。

退職願

すでにご説明したとおり、退職願は法的に必要というものではありませんが、「間違いなく退職の意志を示した」ということ客観的に確認できる書類なので、会社から求められなくとも提出しておくくのが無難です。

退職届

企業によっては、退職願を提出しても改めて退職届の提出を求められる場合があります。会社に決まった退職届のフォーマットがあるようなケースが該当します。

秘密保持に関する誓約書

退職者に対して、秘密保持に関する誓約書を提出するよう求める企業もなかにはあります。「退社後3年間は同一業界には就職しない」など、退職者がその後会社にとって不利になる行動を取らないよう一定の拘束を与えるのが目的です。

退職時に会社から受け取る書類

退職した後、次の会社への転職などに必要となる書類のリストです。すべて忘れずに勤務先から受け取っておきましょう。

年金手帳

年金手帳は、勤務先に預けて管理してもらっているケースが多いので忘れずに受け取っておきましょう。

雇用保険被保険者証

一般的には勤務先が預かっていることの多い書類です。退職すると、今までの会社から新しい会社へ保健の切り替えが必要になるので、受け取っておく必要があります。

離職票

退社した後、すぐに転職できない場合など、失業保険の給付を受けるには離職票が必要です。退社後しばらくしてから郵送されることが多いので、事前に受け取り方を確認しておいてください。

健康保険被保険者資格喪失証明書

退社から転職までに一定の期間が空いてしまう場合などは、一時的に国民健康保険への切り替えを行わなければいけません。この書類は保健の切り替え手続きに必要です。

源泉徴収票

退職と転職を同一年中に行う場合、新しい会社で年末調整が必要になります。そのとき必要になるのが源泉徴収票です。離職票と同じく、退社後郵送されるケースが多いので、受け取り方法だけ確認しておきましょう。

退職時に会社に返却するもの

仕事に伴って会社から支給されていたものは、退職時に返却しなければいけません。一般的にどのようなものがあるかご紹介しましょう。

社員証・ネームプレート

その会社の社員であることを示す身分証明書は、会社を辞めるにあたり返却する必要があります。

制服

同様に、決められた制服や作業着がある場合は返却します。クリーニングできれいにしてから返却すると印象がいいでしょう。

名刺

自身の名刺に加えて、仕事の中で得た取引先の名刺なども提出します。

通勤定期券

通勤の必要がなくなるわけですから、会社支給の定期券がある場合は返却します。

健康保険証

先にご説明したとおり、健康保険も失効、切り替えとなるので保険証は返却しなければいけません。任意継続の手続きに保険証番号が必要となるので、念のためコピーをとってから返却するといいでしょう。

支給されていた備品

ノートパソコンやタブレットなど、会社支給の備品がある場合は返却します。ロッカーやデスク、事務所などの鍵も忘れずに返却しましょう。

社外秘の資料

社内の人間ではなくなるので、社外秘の資料を持っているなら返却してから退職します。

退職に伴って必要となる書類や返却物の種類は意外と多いことに気が付くと思います。これだけ種類があるとついつい忘れてしまいがちなので、念入りにチェックしてください。

退職を会社に報告する時の注意点

最後に、退職を会社に伝える際の注意点をご紹介します。退職するとき、いきなり退職願を持っていったのでは上司もびっくりしてしまうでしょう。次のようなステップに沿って、段階的に報告してください。

口頭で退職の意志を伝える

まずは、「折り入ってお話があるのですが…」などと切り出し、口頭で退職したい旨を伝えます。直属の上司に2人きりになれる静かな環境で伝えるのがいいでしょう。

退職願の提出方法を確認する

退職の意志を伝えた上司に、退職願をいつ、どのように提出すればいいか確認します。退職願を受け取る側も心の準備が必要なので、事前に確認しておくことで驚かせずに済みます。

退職願を提出する

相談した期日を迎えたら、退職願を提出しましょう。このほか、業務の引き継ぎはスケジュールを立てて並列的に進めておく必要があります。会社から貰うべき書類は事前に受け取り方法を確認し、返却物は遅くとも退職日までに返却しておけばOKです。退職日にはお世話になった人々への挨拶を済ませ、清々しく最後のときを迎えられるようにしましょう。

まとめ

退職願は「退職の申し出を行い、受理されれば退職が決定する」という書類です。「受理される前であれば考え直せる」、「退職の意志を示したということを証拠に残しておける」のが特徴です。典型的なフォーマットが決まっているので、それを覚えてしまえば書くのは難しくありません。

退職時の注意点は、「会社から受け取るもの」と「会社へ返却するもの」の処理を忘れないようにすること。そして、退職願を出すときは順序を踏んで提出することです。書類の受け取りと返却物の提出が済んでいないと、転職手続きができなくなったり、退職後再び会社に出向かなくてはならなくなったりする可能性もあります。退職の意志はまず口頭で伝え、会社と相談して退職願を出すタイミングを選んでください。

「お世話になった会社を退職するのは心苦しい」と考える人も少なくないと思います。だからこそ、退職の手続きはスムーズに進めなければいけません。ともに働いた仲間たちから気持ちよく送り出してもらうことで、新生活のスタートを前向きな気持ちで迎えられるのです。