鮭をあなどるな!ダイエット以外でもうれしい美容効果
皆さんは鮭と聞くと、どのような考えを持たれるでしょうか。「脂たっぷりのサーモン」のイメージが強いため、ダイエットとは無縁どころか痩せられない原因として扱われることも多いです。実際、塩鮭やフレークなど鮭の加工品はご飯が進んでしまうため、扱い方を間違えると太る一因にもなります。
しかし、日本一の美女を決めるコンテスト『ミスユニバース』の強化合宿では、何とサーモンが1日のうち2食も出されるうえ、肥満解消の実績さえあることが証明されました。そこで、美しさと栄養を共に得られるスーパーフードとしての鮭について、解説させていただきます。
目次
そもそも鮭は・・・
鮭は日本人に馴染みの深い魚で、平安時代の文献にも頻繁に登場するなど、その栄養価と風味を好まれてきました。特に名産地とされる北海道では数々のアイヌ料理が有名ですし、甲信越や東北でも『捨てる所がない』と内臓や骨までも有効活用する食文化が発展しました。
近年は、味だけでは無く栄養価に対する評価からも、そうした諸地域の“鮭文化”が注目を集めています。
鮭の3つの嬉しい栄養素
鮭にはうれしい栄養素がたくさん含まれていますが、ここではタンパク質、アスタキサンチン、アンセリンの3つを紹介します。
1 豊富な必須アミノ酸
お馴染みのタンパク質は20種類のアミノ酸で構成されており、その中でも人体で生成できない9種のアミノ酸である『必須アミノ酸』は、筋肉や肌を構成するのには欠かせない養分です。それが、鮭には豊富に含まれており、健康な体を作るには欠かせません。
2 酸化を食い止める
次のアスタキサンチンはカロテノイドの一種で、鮭やエビ、カニなどに含まれる赤い色素成分です。この成分の特筆すべき効能は、抗酸化力がビタミンEの約1000倍あることで、老化の原因である人体の酸化を食い止める、美しさを維持するのに大きな助けとなります。
3 疲労回復、抗炎症
最後のアンセリンは鮭を始めとした回遊魚に多く含まれる成分で、疲労回復や抗炎症と言った運動関係のマイナス要因を解消してくれます。中でも、痛風の原因である尿酸値を下げたり、脳細胞を守ったりと、幅広く活躍できる成分です。鮭料理でアンセリンを摂取すれば、美しい体を作るための運動を大幅に助けます。
鮭に含まれる成分
鮭は脂ぎった高カロリー食品と思われがちですが、可食部100gのカロリーは白鮭134kcal、銀鮭205kcal、紅鮭140kcalと、差異こそあれ全体的にローカロリーな食材です。その脂肪分も不飽和脂肪酸と言う良質の脂質であり、美肌効果を持つDMAE(ジメチルアミノエタノール)を含んでいるため、ダイエットの成功率を高めてくれます。
また、鮭のビタミンÐはサバなどの青魚の3倍もあり、骨粗鬆症や骨の発育を助けます。他にも、身にはダイエットに必須のタンパク質、皮には美容に最適のコラーゲンがたっぷりなので、美容と痩身におススメです。切り身にレモン果汁を絞ればビタミンCも効率よく摂取できます。
鮭の美容成分
酸化を防いでアンチエイジング
鮭に含まれる美容成分で、近年話題になっているのがアスタキサンチンです。呼吸を通して発生する活性酸素のうち、悪玉活性酸素は体を酸化させて老化に追い込む原因なのですが、アスタキサンチンはそれを防ぐ抗酸化作用を持ちます。つまり、アスタキサンチンたっぷりの鮭はアンチエイジングをもたらしてくれるのです。
豊富なコラーゲン
また、お肌を美しくしてくれるコラーゲンも豊富です。鮭を始めとした海洋性の動物に含まれるコラーゲンはマリンコラーゲンとも言い、獣など動物性のコラーゲンに比べても吸収率が高く、アレルギー反応の心配もありません。コラーゲンがたっぷりと含まれているのは皮の部分なので、焼き鮭を食べる時は皮も残さずに食べるのがおススメです。
高いヒアルロン酸で美肌・美髪
DMAEも見逃せない美容成分で、先述した通りお肌の美しさを保ってくれます。それだけではなく、集中力の強化やうつ病の治療にも使われるなど、心身を好調にさせてくれる成分でもあります。他にも、鮭が保水効果の高いヒアルロン酸を多く含有することから、頭髪にも効果があることが判明しています。
こんなにいい鮭もダイエット向きではないという意見も・・・
鮭自体はカロリーが低めであり、本来ならばドンドン取り入れたい食材です。しかし、日本人にとって鮭と言うと塩鮭のような塩蔵品なのでご飯が欲しくなってしまいます。それが太る一因になるのは言うまでもありません。
低カロリーの鮭を食べたばかりに、かえって食べ過ぎてしまう事態を招かないためには、鮭は生鮭を調理するか。塩抜きをしたものにすることで。気を配っていかねばなりません。
私たち日本人が好む鮭はいわゆる塩鮭を始めとした塩気の強い加工品が多く、ついご飯が進んでしまいます。
食べ方を洋食に変えても、洋風の鮭料理はフライなど油脂を使う料理が多いうえ、高カロリーなタルタルソースをつけ合わせてしまうため、脂肪による肥満を招いてしまいます。つまり、鮭がダイエット向きではないとされるのは調理法、特に味付けが原因だったのです。
そんな鮭ですが、ダイエットを助けてくれるタンパク質や、美容に最適のアスタキサンチンを多く含んでいます。つまり、塩分と油分が多めの調理法に気をつけなくてはいけないのです。それを解決できる食べ方が、サーモンのお刺身です。塩辛さとは無縁なので、ご飯を大量に食べ過ぎるのを抑えられます。
他にも、生鮭をクリームシチューや蒸し物など焼き物や揚げ物にしない方法もあります。そうすると脂肪過多のフライや、ご飯が欲しくなる塩鮭を避けられます。シチューは太りそうな気もしますが、満腹感を持続させるので、食べ過ぎ防止の観点からも有効な調理法です。
鮭の美容パワーを活かす食べ方
鮭の美容パワーを活かす食べ方としては生鮭を使った調理がベストで、塩鮭のようなご飯の食べ過ぎを防ぐ点では有効です。鮭が1日に2食も出されるミスユニバースの栄養士であるエリカ・アンギャル氏も、生鮭を使ったグリルや刺身サーモンが入ったちらし寿司などを紹介しています。
しかし、いくら身体に良くても生鮭や刺身ばかりでは、どうしても料理のバリエーションが少なくなってしまいます。ここでは、鮭の美容に良い部分を引きだす食べ方について述べていきます。
まずは、皮ごと食べるのが1番です。鮭の皮はコラーゲンの塊である上、DHAやEPAと言った不飽和脂肪酸が皮の下には豊富に含まれています。そうした点では焼き物が理想ですが、焼き過ぎてしまうと、ダイエットに有益なアスタキサンチンが失われるため、注意が必要です。
アスタキサンチンはビタミンCとの相性も良いため、皮ごとの鮭をホイルに包んだ蒸し物やシチューに入れましょう。これらの調理法は鮭のうまみを逃がさない方法でもありますが、揚げ物による脂肪過多を避けられますし、焼き過ぎでアスタキサンチンが失われることもありません。そして、一緒に入っている野菜のビタミンCとの効果も相まって、美しさを高めてくれる方法でもあるのです。
また、大豆に豊富なイソフラボンは、鮭に多く含有するビタミンDの効能を引きたてます。ビタミンDもイソフラボンと並んで美容を高める成分です。そのため、鮭のシチューに水煮の大豆、汁物に豆腐を入れる調理法は栄養学ばかりか、美容の観点からも抜群の相性なのです。
今晩の夕飯は鮭のメニューで決まり♪
如何でしょうか。これまで挙げてきたように、鮭は高カロリーではなく、食べ方次第ではダイエットの助けになる食材です。それどころか、骨の強化、そして頭髪やお肌の美しさを引きたてるスーパーフードとしての活躍もしてくれます。
今回列挙したのは、鮭が持つ効能からすればほんの一部です。ダイエット、或いは美容や健康のために万能食材として迷ったときには、ぜひ鮭を取り入れてみてください。