サプリメントなどで見かけることがあるアルギン酸は、どのような成分なのでしょうか。
期待できる効果効能とあわせて、摂取できる食品、アルギン酸を含む人気のサプリメントを紹介します。
アルギン酸の利用を検討している方は参考にしてください。
アルギン酸とは何か?
アルギン酸の利用を検討している方は、どのような特徴のある成分か理解しておくと良いでしょう。
最初に、アルギン酸の概要を解説します。
アルギン酸とは
アルギン酸は、コンブやワカメ、ヒジキ、モズクなどの褐藻類に特有な多糖類の一種です。
褐藻類に含まれる食物繊維と言い換えることもできます。
乾燥藻体の30~60%程度を占めることから、褐藻類の主成分といわれることがあります。
昆布酸、海藻酸、ケルプなどと呼ばれる成分も、アルギン酸を意味します。
製品に利用されているアルギン酸は、主にコンブやジャイアントケルプ(オオウキモ)などから抽出されています。
海藻のヌメリ成分で天然の食物繊維?
褐藻類に特有の多糖類の一種と聞いてもピンとこない方が多いはずです。
アルギン酸は、海藻のヌメリ成分です。
昆布を70度以上のお湯で煮るとヌメリ成分が溶け出てきます。
ヌメリが出ると風味が失われるため、料理では沸騰直前に昆布を取り出すように勧められていることが多いはずです。
このヌメリ成分が、昆布に含まれている食物繊維であるアルギン酸なのです。
昆布などに含まれるアルギン酸はゼリー状で、細胞の隙間を埋めるように存在します。
海中で海藻がゆらめいているのは、アルギン酸によりしなやかさがもたらされているからといわれています。
トクホに認められている
アルギン酸には様々な効果効能が期待できるとされています。
中でも注目を集めているのが、コレステロールの吸収をしにくくする作用とお腹の調子を整える作用です。
アルギン酸は、コレステロールを吸収しにくくする食品、お腹の調子を整える食品として消費者庁許可の特定保健用食品に指定されています。
特定保健用食品とは、身体に影響を与える成分を含む食品で、その食品を利用する目的を記載して販売される食品です。
特定保健用食品の許可を受けるには、食品の有効性や安全性に関する審査を受けなくてはなりません。
アルギン酸の効果効能
アルギン酸には、様々な効果効能を期待できるとされています。
具体的に、どのような効果効能を期待できるのでしょうか。
腸内環境を整える
昆布やワカメなどには、不溶性の食物繊維であるアルギン酸カルシウムと水溶性の食物繊維であるアルギン酸カリウムが含まれています。
不溶性の食物繊維は、胃や腸で水分を含みカサを増すことで腸を刺激して排便を促します。
水溶性の食物繊維は、糖質などの吸収を妨げるとともに体外への排出を促します。
つまり、アルギン酸には、腸にたまった老廃物などの吸収を妨げて、排泄を促す効果効能を期待できるのです。
この働きから、腸内環境を整えることができるといわれています。
高血圧を予防
アルギン酸は、小腸で高血圧の原因であるナトリウムと結びつき排泄されます。
また、昆布やワカメなどに含まれるアルギン酸カリウムは、身体の中でアルギン酸とカリウムに分解されます。
アルギン酸と別れたカリウムも、ナトリウムの排泄を促します。
アルギン酸を摂ることで高血圧の原因であるナトリウムの排泄を促すことができるので、アルギン酸には高血圧の予防を期待できるといわれています。
動脈硬化予防
動脈硬化は、血管壁にコレステロール(脂質)がたまって、血管が硬くなった状態です。
血管が柔軟性を失い、血液の通り道が細くなるため、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを高める病気とされています。
水溶性食物繊維であるアルギン酸には、余分なコレステロールを包んで吸収を妨げる働きがあります。
不溶性食物繊維であるアルギン酸には、胆汁酸を吸収して排泄する働きがあります。
胆汁酸はコレステロールから作られるため、この働きによってもコレステロールの増加を防ぎます。
2つの働きから、アルギン酸はコレステロールの上昇を予防するとされています。
その結果、動脈硬化の予防も期待できるといわれているのです。
胆石を予防
胆石は、肝臓の右下にある胆のうに結石ができる病気です。
胆石の主な原因は、胆汁に含まれるコレステロールが胆汁酸などにより溶かしきれず結晶化することです。
胆石の主な成分はコレステロールなので、コレステロール結石と呼ばれることもあります。
アルギン酸には、コレステロールを吸収しにくくさせる働きあります。この働きにより、胆石の予防も期待できるといわれることがあります。
アルギン酸でダイエット?
アルギン酸はダイエットにも役立つといわれています。
なぜ、このように言われることがあるのでしょうか。
腸内環境を整えて便秘解消
便秘になると腸の中で悪玉菌が増えてしまいます。
悪玉菌が増えると、排出できない老廃物をもとに有害物質が沢山作られます。
腸で作られた有害物質は、血液に乗って全身に運ばれます。
その結果、代謝が悪くなり痩せにくい身体になるといわれています。
アルギン酸には、腸の蠕動運動を活発にして腸にたまった老廃物の排泄を促す働きと便を柔らかくして排出しやすくする働きが期待できます。
腸内環境を整え、便秘の解消を助けることでダイエットをサポートするといわれることがあるのです。
満腹感が持続
ヌメリ成分であるアルギン酸は、その粘着性で胃腸の中をゆっくり移動します。
満腹感が持続しやすいため、食べ過ぎやカロリーの摂りすぎを防ぐことができるとされています。
人の消化酵素ではほとんど分解されない食物繊維なので、ほとんどカロリーがない点も魅力です。
これらの働き、特徴によってもダイエットをサポートするといわれています。
コレステロール値を抑えられる
アルギン酸には、コレステロールを吸収しにくくする働き、胆汁酸の排泄を促す働きもあります。
これらにより、コレステロール値を抑えます。
食べ過ぎなどが気になる方は、コレステロール値が高くなりがちです。
ダイエットを気にしている方が、注目したい成分かもしれません。
サプリでよく見る「アルギン酸ナトリウム」って?
サプリメントなどの成分にアルギン酸ナトリウムと書かれていることがあります。
アルギン酸ナトリウムとはどのような成分なのでしょうか。
水溶性のアルギン酸塩とは?
アルギン酸は、単体で水に溶けません。
ナトリウムやカリウムなどと結びつき塩を作ることで水に溶けるようになります。
アルギン酸ナトリウムは、アルギン酸とナトリウムが結び付いた水溶性のアルギン酸です。
化粧品に配合されている
アルギン酸ナトリウムは、汎用性が高いため様々な商品に活用されています。
具体的には、サプリメントのほか、食品添加物、医薬品、化粧品、工業製品などに活用されています。
食品にも安全なアルギン酸
様々な商品に活用されているため、安全性に不安を感じた方が多いはずです。
アルギン酸は、合同食品添加物専門委員会(FAO/WHO)で「特定しない(=1日の許容量の上限を定める必要がない)」と評価され、
アメリカの厚生労働省にあたるFDAでGRAS(一般に安全と考えられる物質)に挙げられています。
基本的には、安心して食品に利用できる成分と考えられます。
アルギン酸塩を利用した食品添加物って?
アルギン酸は不溶性の物質ですが、一価イオンと塩をつくると水溶性になります。
ナトリウムイオンやカリウムイオンは一価イオンに分類され、これらと結びつくことでアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムができます。
また、カルシウムイオンのように二価イオンに分類されるものと化合すると、不溶性のアルギン酸カルシウムができます。
エステル化したものをアルギン酸エステルといい、
アルギン酸塩は粘性やゲル化を利用されることが代表的で、ドレッシング材などの食品添加物として利用されています。
アルギン酸単体でも食品の品質改良剤として利用されています。
食品添加物としてのアルギン酸ナトリウム
アルギン酸ナトリウムは、増粘剤やゲル化剤として利用されています。
そして増粘剤とゲル化剤としての力を組み合わせることによって安定剤としての役割も果たしてくれます。
タレやソースの増粘剤であったり、ゲル化剤としては人工いくらに利用されたり、アイスクリームの口溶けや食感のために安定剤として使用されています。
アルギン酸カルシウムは?
アルギン酸カルシウムは間接的に利用されていることが多く、アルギン酸ナトリウムと同じものに利用されています。
アルギン酸エステルって?
エステル化したアルギン酸は、アルギン酸ナトリウムと同じ役割になりますが、増粘性や安定性がアルギン酸ナトリウムより優れているものになります。
酸性であっても安定しているため、ジュースや乳製品でも利用することができます。
アルギン酸の摂り方
毎日の生活にアルギン酸を活用したい場合、どのように摂ればよいのでしょうか。
アルギン酸の摂り方を解説します。
1日の推奨量摂取量
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」に、アルギン酸の目標量や推奨量は記載されていません。
食物繊維の目標量は記載されているので、参考に紹介します。
食物繊維の目標量 | ||
男性の目標量(g/日) | 女性の目標量(g/日) | |
1~2歳 | - | - |
3~5歳 | - | - |
6~7歳 | 11以上 | 10以上 |
8~9歳 | 12以上 | 12以上 |
10~11歳 | 13以上 | 13以上 |
12~14歳 | 17以上 | 16以上 |
15~17歳 | 19以上 | 17以上 |
18~69歳 | 20以上 | 18以上 |
70歳~ | 19以上 | 17以上 |
摂取のタイミングは?
アルギン酸には、脂質の吸収を妨げる働きなどが期待できます。
この働きを期待したい場合、脂質の多い食事と一緒にアルギン酸を含む食品などを食べると良いとされています。
あるいは、食事の少し前にアルギン酸を摂っておくと良いといわれることもあります。
妊婦さんには付加量が必要?
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」にアルギン酸の記述がないので、妊婦さんや授乳婦さんの付加量も特に定められていないと考えられます。
食物繊維に関しても特に付加量は定めれていません。
ただし、好きなだけアルギン酸を摂ってよいというわけではありません。
妊娠期や授乳期の安全性ははっきりわかっていないとする意見もあるので、サプリメントなどから大量のアルギン酸を摂りたい方は念のため医師に相談したほうがよいかもしれません。
アルギン酸の注意点や副作用
アルギン酸を生活に取り入れたい方は、注意点も確認しておきましょう。
過剰摂取や欠乏の影響を解説します。
過剰摂取すると?
アルギン酸を含む食物繊維を摂りすぎると、下痢になる恐れがあります。
食物繊維を摂りすぎることは稀といわれますが、念のため注意が必要です。
アルギン酸を摂るために大量の海藻を摂り続けると、健康を害する恐れがあります。
海藻にはアルギン酸のほか、ヨードも多く含まれているからです。
甲状腺ホルモンの合成に欠かせないヨードですが、継続的に摂りすぎると甲状腺ホルモンを作る働きが抑制される恐れがあります。
日本人はヨードを摂りすぎている傾向があるといわれるので、アルギン酸の摂り方には注意したほうがよいかもしれません。
欠乏すると?
アルギン酸の欠乏による影響は特に指摘されていません。
アルギン酸を含む食物繊維が不足すると、便秘になりやすくます。
慢性的な便秘に悩まされると、太りやすくなる、生活習慣病のリスクが高まるなど言われています。
アルギン酸を含む食物繊維は、積極的に摂った方が良いでしょう。
アルギン酸と相性の良い成分とあまり良くない成分
アルギン酸を効率よく活用したい方は、相性の良い成分と相性のあまり良くない成分を覚えておくと良いでしょう。
どのような成分と相性が良く、どのような成分とあまり相性が良くないのでしょうか。
相性が良い成分
カリウム
アルギン酸には、ナトリウムと結びつき排泄を促す働きがあります。
カリウムにも同様の働きを期待できるので、ナトリウムが気になる方はカリウムと一緒に摂るとよいかもしれません。
ただし、摂りすぎなどには注意が必要です。
脂質
アルギン酸は、小腸で脂質を包み吸収を抑制すると考えられています。
そのため、脂質の多い食品と相性が良いとされています。
脂っこい食事をするときは、一緒にアルギン酸を含む海藻を食べるとよいかもしれません。
相性があまり良くない成分
ミネラル
食物繊維は、ミネラルの吸収を阻害するといわれることがあります。
確かに、不溶性食物繊維はミネラルの吸収率を低下させることがあるようですが、過剰な摂取でなければ問題になることはないと考えられています。
相性が良いとは言えませんが、基本的に心配する必要はないでしょう。
アルギン酸を多く含んでいる食品
毎日の食生活からアルギン酸を摂りたい場合、どのような食品を活用すればよいのでしょうか。
アルギン酸を多く含む食品を紹介します。
コンブ
アルギン酸を多く含む食品の代表がコンブです。
素干しのマコンブ100gには27.1gの食物繊維が含まれています。
このほか、6100㎎のカリウム、710㎎のカルシウム、510㎎のマグネシウムなどを含みます。
水分と一緒に摂ると食物繊維が膨れるため、満腹感を得やすいとされています。
わかめ
わかめもアルギン酸を多く含みます。100gのカットワカメには、35.6gの食物繊維が含まれます。
このほか、440㎎のカリウム、820㎎のカルシウム、410㎎のマグネシウムなどを含みます。
酢の物などに利用できるので手軽にアルギン酸を摂れる食品といえます。
もずく
もずくもアルギン酸を含む食品のひとつです。
100gの塩抜きもずくには、1.4gの食物繊維が含まれています。
このほか、12㎎のマグネシウム、22㎎のカルシウムなども含みます。
昆布などに比べて食べやすい点が魅力です。
まとめ
アルギン酸は、褐藻類に含まれるヌメリ成分です。
トクホに認められている働きがあります。
アルギン酸を積極的に摂りたい方は、昆布やワカメなどを摂ると良いでしょう。
ただし、ヨードも多く含むため過剰摂取には注意が必要です。
過剰摂取が気になる方は、アルギン酸を含むサプリメントを利用するとよいかもしれません。
是非参考にしてみてください。
アルギン酸を摂取できるサプリメント
アルギン酸はサプリメントから摂ることもできます。
ヨードの過剰摂取などが気になる方は、サプリメントを利用すると良いかもしれません。
アルギン酸を豊富に含むサプリメントを紹介します。
DHC 健康ステロール
健康値に役立つ7種類の成分を配合したサプリメントです。
1日の目安量に当たる2粒で、160㎎のアルギン酸ナトリウム、160㎎の植物ステロール、70㎎の紅麹濃縮エキス末、20㎎の苦瓜エキス末、100㎎の大豆ペプチド、60㎎の発酵バガス、20㎎のオリーブオイルエキス末を摂ることができます。
脂っこい食事が好きな方、外食が多い方などに、食後に摂ることがオススメされています。
やずやの海藻七選
日本近海で育つ国産海藻の中から、栄養バランスの良い7種類の海藻を選んで作られたサプリメントです。
具体的には、フコイダンを豊富に含むガゴメ昆布のほか、マコンブやワカメ、沖縄もずく、ヒジキ、スサビノリ、ヒトエグサを使用しています。
フコイダンとは、海藻に含まれるネバネバ成分です。
食物繊維のひとつで、アルギン酸やカリウム、カルシウムなどを含みます。
アルギン酸が気になる方、ミネラル不足が気になる方などに勧められています。
アルギン酸カプセル キミカ
天然海藻から高純度のアルギン酸カルシウムを抽出して生成したサプリメントです。
一般的なサプリメントとの違いは、アルギン酸ナトリウムではなくアルギン酸カルシウムを配合している点です。
1gのアルギン酸ナトリウムを摂取すると0.3gのナトリウム(塩分)を摂取したことになります。
そのため、塩分の摂りすぎを気にしている方はアルギン酸ナトリウムを利用しづらいといわれています。
この点に配慮したサプリメントが、アルギン酸カプセルです。
血圧が気になる方などにオススメされています。
ちぐさ アルギン酸CGS
アルギン酸のほか、ウコンの仲間であるガジュツ、燃焼系成分であるカプサイシン、梅エキス、乳酸菌、ビタミンB1、ビタミンCを含むサプリメントです。
ビタミンB1やナイアシンの栄養機能食品として認められている点が特徴です。
脂っこいものが好きな方やビタミンB1、ナイアシンをサプリメントから摂りたい方などにオススメされています。
アルギン酸と髪の毛の関係
アルギン酸を多く含む食品には海藻類が挙げられています。
海藻と言えば、髪の毛を黒くする、強くする、そういった話をよく耳にしますよね。
海藻と髪の毛の関係性について、アルギン酸がサポート成分として配合されているサプリについてご紹介します。
「海藻が髪の毛にいい」と言われる理由
海藻には、アルギン酸を初め、たくさんの栄養素が含まれています。
ミネラルや食物繊維、ヨウ素が挙げられます。
それらは皮膚の形成などに必要な栄養素であり、髪の毛を形成する際にももちろん重要な成分です。
「わかめが髪の毛にいい」と言われるようになったのは、それが大きな理由となりますが、
髪の毛を黒くするというのは、わかめが黒々とした髪の毛に似ていたからそう言われるようになった、という話もあります。
髪の毛を強くするには、アルギン酸はもちろん、栄養素のバランスが大切なんです。
nanairo編集部おすすめのアルギン酸配合サプリ
ブラックサプリEX
ブラックサプリEXは、美容内科医が監修したサプリで、髪の毛のための成分の組み合わせを考え、究極のバランスで配合されています。
アルギン酸もサポート成分として配合されており、その他も髪の毛を形成することを助ける成分がたくさん含まれています。
髪の毛には栄養のバランスが重要です。
普段の食生活の見直しにプラスして、ブラックサプリEXで髪の毛に必要な成分を補うことをおすすめします!