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団体信用生命保険とは?審査と保険料、注意する病気について解説

 

団体信用生命保険という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

住宅ローンは数十年にわたり返済を続けていくもので、住宅ローンを組んだ段階では債務者の健康に何の問題もなくとも、年数が経つことで死亡したり病気にかかったりすることが考えられます。

仮に専業主婦家庭で、ご主人だけの収入から住宅ローン返済していた場合、ご主人が死亡したり何らかの理由で仕事ができなくなったりした時に備えて保険をかけておくのが団体信用生命保険です。

団体信用生命保険にはいくつか種類がありますが、その内、死亡保障のみの一般団体信用生命保険は、通常、銀行から借りる住宅ローンでは保険料は金利に含まれており、実質無料で利用することができます。

目次

フラット35は団体信用生命保険の保険料が有料

一方、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」では団体信用生命保険が任意加入で、加入には毎年借入残高1,000万円に付き35,800円の保険料を支払う必要があります。

銀行ローンは団体信用生命保険に加入できないと住宅ローン自体組めない?

どうしてフラット35が団体信用生命保険の保険料を別料金にしているかというと、団体信用生命保険に加入できない人でも住宅ローンを利用できるようにするためです。

一方、銀行の住宅ローンでは団体信用生命保険に加入できない人は住宅ローン自体組めません。

フラット35は健康上の問題がある人でも利用できる設計となっているのです。

団体信用生命保険と民間の生命保険

フラット35は団体信用生命保険が有料となっていますが任意加入です。

通常、生命保険は年齢に応じて保険料が高くなる仕組みとなっていますが、団体信用生命保険は年齢にかかわらずローン残高に応じた保険料です。

つまり、年齢の若い人であれば団体信用生命保険を利用するより民間の生命保険を利用した方が安くなる可能性があり、40代50代の方が利用する場合には団体信用生命保険を利用して民間の生命保険を見直した方がお得になります。

団体信用生命保険の審査について

住宅ローンの申し込みにあたって、団体信用生命保険の審査を受けるために告知書に自分の健康状態を記入することになりますが、その内容は以下のような内容となっています。

最近3ヶ月以内に医師の治療(診察・検査・指示・指導)や投薬を受けたことがありますか?
過去3年以内に何らかの病気で手術を受けたことまたは2週間以上にわたり医師の治療や投薬を受けたことがありますか
手足の欠損、背骨や視力、聴力、言語、咀嚼機能に障害はありますか

上記内容で告知した内容を元に審査が行われます。

なお、告知した内容と実際の状態が異なっていた場合、実際に団信の適用が必要となった時点で保険が適用されないこともあり得るので必ず事実を告知するようにしましょう。

注意するべき病気

団体信用生命保険では、過去に以下のような病気にかかっている方は注意が必要です。

狭心症、心筋こうそく、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、 不整脈、その他心臓病。

脳卒中(脳出血・脳こうそく・くも膜下出血)、脳動脈硬化症、その他脳の病気。

精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症 、知的障害、認知症。

糖尿病、リウマチ、こうげん病、貧血症、紫斑病。

糖尿病などの生活習慣病、うつ病などの精神病も含まれている点に注意が必要です。

健康診断で医師に指示や指導を受けた場合も告知する

会社で健康診断を受けている場合、肝機能障害など小さな内容でも医師から指示や指導を受けることがありますが、団体信用生命保険の告知書ではそうした内容も告知する必要があります。

健康上の問題があり、団体信用生命保険の審査がおりない場合はフラット35を利用するか、ワイド団信など、通常の団体信用生命保険で審査がおりない方に向けた団体信用生命保険を用意している金融機関もあるため探してみると良いでしょう。

代表的な団体信用生命保険の種類

団体信用生命保険には死亡のみを保障対象とした一般団体信用生命保険のほか、がんを保障対象とするがん保障特約付団体生命保険などいくつかの種類があり、保障内容に応じて金利負担が増えるのが一般的です。

がん保障特約付団体信用生命保険

がん保障特約付団体信用生命保険は、通常の死亡保障に加えて、医師によりはじめてがんと診断された場合に住宅ローン残額が0円になる団体信用生命保険です。

ただし、がんとは言え、上皮内がん(大腸の粘膜内ガンや膀胱、尿路、乳管などの非浸潤ガンなどを含む)及び皮膚の悪性黒色腫を除く皮膚がんは保障対象となりません。

一般団信の利用は無料ですが、がん保障特約付団信を利用する場合、金利に+0.1%や+0.2%上乗せされる形で利用することになります(銀行により異なります)。

三大疾病保障特約付団体信用生命保険

三大疾病保障特約付団体信用生命保険は、通常の死亡保障に加えて三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)に罹患して所定の状態になった場合に住宅ローン残高が0円となる団体信用生命保険です。

三大疾病の内、がんの場合診断確定された段階で保険適用となります(がんの対象はがん団信と同じ)。

一方、心筋梗塞と脳卒中に関しては診断を受けてから60日以上労働の制限を必要とする状態や言語障害、運動失調、麻痺等の後遺症が継続したと診断された場合に保険適用となります。

三大疾病保障特約付団体信用生命保険は、金利に+0.2%や+0.3%上乗せすることで利用できる形が多くなっています。

8大疾病保障特約付団体信用生命保険

8大疾病保障特約付団体信用生命保険は、三大疾病(がん、心筋梗塞、脳卒中)に加えて、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎の8大疾病が保障対象となる団体信用生命保険です。

三大疾病については、三大疾病保障特約付団体信用生命保険と同じ内容ですが、高血圧症と糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎に罹って就業不能状態となった場合、12か月を限度として毎月のローン返済額が保障される他、12か月を超えて就業不能状態が継続した場合住宅ローン残高が0円となります。

8大疾病保障特約付団体信用生命保険は、金利に+0.3%や+0.4%上乗せすることで利用できる形が多くなっています。

リビングニーズ特約

リビングニーズ特約は、上記の一般団信や三大疾病保障団信、8大疾病保障団信の保障内容に組み込まれて利用されることが多い特約で、保険期間中石の診断をもとに保険会社に余命6ヶ月以内と診断された場合にローン残高が0円となるものです。

団体信用生命保険と債務返済支援保険を組み合わせることもできる

団体信用生命保険は通常、死亡保障や大病に罹った場合に保険を受けられるものですが、何らかのケガや病気に罹って就業不能となった場合の保障がありません。

せっかく団体信用生命保険に加入していても対象外の病気やケガでローン返済が厳しくなってしまうこともあるでしょう。

そこで利用を検討したいのが債務返済支援保険です。

債務返済保険は、全ての病気やケガで就業不能状態が30日以上継続した場合に毎月のローン返済を最大で1年間や3年間など保障を受けられるものです。

保険料は利用する金融機関によって異なりますが、毎月ローン返済額1万円につき数十円等比較的安い金額に設定されていることが多く、また団体信用生命保険に加えて利用することができます。

まとめ

団体信用生命保険は住宅ローンを利用するにあたり最大限有効活用したい保険です。

とはいえ、保障が厚くなればそれだけ保険料も高くなるため、保障内容と保険料を良く吟味して利用するようにしましょう。