住宅を購入するにあたり住宅ローンを組む場合には、住宅ローンの審査を受ける必要があります。
住宅ローンの審査では年収や勤務先などの属性の他、物件の担保評価、過去に借りた他のローンの内容は返済状況について見られます。
住宅を購入するにあたり住宅ローンを組む場合には、住宅ローンの審査を受ける必要があります。
住宅ローンの審査では年収や勤務先などの属性の他、物件の担保評価、過去に借りた他のローンの内容は返済状況について見られます。
住宅ローンの審査には事前審査と本審査があります。
事前審査は、源泉徴収票など所得が分かる書類と運転免許証、健康保険証などの本人確認書類、物件の情報などが分かれば審査を受けることができることが多く、ここでは年収や過去の返済状況等を主に見られます。
本審査は、住宅の売買契約締結後に、より詳しく審査を受けるもので、物件の担保評価や他の借入状況等詳細に見ていきます。
事前審査で承認が下りていればほぼ本審査でもほぼ間違いなく審査に受かりますが、事前審査と違う情報が出てきた場合には本審査で落ちることもあります。
住宅ローンの審査でまず満たす必要があるのが年収についての要件です。
金融機関が年収の面から審査をするにあたり利用するのが返済負担率と審査金利です。
返済負担率は、住宅ローンを借りた場合に月々の返済額が年収の何%になっているかの割合です。
返済負担率は年収により異なり、例えば住宅金融支援機構のフラット35では以下のようになっています。
年収 |
割合 |
400万円未満の場合 |
30% |
400万円以上の場合 |
35% |
例えば、年収500万円で月々返済額が10万円の場合、500万円×35%=175万円>10万円×12カ月=120万円なので、返済負担率内に収まっている計算となります。
審査金利は、上記の返済負担率の計算をする際に月々返済額を算出する際の金利です。
住宅金融支援機構のフラット35の審査金利は借入金利と同じ金利ですが、民間金融機関の場合3%等高く設定していることが多いです。
例えば、審査金利が3%の金融機関で35年のローンを借りる場合審査上の月々返済額は115,455円となり、年間返済額は1,385,460円となるため、年収500万円であれば175万円内に収まり、年収380万円であれば380万円×30%=114万円となり、返済額オーバーで年収要件を満たさないことになります。
次に大切なのが個人信用情報、過去の他の金融機関で借りたローンの返済歴やその内容となります。
過去に他のローンで1度でも延滞している場合は審査に与える影響が大きく、また自己破産や任意整理している場合基本的のローンを借入することが難しくなります。
過去に他のローンで延滞している場合、審査時にかなりマイナスの影響を受けてしまいます。
ローンの延滞の内問題となるのは個人信用情報に登録されている延滞で、1日程度遅れただけでは通常個人信用情報に登録されることはありません。
月をまたいだ延滞をしてしまうと確実に登録されてしまいますが、1週間で登録するところや1カ月経ってやっと登録するところなど、金融機関によってその期間は異なります。
1度自己破産や任意整理をしてしまうと5年~10年程度は住宅ローンを組むことはできません。
ただし、金融機関によっては金利を高くする代わりにそうした問題のある人でも住宅ローンを組むことができる場合があります。
そうした場合でも、過去何故自己破産したのか、今後延滞する心配はないのかなど理由を説明出来る必要があります。
個人信用情報ではカードローンの作り過ぎにも注意が必要です。
銀行と仕事上付き合いがある場合や銀行から営業を受けた場合など、実際に借金をするわけではないのでカードローンを複数作っている方もいるのではないでしょうか。
カードローンは、実際に借り入れをしていなくとも、「いつでも借入枠分だけ借り入れできる」ものなので、その借入枠が問題となり住宅ローンの審査の承認を受けられない場合があります。
思い当たる節がある場合には住宅ローンの審査を受ける前にカードローンを解約しておくようにしましょう。
年収や個人信用情報と比べると優先順位は低くなりますが、審査ではその他以下のような項目が見られます。
現在の勤務先に何年勤めているかや、勤め先が上場企業なのか中小企業なのか、公務員なのか資格職なのかなど、勤務先についても見られます。
上場企業や公務員の場合勤務年数が少なくても審査の承認を受けられる可能性が高いですが、中小企業で勤務年数が少ないと審査が難しくなる可能性もあります。
住宅ローン実行時には物件に抵当権を設定して、万が一返済が滞った場合に、その物件を売却することで残債を完済します。
そのため、住宅ローン審査時には物件の担保評価についても見られ、あまりに評価の低い物件の場合融資が受けられない可能性もあります。
年収や勤務先、個人信用情報が悪くとも、一定の貯蓄額がある場合や、水道光熱費や家賃の引き落としのある生活口座を提出して月々の返済に問題がないと判断された場合には融資の承認を受けられることがあります。
住宅ローン審査が難しい状況にある場合こうした資料の提出も考えると良いでしょう。
住宅ローン審査時には年収と個人信用情報が大きな影響力を持つことをお伝えしましたが、消費者金融からの借入は住宅ローン審査にどのような影響を与えるのでしょうか?
通常、消費者金融からの借入がある場合住宅ローン審査で承認を受けるのは難しいと考えておきましょう。
消費者金融からの借入がある場合、他のローンと比べて借主が経済的に不安定だと思われても仕方がありません。
もちろん、債務者の年収が高かったり、一定の貯蓄があったりするなど良い条件が揃っていれば消費者金融からの借入があっても承認を受けられる可能性がありますが、マイナスの影響は大きいと考えておきましょう。
一方、消費者金融からの借入があったとしても住宅ローン審査と同時に完済することができれば、審査に与える影響を抑えることができます。
可能であれば親族から借りてでも事前に完済しておくと良いでしょう。
なお、完済したとしても個人信用情報を見ると過去に消費者金融から借入したことを確認することができます。
こうした情報だけでも審査にマイナスの影響が出ることもあります。
金融機関によっては、住宅ローン実行と同時に他のおまとめローンが利用できたり、住宅ローン自体おまとめローンとして利用したりすることができるものもあります。
通常の住宅ローンと比べると金利は高めに設定されていることが多いですが、住宅ローン審査に与える影響を考えるとこうしたローンの利用も検討してみると良いでしょう。
住宅ローン審査において、消費者金融からの借り入れがあると悪い影響を受ける可能性が高いです。
とはいえ、事前に完済したり、おまとめローンを利用したりと対応策を考え、また個人信用情報以外のところでプラス材料を探すことで承認を受けられる可能性があります。
すでに消費者金融から借り入れがあり、住宅ローンの利用を検討している方は今回の内容を参考にしてみてください。