女性にうれしい成分といわれることが多いイソフラボン。
具体的に、どのような成分なのでしょうか。
また、どのような効果効能を期待できるのでしょうか。
これらの情報とイソフラボンを摂取できる食品を解説します。
サプリメントなどの利用を検討している方は参考にしてください。
イソフラボンとは何か?
最初に、イソフラボンの概要を解説いたします。
イソフラボンはどのような成分なのでしょうか。
イソフラボンとは
イソフラボンは、マメ科の植物などに多く含まれるポリフェノールのひとつです。
具体的には、ポリフェノールの中のフラボノイドに分類され、苦みやえぐ味の元になります。
ポリフェノールの抗酸化作用
ポリフェノールは、植物が光合成をおこなうときに作られる物質で、紫外線などにより発生する活性酸素から植物自身の身体を守る役割を果たします。
つまり、活性酸素を除去する働き(=抗酸化作用)を期待できる物質です。
ヒトの身体においても、抗酸化作用を発揮すると考えられています。
植物性エストロゲン
イソフラボンが注目を集める理由は、ポリフェノールだからというだけではありません。
イソフラボンは、女性ホルモンのひとつエストロゲンとよく似た構造をしているので注目を集めています。
この特徴から、植物性エストロゲンと呼ばれることもあります。
エストロゲンと構造が似ているので、イソフラボンは女性ホルモンの受容体であるエストロゲン受容体と結合することができます。
受容体は、生理活性物質の働きを伝えるタンパク質です。
エストロゲン作用
イソフラボンには、弱いエストロゲン作用と弱い抗エストロゲン作用が期待できるとされています。
相反する作用が期待できる理由は、エストロゲンの分泌量が少ないときは受容体と結びつき弱いエストロゲン作用を発揮し、エストロゲンの分泌量が多いときは受容体と結びつきエストロゲンの働きを抑制するからです。
ユニークな働きを期待できる成分といえるでえしょう。
スーパーイソフラボン「エクオール」とは?
イソフラボンに期待できる女性ホルモン様の働きは、実感しやすい人と実感しにくい人がいます。
人によって異なる理由は、イソフラボンが腸内細菌によりエクオールという物質に変換されることで女性ホルモン様の働きを発揮しやすくなるからです。
イソフラボンより女性ホルモン様の働きを期待しやすいエクオールは、スーパーイソフラボンと呼ばれることがあります。
エクオールを作れる人
エクオールは、腸内細菌によりイソフラボンが代謝されることで作られる成分なので、「作れる人」と「作れない人」がいます。
人により腸内細菌は異なるからです。
古くから大豆を食べてきた日本人は、2人に1人がエクオールを作れると考えられています。
大豆をあまり食べてこなかった欧米人は3人~5人に1人程度しかエクオールを作れません。
日本人はエクオールを作りやすい民族と考えられますが、食生活の欧米化でこの傾向が変わりつつあるといわれています。
エクオールを作れるかどうかは尿検査で確認することができます。
検査キットを購入すれば自宅で調べられるので、興味のある方は試してみると良いでしょう。
イソフラボンの効果効能は?
続いて、イソフラボンに期待できる効果効能を解説します。
どのような働きがあると考えられているのでしょうか。
美容に良い
女性ホルモンのひとつ、エストロゲンには肌を美しく保つ働きがあります。
そのため、加齢や生活習慣の影響でエストロゲンの分泌が低下すると、シワやタルミなどが目立ちやすくなるとされています。
エストロゲンとよく似た構造のイソフラボンには、肌を美しく保つ働きが期待できるといわれています。
更年期障害の緩和
更年期障害とは、更年期に現れる様々な不調のことです。
更年期とは、閉経を挟んだ前後10年間くらいのことです。日本人女性は50歳前後で閉経に至るといわれているので、45歳から55歳くらいが一般的な更年期に当たります。
更年期に様々な不調が現れる理由は、卵巣機能の低下とともにエストロゲンの分泌量が急減するためです。
この変化に身体がついていけず、倦怠感、のぼせ、火照り、多汗、手足の冷え、耳鳴り、動悸などの身体症状、イライラ、不安、不眠などの精神症状が現れます。
イソフラボンには、弱いエストロゲン作用が期待できるため軽度の更年期障害であれば緩和できることがあるといわれています。
生活習慣病の予防
イソフラボンには生活習慣病を予防する働きも期待できます。
具体的には、動脈硬化を予防する働きが期待できるといわれています。
動脈硬化は、動脈が硬く、脆くなる病気です。
イソフラボンは、悪玉コレステロールの酸化を抑制することなどで動脈硬化を予防すると考えられています。
動脈硬化を予防すれば高血圧、心筋梗塞、脳梗塞なども予防しやすくなるので、イソフラボンは生活習慣病の予防に役立つといわれることがあります。
骨粗鬆症の予防
イソフラボンは、特定保健用食品に利用されている成分のひとつです。
具体体的には、「骨の健康が気になる方の食品」に含まれる成分として認められています。
「骨の健康が気になる方の食品」に利用されている理由は、
イソフラボンは、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐことで骨密度や骨強度を高める働きがあることからです。
エストロゲンに、同様の働きがあります。
閉経に伴う骨粗鬆症が気になる方が、注目したい成分といえるかもしれません。
イソフラボンは男性にも必要!?
イソフラボンは男性も注目したい成分といわれています。
男性は、どのような働きを期待できるのでしょうか。
女性ホルモンの働きは男性にも必要?
女性ホルモンは女性だけで分泌されるものと思われがちですが、男性でも分泌されています。
ただし、その量はごくわずかです。
男性にとっても無縁のものではありません。
ハゲを予防できる
イソフラボンには薄毛を予防できる可能性があるといわれています。
このように言われる理由は、過去に行われた研究で発毛や増毛の効果を確認できたからです。
具体的には、イソフラボンとカプサイシンを含むサプリメントを3カ月間摂取した方でこれらの効果が得られたと発表されています。
発毛や増毛効果が確認できた理由は、血行が促進されたことにより、毛母細胞の増殖などに必要なIGF-1が増加したからと考えられています。
前立腺の病気予防も?
男性ホルモンのひとつアンドロゲンは、前立腺がんの発生に関わっていると考えられています。
イソフラボンには、アンドロゲンの血中濃度を抑制する働きが期待できるといわれています。
このことから、一部ではイソフラボンが、前立腺がんを予防する可能性があるとされています。
アグリコン型イソフラボンがいい?
イソフラボンを効率よく利用したい方は、イソフラボンの種類に注意しましょう。
イソフラボンの種類について解説します。
アグリコンって?イソフラボンには2種類ある!
大豆製品に含まれているイソフラボンは2種類に分かれます。
ひとつがグリコシド型、もうひとつがアグリコン型です。
一般的な大豆食品には、グリコシド型のイソフラボンが多く含まれています。
アグリコン型とグリコシド型の違い
グリコシド型は、イソフラボンに糖類が結び付いた状態です。
腸内細菌の働きで糖類を分離する必要があるので、吸収まで時間がかかります。
グリコシド型から糖類が分離した状態がアグリコン型です。
糖類を分離する必要がないので、速やかに吸収できる、腸内環境の影響を受けないなどのメリットがあります。
摂取するならアグリコン型イソフラボン
不調を感じている方などは、腸の働きが悪くなっているためイソフラボンから糖類をうまく外せないことがあるといわれています。
このようなリスクに備え、目的をもってイソフラボンを摂りたい方はアグリコン型を選んだほうが良いと考えられています。
アグリコン型イソフラボンは、大豆発酵食品やサプリメントなどに多く含まれています。
イソフラボンの摂り方
イソフラボンを毎日の生活に取り入れたい方は、摂り方に気をつけましょう。
摂取量や摂取のタイミングなどに着いて解説いたします。
1日の推奨量や摂取量
イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値は食品安全員会により定められています。
具体的には、食経験とヒト臨床研究に基づき70㎎~75㎎/日(大豆イソフラボンアグリコン換算値)に定められています。
特定保健用食品としての安全な一日上乗せ摂取量の上限値は1日30㎎(大豆イソフラボンアグリコン換算値)です。
食事などから摂るイソフラボンと特定保健用食品などから摂るイソフラボンの合計が、一日で70㎎~75㎎を越えないように心がけると良いでしょう。
摂取のタイミングは?
イソフラボンは、一度にたくさん摂るよりも、何度かに分けて少しずつ摂る方が良いと考えられています。
血中濃度が安定するからです。
イソフラボンを活用したい方は、朝昼夕などに分けて摂るとよいかもしれません。
妊婦さんには付加量が必要?
ホルモンバランスに影響を与える恐れがあるため、妊婦さんや授乳婦さんはサプリメントなどからイソフラボンを摂ることは避けたほうが良いと考えられています。
一般的な大豆食品を適量食べることは問題ありません。
イソフラボンの注意点や副作用
イソフラボンを利用したい方は、注意点などについても確認しておきましょう。
過剰摂取や欠乏した場合の影響を解説します。
過剰摂取すると?
身近な食品に含まれる成分なので、基本的には安全に利用できると考えられています。
ただし、過剰摂取を続けると月経周期の延長がみられるなど、女性ホルモンの働きに影響を与える恐れがあります。
イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値である70㎎~75㎎は納豆2パック程度で摂れてしまいます。
サプリメントなどで上乗せ摂取する方は過剰摂取に注意しましょう。
欠乏すると?
現在のところ、イソフラボンはヒトの身体に必須の栄養素とは考えられていません。
そのため、欠乏の影響は特に指摘されていません。
とはいえ、様々な働きを期待できるので、積極的に活用したい成分といえます。
イソフラボンと相性の良い成分とあまり良くないもの
イソフラボンを効率よく活用したい方は、イソフラボンと相性の良い成分、相性のあまり良くないものをおさえておきましょう。
相性が良い成分
DHA
DHAには、中性脂肪を下げる働きがあります。
中性脂肪が多い方は善玉コレステロールが少ない傾向にあるので、中性脂肪を下げると善玉コレステロールが増える可能性があるといわれています。善玉コレステロールは、身体にたまった余分なコレステロールを回収します。
この働きは悪玉コレステロールの酸化を防ぐイソフラボンと相性が良いと考えられています。
相性があまり良くないもの
医薬品
ホルモン剤や抗がん剤などの中には、イソフラボンと相性があまり良くないものがあります。
何かしらの治療を受けている方は、イソフラボンを含むサプリメントなどを利用する前に主治医に相談したほうが良いでしょう。
イソフラボンを多く含んでいる食品
イソフラボンは身近な食品から摂ることができます。
具体的には、次の食品に多く含まれています。
大豆
大豆イソフラボンは、ほとんどの大豆食品に含まれています。
ただし、含有量は一律ではありません。
大豆100gには、140㎎程度の大豆イソフラボンが含まれています。
大豆イソフラボンのほかでは必須アミノ酸をバランスよく含みます。
味噌
味噌100gには、50㎎程度の大豆イソフラボンが含まれています。
塩分が多いのでまとまった量を摂ることは難しいですが、みそ汁などに用いれば手軽に大豆イソフラボンを摂ることができます。
納豆
納豆100gには74㎎程度の大豆イソフラボンが含まれています。
納豆1パックの重さは50g程度です。1パックで1日の摂取目安量の上限の半分を摂ることができます。
大豆イソフラボンのほか、ビタミンB2B6Eやカリウム、マグネシウム、鉄分、カルシウム、食物繊維などをバランスよく含みます。
朝食などで利用したい食品です。
豆乳
豆乳100gには25㎎程度の大豆イソフラボンが含まれています。
300gの豆乳で一日の摂取目安量の上限に達することになります。
簡単に大豆イソフラボンを摂れるので過剰摂取に注意が必要です。
その他の食品との兼ね合いも考えながら、豆乳の摂取量を決めましょう。
まとめ
イソフラボンはマメ科の植物などに含まれるポリフェノールのひとつです。
女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ているため、エストロゲンとよく似た働きが期待できます。
大豆食品が苦手な方は、サプリメントなどから摂るとよいかもしれません。
興味のある方は、過剰摂取や医薬品との兼ね合いに注意して利用すると良いでしょう。
イソフラボンが摂取できるサプリメント
イソフラボンはサプリメントからもとることができます。
次のサプリメントが、特に高い評価を獲得しています。
基本のサプリ キッコーマン
大豆イソフラボンとブドウ種子ポリフェノールを主成分としたサプリメントです。
1日の目安量である2粒で25㎎のイソフラボンと200㎎のブドウ種子ポリフェノールを摂ることができます。
これらのほか、カルシウムの吸収をサポートしてくれるビタミンD3(100gあたり30μg) 、年齢を重ねると吸収しにくくなる葉酸(100gあたり400μg)も摂ることもできます。
基本のサプリの大きな特徴となっているのが、アグリコン型イソフラボンを配合している点です。
糖が外れた状態のイソフラボンを配合しているので、腸内環境などの影響を受けずスムーズに吸収することができます。
変化を感じている女性などにオススメされています。
キッコーマンからだ想い「基本のサプリ」の初回キャンペーンや口コミを紹介!
SAZUKARI
「ママ活のカラダづくり」の栄養とコンディションをサポートしてくれるサプリメントです。
吸収しやすいアグリコン型イソフラボンのほか、厚生労働省が推奨しているものグルタミン酸型酵母葉酸、吸収性に優れたヘム鉄、ザクロ果皮エキス、ヒハツエキスパウダー、和漢由来成分ニクジュヨウを含みます。
保存料や着色料を使用せず、GMP認定工場で作られているので、デリケートな時期でも安心して利用できるはずです。
イソラコン
国内基準の農薬検査をパスした大豆胚芽のみを使用して作られたサプリメントです。
1日分の目安量である3粒でみそ汁10杯分(30㎎)のイソフラボンを摂ることができます。
アグリコン型イソフラボンを配合しているので、吸収しやすい点も特徴です。
20年以上にわたりイソフラボンの研究を続けてきたメーカーが作るイソフラボンのサプリメントなので、信頼性と実績を重視したい方にオススメです。
大豆イソフラボン+亜麻リグナン
大豆イソフラボンと亜麻の種から抽出した亜麻リグナン、ビタミンEを配合したサプリメントです。
1日分の目安量である3粒で25㎎のアグリコン型イソフラボン、20㎎の亜麻リグナン、28㎎のビタミンEを摂ることができます。
サントリーが、原料の選定や品質管理などを徹底して行っている点も魅力です。
活き活きした毎日を過ごしたい女性にお勧めされています。
参考サイト
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A:農林水産省
イソフラボンとは | 一般社団法人 日本サプリメント協会