住宅取得時の手数料はできるだけ少なくしたいもの。インターネットで検索すると「仲介手数料無料」という言葉が出てきます。
本当に無料なのでしょうか?
今回は住宅取得時にかかる諸費用について解説します。
住宅取得時の手数料はできるだけ少なくしたいもの。インターネットで検索すると「仲介手数料無料」という言葉が出てきます。
本当に無料なのでしょうか?
今回は住宅取得時にかかる諸費用について解説します。
住宅取得には、パンフレットやカタログに載っている価格以外に諸費用がかかります。
住宅取得にあたり、どのような費用がかかり、土地や建物価格以外にどの程度お金を用意しておくかを把握しておくことが大切です。
住宅取得時にかかる諸費用や手数料には以下のようなものがあります。
詳しく見ていきましょう。
住宅取得に住宅ローンを利用する場合は銀行に事務手数料や保証料を支払う必要があります。
事務手数料は、住宅ローン手続きを銀行にしてもらう費用として支払うもので、5万円程度が相場ですが、無料の金融機関もあります。
フラット35を利用する場合、借入額の1%〜2%と少し割高となります。
また、保証料は債務が滞った場合に備えて保証人を立てる代わりに保証会社をつける際に、その保証会社に支払う保証料で、借入額に応じて数十万円かかることがあります。
保証会社をつけないプロパー融資や、フラット35を利用する場合には保証料を支払う必要はありません。
事務手数料 | 保証料 | |
民間金融機関 | 無料〜5万円程度 | 無料〜数十万円 |
フラット35 | 借入額の1%〜2% | 無料 |
住宅取得時には、取得した建物に対して火災保険や地震保険に加入してその保険料を支払う必要があります。
火災保険や地震保険自体は通常は任意ですが、住宅ローンを利用する場合には基本的に火災保険への加入が必須となります。
火災保険料や地震保険料は、建物の構造や建物を建てるためにかけた金額、火災保険の適用期間や保険の内容により異なります。
通常の木造住宅で2,000万円弱の価格であれば保険期間1年で5〜10万円程度、10年一括で30〜50万円程度が相場となります。
なお、地震保険は火災保険の特約としてつける保険で、加入は任意ですが、加入する場合保険料は年間1万円あれば十分でしょう。
不動産会社を介して住宅を購入した場合、その不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
仲介手数料は、購入価格が400万円以上であれば購入価格の「3%+6万円+消費税」が仲介手数料の上限となります。
例えば3,000万円の住宅購入であれば仲介手数料は100万円以上にもなってしまいます。
建物を購入するにあたり、土地の所有権移転や建物の登記作成、抵当権設定といった名目で登記費用を支払う必要があります。
登記費用は、税金として納める登録免許税と司法書士に支払う司法書士費用があり、司法書士費用は登記を依頼する司法書士により費用が異なりますが登録免許税はどの司法書士に依頼しても費用は変わりません。
登記費用は依頼する司法書士や、登記をする土地建物の固定資産税評価額により異なりますが、30〜50万円程度が相場です。
他の費用と比べると安価ですが、不動産売買契約や建物請負契約を締結する場合、その契約書に印紙を貼り付けて印紙税を納める必要があります。
印紙税は契約金額により異なりますが、契約金額5,000万円以下であればそれぞれ1万円かかります。
また、住宅ローン実行時に金銭消費貸借契約を銀行と締結しますが、この契約書にも印紙を貼り付ける必要があり、こちらは5,000万円以下で2万円の印紙費用を支払う必要があります。
マンション取得の場合と比べて、一戸建て住宅取得の際には外構費用や水道引き込み費用など諸費用が大きくなる傾向にあります。
会社によっては外部給排水工事費用など、付帯工事と呼ばれる工事の費用を建物価格に入れておらず、諸費用として計上する必要のあるものもあり、場合によっては300万円〜400万円の費用がかかることもあります。
住宅購入後、住むために必要なエアコンやカーテン、家具費用なども忘れてはいけません。
新築の場合、カーテンはレールからつける必要がありますし、照明も居室のものは自分で用意しないといけない場合が多いでしょう。
その他、引越しにかかる費用や引越しするにあたり家具を新調するための費用などある程度の費用を見込んでおくことが大切です。
不動産会社や住宅会社によって、住宅取得にかかる「諸費用が安い」ことや「手数料なし」を売りにしている会社がありますがこれらは本当に安かったり、無料だったりするのでしょうか?
一戸建て特有の費用の項目でご説明しましたが、「建物価格」の中に何を含めているかは住宅会社によって異なります。
外部給排水工事など、一応建物の外部設備と見られるものも建物価格に含めている会社もあれば、それらを付帯工事費用として別途費用を徴求する会社もあります。
前者の場合、付帯工事費用だけで200万円〜300万円かかることも珍しくないため、最初に建物価格に含まれる費用についてしっかり確認しておくことが大切です。
住宅価格の内、土地にかかる税金は非課税ですが、建物には消費税がかかります。
住宅会社によってカタログやパンフレットに掲載している価格に税金が含まれているかどうか異なるため最初に確認しておく必要があります。
建物価格が2,000万円の物件を購入する場合で税金が含まれていない場合、消費税160万円を上乗せして考える必要があります。
また、建物価格に税金が含まれていない場合、その他の諸費用についても外税表示するのが一般的なので、常に消費税を意識して総額を考えなければなりません。
不動産会社によっては「仲介手数料なし」としている会社もあります。
仲介手数料は物件価格によっては数十万円〜百万円支払う必要があるものなので、仲介手数料を支払う必要がないのは魅力ですよね。
こうした、「仲介手数料なし」はどのように実現されているかというと、不動産会社は売主から仲介手数料を徴求して、買主からは仲介手数料を受け取らないという形を取っているのが一般的です。
「仲介手数料なし」を実現するためには上記のように売主につく仲介業者と買主につく仲介業者が同一の業者である必要があり、またその中でも片方からの手数料で良いという不動産会社に絞られるため、数は少ないですが「仲介手数料なし」を条件に物件を探してみるのも一つの方法です。
住宅ローン利用にあたって、利用する人の収入や職種など属性が良ければ、金融機関に支払う事務手数料や保証料を無料とできることもあります。
保証料は保証人を付ける代わりに保証会社を付けるために支払う費用ですが、金融機関によってはその金融機関が保証するプロパー融資制度を用意しているところもあります。
まず、プロパー融資制度を用意している金融機関が自分が住宅を取得するエリア内に存在するかどうかを確かめ、ある場合は事務手数料無料と保証料無料を条件として審査を申し込んで見ると良いでしょう。
住宅取得にかかる諸費用や手数料は多岐に渡り、利用する住宅会社や不動産会社、金融機関によってその費用は異なります。
仲介手数料や保証料の項目でご説明しましたが、諸費用や手数料が安くなる時は、基本的には不動産会社や金融機関が他で儲けられる仕組みがあるかどうか、だと言えます。
それぞれの仕組みをよく理解して少しでも安く抑えられるよう比較検討すると良いでしょう。