看護師転職の病院見学で重要な服装、質問、お礼状の書き方
こんにちは、元看護師のnaokoです。
毎年、看護師が増えている一方で、職場を去る看護師も多いですよね。そのため、看護師不足に悩みを抱える病院は多く、常に求人を出し看護師を求めている病院は沢山あります。看護師をしている皆さんも、一度は転職を考えたり、「他の病院もみてみたい!」と考える人は沢山いるのではないでしょうか。
一般的に公開されている求人情報は、その医療機関の一部を説明しただけのものであり、全ての情報が掲載されている訳ではありません。よりリアルで詳しい姿を見定めるには、実際に病院見学へ行き、自分の目で確かめるのが一番です。今回は病院見学をするにあたっての一連の流れや、一般的な常識を紹介します。
目次
リアルな現場を知るためには、病院見学が一番!
看護師不足に悩んでいる病院では、すぐに面接、内定へと進むケースが多いです。スムーズに決まるのは良いのですが、病院見学をしていないことで、入職後「入職前のイメージと違った」といったギャップが生じる可能性が大いにあります。
ギャップに耐えきれず辞めてしまった、という事態を避ける為にも、入職前の病院見学は非常に大きな意味を持つのです。病院見学をすることで、実際にその病院が自分にとって良いのか悪いのか、自分の目で見極めることが大切です。
病院見学の流れってどんな感じ?
では、実際にどうやって病院見学を申し込めばいいのでしょうか?一般的な病院見学の一連の流れを簡単に説明します。
まずは、申し込む
気になる医療機関に直接電話します。紹介会社を利用している場合は、担当のコンサルタントに相談をしましょう。どちらの場合も「病院見学をしたいのですが」
と用件を伝え、日程を調整しましょう。見学当日は誰宛てに伺えば良いか、も忘れずに確認しましょう。
当日の流れ
受付
見学に来た旨を伝え、自分の名前を名乗ります。また、誰宛てに来たのかを伝えます。
事前説明
担当者が病院について、パンフレット等を用いて口頭で大まかに説明してくれます。
見学
担当者による院内の案内(約15〜60分程度が目安です。希望の場所だけか、院内全体を見るかによって所要時間は異なります)第一希望の病棟だけでなく、他にも見学したい場所や、第二希望の病棟があれば見学しておくと安心です。是非見学したい旨を伝えてみましょう。また、聞きたいことがあればその場で質問しておきましょう。
ヒアリング
最後に担当者から見学した感想などを聞かれます。
最後に聞き残した事や気になる事があれば聞いておきましょう。
見学終了
以上が一連の流れとなります。
病院見学の申し込み方法
電話で求人の応募をした際に、病院側から「病院をご案内しましょうか」と持ちかけてもらえれば良いのですが、そうとは限りません。自分から「病院見学をさせて下さい」と申し込むことに抵抗がある人も居ると思います。電話での方法以外にも、いくつか申し込む方法がありますので、電話が苦手な方も安心を。申し込み方法について簡単に説明します。
電話で申し込む
電話での申し込みは、多少勇気がいるかもしれません。しかし後で後悔しない為にも、気になる病院を見つけたら、直接電話をかけて病院見学を申し込みましょう。その際、きちんと名乗り、スムーズに用件を伝えたり、予定の確認ができるように、メモ帳とスケジュール帳の用意を忘れずに。また、出来る限り丁寧な言葉遣いを心がけることは言うまでもありません。
メール・申し込みフォームから申し込む
メールや、インターネットの申し込みフォームからの応募は、電話よりも気軽に応募しやすい方法ですよね。病院によっては、ホームページから申し込むこともできるので、気になる病院があればホームページもチェックしてみましょう。
面接時に申し出る
面接前に、病院見学を申し込めなかった場合。面接の日が病院見学をする最後のチャンスです!私も、面接の際に病院見学を申し込んだことがあります。
面接の最後に、「何か質問はありませんか?」などと先方から問われたタイミングで、「実際に病院内を見学させて頂くことは可能でしょうか?」と申し出てみましょう。私の経験上、先方から「病院内を見学してみますか?」と提案してくれることも多かったですが。提案がない場合や、面接担当の方が例え忙しそうでも、他の人を手配してくれたりするので、遠慮せず申し出ましょう。
看護師転職サイトを通じて申し込む
看護師転職サイトとは、看護師の転職サポートを無料で行ってくれる人材紹介サービスのことです。看護師なら誰でも簡単に登録することができ、沢山の転職サイトが存在します。転職サイトの会員になると、コンサルタントが病院見学の日程などを決めてくれます。こういった転職サイトに登録し、コンサルタントを通すことで、自分で直接病院に申し込むよりも気軽に、スムーズに病院見学の申し込みが行えます。
病院見学時のマナーには気を付けて!
病院見学では、あなたが病院を見ているように、あなた自身も評価の対象としてみられています。
実際、病院見学・面接の担当をしている私の先輩も、「今日の子はキツそうだし、うちに合いそうにない」「雰囲気良さそうな子だったから、うちで働いて欲しい」など見学の際の雰囲気など、第一印象を評価していたりします。第一印象はとても大事です。「見られている」ということを常に意識して、基本的なマナーは守るよう心がけましょう。
どんな服装を着ていったらいい?
服装はスーツが無難です。実際、勤務先に病院見学にくる方は皆スーツで来ています。スーツの際、履物はパンプスを選ぶ方が多いと思いますが、廊下を歩く際にコツコツと音がしないもの(ヒールの低いもの)を選びましょう。万が一スーツを持ち合わせていない場合は、紺色やダークグレー、黒色のジャケットにパンツまたはスカートといった落ち着いた服装を選べば問題ないと思います。
礼儀正しく、節度ある行動を心がけよう
上記で述べたように、あなた自身も評価の対象として観察されています。とても基本的なことですが、以下の点に注意して、礼儀正しく、節度ある行動を心がけましょう。
- すれ違う人には明るく笑顔で挨拶をする
- 香水やピアス、派手なネイルは不可
- 足音を立てない(ヒールの低い靴で。)
- 案内されていない場所に勝手に入らない
- 業務の邪魔にならないよう立ち振る舞いに気をつける
病院見学のチェックポイント
職場や働いている人たちの雰囲気
見学の際は、職員の表情や、職員の患者への声の掛け方や接し方など、病院の雰囲気を知る為にもよく観察しましょう。
そのなかでも、職員が明るく挨拶を返してくれるか、これは病院・病棟の雰囲気を知る上でとても大事なポイントになると思います。挨拶が出来るか出来ないかで、病院の善し悪しが分かると言っても過言でないくらい、挨拶は大事だと私は思います。どんなに忙しくても挨拶をきちんとしてくれる、そういった心の余裕は患者様への対応にも繋がると思います。また、挨拶をきちんとしてくれる病院は、明るく感じますし、お互い気持ちが良いですよね。
また、病棟に男性看護師が居るのかも確認しておくと良いでしょう。男性看護師が一人居るだけで、不思議と女性同士のいざこざが少なかったり、病棟の雰囲気が和んだりします。これは、私も実際に経験して感じました!男性看護師が在籍している病院であれば、ある程度は女性特有の面倒な人間関係に悩まされることも少なく、安心して働くことができそうです。
病院内の設備
病院見学の際には、院内の設備もしっかり見ておきましょう。特に、お子さんを預ける可能性のある方は、託児所や院内保育の様子も見せてもらうとよいでしょう。後々、「託児所や院内保育のスタッフの対応が悪く、利用するのを止めてしまった」などといったトラブルを防ぐ為にも、子育てと仕事を両立する方にとっては大事なチェックポイントです。
その他にも、食堂や売店はあるのか、など病院全体の設備も確認しておきましょう。
また、もう1つ大事なチェックポイントが、「病院内が整理整頓されているか」ということです。
看護師の皆さんならよく耳にする5S(整理、整頓、清潔、清掃、しつけ)、これがしっかりされているかも見ておくべきです。廊下に放置されている車いすや点滴架台の有無、処置室が煩雑になっていないか、ナースステーションが整理整頓されているかも観察のポイントだと思います。
5Sがしっかりされている病院はスタッフ一人一人の安全管理への意識が高く、きっちりしている病院だなと感じます。また、整理整頓がされていない病院は、そこに気を配る余裕がない程忙しいのかな、とも推測されますし、管理があいまいになっているケースもあります。
看護師の忙しさ
ナースコールは鳴りっぱなしになっていないか、
ナースステーションに看護師が待機しているのかも確認しましょう。病棟によっては、ナースステーションに看護師がなかなか戻ってこれない程忙しい病棟もあります。また、基本的にナースステーションで待機しているべき管理リーダーが不在というのも、忙しさの指標のひとつになると思います。
逆に、管理リーダーやチームリーダーがナースステーションに居る場合、リーダーがしっかりチーム全体の業務を管理していたり、残業にならないよう個々のタイムスケジュールの調整をしたり、急変が起きた時もしっかり対応できる体制であり、看護体制がしっかりされている病棟だと思います。
重症患者の多さ
ナースステーションのモニターの数や、ナースステーション近くの個室の数も確認しましょう。重症患者はナースステーションの近くで管理されているケースが多いです。また、慢性期希望の人は、寝たきり・人工呼吸器・経管栄養の患者さんの割合もチェックしましょう。基本的に病室へ入る事は出来ないので、廊下からそっと確認を。もしくは、担当の方に直接聞いてみましょう。
カルテのフォーマット
最近は電子カルテの普及がされており、紙カルテの病院は年々少なくなってきている印象です。「今まで紙カルテしか扱ったことない」、「電子カルテしかみたことない」など、今までと違うカルテの形式だった場合、若干抵抗を感じてしまうこともあるかもしれません。カルテにも重点をおいている、など少しでもカルテの形式を転職の際のポイントとしている方は、実際どのようなカルテを使っているのか、少し見せてもらうといいでしょう。
また、その際には記録方式を確認しておきましょう。病院によって、看護記録方式は様々です。少しでも入職する気持ちがある場合、入職前に記録方式の復習をしておくといいかもしれません。
シフト表
同じ病院でも、病棟によって2交代制だったり、3交代制だったり、勤務体制は様々です。「2交代の病棟がいい」など希望のある人は、必ず確認しておきましょう。また、実際のシフト表をみせてもらうことで、スタッフ1人あたりどれだけ休みがとれているのか、連休の日数などを確認することができます。
当番表
ほとんどの病院が、各病棟で係や委員会などの役割をスタッフに与えています。係や委員会の業務は、時間外業務や残業にも影響します。委員会や係の数、内容は病院によって様々です。どのような係や委員会があるのか、一覧表などがあれば見せてもらいましょう。
見学中に気になったことは積極的に質問しよう!
見学時、気になる事があればその都度質問しましょう。「気になること」をクリアにするのが病院見学の目的です。よほどのことでない限り、担当の方もしっかり答えてくれるはずです。また、事前に聞いておきたい事がハッキリしている場合、メモに残しておくと当日聞きもらす心配もなく安心です。
見学だけでなく面接や応募がある病院もあるので注意!
「当日病院へ行くと、とりあえず見学だけのつもりだったのに、なぜか入職の手続きがどんどん進んでいった」など看護師不足の病院は、このようなパターンでいつのまにか入職の流れになるというケースもあります。事前に「履歴書を用意してきて下さい」と言われた場合などは要注意です。
見学が終わった後、「実際見学したらイメージと違った」など入職に悩んでいる場合、その場の空気に流されないように注意しましょう。まだ面接を受ける気がない場合は、やんわり断りましょう。
病院見学の後のお礼状って書くべき?
個人で病院見学を申し込んだ場合は、病院見学後にお礼メールやお礼状を書く人も居ます。ぶっちゃけ、必ず書かなければいけないというものではありません。(病院によって様々のようですが•••。)
実際、転職活動をした同期の話を聞いても、お礼状を書いた人は居ませんでした。それでも見学後、面接に受かっているので「お礼状を書かなかったから面接に落ちた」とは必ずしもならないでしょう。しかし、もしもあなたが病院見学でその病院を気に入り、「是非採用してもらいたい」という場合は、お礼状を書く事で好印象を与えることもあります。
一方で、転職サイトを通じて見学した場合は、個人的にお礼状を作成する必要はありません。見学後のお礼はすべてコンサルタントが担当してくれます。なので、見学終了時にその場でお礼の言葉を伝えるだけで大丈夫です。
お礼状の書き方
お礼状を出すタイミングは?
「できるだけ早く出すのが基本」です。印象が鮮やかな当日か翌日には作成し、遅くとも翌日にはポストに投函するようにしましょう。メールの場合はすぐに届きますが、郵便の場合、当日に投函しても届くのは翌日以降になります。遅くとも2〜3日以内には届くようにしましょう。
お礼状の構成
前文
- 冒頭の挨拶(頭語)
※「拝啓」が一般的です。
- 時候の挨拶(季節や天候に応じて選びます)
※春→早春の候など
本文
あまりに丁寧すぎたり、堅苦しくなりすぎる必要はありません。自分の言葉で素直に書く方が、相手に伝わりやすいです。以下の内容を参考に、簡潔に書きましょう。
- 見学の時間を割いてくれたことに対するお礼
本文の最初に、まずはお礼を述べましょう。
- 見学の感想や得られたこと
心に残った事など、具体的な感想が◎。
後文
- お礼状の目的である、感謝の言葉で締めます。
- 頭語に呼応する締めの挨拶(結語)
※「拝啓」に対しては「敬具」
お礼状の例文
病院名
担当者名
拝啓 早春の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
先日はご多忙の中、病院見学の機会をいただき、誠にありがとうございました。
※『心に残った事や、具体的な感想を書きます』
取り急ぎ書中をもって心よりお礼申し上げます。
敬具
年月日
氏名