MENU

男性看護師の転職理由は?年収・給料等の将来性がある求人の探し方

 

まだまだ需要の少ない男性看護師の世界ですが男性看護師の転職状況や給料事情といった現状をご存知ない方も多いと思います。

各種病院における男性看護師の役割や男性看護師の転職状況、給料事情といった要点に視点を置き全国的統計・自己の経験を踏まえお話させていただきます。

 

目次

男性看護師の割合ってどれくらい?

平成26年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況のデータによりますと、全国の男性看護師数は73.986人です。

割合としては7.3%程度といわれています。7.3%という数字を見ると意外と多いと感じる方もいらっしゃるとは思いますが統計分析を各病院単位で当てはめてみると各病棟に1人男性看護師がいるかいないかの計算になります。

男性看護師の推移では2004年、男性看護師総数が3万1594人であるのに対し2014年(平成26年)では73.986人と10年で倍の上昇を認めています。現在も男性看護師の人数は右肩上がりであり更なる男性看護師の上昇、需要の拡大が予測されています。

私も今まで様々な病院をみてきましたが、現在の状況では、どこの部署においても部署人数に対して多くて約1割。大学病院や急性期病院等の大手病院においても1割~1.5割いるかいないかの比率でした。もちろんですが産科・婦人科病棟での男性看護師はいません。

上記のような現状から男性看護師は上昇傾向にありますが、まだまだ浸透してないことがわかります。男性看護師がより増えてくれば各部署に配属される男性看護師も増え精神的な支えやモチベーションアップにもつながります。現状での上昇数をたどれば男性看護師の部署比率があがってくることは近い将来だと推測されます。

参考文献:平成26年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

男性看護師の平均年収や給料ってどれくらいなの?

統計や年齢によって値は様々ですが男性看護師の平均年収は475万といったところでしょう。決して高くない数字ではありますが夜勤の頻度や残業により多少なりとも変動があるようです。悪まで統計の平均値なので自分の働き次第ではそれ以上にも以下にもなります。

今後、更なる高齢化社会が進み看護や介護の手がいっそう必要となることは間違いないでしょう。よく看護師は高給取りだと一般の方から耳にすることがありますが私はそうは感じません。仕事量も多く、様々なリスクを看護師は常に背負っています。同職だからこそ言えることですが患者様やその家族、医者の間に挟まれ精神的なダメージもはかり知れません。どの仕事にもそれぞれの忙しさや苦労がありますが看護師の多くは給料体制や仕事量に対する金銭的支給額に対し相応しないと思っている方がほとんどだと思います。

現状、看護師の全国的な給料アップといった話はないですが現代の社会情勢や医療従事者の需要といった視点からみた際、多少の昇給も期待できるのではないかと私は考えます。少なからず現状の給料(全国平均)を下回ってくるといった問題は今のところはないでしょう。

女性看護師と比較してどうなの?

前述でも述べたとおり男性看護師の平均年収は475万、対して女性では474万と男女比による有意差はみられません。夜勤の頻度や役職により給料の差は生じますし、女性はライフイベントが多くブランクがあくことからそこでの誤差は生じるようです。

しかし性別によって給料に差がでることはないと言っても過言ではありません。

一般のサラリーマンと比較してどうなの?

統計によってデータは異なりますがサラリーマンの平均年収は499万円となっています。男性看護師の平均年収は475万なので一般的な平均年収では男性看護師のほうが下回ることになります。しかし、サラリーマンのようにリストラや給料カットといった問題からは回避されますし、一般企業に比べ給料が安定しているということが看護師の長所かもしれません。また、出張がないことや転職に困らないこと、転職後もキャリアを活かせる事が看護師の魅力かもしれません。

参考文献:日本看護協会

男性看護師のメリット・デメリットは?

メリット

① 女性看護師に比べライフイベントによる休みがなく仕事に対してのブランクない

女性看護師の多くは出産や育児をきに子育を優先できる仕事、例えばパートや派遣といった転職を考えるそうです。又、子供の成長段階に合わせ勤務形態を調節しないといけない方も私の周りには少なくありません。休業したことでブランクがあき馴染めるか、家庭との両立に不安を感じるなどの声が女性看護師には多くあがりますが男性看護師はそういった問題からは回避されます。その為、長いスパンで働けるということがメリットにあがると考えられます。また、ブランクがなく長いスパンでの勤務が可能なことから役職や専門・認定看護師など資格取得に対し男性を優遇する病院もなかにはあるそうです。

頼りにされる・可愛がられる

力仕事が多い為、なにかと業務以外のことでも頼りにされる事が多いです。又、実習や実際感じている方もいらっしゃるとは思いますが女性社会の中で男性が働くことから異性というだけでなにかと重宝されます。やはり、男性、女性双方に言える事ですが同性、異性に対する関わりは多少なりとも違うはず。そういった面では男性看護師は働きやすい環境かと思われます。しかし、人より行動が目立つ事から、それが仇となるケースもあるので注意が必要です(笑)。

デメリット

同性の職場仲間が少ない

前述でも述べたように女性看護師の多い職場ですので同性の職場仲間が少ないことがデメリットかもしれません。同性だからこそ話したい事や相談もあると思いますが女性社会での環境上、難しい事が多くネックに感じる男性看護師も少なくないはずです。私も初めはその環境にかなり苦戦をしましたし現在においても不憫に感じることは多々あります。

しかし、病院では多職種が交わるため同性の友達を作りたい方などは他部門との交流を交えたり、他病棟の男性看護師と打ち解けるなど手立ては沢山あります。病棟という狭いくくりで考えず病院といった視点から友達作りを初めてみてはどうでしょう。

女性社会で男性看護師の立ち位置は難しいかもしれませんが看護師の免許をとった以上、そこは上手く付き合っていかなければなりません。女性社会で悩んでいる男性看護師の方は多いと思いますが関わり次第でアウェイをホームに変えられます。一人で悩まず周囲への相談やネットワークを使い溜め込まない事が大切です。悩んでいるのはあなただけではありませんよ。

余談になりますが、日本男性看護師会をご存知ですか?全国の男性看護師、男子学生のみが参加できる学会で男性看護師の演説や交流を深める場です。私も一度参加したことがありますが悩みや自己展望を共有でき、とても楽しい学会でした。こういったコミュニティーサークルに参加し情報共有の場をもつことも新しい自分をみつけるヒントになるかもしれません。

男性看護師が転職する理由は?

転職する理由は様々ですが女性と違い男性の多くは将来設計できる仕事環境や給料面を重視し転職される方が多い印象を受けます。中には女性社会に馴染めない・溶け込めないとの理由で転職されることも男性看護師特有の転職理由といってもいいでしょう。

私の場合は将来、認定看護師を取得したいという夢があるため派遣という制度をつかって様々な病院で働き、個々の病院のやり方や制度、技術を学んでいます。

人によっては向き、不向きなどを理由に退職されるかたも少なくありませんが将来、役職を目指される方などは一つの病院で長く勤め実績をあげることが理想かもしれませんね。男性看護師を必要としている病院は沢山ありますので自分のやりたいことを見極めるという点では転職はいい機会だと私は感じます。

男性が働きやすい職場や科は?

職場や科は個々の性格や向き不向きにより左右されますが、やはり男性看護師の多い職場は人気があるようです。同性が多い分、仕事での悩みや不安を共有できることが人気の要因のようです。ではどのような職場や科に男性看護師が多いのでしょうか。下記にその理由も踏まえまとめてみました。

精神科病院・精神科病棟

御存じの方も多いとは思いますが男性看護師が一番多い病院は精神科病院となっています。男性看護師の比率は約3割が平均だといわれています。稀ではありますが半数以上が男性看護師というケースもあるようです。

精神科病院では暴力行為や患者を抑制するなど一般病院に比べ危険を伴うと言われています。そういった場面が多い事から力も必要とされ、特殊性のある看護を要することから比較的、男性看護師が優遇される傾向にあります。

又、男性看護師が他病院や他病棟に比べ多い事から、女性社会での人間関係構築が困難な方や同性の多い職場を望んで転職される方も少なくないようです。

ER・ICU等の超急性期病棟

男女比でみると男性看護師は1.5割前後と少ない数字ではありますが病棟に比べると若干多い印象を受けます。

急性期病棟ではとっさの判断力を必要とし幅広い知識も要することからブランクのない男性看護師を優遇する病院もあるようです。又、急変時の対応や過酷労働等の体力も必要とされる為、男性看護師が必要とされる場面が比較的多いと考えられます。

手術室

こちらも比較的、男性看護師が多い現場であると感じます。

病棟業務とは違い、外回りや機械出しといった特殊業務が主であり、機械出しに至っては現場の状況や手術の進行に応じた予測判断が必要となります。又、外科的手術では長期化することが多く、体力・集中力も必要視される為、男性看護師が重宝される傾向にあるのではないかと考えられます。

個人的な意見ですが若いときには沢山知識も吸収できて学べる急性期がいいかもしれません。私も急性期でキャリアを積んでよかったと心から思います。慢性期の病院や精神科を経て急性期に飛び込む事は難しいですがその逆ならどの病院もほしがります。やはり経歴は大事ですので若いときには急性期で沢山の疾患や看護を学ばれたほうが今後の自分の強みになるはずです。

長いスパンをみて今の病院で働こうと思っている方は将来働いている自分を想像してみることもなにかのヒントになるかもしれません。

リスクを考えずに自分の興味分野や科で生涯働けることが理想的であると思いますが男性看護師は生涯、勤められる病院といった視点も重視し早めに将来の目標や展望を構築することをおすすめします。働きやすい環境を探すことも必要ですが働きやすい環境を自分で作ることも必要かもしれません。

男性看護師が転職で好条件な求人を探すポイント

これは男性、女性問わず言える事ですが自分がどの条件に優先を置くかです。私の経験からいくつか例をあげてみます。

給料重視

大学病院

残業や時間外での勉強会参加などが余儀なくされますが給料といった視点からは好条件なところが多いです。又、ボーナスも中小病院と比較し2倍程度の差がでると言われています。

夜勤専門・派遣

こちらも給料としては好条件。夜勤専門では生活リズムが崩れる、派遣ではボーナスがないといったデメリットもあがりますが、この二つはセカンドワークを掛け持ちしやすい為、更なる所得アップにも繋がります。病院で働いていたとしても夜専や訪問入浴等の掛け持ちバイトなどもできますが正社員ともなれば掛け持ちバイトを禁止しているとこも多く本来、正社員で働いている仕事がおごそかになる可能性も高い事が示唆されています。

夜専や派遣といった働き方はそのようなしがらみも少ない為、自分のニーズに合わせセカンドワークの充実が望めます。

スキルアップ・知識を身につけたい

勉強したいという方はER.・救急病棟やICU・HCUなど急性期病棟での勤務をオススメします。その分、一般病院に比べ勉強会や残業も多いですが急性期病棟では多疾患の患者が交わる事から幅広く疾患・看護を学ぶことができます。又、特殊な治療や処置も多くスキルアップといった面からみると急性期病院・病棟がいいでしょう。

家庭やプライベートを充実させたい

そういった方にはクリニックや精神科、一次病院など比較的残業がなく定時で帰れる病院をオススメします。こういった病院やクリニックは育児休暇や勤務調整の融通に優れており家庭を優先して働くことができます。

このように看護師の働きかたは無限大でどこに視点を置くかで大きく変わります。

自分の興味分野と重要視する点をピックアップしそれに似合った職場を探すことがベストかもしれません。多少の妥協も必要になるかもしれませんが自分が理想とする病院はきっとみつかるはずです。

まとめ

今回、男性看護師について多く述べてきましたが男性看護師の不安や悩みは皆さん似たような傾向にあります。今、転職を考えている方や今後の将来に不安を抱いている方も少なくないでしょう。そういった方は一度、視野を広げてみると違った視点からヒントがみえてくるはずです。

人の悩みも多種多様ですがこの記事をみて気持ちの整理やなにかのヒントに繋がれば幸いです。

皆さんが素敵な職場に廻り合いますように、そして男性看護師がより働きやすい環境を作っていけるように一緒に頑張っていきましょう。