ご先祖様の魂が安置されている仏壇、神様をお祀りする神棚。
どちらも大切なものだけに引越し時の取り扱いに悩む方が多いようです。
仏壇や神棚はどのように新居に運べばよいのでしょうか。
悩みのタネになりがちな、仏壇、神棚の引越し作法を解説いたします。
ご先祖様の魂が安置されている仏壇、神様をお祀りする神棚。
どちらも大切なものだけに引越し時の取り扱いに悩む方が多いようです。
仏壇や神棚はどのように新居に運べばよいのでしょうか。
悩みのタネになりがちな、仏壇、神棚の引越し作法を解説いたします。
慌ただしい引越し作業の中で忘れがちになるのが仏壇や神棚の取り扱いです。
他の家具と同じように引越し業者が運んでくれるのでしょうか。
現在のところ、引越し業者の多くがオプションサービスで仏壇や神棚の運送を行っています。
そのため、他の家具と同じように仏壇や神棚の運送も引越し業者に依頼する方が多いようです。
ただし、引越し業者のサービス内容や運送してもらう仏壇、神棚によっては運送してもらえないことがあるので、見積もり時に確認が必要です。
オプションサービスで仏壇や神棚の運送を行っている引越し業者でも、運送を断ることがあります。
そのひとつが、仏壇や神棚が高額なケースです。
高額な仏壇や神棚が壊れると元の状態に戻すことが難しいので、仏壇や神棚によっては一般的な引越し業者に運送を断られることがあるのです。
一般的な引越し業者で請け負ってもらえない仏壇や神棚は自分で運ばなくてはならないのでしょうか。
取り扱いの難しい仏壇や神棚は、これらを専門的に取り扱う引越し業者に依頼すると良いでしょう。
専門的な梱包、運送、設置の技術があるので、取り扱いの難しい仏壇や神棚であっても運送を請け負ってくれます。
基本的に、仏壇や神棚の運送は引越し業者に依頼できます。
ただし、御位牌や御本尊(仏像や掛け軸など)が入った状態だと請け負ってくれません。
これらは自分で梱包して新居まで運ぶ必要があります。
また、壊れやすい細工なども自分で梱包して運んだほうが良いことがあります。
自分で新居に運ぶ場合は、出来るだけ丁寧に梱包して段ボールなどにひとまとめにしましょう。
解体前に写真を撮っておくと、新居で設置に悩むことがなくなります。
ご先祖様が安置される仏壇、神様をお祀りする神棚の引越しは、具体的にどのように行えばよいのでしょうか。
続いて、仏壇や神棚の引越し作法を解説します。
仏壇の引越しは、最初にお寺に相談するところから始まります。
引越しが決まったらお寺に相談してお坊さんに来てもらいましょう。
お坊さんに、仏壇・仏像・御位牌から精(しょう)を抜いてもらいます。
精とは、これらに宿る霊的なものです。宗派によっては魂(こん)と呼ぶこともあります。
精を抜くことで、仏壇・仏像・御位牌を他の家具と同じように扱えます。
神棚の引越しにも作法があります。
引越しの前に、神棚の中のお神札(おふだ)を取り出し、白い紙や布に包みます。
この時に、お神札に息がかからないように注意します。引越し後もお祀りする場合は、高く清潔な場所で保管します。
氏神様が変わるなど、新居でお祀りできない場合はお札を受け取った神社へお返します。
引越し後の仏壇は、精を入れてもらいます。基本的に、精を抜いてもらったお寺に相談すると良いでしょう。
遠方に引っ越す場合は、精を抜いてもらったお寺に相談すれば同じ宗派のお寺を紹介してもらえることがあります。
引越し後の神棚は、旧居で納めていたお神札を再びお祀りします。
氏神様が変わる場合は、新しい氏神様のお神札を神棚にお祀りします(旧居でお祀りしていたお神札をお返しできていない方は、新しいお神札を受け取る神社にお返しすることができます)。
引越し前に新しいお神札を受け取っておくと、スムーズに神棚の引越しができます。
わからない点は近くの神社の神主さんに相談すると良いでしょう。
以上が、最も丁寧な神棚、神社の引越し作法です。最近では、精抜き、精入れを省略するご家庭が増えているようです。
基本的に、精抜き、精入れを行っていなくても、引越し業者は引越しを請け負ってくれます。
価値観はそれぞれなので、これらの儀式の必要性について家族で相談するとよいかもしれませんね。
(※お住まいの地域や宗派などにより作法、儀式は異なります。心配な方は、お寺や神社などで確認してください。)
仏壇、神棚を引越しするときに注意したい作法はほかにもあります。
具体的に、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
仏壇を引っ越すときは運ぶ順番に注意が必要です。
仏壇は、旧居から最後にお出しして、新居に最初にお入れするとされています。
神棚も旧居から最後にお出しして新居に最初にお入れするべきと考えられています。
お札も他の家具を運び入れる前に神棚にお祀りします。
仏壇や神棚の運び方にも注意が必要です。
仏壇や神棚は、横に寝かせず立てたままお運びするのが基本と考えられています。
自分たちで引越しするときは特に注意しましょう。
以上が、仏壇や神棚を引越しするときに抑えておきたい作法です。
引越し業者に任せれば大丈夫と思われがちですが、教育が不十分な引越し業者だとこれらの作法を知らないことがあります。
大切なポイントなので、引越し前に担当者と打ち合わせをしておきましょう。
仏壇や神棚の引越しを引越し業者に依頼する場合、どれくらいの費用が掛かるのでしょうか。
多くの引越し業者は、仏壇や神棚の引越しをオプションサービスで行っています。
オプション料金は引越し業者により異なりますが、1~3万円程度であることが多いようです。
精抜き、精入れなどを行う場合は、ここにお布施と足代がプラスされます。
これらの金額もケースにより異なりますが、合計で10万円前後になることが多いようです。
お布施、足代は、お寺により考え方が様々なので直接相談してみると良いでしょう。
仏壇、神棚の引越しは、引越し業者のほか一部の仏具屋さんに頼むことができます。
専門的なサービスを受けることはできますが、輸送専門ではないので一般的な引越し業者に比べると高額になることが多いといわれています。
コストを抑えたい方は引越し業者で、専門的なサービスを受けたい方は仏具屋さんで相談すると良いでしょう。
仏壇、神棚の引越しは、引越し業者に依頼できます。ただし、高額な仏壇などの場合は断られることがあります。
一般的な引越し業者の場合、仏壇、神棚の引越しをオプションサービスで行っています。オプション料金は、1~3万円が相場です。
仏壇、神棚の引越しには作法があります。気になる方はお寺や神社で相談すると良いでしょう。
正しい作法に基づき仏壇や神棚を新居にお運びすれば、安心して新生活を始められます。
作法については、実際に引越し作業を行う引越し業者と共有することが重要です。
事前の打ち合わせで、どのように引越しするか確認しましょう。