不動産購入には税金がつきものです。購入した時は印紙税がかかりますし、不動産登記をしたら登録免許税がかかる。
取得したら不動産所得税がかかります。
今回はその中でも、所有していると発生する「固定資産税」について解説していきます。
不動産購入には税金がつきものです。購入した時は印紙税がかかりますし、不動産登記をしたら登録免許税がかかる。
取得したら不動産所得税がかかります。
今回はその中でも、所有していると発生する「固定資産税」について解説していきます。
土地や家屋などの資産を所有している人に、行政が課する税金が固定資産税です。
マンションやアパートの賃貸住宅に住んでいる人は、対象になりません。この場合は、貸し出している家主に固定資産税を支払う義務があります。
固定資産税は行政が自動で税金を計算し、納税通知書を送ってきます。税率は全国一律で、「固定資産税評価額」に対して1.4%(一部例外あり)。
この評価額についても行政が定めます。
固定資産税評価額の内訳としては
とされており、原則として3年ごとに見直されます。
固定資産税評価額は、納税通知書に同封されている課税明細書で確認することができます。
また、都道府県税事務所などでは、評価額だけが記載された「固定資産評価証明書」の発行もしています。
固定資産税の基準日は1月1日。この時、土地や家屋を所有していた人が納税の対象となります。
納期については年4回で、行政ごとに条例で定められます。東京23区の場合、平成28年度の納付期間は
となっており、それぞれ納付期限に間に合うように納税通知書が各世帯に送付されます。
さて、固定資産税には「居住」を目的とする土地や家屋に対して軽減措置が設けられています。
土地は大きく分けて2つ。200㎡以下の「小規模住宅用地」と200㎡以上の「一般用住宅地」があります。
小規模住宅用地は6分の1に、一般用住宅地は3分の1に、それぞれ軽減されます。
例えば時価1,000万円の土地。固定資産税評価額を7割と見て700万円です。
これが小規模住宅用地なら700万円(評価額)×1/6(軽減措置)×1.4%(標準税率)で約1万6千円が固定資産税。一般用住宅地なら700万円×1/3×1.4%で約3万2千円となります。
家屋は新築住宅で一定の条件を満たせば3年分(3階建以上の耐火・準耐火建築物は5年分)に限り、2分の1に軽減される措置があります。
平成30年3月31日までに建てられた一戸建住宅は、床面積が50㎡以上280㎡以下であれば対象となります。
では評価額1,000万円の家屋で固定資産税を計算してみましょう。こちらが上記の条件を満たしていない場合は、単純に1,000万円(評価額)×1.4%(標準税率)で14万円。
新築住宅で条件を満していれば、固定資産税は半分になりますから、3年間は7万円となるということです。
先述の例を使って考えてみましょう。土地の評価額が700万円の一般用住宅地で、家屋の評価額が1,000万円で軽減措置条件を満たした新築住宅であれば、固定資産税は最初の3年間が
土地の固定資産税・約3万2千円+家屋の固定資産税・7万=約10万2千円
それ以後は
土地の固定資産税・約3万2千円+家屋の固定資産税・14万=約17万2千円
となるわけです。
ちなみに平成30年3月31日までに新築された、認定長期優良住宅は5年間(マンションなどは7年間)、固定資産税が半額となります。
昨今の震災の影響から、住まい手にとって耐震への関心は強くなってきましたね。
固定資産税についても新築だけでなく、耐震に関した建替えやリフォームにおいて軽減措置が施されています。
耐震建替えについては、昭和57年1月1日以前からある建物を耐震改修した家に建替えた場合に適用されます。
こちらは平成30年12月31日までに建てたものが対象となり、新たに課税される年度から3年間は固定資産税が全額免除となります。
リフォームについても同様で、平成30年12月31日までに耐震改修工事を行えば、改修終了日の翌年度1年分が全額免除となります(住宅1戸あたり120㎡の床面積相当分まで)。
これらは、耐震に適合した住宅であることを示した証明書などを、改修終了後3カ月以内に申告する必要があります。
高齢化に伴い、バリアフリー改修工事も新たな需要の一つ。こちらも軽減措置があり、床面積100㎡相当まで3分の1が減額になります。
対象は、平成30年3月31日までにバリアフリー改修工事を実施した場合。工事完了年の翌年の1月1日に年齢が65歳以上の人、要介護認定(または要支援認定)を受けている人、障害がある人のいずれかが申告時に居住していることが条件です。
省エネ改修工事は平成30年3月31日までに、一定の省エネ基準を満たすリフォームをすれば床面積120㎡相当まで3分の1減額されます。
工事負担額が50万円超であることを条件とし、耐震改修工事をした場合の軽減措置との併用は不可。ただし、バリアフリー改修工事との併用は可能です。
それでは、固定資産税を納付期限までに支払わなければどうなるのでしょうか。当然、遅滞金というペナルティが課せられます。
遅滞金の計算は平成25年12月31日まで、納付期限の翌日から1ヶ月を経過する日までの期間で年4.1〜4.3%、その後は年14.6%となっていました。
その後税制改正により平成26年1月1日から、納付期限の翌日から1ヶ月を経過する日までの期間が年2.9%、その後の期間は年9.2%に引き下げられました。
ちなみに滞納したままでいると、まず事前に督促状が数回届きます。その段階で速やかに納付ができれば問題はありません。
また、納付が困難な場合でも各自治体窓口に相談をすれば、提案や対応をしてくれるでしょう。
ところが、何もせずにいると預金や土地などが差し押さえられてしまうという状況になりかねません。早めの対処をおすすめします。
では、どのようなケースで支払い期間の猶予を与えられるのでしょうか。猶予条件は以下の通りになっています。
また、減免となる条件はこちら
以上から分かるように、固定資産税支払い期間の猶予や減免を受けられるのは極めて稀です。
土地、家屋といった資産を持っている以上、必ず支払わなければならない固定資産税ですが、実はコンビニでも納付が可能。
さらに、クレジットカードや電子マネーでの支払いもできるのです。
固定資産税の納付は毎年発生します。
であれば、同じ額でもポイントが付与される納付方法にするなど、工夫してみてはいかがでしょうか。