オメガ3脂肪酸がスゴイ!サビない体を手に入れよう!健康・美容・アンチエイジング効果にも優てる?
私たちは日頃の食事から様々な栄養素を摂取していますよね。健康志向や美意識から栄養バランスの優れた食生活を心がけている人も多いはずです。数多く存在する食べ物の中で「脂分」はダイエットや病気予防の観点から極力避けてしまいがちですよね。
「食事から摂取する油分は体重の増加や生活習慣病の原因になる」というマイナが連想される油ではありますが、健康を維持していく上では欠かせない重要な栄養素ですよ。特にオメガ3系脂肪酸と呼ばれる油は、健康効果や美容効果さらにはアンチエイジング効果に優れた「体に良い脂分」として注目を集めています。
こちらでは、「オメガ3系脂肪酸とは何か」といった基本から得られる効果や摂取方法など、日頃からアンチエイジングを心がけている人に是非知っておいて欲しい情報をご紹介します。
毎日の生活の中で上手にオメガ3系脂肪酸を摂取して若々しさをキープし、健康で美しい心身を目指しましょう!
目次
オメガ3系脂肪酸とは
ホルモンや細胞膜を生成したり生命維持に欠かせない臓器を機能させたりと、私達の体内ではありとあらゆる器官において油が使用されます。さらには、脂質は脳の約60%を占めるとされていますから、油を摂取しなければ健康な毎日を送ることはできません。
特に、ホルモンバランスが心身の健康に大きく関わっている女性の場合には、油を極端に摂らない生活を続けると生理不順・生理痛の悪化・生理が止まるといった女性特有の症状に陥ることもあります。
当然、ジャンクフードやファストフードの食べすぎから脂分を摂取しすぎてしまうと健康に支障をきたしますが、油の摂取量が極端に少ないことも健康維持には好ましくないのです。とはいえ、油であればどのような油でも良いというわけではありません。油はいくつかの種類に分けられますから、まずはそれぞれの特徴をきちんと知っておきましょう。
脂肪酸の種類を知ろう!
様々な食べ物や食材に含まれている油は、脂肪酸によって構成されています。この脂肪酸には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類があります。
まず、飽和脂肪酸は牛脂や豚脂などの動物性脂肪に多く、「脂」として個体で存在します。一方、不飽和脂肪酸はオリーブオイルやひまわり油など植物性脂肪に多く、「油」として液体で存在します。
オメガ3系脂肪酸は不足しやすい
植物性脂肪に多い不飽和脂肪酸は、さらに3つのタイプに分類されます。まず、体内では生成できないため食べ物から摂取しなければならない必須脂肪酸「オメガ3系脂肪酸(αリノレン酸)」「オメガ6系脂肪酸(リノール酸)」の2つ、そして体内でも生成が可能な「オメガ9系脂肪酸(オレイン酸)」の1つがあります。
市販の植物油やマーガリンなど、日頃「油」として使用したり摂取したりするもののほとんどにはオメガ6系脂肪酸で構成されています。そのため、オメガ6系脂肪酸は意識しなくても十分な摂取が可能、むしろ過剰摂取に陥りやすいと言えますね。
しかしオメガ3系脂肪酸の場合には、青魚の油やエゴマ油と多く含まれている食材が限られているため、意識して摂取しなければ十分な量を補うことができません。その結果として、私たちはオメガ6系脂肪酸を十分な量むしろ多すぎるくらい摂取している一方で、オメガ3系脂肪酸の摂取量は不足しがちになっています。
オメガ6系脂肪酸における必要摂取量はおよそ1~2g(1日あたり)で、健康維持のために心掛けたい理想的な摂取量としては「オメガ3系脂肪酸:オメガ6系脂肪酸=1:1~1:4」の割合だとされています。この理想的な割合での摂取を目指すには、「オメガ6系脂肪酸の摂取量を抑えながら、オメガ3系脂肪酸を意識して摂取すること」が非常に大切になります。
オメガ3系脂肪酸を摂取すべき理由
オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸は、体内で生成できないため食べ物から摂り入れなければならない「必須脂肪酸」に分類されます。
オメガ3系脂肪酸は、体内に摂り込まれた後に「DHA(ドコサヘキサエン酸)」「EPA(エイコサペンタエン酸)」に形を変えます。DHAは脳の中に、EPAは血液中にそれぞれ多く存在して脳機能に大きく関わっています。脳という重大な器官とその機能に関係するからこそ、オメガ3系脂肪酸は「必須脂肪酸」として食べ物から摂取すべきだとされているのです。
DHAが持つ効果:生活習慣病の予防、抗ストレス作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用
EPAが持つ効果:血液サラサラ効果、動脈硬化の予防、アレルギー症状の改善
また、DHAやEPAには上記のような健康維持には大変嬉しい効果がたくさんあるからこそ、意識的に食べ物から摂取すべきだということが分かりますね。
同じ必須脂肪酸であるオメガ6系脂肪酸にも、悪玉コレステロール値を下げる、生活習慣病の予防・改善効果といった働きがあります。しかし、オメガ6系脂肪酸には悪玉のみならず体に必要な善玉コレステロール値も下げてしまうほか、アレルギー症状や炎症を強めてしまうという側面もあります。
したがって、必須脂肪酸の中でも積極的に摂取すべきなのは、圧倒的にオメガ3系脂肪酸ということが分かりますね。
オメガ3系脂肪酸の健康・美容効果
必須脂肪酸であるオメガ3系脂肪酸からは、様々な健康・美容効果が得られます。体の中から美しく、そして健康になれる嬉しい効果の数々を知れば、あなたもきっとオメガ3系脂肪酸を摂取したくなるに違いありません。
オメガ3系脂肪酸から得られる健康効果
オメガ3系脂肪酸から得られる健康効果としては、「コレステロールの抑制から血液をサラサラにし、循環器系疾患のリスクを下げる」「脳の若返り効果から認知症を予防」「ガンや精神疾患のリスク軽減」そして「免疫力の向上とアレルギー症状の抑制」などが挙げられます。
時には命の危険にも関わる疾患を予防しながら健康的な毎日を過ごす上では欠かせない効果の数々を具体的に見ていきましょう。
1.血液をサラサラに!循環器系疾患のリスクを下げる
オメガ3系脂肪酸には、悪玉コレステロールを抑制しながら善玉コレステロールの作用を高めるという作用があります。
血中に悪玉コレステロールがたくさんあると、血液がドロドロになることに加えて血管の弾力やしなやかさが失われて硬く脆い状態に陥ってしまいます。一方、善玉コレステロールは血管の内壁にこびり付いた悪玉コレステロールを剥がし外へと排出するという嬉しい働きがあります。
悪玉コレステロールから血管がどんどん硬く脆くなっていくと動脈硬化に陥りかねません。さらに、悪玉コレステロールによってドロドロになった血液中には、血栓(血のかたまり)が生じやすくなり心筋梗塞をはじめとした心臓病のリスクが高まります。
命の危険に関わる循環器系疾患の予防には、根本的な原因となる悪玉コレステロールへのアプローチが欠かせません。オメガ3系脂肪酸の血液サラサラ効果を味方につけ、サラサラの血液と柔軟性に富みしなやかな血管へと生まれ変わりたいですね。
健康診断での悪玉コレステロール値や血圧が高いという結果が出ている人は、日頃からオメガ3系脂肪酸を摂取して改善していきましょう。
2.脳を若返らせる!認知症予防にも
先述の通り、脳の約60%が脂質で占められていることに加えて、オメガ3系脂肪酸が体内で変化して生じるDHAやEPAは脳の機能に大きく関係しています。特に脳内に存在するDHAは脳を構成する神経細胞膜の中にあり、DHAが含まれる量が多ければ多いほど脳が柔らかく情報伝達が活発に行われるとされています。
いつまでも多くの量のDHAが脳内にあれば良いのですが、残念なことに一定の年齢になると減少するばかりで再生されることがなくなるのです。しかし、オメガ3系脂肪酸から摂り入れられるDHAは、脳細胞を修復し老化を抑えるという働きが!
さらには、最近の研究ではオメガ3系脂肪酸を積極的に摂取することで、認知症予防・症状進行抑制効果が得られることが実証されていますよ。
3.ガンや精神疾患のリスク軽減
オメガ3系脂肪酸に富む青魚をたくさん食べている人は、食べていない人よりもガンの発症リスクが低いとされています。
さらには、うつ病の人が体内に蓄えているオメガ3系脂肪酸が健康な人よりも少なくなっていることが判明しており、オメガ3系脂肪酸の摂取がうつ病特有の症状を和らげる効果も期待されています。
オメガ3系脂肪酸から変化して生じるDHAには抗ストレス作用がありますから、大きなストレスを受けたりストレスが蓄積したりして生じるうつ病の予防にも役立ちます。うつ病の改善のみならず、前向きでポジティブな気持ちにする・やる気が出る・元気な心といった心身の健康にも良い効果をもたらしてくれますよ。
4.免疫力を向上!アレルギー症状の抑制も
悪玉のみならず体に必要な善玉コレステロール値も下げてしまう他、アレルギー症状や炎症を強めてしまうオメガ6系脂肪酸の過剰摂取がアレルギーの原因の1つとして考えられています。
一方、オメガ3系脂肪酸は抗アレルギー作用から、オメガ6系脂肪酸が持つ悪影響を抑制してくれますよ。さらには、オメガ3系脂肪酸は抗炎症作用にも優れていますから、アレルギーに伴う症状の軽減のみならず免疫力を高めてくれます。
毎年花粉症に悩まされている人や体調を崩しがちな人は、オメガ3系脂肪酸の抗アレルギー作用&抗炎症作用そして抵抗力の向上効果から病気に負けない体作りを!
オメガ3系脂肪酸から得られる美容効果
様々な病気のリスクを抑えられるオメガ3系脂肪酸ですが、多くの女性にとって嬉しい美容効果もたくさん!
1.抗炎症作用が肌トラブルを解決
オメガ3系脂肪酸が持つ優れた抗酸化作用は、ニキビ・肌荒れ・肌の赤み・かゆみといった肌トラブルの改善にも効果的!
肌トラブルを解消するためには、清潔に保ったり保湿したりといった外からのスキンケアが欠かせませんよね。しかしながら、化粧の仕上がりや見た目の印象に直結する肌トラブルですから、できる限り予防したいですよね。
体調が食生活や栄養バランスに左右されるのと同様、肌の状態も摂取する栄養素の影響を大きく受けますから、体の中からのケアも忘れてはいけません。抗酸化作用の優れたオメガ3系脂肪酸を摂取すれば、ニキビや肌荒れといった不快な肌トラブルができる前に予防できますよ。
2.肌のターンオーバーが活発に!くすみ対策にも
皮膚のすぐ下には数多くの毛細血管が存在します。冷えていたり血液がドロドロになっていたりすると、血行不良から顔がくすんだり肌のターンオーバーが正常に行われずに様々なトラブルが生じやすくなったりします。こうした血行不良から生じる顔のくすみや肌のターンオーバーの乱れの改善にも、オメガ3系脂肪酸の血行促進効果は優れた効果を発揮します。
さらに、オメガ3系脂肪酸は肌の潤いを保つために必要な細胞間脂質(セラミド)の生成に使用されるので、肌に潤いを与えて柔らかくしてくれますよ。皮膚が乾燥すると肌本来が持つバリア機能が失われて外からの刺激に弱くなったり肌のターンオーバーが乱れたりと、様々なトラブルを引き起こす原因となります。だからこそ、保湿ケアは健やかで美しい肌を保つには欠かせないアプローチだったのです。
セラミドへのアプローチによって肌の水分量を高めつつ肌のターンオーバーを活発にするオメガ3系脂肪酸は、肌トラブルの改善そして美しい肌を保つには最適の栄養素ですね。
3.中性脂肪を抑制して嫌なお肉を予防する
お腹や太ももそして腰回りといった部分の嫌なお肉は、いつの間にか増えていると同時になかなか減らせられない厄介なものですよね。そもそも脂肪としてお肉が増えるのは、体のエネルギー源として使用されずに余った中性脂肪を「いざという時のために」と体内に蓄えているからです。
蓄えられる脂肪は内臓脂肪と皮下脂肪とに分けられますが、このどちらの脂肪のほとんどを中性脂肪が占めています。したがって、嫌なお肉が体につかないよう予防するには、中性脂肪を抑えることが重要となります。
オメガ3系脂肪酸は中性脂肪を低下させる働きがありますから、脂肪を溜めにくくするという優れたダイエット効果が得られますよ。
さらには、血行促進効果から基礎代謝が高まりますから、日常生活での消費カロリー量が増えますし、運動時に得られる脂肪燃焼効果もUP!オメガ3系脂肪酸を摂取することで、体の中から「太りにくく痩せやすい」という憧れの「痩せ体質」へと変身できますね。
4.ホルモンバランスを整えて女性らしさがUP!
オメガ3系脂肪酸はホルモンバランスを整える働きがあるので、ホルモンバランスの乱れから生じる生理不順・生理痛・PMS(月経前症候群)といった女性特有の不快な症状の改善が可能に!
また、女性ホルモンには美肌・美髪効果やバストアップといった女性らしい体づくりに欠かせない嬉しい作用がありますから、ホルモンバランスを整えることは美容にも大変良いですよ。
オメガ3系脂肪酸の接収方法
オメガ3系脂肪酸の1日あたりの摂取必要量は、「生活習慣病予防には2~3g程度、アンチエイジング効果には5g程度(ティースプーン1杯程度)」になります。
どういった食材がオメガ3系脂肪酸に富んでいて、それらの食材をどの程度摂取すればこの摂取必要量をクリアできるのかを以下でご紹介します。
オメガ3系脂肪酸が豊富な食材は何?
オメガ3系脂肪酸を豊富に含む食材は、青魚や植物油そして木の実・種になります。それぞれの食材で調理の仕方やオススメの摂取方法が異なりますから注意が必要です。
青魚ならDHAとEPAを直接摂取できる
マグロ・サバ・サンマ・ブリ・イワシなどの青魚にはオメガ3系脂肪酸以外にも、DHAやEPAも豊富に含まれています。つまり、青魚ではDHAやEPAをそのままの栄養素として摂り入れられ、血液サラサラ効果をはじめとした作用をより大きく得られるというメリットが!青魚や目の後ろのトロトロとした脂身には、特にDHAやEPAがたくさん含まれていますよ。
また、オメガ3系脂肪酸は当然「脂」ですから、白身よりも赤身や脂身というように脂肪量が多ければ多い部位ほど効率良くオメガ3系脂肪酸を摂取できます。
養殖よりも天然ものが、そして旬で脂が乗ったものであればさらにオメガ3系脂肪酸の含有量が高いとされています。旬のものとそうでないものとでは、含有量に10%ほどの差があります。その季節ごとに旬を迎えて美味しい青魚から効率良く摂取したいですね。
青魚を毎日料理して食べるのは難しいですが、週に2回ほど食べれば必要量を補うことが可能です。毎日の献立を考える際には、「週に2回は青魚」を意識してみてはいかがでしょうか?
摂取しやすくて助かる!植物油や木の実・種
「青魚にはオメガ3系脂肪酸がたくさん!」とは言っても、青魚が苦手な人や毎日必要量を摂取したい人にはあまり適していないかもしれません。亜麻仁油・えごま油・シソ油・チアシード・くるみにもオメガ3系脂肪酸が豊富ですから、毎日の摂取を続けるにはこれらの食材を取り入れるほうが簡単ですね。
最近スーパーフードとして注目を集めているチアシードや亜麻仁油をはじめとした植物油の場合には1日ティースプーン1杯程度、くるみの場合には28g(5~6個分)程度で必要摂取量をカバーすることが可能です。
また、亜麻仁油をはじめとしたオメガ3系脂肪酸が豊富な植物油は加熱にとても弱く、調理油として使用には適していません(加熱した食材に組み合わせるのもNGなくらいです)。したがって、植物油からオメガ3系脂肪酸を摂取する際には、スプーンで飲んだりドレッシングに足したりと「加熱しない・温めない摂取」を心掛けてくださいね。
抗酸化作用に優れた栄養素と一緒に摂取しよう
嬉しい効果がたくさん得られるオメガ3系脂肪酸ですが、酸化しやすいという弱点があります。
オメガ3系脂肪酸の効果を損なわないためにも、酸化を防ぐ作用つまり抗酸化作用が高いビタミンE・ビタミンB群・ミネラル類といった栄養素と一緒に摂取するようにしましょう。特にビタミンEは「若返りビタミン」と呼ばれるほどに抗酸化作用に優れていますからオススメですよ。
サプリで補ってもgood
オメガ3系脂肪酸はできる限り自然の食材からの摂取が好ましいですが、どうしてもそれが難しい場合にはサプリメントの活用がオススメですよ。
特に、抗酸化作用に優れたビタミンEが配合されていて、オメガ3系脂肪酸の中での理想的な配合率とされる「DHA:EPA=1:2」であるものだと効率良く美や健康へとアプローチできますよ。
まとめ
脳や血管そして血液などに優れたアンチエイジング効果を発揮するオメガ3系脂肪酸は、いつまでも健康で美しく元気にいるためには積極的に摂取したい栄養素であることが分かりました。
健康・美容効果に優れるオメガ3系脂肪酸ではありますが、「油」であることには変わりませんから「体に良いから」と過剰に摂取してはいけません。あくまでも1日の摂取目安量を守りながら、コツコツと毎日摂取することを続けてくださいね。
オメガ3系脂肪酸を上手に摂り入れて、体の中から見た目にも若々しい体を手に入れたいですね。
参考文献:ネイチャールズ・ヘスル
参考文献:農林水産省