アメリカは古くから多くの留学生を受け入れていて、英語教育プログラムも質が高い学校が多くあります。また、大学数は世界一多く、大小あわせて4000以上もの学校があります。そのため、留学のカタチや、目的も様々で、様々なニーズに対応できるのはアメリカ留学の特徴です。
短期留学、長期留学や、大学留学などアメリカ留学の種類と、留学に必要なビザと申請方法について解説します。
アメリカは古くから多くの留学生を受け入れていて、英語教育プログラムも質が高い学校が多くあります。また、大学数は世界一多く、大小あわせて4000以上もの学校があります。そのため、留学のカタチや、目的も様々で、様々なニーズに対応できるのはアメリカ留学の特徴です。
短期留学、長期留学や、大学留学などアメリカ留学の種類と、留学に必要なビザと申請方法について解説します。
3ヶ月までの短期で語学留学するのが短期留学です。1週間程度から留学ができ、仕事をやめたり学校を休学したりせずに留学も可能です。また、短期のため費用も少なくすむので、全体的にハードルが低く気軽に留学ができます。
短期留学は様々なプログラムがあります。特にアメリカは世界中から留学生が集まるため、プログラムが充実しています。語学学校で英語を学ぶだけでなく、一緒に音楽、ダンス、スポーツなどを学べるコースなどもあるので、目的にあわせて選びましょう。
短期留学の費用は1ヶ月あたり30~50万円程度です。期間が短い場合、費用が高めになる傾向があり1週間で20~30万円程度が目安です。3ヶ月留学した場合は70~120万円程度の費用がかかります。
費用は、留学する都市によっても大きく変わります。また、ホームステイやシェアハウスなど、滞在方法や、通う語学学校によっても大きく変わります。
長期留学は3ヶ月以上の留学です。本来は、大学や大学院留学なども長期留学ですが、ここでは語学留学のみに絞って紹介します。
長期留学は、費用もかかりますし留学の期間も多く確保する必要があります。しかし、その分じっくり英語を学びながら、アメリカの文化に触れることができます。地域の人ともじっくり交流することができるのも長期留学の特徴のひとつです。
また、実際に留学して英語が少しわかるようになるのが3ヶ月目くらいからだといわれています。日本である程度、英語を勉強してきた場合は別として、会社などで使えるレベルの英語を留学でマスターするのは3ヶ月以上の長期留学が必要だといえるでしょう。
ひと口に語学学校といっても、レベルやプログラムは様々です。語学といっても、ビジネス英語を学べるものや、日常会話を学べるプログラムもあります。
大学入学を目的とした英語コースもあります。大学入学のための英語コースでは、基本の会話、文法だけでなく、プレゼンテーションや、小論文の書き方など、大学で必要なスキルも学ぶことができます。
語学学校のレベルや内容はピンからキリまであります。学校によっては、課外プログラムで、観光に連れて行ってくれる学校もありますし、逆にフォローがほとんどない学校もあります。事前に、どのような授業があって、サポート体制はどうなっているのかしっかり調べておく必要があります。
半年留学した場合の費用の目安は120~200万円程度です。1年間の場合は、倍くらいの250~400万程度かかるといわれています。
長期留学にかかる費用は、渡航費、ビザ代、海外保険料、語学学校の授業料、滞在費、生活費などです。この中で、学費や滞在費、生活費などは、学校や、住む地域によってかなり変動します。安く抑えたい人は、学校選びや、住む地域を選ぶ時点からしっかり考えて選ぶ必要があります。
滞在費については、ホームステイは比較的費用が高くなり、シェアハウスなどは安く費用を抑えることができます。月間にして多少の差でも、長期留学になると年間の額は大きな差がでます。予算を考えながらプランをしっかり立てましょう。
アメリカは大学留学もとても人気です。4000以上もの大学があり、スポーツマネージメントなど日本では学べる大学が少ない分野も、多くの大学で学ぶことができます。ダンスや、オークションなど変わった専攻もアメリカの大学では提供しています。
アメリカの大学の特徴として、入学後に専攻を決められるという点があります。平均120単位前後の単位を履修しますが、その半数弱が一般教養の科目です。2年生の一般教養の科目履修が終わるまでに、専攻を決めれば問題はありません。実際に授業を取りながら、自分の将来を決めることができます。ダブル専攻や、専攻と副専攻など複数の学科を学べるのも、アメリカの大学の特徴です。
さらに、アメリカの大学は編入が日本に比べかなり自由です。高校卒業時に、成績があまりよくなくレベルの高い大学に行けない場合も、レベルの高い大学に入る可能性は残されています。まずは普通の大学に入って2年間一般教養を学びその間に、よい成績を残して、課外活動等も認められれば、レベルの高い学校に編入することも可能です。
日本の大学と大きく違う点は単位制だということです。例えば、卒業に必要な単位が120単位の場合、必須科目を含めた120単位を取得した時点で卒業できます。卒業を早めるために、夏休み中に行われるサマースクールなどで単位を多く取得して、3年で卒業をする日本人留学生もいます。もちろん、逆に5年かかって卒業する人もいます。
学ぶ分野も、編入も、卒業時期も、自分の裁量に任されている部分が多いのが、アメリカの大学です。
留学というと、ニューヨークや、ロサンゼルスなどの大都市での留学をイメージするかもしれませんが、アメリカの大学のほとんどは田舎にあり学生は寮生活をしながら学んでいます。冒頭でご紹介した、大都市以外の田舎の町も、留学先として検討してみましょう。
アメリカの大学に日本人が入学する場合、高校の成績、小論文(志望の動機や、自己アピール)、推薦状、課外活動の成果と、TOEFLのスコアを総合して合否が判断されます。
要求されるTOEFLスコアは、大学によって違いますが、最低でもIBT61は必要です。このレベルは英検準1級レベルとなり、高校卒業レベルが2級なので、かなり高い英語力が必要とされます。
このスコアに満たない場合は、条件付き入学といって、大学から他の項目について合格をもらってから渡米して、足りない英語力を大学付属の語学学校で学んでから留学するという方法もあります。また、一部の大学では英語の単位を他のアメリカ人がフランス語など第二言語を学ぶのと同じ第二言語の単位として認めて、大学の授業として英語のクラスを受けられる場合もあります
アメリカの大学の学費は、学校によってかなり金額が変わっています。一般的に高い教育には高い費用がかかるといわれています。そのため、レベルの高い名門大学ほど学費が高くなる傾向があります。
州立大学と私立大学で比べると、私立大学のほうが教育の質が高い場合が多く、学費も私立のほうが高いです。2015年の私立の平均的な学費が約32,000ドルです。州立大学は日本の国公立大学なので、私立大学よりは安いですが、州内出身の学生と、州外出身の学生では学費が違い、州外出身者の場合、約24,000ドルと、州内出身者の約9,000ドルに比べ2倍以上の費用かかります。
また、学費については2015年のデータですが、アメリカの大学の学費は年々高騰し続けていて、名門大学の学費は、そう遠くない未来に天文学的数字に届くのではないかとジョークが言われるくらいです。入学時と卒業時の学費が違うということは、よくあることなのでその値上がりも費用に計算しておきましょう。
学費の他に、多くの大学が寮を併設していて、寮費と食費がかかります。寮費と食費は年間で10,000~11,000ドルが平均値です。この価格も、大学によって変わります。ただし、この寮費と食費は、学校の授業が行われている期間のみの分です。夏休みの3ヶ月強と、冬休みの1ヶ月の分は含まれていないのでこの期間は別に算出する必要があります。
大学留学の場合、学費、寮費、食費の他に、旅費、海外保険費用、教科書などの教材費、お小遣いなどの生活費がかかります。
大学留学の費用は年々高くなっているため、それほどの高い金額はとても払えないという人もおおいのではないでしょうか。アメリカの大学は日本に比べ、奨学金制度が充実しています。日本のように、お金を借りる奨学金ではなく、返す必要がない奨学金も多くあります。また、この奨学金については、レベルの高い大学のほうが奨学金の額も多いという傾向があります。
大学が多いアメリカは、大学院でも2000以上の課程があり世界最多です。そのため、入学条件が比較的緩い大学院から、世界有数のトップレベルの大学院まで様々な選択肢があります。数が多いため、専攻科目も様々で、日本にないような分野もアメリカの大学院では学ぶことができます。
アメリカの大学院は、学問を研究するGraduate Schoolと専門職養成教育を行う専門職系大学院Professional Schoolがあります。専門職系大学院は医師になるための医学、弁護士や裁判官になるための法学、経営学などを学びます。
幅広い学生を受け入れているアメリカの大学院は、キャリアの途中で休職したり、仕事をしながら通う人も多く、日本の大学院にくらべ年齢層が高めです。また、これらの大学院には世界中から留学生が集まるため、ビジネスのコネクションづくりもすることができます。
大学時代に専門ではなかった学科を大学院で学ぶということもアメリカではよくあることです。その場合、大学で基礎科目を学ぶことなど、条件はありますが大学院で別の専門分野を学ぶことも可能です。
アメリカの大学院に入学するためには、一般的な基準としてGPA3.0以上(4段階評価で3平均以上)、TOEFL iBT79~100以上(100が英検1級レベル程度)、GRE、GMATなどテスト(専攻によって変わる)、小論文、推薦文などが必要です。
アメリカの大学院の費用は大学やプログラムによって様々です。学費など様々な費用を含めた年間の留学費の平均は250~500万円程度が目安です。
ただし、大学留学と同じように、年々費用も変わりますし、教育レベルが高い大学はさらに費用が高くなる傾向があります。一般的には、田舎の州立大学院が安く、私立の都会の大学院が費用が高くなる傾向があります。ただし、州立大学は、州内の学生と州外からの学生とで費用が違うため、州立大学に通っても日本の国公立の大学ほど安いわけではありません。
アメリカの場合、大学院も奨学金が充実しています。また、英語力などハードルは高くなりますが、ティーチングアシスタント(TA)制度もあり、教授のアシスタントをすることで、費用補助がもらえる場合もあります。
最近は、大学を休学して留学する人も増えています。海外の文化を体験したい人や、就職活動でアピール出来るポイントを増やしたいなど動機は様々です。
大学休学して留学する人に人気なのが、英語を学びながら、大学の学部授業を聴講するプログラムです。単に英語を学ぶだけでなく、実際に英語を使って何かを学ぶという経験は、就職でも強いアピールポイントになります。
大学の授業も受けるため、期間は9~12か月程度が一般的です。また、短期の場合は、最短で6ヶ月程度から可能です。アメリカの大学は8月下旬~12月、1月~5月上旬で授業が行われるのが一般的です。そのため8月、1月から、又は日本の学校が始まる4月からの留学プログラムが多いです。
聴講だけでなく、英語を学びながら、大学の授業を1~2科目履修して単位を取得することも可能です。ただし、この場合、他のアメリカ人たちと同じ課題をこなすこと、積極的な授業参加、テストで合格点をとることなどが求められます。そのため、高い英語力や、大学での一定以上の成績が求められます。
留学先で取得した単位を、単位として認める「認定留学制度」がある日本の大学も増えています。また、在学したまま交換留学できる大学もあります。独自に休学して留学する前に、ご自身の大学の制度を調べておきましょう。
もちろん、これらの制度を利用して、高卒や大学の社会人の留学の道もあります。単に英語を話せる人は多くなってきているので、英語で学んでキャリアアップのきっかけにしましょう。
休学留学の費用も、プログラムや大学によって大きく変動します。平均的な学費と滞在費は150万円~320万円程度です。この他に、旅費や保険費用、ビザ代、小遣いなどがかかります。
アメリカ留学は英語力習得や大学、大学院だけではありません。ダンス、ネイルアートやパフォーマンスなど、アメリカが世界最先端の分野や、日本ではマイナーすぎて学ぶことができない技術をアメリカで学ぶ専門スキルアップ留学も人気です。
現地の専門学校で学ぶ方法もありますし、英語学習とセットになった特別プログラムもあります。どちらのプログラムも、技術によりますが1週間程度の短期からプログラムがあるので、旅行気分で短期から気軽に留学が可能です。
専門スキルアップ留学の費用は、スキルによって様々です。英語学校に留学する場合の短期留学、長期留学の費用を目安にしましょう。スキルや、地域、滞在方法によって、かなり費用は前後します。
アメリカに留学して学生として生活する場合は、基本的にビザが必要です。ただし、短期留学の場合、条件はありますがビザなしの観光での訪問の範囲内で留学も可能です。ビザなしの留学と、学生ビザを取得する場合について、解説します。
アメリカで学生として学校に通う場合、学生ビザが必要ですが、短期留学の場合はビザなしの留学も可能です。ビザなしでの留学は、90日以内の滞在で週18時間未満の授業しかうけられません。
ビザなしの滞在の場合、アメリカ電子渡航認証システムESTA(エスタ)の申請が必要です。ESTAは公式サイトで申請ができます。申請料14ドルは指定されたクレジットカードがデビットカードのみで支払えます。アメリカで生活でもVISAかMasterどちらかのカードがないと不便なので、早めに用意しておきましょう。
ビザなしでESTAのみで入国した場合、90日を超えて滞在することや、学生ビザへの変更はできません。フルタイムの学生への変更もできないので、これらの点は注意が必要です。
週18時間以上の授業を受ける場合や、90日を超えて滞在する場合はビザの取得が必要です。この場合必要なのは「F-1ビザ」という学生ビザです。語学学校でフルタイムの学生になる場合や、大学、大学院などに正規留学する場合は、このF-1ビザが必ず必要です。
F-1ビザを取得する場合、ビザ申請日160ドルに加えてSEVIS(Student and Exchange Visitor Information System)という留学生管理システムの費用200ドルが必要です。
学生ビザを取得するためには、米国大使館などでの面接が必要です。取得までの流れをご紹介します。
学生ビザの申請にはI-20という書類が必要です。I-20は留学先の学校が発行する書類です。この書類は、大学入学許可を受けていて、留学に必要な資金を十分に持っていることを証明する書類です。入学許可を受けて、学費などを支払えば発行してもらえます。
I-20は卒業までアメリカ入国の際など必要な書類なので、大切に保管しましょう。
パスポート、証明写真などその他必要な書類を集めます。申請に必要な書類は、変わる場合もあるのでご自身で確認してください。
必要な書類がそろったらオンライン申請書(DS-160)にオンラインで入力して申請します。写真もオンラインでアップロードします。
学生ビザを取得する場合は、SEVIS(Student and Exchange Visitor Information System)の費用を支払う必要があります。これは、留学生がどの学校に通っているかなどの移民局、アメリカ大使館、学校などの情報をデータベース化して、管理するシステムです。費用は現在200ドルですが、変わる場合もあるのでご自身で確認してください。
SEVIS費はインターネットで支払いをします。クレジットカードが必要になるので、持っていない人は早めに用意しておきましょう。支払いが完了したら、領収書を印刷します。領収書は面接時に必要になります。
また、後日正式な領収書が自宅に届きます。この領収書はアメリカ入国時に持って行きます。
ビザ申請には申請料160ドルの支払いが必要です。申請料はオンラインで支払いします。クレジットカード、ATM、オンラインバンキングなどで支払うことができます。一度振り込んだ料金は、払い戻しできません。ビザ申請に通らなかった場合も返金がないので注意が必要です。
学生ビザを取得するためには、面接が必須です。面接を受けられるのはアメリカ大使館(東京)大阪・神戸総領事館(大阪)、領事館(那覇、福岡、札幌)です。
面接を受ける前に、事前に予約が必要です。予約はビザ申請料を支払って、インターネットから行います。予約は3ヶ月前から、予約日時の変更は3回までです。それ以上の変更が必要な場合は、ビザ申請料を再度払う必要があるので注意しましょう。
面接当日は、パスポートも含めて申請に必要な書類を全て持参します。不備があると面接が受けられないこともあるので、事前にしっかり確認しましょう。
面接に問題がなくビザが発行される場合、通常1週間程度で自宅に郵送されます。ただし、不備があった場合など、発酵に時間がかかる場合もあるので、ビザの申請は余裕をもって行いましょう。
学生ビザ取得後は、コースが始まる30日前から入国可能になります。それ以前には、学生ビザで入国できないので注意してください。
アメリカはチャンスが与えられる国です。語学留学も大学、大学院留学も、学生だけでなく様々な幅広い年代の人が世界中から集まってきます。
地域だけでなく、語学学校や大学など学校によっても、教育体制も様々です。世界でも稀なほど学校の数が多いアメリカ。留学する時は、早めに準備を初めて、ご自身にあった場所、学校、プログラムを見つけてください♡