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今からでも遅くない!健康でいたいなら禁煙で病気のリスクを減らせる!

 

タバコはがんをはじめ様々な健康被害のリスクを高めます。今では禁煙外来と言う言葉も珍しくない時代ですが、何年もタバコを吸っていた人からすれば禁煙したところでタバコの影響から完全回復するのは夢のような話に聞こえるでしょう。しかし、禁煙は1年続けるだけでも体の回復が自覚できますし、何年も禁煙生活を続けることで非喫煙者と同じくらいがん死亡のリスクを減らせます。ここでは、禁煙をすることでどのような病気を減らせるのかを紹介します。

 

目次

喫煙が原因でなりやすい病気は?

喫煙が原因でなりやすい病気は呼吸器の病気だけではありません。このようにたくさんのリスクを持っています。その理由はタバコの煙には200種類もの有害物質が含まれているからで単純な化学物質であれば4000種類ほど入っています。その中で特に有名な有害物質がニコチン、タール、一酸化炭素なのです。

がん

タバコの害と言えばがんがよく知られています。特に実際に煙が触れやすい肺や口腔のがんが問題視されやすいですが、どの部位のがんも死亡リスクが高まります。肺がんの場合は男性が非喫煙者に比べて1.6倍、女性は非喫煙者に比べて1.9倍ものリスクになります。また、受動喫煙によるがん死亡リスクの上昇も知られています。

喫煙によってガンが発生するのは湯具合物質だけでなく発がん物質が含まれていることも理由です。発がん物質ががんを引き起こすとき、DNAをおかしくしています。そもそもがんとは細胞の複製でミスをしてがん細胞を生み出してしまうことが関わっています。がん細胞はとてつもない増殖速度を持つため初期の治療が求められます。

喫煙と関係のあるガンを具体的に紹介するとこのようなものです。

肺がん

肺がんはタバコと強い因果関係を持ち、あらゆる部分に対して悪影響を及ぼします。

口腔ガン

口腔ガンのリスクは、タバコを吸うだけでなくアルコールを摂取することで高まります。口腔内は粘膜でおおわれているためたばこの有害物質を吸収しやすいです。空気の通り道である鼻腔のがんも強い因果関係が考えられます。

肝臓・すい臓・胃ガン

肝臓やすい臓、そして胃は空気の通り道とは言えません。しかしタバコの煙が入ったらその有害物質が血液と一緒に流れるため、影響があってもおかしくないでしょう。肝臓がんには肝炎ウイルス、胃がんにはピロリ菌と言ったリスク要因がありますが、それを差し引いてもタバコによる悪影響が確認されています。食道がんについても喫煙と強い因果関係が報告されています。また、これらのガンはアルコールの摂取によるリスクもあるためお酒も節度を守って楽しむことが大切です。

子宮頸がん

子宮頸がんは、パピローマウイルスというウイルスがリスク要因となっています。しかし、喫煙はパピローマウイルスと関係なく子宮頸がんのリスクを高めます。

骨髄性白血病

白血病も喫煙によってそのリスクが高まります。しかし、喫煙との因果関係が確認されているのは骨髄性の白血病のみでリンパ性白血病についてはまだ確認されていません。

このように、多くのがんに対するリスクが言われていますが、前立腺や大腸がんなどは喫煙との因果関係が認められていません。

呼吸器疾患

呼吸器疾患もタバコによって引き起こされます。その中でもタバコを吸っている人が気を付けたいのは「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」です。COPDは治療を受けている人だけでも22万人、潜在的な患者であれば500万人は軽く超えると考えられています。

COPDにかかった人は軽い運動でも動悸や息切れが起きるため普段の歩行や階段の上り下りも大変です。他には、せきやたんが多くなることもCOPDの症状としてよく知られています。

COPDにかかった状態の体は肺に炎症が起きています。そのせいで肺機能が低下してしまい、低下した肺機能が元に戻ることはありません。さらにたばこに含まれる一酸化炭素のせいで体が酸欠状態になりやすくなっています。肺がうまく機能しないと酸素を取り込むことも、二酸化炭素を外に出すこともできなくなってしまいます。

もし、COPDの症状が重くなると呼吸不全にもなりかねません。常に肺機能が弱っていることから酸素吸入が必要な身体になることもあります。

循環器疾患

タバコによる循環器疾患には血圧と血液の質が大きく関わっています。タバコに含まれるニコチンは交感神経に作用することで血管を収縮させます。その結果血圧が上昇して血管に負担がかかってしまうのです。また、タバコに含まれる有害物質は血液をドロドロにしてしまいます。これも血の流れる抵抗力を上げるため血圧の上昇と血管の負担につながります。しかもタバコに含まれる有害物質は血管そのものを傷つけるため、血圧に耐えられないもろい血管になってしまいます。

すると、血管が破れやすくなってしまいます。例えば、血管の破れてしまう病気としては動脈硬化や動脈破裂、脳卒中などがあります。動脈が破れるとすぐに血がなくなってしまいますし、脳卒中の場合は血液に圧迫された部分がその働きを止めてしまいます。心臓近くの血管が詰まってしまうことで起きる虚血性心疾患もたばこが原因で起こります。虚血性心疾患には狭心症や心筋梗塞、心不全などがあります。

また、血圧の上昇で心臓に負担がかかれば不整脈になることも考えられます。

糖尿病

タバコを吸うことは血糖値の上昇にもつながりますし、インスリンも上手く働かなくなってしまいます。喫煙者は非喫煙者に比べて1.2倍程度糖尿病の発症リスクが高まります。確かに、糖尿病には食生活や飲酒習慣が深くかかわっていますが、タバコと糖尿病の因果関係も高いのです。

糖尿病にかかると食生活を大きく制限されることやインスリン注射を打たなければいけないことと言った辛さがあります。また、糖尿病は脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病性腎症などのリスクも高めます。

ちなみに、禁煙をすることで食欲が増して体重増加につながりますが、そのせいで血糖値が上昇することもあります。禁煙をした後も食べ過ぎに注意しましょう。もちろん食欲の増加は一時的なものですし。禁煙を続ければ糖尿病リスクが下がっていきます。

周産期の異常

そして、女性が気を付けたいのが周産期の異常です。特に妊娠している時は母親と子がつながっているため胎児がたばこの有害物質にさらされてしまいます。また、授乳中であってもタバコを吸うことは絶対にいけません。

その上で、タバコを吸い続けているとこのようなリスクが高まります。まず、子宮以外で妊娠する子宮外妊娠は1.5倍以上発生します。そして、胎児の成長を阻害し、早産になることや奇形児が生まれる確率も高めてしまいます。死産につながるリスクも喫煙本数が増えるほどに高まります。子どもにはその先何年物人生があるので、健全に生まれられるような努力が必要です。

また、生まれた後であっても授乳によってたばこの有害物質を吸ってしまうことや、母親だけでなく父親から受動喫煙してしまうことも考えられます。

まとめ

このように、喫煙が関わる病気は命にかかわるものも多いです。タバコを吸いたいという気持ちは分かりますが、そのせいでもっと大切なものを犠牲にしてしまうのは元も子もありません。禁煙をすることで体は健康に戻っていきます。何年吸っていた人でも禁煙に遅すぎることは無いのです。

参考文献:国立研究開発法人国立循環器病研究センター

参考文献:金沢医科大学病院

参考文献:国立研究開発法人