お米に餅米とうるち米があるように、麦にももち麦というのがあります。このもち麦が今、コレステロールを下げ、ダイエットにも高い効果があると注目されているのです。
もち麦は日本ではまだほとんど知られていませんが、イタリアンやフレンチでも使われる食材だったのです。
さて、これからそのもち麦を使ったダイエット方法を紹介していきましょう。
もち麦とは?
もち麦は米の生産が難しかった昭和初期頃まで、兵庫県福崎町あたりで米の代替作物として食べられてきました。粘りがあり、プチプチとした食感から、団子などにして食べていたそうです。
もち麦の特徴は豊富な食物繊維。普通の白米に比べて約25倍も含まれているのです。
玄米と比べても約4倍もあり、食感が悪く、炊くときにも注意が必要な玄米を食べるよりも効率的です。
もち麦に含まれる食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が約4:3の比率で含まれています。
ダイエットには、糖分の吸収速度をゆるやかにし、脂肪の吸収を抑える水溶性食物繊維が注目されがちですが、腸の中でお掃除の役割をしてくれる不溶性食物繊維も大切な栄養素で、おおよそ2:1の割合で摂取することが理想だといわれています。
このように、もち麦は、食物繊維が多く、ダイエット効果もあることから、全国的に人気が出始めました。今では、アメリカやカナダなど、海外にも広まりつつあります。
もち麦ダイエットの方法は?
もち麦を使ったダイエット法は、一日の食事のうち、朝と昼の2回、もち麦を使ったご飯を食べるのが基本です。
もち麦はまだまだ生産量が少なく、どこでも手に入るものではありませんし、毎日続けるとなると難しいと思うかもしれませんが、インターネット通販では大手ビール系メーカーから購入することもできて安心です。
これらの商品は1回分をワンパックにした商品もあり、おいしくいただけるようになっています。
もち麦ダイエットの効果
もち麦の主な栄養と効果は、以下のようなものがあります。
餅米に含まれる食物繊維(βグルカン)によって血中コレストロールを下げ、血流を良くする
- お掃除役の不溶性食物繊維が大腸の免疫力も高める
- βグルカンは糖の吸収を穏やかにしてくれるので、糖尿病の予防になる
- 水溶性・不溶性の両方を持つ食物繊維繊維が、便秘を改善
- 抗酸化作用のあるポリフェノールが肌のシミを予防する
特にβグルカンは、米国をはじめ、世界各国の研究機関から健康効果を認める成果が公表されています。
米国では、1日3000mgの大麦β-グルカンを摂ることができる健康的な食べ物に対して、「冠状動脈心疾患のリスクを下げる」効果を表示することが認められています。
また、がんに効くと一時期流行したサルノコシカケ科、ハラタケ科、シメジ科に属するきのこにもβグルカンが含まれており、がん細胞の成長抑制に関与しているのではないかと研究がされています。
ただし、キノコに含まれているβグルカンの量は少なく、もち麦をはじめとした大麦に含まれるβグルカンの量はその比ではありません。
もち麦ごはんの炊き方
もち麦ダイエットの基本はもち麦をご飯にしていただく方法ですが、もち麦を100%使うのではなく、3割から5割を混ぜて炊き込みます。普通の麦ご飯を炊くのと同様です。このくらいの割合がちょうどおいしくいただける割合で、それ以上多くなると味がまずくなります。
炊き方も普通の炊飯器で十分で、洗った(研いだ)お米に持ち麦を洗わずそのまま入れて炊くだけの簡単さです。
もち麦の良いところは、アミロースとアミロペクチンが含まれていることにより、普通の麦ご飯に比べてパサついた食感にならないので、おいしくいただけること。そのうえ、プチプチとした食感は噛み応えがあり、咀嚼回数も自然と増えるので、少量のご飯でも満腹感が得られます。
一番取り組みやすい 3割をもち麦にした場合の炊き方は以下の通りです。
炊きあがり3合分を作る例
- 白米2合に対し、もち麦100gを使います。
- 白米は洗ってざるに上げ、水分を十分切っておきます。
- 白米を炊飯器に入れ、水を入れます。この水は特に調整する必要はなく、いつもの量でかまいません。
- もち麦は袋から出して計量したら、洗ったりすることはせず、そのままの状態でいれて軽くかき混ぜます。
- 炊飯器のスイッチを入れて炊きあがりを待ちます。
普通に炊くだけなので続けやすいと思います。
この割合では、少なめのご飯(150g)で食物繊維は2.3g摂取できることになります。
こんな人におすすめ!
もち麦ダイエットは手軽に取り組めるダイエット法の一つですが、特に以下のような悩みのある人には挑戦していただきたい方法です。
- 糖質制限ダイエットに失敗したことがある
- 炭水化物が大好き
- 食物繊維が不足している
- 噛む回数が少なくて早食い
- お通じが不定期で便秘しがち
- ダイエット食を作るのが面倒
もち麦ダイエットはある程度しっかり食べて痩せる方法なので、食事制限によるストレスとは縁遠いダイエット方法です。
もちろん、食べ過ぎるとカロリーオーバーにはなりますが、ゆっくり噛む必要があるもち麦は、脳に満腹感を与え、我慢しているという感覚を起こしにくいのです。
糖質制限ダイエットや置き換えダイエットで失敗する人は、空腹で我慢ができず、ついつい食べ過ぎてしまうことが原因でした。
炭水化物や脂質も制限しすぎると脳の働きが鈍ってしまい、活発な活動ができないことにもつながります。
その点、もち麦ダイエットは適度に炭水化物を摂取できるうえ、アミノ酸類も豊富なので、栄養バランスも優れた食事が可能です。
ほかのダイエット法では、水溶性と不溶性の食物繊維のバランスをとるのに苦労する場合もありますが、両方をバランス良く含むもち麦なら、普通のご飯を炊く要領で持ち麦ご飯ができ、特別なメニューを考える必要がありません。
脂っこいものは避ける必要がありますが、まずいメニューを我慢して食べなければいけないことがないのは、うれしいですね。
まとめ
もち麦はまだまだ知られていない食材ですが、その食物繊維の力はダイエットに最適で、美容にも効果が期待できます。
もち麦ダイエットは、脳の活動を低下させずに朝からしっかり活動できる身体を保ち、しかも美容にも良い、素晴らしいダイエット食材になります。