似てるけど全然違う!ドッグフードとキャットフードの違いってなに??
犬に必要な栄養素とは?
犬の先祖がオオカミであることをご存知でしょうか?
その鋭い犬歯を見てもわかるように、犬はもともと肉食の動物だったと言われています。
しかし最近は人との共存も用一つの要因となり、肉食寄りの雑食へと進化を遂げたそうです。
そんな犬が必要とする栄養素も成分も、当然ながら人や猫とは異なると考えられています。
そこでまずは、ドッグフードの特徴を見ながら、犬が必要な栄養素を細かく見ていきましょう。
ドッグフードの特徴
先述したように犬は肉食寄りの動物なので、ドッグフードの多くは主原料にお肉を使用しています。
ドッグフードに記載されているラベルを見ると実際に使用しているお肉の種類を確かめることができますが、たいていはラムや鶏肉、鹿肉、馬肉などが広く用いられているようです。
必要な栄養素
ドッグフードには犬が生きていくうえで必要とする栄養素が含まれています。
犬に必要な栄養素は、大きく分けると
「タンパク質」
「炭水化物」
「脂肪」
「ミネラル」
「ビタミン」
「水分」
の6つとなります。
これらのバランスが偏ったり、過不足に陥ってしまったりすると病気を引き起こすこともあると言われています。
ちなみに犬は生きていくうえでタンパク質や脂肪を多く要とするようです。
特に、犬の体内は合成できないと言われているアルギニンやトリプトファンなどの必須アミノ酸を形成するために、「動物性タンパク質」は生きていくうえで欠かせない栄養素と考えられています。
肉だけでいい?
先述したように、犬は確かに肉食寄りの動物ではありますが、お肉だけ食べていれば健康でいられるという訳ではないようです。
例えばビタミンの中でもビタミンC、K以外、カルシウムやリンなどのミネラル類は、犬の体内では生成できない、もしくは生成できても必要量までは達しないことがほとんどです。
しかしビタミンは代謝や発育に関わる、生きていくうえでは欠かせない栄養素ですしミネラルも骨の形成や代謝に必要な大切な栄養素と考えられています。
そして、お肉だけではこういった栄養素をすべてカバーできません。
したがって、犬へはお肉だけでなく、犬に必要な栄養素のバランスが良いような食事を与えることが求められます。
栄養バランス
では栄養バランスがとれている食事とは何なのか、と聞かれるとそれはやはり「ドッグフード」と言えるでしょう。
もちろんドッグフードの中でも化学合成添加物を使用していたり、栄養素のバランスが悪かったりと、粗悪なものも少なからず販売されているようです。
そのため、ドッグフードを選ぶ一つの判断基準として「AAFCO」の記載があるかないかを確かめてみてください。
「AAFCO」はアメリカで確立されたドッグフードへの安全基準であり、日本でも広く浸透しています。
しかしあくまで基準の一つでしかないので、愛犬の健康が優れないときなどは、ドッグフードにトッピングするなど臨機応変に対応することも大切だと思います。
キャットフードとの違いは??
犬と猫はペットとしていまだ根強い人気があるようです。
犬と猫の両方を飼育しているご家庭も少なくはないようですし、「犬派?猫派?」という質問もよく聞くほどペットの人気を二分していると言えるでしょう。
一方で、犬と猫は、実は全く違う分類の生きものであることはあまり知られていないようです。
例えば犬が肉食寄りの雑食であるのに対し、猫は完全に肉食に分類されます。
そのため、食べるものも嗜好性も全く異なるのです。
そしてその違いは、ドッグフードとキャットフードに大きく現れています。
キャットフードとの違い
ドッグフードとキャットフードの違いは大きく分けて3つあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
主原料
先ほども述べた通り、ドッグフードの主原料はお肉であることがほとんどです。
まれに穀物を多く使用しているものもありますが、厳密には穀物メインのドッグフードは犬に適しているとは言えないそうです。
一方で、猫はお肉よりもお魚を好んで食します。そのため、キャットフードは魚を主原料としたものが多いのです。
味の濃さ
ドッグフードとキャットフードの大きな違いのひとつは、その嗜好性にあります。
というのも、猫は犬と比べて嗜好性が強いので、基本的には濃い味付けのものを好んで食します。
そのため、キャットフードはドッグフードに比べてかなり濃い味付けとなっており、カロリーも高いそうです。
実際にキャットフードの中には、周りにパウダーを散らせた味の濃そうなものも多くあります。
含有されている栄養素
先述したように、犬と猫では必要とする栄養素も異なります。
例えばキャットフードには、「タウリン」が添加されているものが多くあります。
タウリンは目の健康を維持するために必要な栄養素なのですが、猫は体内で生成できないため、体外から摂取する必要があるそうです。
一方で、犬はタウリンを体内で生成できるため、わざわざ体外から摂取する必要はありません。
そのほかビタミンAやナイアシンなども猫は体内で生成できないため、キャットフードに添加されていることは多いようです。
犬がキャットフードを食べると?
犬がキャットフードに慣れてしまうと、ドッグフードに戻りたがらなくなるそうです。
というのも、先ほど紹介した通りキャットフードは味付けが濃いので、キャットフードを出されると喜んで食べる犬も多いとか。
そして濃い味に慣れてしまうと、比較的淡白な味付けであるドッグフードでは物足りなさを感じるのか、ドッグフードを食べなくなると言われています。
そのため、愛犬が喜ぶからといってキャットフードばかりを食べさせていると、いざドッグフードに戻そうとしたときに苦労することになると思います。
また、キャットフードはドッグフードよりも塩分が強いほか、栄養素も多く含まれています。
先述したように、猫が体内で生成できない栄養素は、犬の体内では生成できるものばかりとなっています。
そのため犬がキャットフードを食べ続けてしまうと、栄養が偏るだけでなく、内臓に支障をきたし腎臓病や内臓疾患を引き起こす危険性もあるようです。
逆に猫がドッグフードを食べると?
猫がドッグフードを長く食べ続けてしまうと、栄養不足になることが多いと言われています。
これにはドッグフードにタウリンやナイアシン、アラキドン酸などが十分に含まれていないことが一つの理由として挙げられます。
タウリンが不足すると猫は目の病気にかかりやすくなるほか、最悪の場合失明に至ることもあるそうです。
また、もうひとつの理由として、ドッグフードの原料に穀物が使用されているものも多いことが考えられます。
雑食系の犬とは違って猫はあくまで肉食なので、穀物では十分な栄養分を摂取できないため、栄養不足に陥ることが多いようです。
まとめ
いかがでしたか?
キャットフードは猫のためだけに、そしてドッグフードは犬のためだけに考えられて作られた食事です。
たまにあげるくらいなら問題はないようですが、基本的には猫へはキャットフード、犬へはドッグフードと徹底して分けて与えるようにしましょう。
犬と猫を一緒に飼育している人は特に気を付けてくださいね。