禁煙は、とても難しいといいます。しかし、大勢の人が成功しているのも事実。ただ、禁煙を成功させるにはコツが必要です。禁煙することによるメリットを考えたり、タバコを吸えない環境にしたりと禁煙を成功させるためのコツをつかんでから実行してみましょう。必ず禁煙に成功できますよ。
禁煙を成功させるコツは?
禁煙スタートの日を設定して準備をする
ある日突然思い立って禁煙してもうまくいきません。なぜなら禁煙には準備が必要だからです。禁煙スタートの日を決めたら、その1週間前から準備を始めましょう。
最初に自分が禁煙したい理由をいくつか書き出します。毎日それを見るようにすると禁煙意欲が高まります。もし、禁煙を始めてタバコが吸いたくなったら、禁煙したい理由を思い出してくださいね。
禁煙をスタートする日は、週末やお盆休み、正月休みなど、ストレスがあまりなく時間に余裕がある日にするのがよいでしょう。
また禁煙の前日には、喫煙用具一式を処分しましょう。灰皿、ライター、タバコは捨てるか、人に譲るなど、手元に置かないようにします。家族に喫煙者がいる場合は一緒に禁煙すると効果的です。
タバコの害についてイメージを持つ
あなたは、タバコについてどんな印象を持っていますか? 喫煙者はタバコについて肯定的に考えています。しかし、ほとんどの非喫煙者はタバコについて「臭い、身体に悪い」などというマイナスイメージを持っています。そのため非喫煙者はタバコに手を出すことはめったにありません。
つまり、タバコをやめるためには、タバコにマイナスイメージを持つことが一番なのです。タバコを吸うことで、どんな悪いことがあるのかを考えましょう。
たとえば以下のようなことがあげられます。
- 喫煙指数(本数/日×年数)が高いほどガンのリスクが高まります。
- 喫煙によってコラーゲンの生成が妨げられるため、シミやシワが多くなり老化が進みます。このような現象はスモーカーズフェイスといわれています。
- 平均寿命は、非喫煙者に比べて10年短くなります。
- 長期間喫煙すると、慢性閉塞性呼吸器疾患となり酸素ボンベを常に携帯しなければならなくなることもあります。
タバコの害はあげていくとキリがありません。万が一吸いたくなったら、タバコの害を思い出すことで、踏みとどまることができるでしょう。
禁煙したらどんなよいことがあるのかを考える
禁煙することによるメリットを考えるのは、モチベーションを保つためにも必要なことです。以下の中から自分にとってうれしいメリットをいくつかピックアップして紙に書き出してみてくださいね。
- 味覚、嗅覚が正常になるので何を食べてもおいしい。
- 肌がきれいになり、人から「若いですね」と言われるようになる。
- 口臭、体臭がなくなる。
- ぐっすり眠れるようになり、目覚めもよくなる。
- イライラすることがなくなる
- 喫煙場所を探すストレスがなくなる。
- 健康になる。
- 金銭に余裕ができる。1ヶ月13200円(440円×30日)、1年で16万、20年なら320万円!
- 時間に余裕ができる。1本5分として20本吸うと100分
- 火災のリスクが少なくなる。
- 異性にもてるようになる。
- 寿命が10年延びる。
さて、11について疑問に思われた人もいることでしょう。最近は結婚相手の条件の一つに「タバコを吸わない人」を挙げる人が多いとのこと。婚活では喫煙者は圧倒的に不利だという事実があります。
禁煙によるメリットは他にもたくさんあります。逆に、喫煙にメリットは一つもありません。
受動喫煙について考える
タバコの煙には4000種類以上の化学物質が含まれていますが、その中には200種類の有害物質と60種類以上の発ガン性物質があります。
喫煙者が吸っている煙は主流煙、タバコの先から立ち上る煙や喫煙者が吐き出す煙は副流煙といわれています。副流煙は主流煙よりも有害なのが一番の問題。喫煙者は自分の意思で吸っている訳ですから、タバコの害については自己責任ともいえます。
ところが、大切な家族、職場の人など、あなたの周囲の人たちは、副流煙を吸わされています。とくに妊娠中の女性や、子どもにはタバコの煙の影響が大きいのです。
別の部屋で吸っても、喫煙者の洋服や髪には有害物質である煙の粒子がついています。また喫煙する部屋には有害物質が蓄積されているのです。
時代の流れで、今後ますます喫煙者には厳しい状況になることでしょう。思い切って禁煙するのをお勧めします。
吸いたくなったらどうするかを決めておく
まず、自分がどんなときにタバコを吸っているのかを把握しましょう。たとえば「コーヒーを飲んでいる時に吸いたくなる」「食後に吸いたい」「朝起きたらすぐに吸う」など一定の行動パターンが見られます。
コーヒーを飲むと吸いたくなるなら、コーヒーの代わりに別の飲み物を飲む、食後に吸いたくなったら水を飲んで我慢するなど常にほかの行動で代用できるようにすると効果的です。
口寂しくてついつい吸ってしまう、という場合は代わりにノンシュガーの飴やガムなどカロリーの低いものを口にするとよいでしょう。歯磨きをするのも効果があります。
周囲の人に宣言する
禁煙をするときには、周囲の人に宣言して協力を求めましょう。くじけそうになってタバコを手にしたときに止めてもらえます。また、禁煙仲間をつくるのもよいでしょう。お互いに励ましあって、禁煙をすれば辛さも半減します。
家族にも協力を求めましょう。禁煙に関して言えば、家族は最大にして最強のサポーターです。次のようなことをお願いしてみてください。
- 少しでもタバコを我慢できたらほめてもらう。
- ガムや飴を買っておいてもらう。
- 気分転換のための外出につき合う。
- イライラしても大目に見てもらう。
- ときどきご褒美がほしい。
以上のような家族のサポートがなければ禁煙は、なかなか難しいものです。
タバコを吸えない環境にする
禁煙期間中はタバコを吸えない環境を整えることも大切です。たとえば、タバコを買える場所や、タバコを吸える場所には近づかないように心がけましょう。タバコを吸える場所とは居酒屋やパチンコ店、レストランの喫煙席などです。レストランは必ず禁煙席に座るようにして下さいね。また喫煙者にもなるべく近づかないようにしましょう。つられて吸ってしまったら今までの努力が水の泡になります。
出張や旅行で宿泊するなら必ず禁煙ルームにしましょう。
禁煙外来、禁煙補助剤を使ってみる
どうしても、禁煙がうまくいかないという場合は禁煙外来の受診や禁煙補助剤の使用も検討してみましょう。習慣的にタバコを吸っている人は、禁煙するとニコチンの離脱症状で苦しむことになります。主な症状は頭痛、眠気、イライラなどですが、これを乗り切れないと禁煙は成功しません。
禁煙外来は、条件を満たせば保険診療ができます。禁煙治療は12週間が基本となっており、その間に5回診察を受けます。治療中は医師の指示にしたがいましょう。初回にニコチン依存症と息の中の一酸化炭素量を検査します。そして、離脱症状を抑えるために医薬品のニコチンガムやパッチが処方されます。
なお、ニコチンガムは薬局でも購入できます。ただし、ニコチンガムは禁忌事項がありますので、購入する前には必ず医師や薬剤師に相談してくださいね。
まとめ
禁煙を成功させるコツはいろいろありますが、いずれにしても「禁煙したい」という本人の強い意思がなければ成功しません。家族をガンのリスクから守りたい、子どもの喘息を治したいなど、大切な人のために禁煙すると考えれば成功しやすいものです。喫煙していてもよいことは何一つありません。イライラするのはニコチン依存症の症状です。散歩や軽い運動などによる気分転換、飴、ガムなどで吸いたい気持ちを抑えてくださいね。