確定申告で住宅ローン減税の控除を受ける方法と申告期間

「住宅ローン減税」は、住宅ローンを借り入れて住宅を取得する人に対する国の優遇制度です。

この制度を活用すれば、所得税や個人住民税から一定額の税額控除が受けられます。

実質的に費用面の負担を抑えて住宅を取得することができるわけです。

ただし、この制度は住宅を購入した人に無条件で適用されるわけではありません。確定申告によって、所定の手続きをした人だけが利用できる制度です。

こちらでは、確定申告で住宅ローン減税を受けるための方法と、申告期間をご紹介します。「手続きを忘れて、何十万円も損をした!」などということのないよう、しっかりとご確認ください。

住宅ローン減税の概要と目的

住宅ローン減税は、住宅ローンを借りて住宅を取得した場合の金利による負担をカバーする制度です。

毎年年末時点の住宅ローン残高に対し、1%の金額を10年間所得税から控除します。さらに所得税から控除しきれない金額は住民税からも一部控除されます。

住宅はさまざまな企業がかかわる商品なので、その売れ行きは日本経済を左右するといっても過言ではありません。

住宅ローンは最長35年という長期間にわたって返済をしていきます。住宅そのものが担保となるため、非常に金利が低く設定されていますが、長期間になると金利の負担もバカになりません

。国は住宅ローン減税によってその負担を軽減。住宅を取得する際のハードルを下げ、市場の活性化を図っているのです。

この制度の控除額は平成26年4月以降、大幅に拡充されました。消費税率が5%から8%に増税されたことを受け、その負担を軽減するためです。

それまでの年間最大控除額は20万円でしたが、現在では最大控除額が40万円となり、10年間で最大400万円もの控除が受けられます。

認定長期優良住宅や認定低炭素住宅は、最大控除額が年間50万円です。これに伴い、住民税からの控除上限額も97,500円から136,500円へと、大幅に引き上げられました。

ただし、個人間の売買など消費税がかからない取引では、拡充前の控除額しか適用されません。その点に注意してください。

住宅ローン減税を受けるには

住宅ローン減税を受けるには、住宅を取得した翌年に確定申告をする必要があります。

黙っていてはこの制度の恩恵を受けられませんので、必ず手続きをしてください。

申告に必要な「確定申告書」「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」は、申告時に税務署で受け取ることができます。

初年度は必要な添付書類が多くありますが、きちんとそろえて提出しましょう。

添付書類

入手先

書類による確認事項

住民票の写し

(個人番号が記載されておらず、発行から6か月以内のもの)

市区町村

自ら居住していること

借入残高証明書

金融機関

住宅ローンの借入残高

登記事項証明書

法務局

取得年月日

住宅取得の対価の額

床面積(50平方メートル以上が対象)

請負(売買)契約書など

本人

源泉徴収票など(給与所得者)

勤務先

所得税額等

中古住宅の場合、このほかにも「耐震基準適合証明書」「既存住宅性能評価書」「既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書」のいずれかが必要です。

また、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の優遇措置を申請する場合、その証明書も添付してください。

土地の取得に係る借り入れがある場合、土地の登記事項証明書や契約書も添付します。

給与所得者の場合も、初年度は確定申告が必要です。しかし2年目以降は次の書類を添えて勤務先に提出することで、年末調整によって控除が受けられます。

給与所得者以外は確定申告をする際、毎年忘れずにこれらの書類も提出してください。

確定申告書の作成は

サラリーマンの方には、確定申告を一度もしたことのない人も多いと思います。

確定申告書は、事前に国税庁のWebサイト内にある「確定申告書等作成コーナー」で作成・印刷しておくと便利です。「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」も、国税庁のWebサイトから印刷できます。

トップページには「e-Tax」と「書面提出」の選択肢がありますが、「e-Tax」は毎年確定申告をする人が使う電子申告のシステムです。

住宅ローン減税だけが目的の場合は「書面提出」を選択し、画面の指示に従って入力してください。

入力が終わると自宅のプリンターで印刷できるので、それを税務署に持参します。

確定申告は郵送でも可能ですが、住宅ローン減税を受ける初年度は提出書類が多いので、できるだけ持参してください。

窓口で必要書類がそろっているか、記載内容に不備がないかといった点を確認してもらうと安心です。2年目以降は、印刷した書類を郵送する形でも構いません。

印刷環境がない人は、もちろん申告当日に税務署で手書きしても構いません。不明な点を職員に聞きながら書き込むことができます。

ただし、申告期間の終了間際になると税務署はごった返します。手書きする場合は、余裕をもって早めに申告に行きましょう。

確定申告の期間

確定申告の期間は、毎年2月16日から3月15日です。住宅ローン減税を受けるには、取得翌年の3月15日までに申告手続きをしてください。

税務署は基本的に平日8時半から17時まで開庁と決まっていますが、確定申告の期間内には、時間や曜日を拡張して相談や申告書の受付を行う税務署も少なくありません。

実は住宅ローン減税の場合は還付申告なので、居住した年の5年後の12月31日まで申告することができます。

この場合、さかのぼって所得税の還付が受けられます。ただし期限を過ぎて申告した場合、所得税から控除しきれない金額を住民税に反映させることができません。

手続きも煩雑になるので、やはり取得翌年の期限内に手続きを終えることをおススメします。

ただし、万が一申告を忘れていて期限を過ぎてしまった場合は、あきらめるのではなくさかのぼって還付手続きをしてください。

所得税がさかのぼって還付されることに加え、翌年以降は取得から10年分までは、住民税に関しても通常通りの控除が受けられます。

住民税の手続き

所得税から控除しきれない金額を住民税から控除される制度に関して、特別な申告等の手続きは必要ありません。

所得税の確定申告や年末調整を行えば、それが住民税の金額に反映されます。

書類の保管を忘れずに

初年度の申告手続きが終了すると、残り9年分の「住宅借入金等特別控除申告書」が税務署からまとめて送られてきます。次年度以降の申告時に毎年1枚ずつ提出することになるので、なくさないよう大切に保管してください。

万が一なくしてしまった場合は、税務署に再発行を依頼することもできます。慌てずに相談してみましょう。

住宅を購入した前後は書類や領収書が数多く手もとに入ってくるので、どれがどれだかわからなくなりがち。

必要な書類をすぐに取り出せるよう、関連する書類はすべて袋付きのファイルなどにまとめておくことをおススメします。

なくした書類を再度取り寄せるのは、手間も時間もかかって本当に大変。このひと手間が、あとの苦労を減らしてくれます。

まとめ

住宅ローン減税について、確定申告の具体的な手続きについてご紹介しましたが、いかがでしたか?

所得税から引ききれない控除枠は住民税にも適用されるよう、期限内に必ず手続きを終えましょう。

必要な書類を滞りなく準備するためには、やはり書類の保管が大切。

一か所にまとめておけば後からでも整理しやすいので、「整理が苦手!」という人ほど、最初にファイルを準備することを忘れないでくださいね。