一口に肥満といっても、様々あります。まわりからよく目立って、”ダイエットしなければ”と、わかりやすいのが、”お腹ポッコリ”型です。一方、外からよく見えないが、気をつけたいのが”内臓脂肪型です。成人病になりやすい体質の人は気をつけなければいけません。
そして女性が最も気にする肥満の一つに下半身太りがあります。下半身太りは特に足が太く見えるので、スタイルを気にしがちな人には悩みの種です。
これから気になる下半身太りの解消法を一緒に探っていきましょう。
下半身太りの原因
下半身太りといっても、その原因はいくつかあります。単なる脂肪の蓄積ならダイエットすればすむ話ですが、場合によっては危険な足のむくみもあるので、注意しなければいけません。
下半身太りの症状(原因)としては、以下の7つがあげられます。
- 悪い姿勢や産後の体型が変化することによって、骨盤がずれて起こる
- 皮下脂肪(セルライト)の増加
- 筋力の低下
- いわゆる水太り
- 水分不足によるむくみ
- 自転車などの運動で筋肉がついている
- 血液やリンパが滞ることによるむくみ
こんなに種類があるのです。筋肉があっても、逆に、なかっても太る、水分が多くても不足しても太る、人間の体は非常にデリケートです。
このことは、それぞれに対応した対処をしないと理想的な美脚は実現しないということになります。まずは自分のタイプをよく知ることから始めましょう。
1)産後の体型の変化には要注意
出産するとしばらくは太ってしまうといいます。妊娠する時は体内の胎盤が発達する影響で、体脂肪をどんどん代謝しますが、産後は母親の胎盤が急速に落ち、体脂肪を代謝できないのも一つの原因です。さらに、大きな赤ちゃんを体内に抱えているのは、大きな荷物をいつもお腹に抱えて生活しているようなもの。骨盤もそれに併せてバランスをとっているため、急に重心が変化すると、それを補おうとして太ももの裏などに脂肪がつくのです。
出産にかかわらず、いつも重い鞄を片方に持って歩く人も、同じような症状になります。
2)皮下脂肪の増えすぎは血流の流れを悪くする
ダイエットのイメージとして一番先に頭に浮かぶ皮下脂肪。これも増えすぎると大変な病気のもとになります。
最初は太もものあたりに皮下脂肪がたまるだけなのですが、次第に細胞が肥大化し、周りの血管を圧迫して血流が悪くなります。細胞は栄養不足になり、老廃物も蓄積しやすい環境になるため、脂肪細胞の一部が変形し、でこぼこした肌(セルライト)が増えてしまうのです。
普段から座ったままの姿勢でいる人や、生活習慣の乱れる人、ケーキやスナックを間食によく食べる人は要注意な肥満型です
3)筋肉もちょうどいいが良い
筋肉による下半身太りには2つあります。一つは筋肉のつきすぎによる下半身太り。水泳選手や自転車の選手など、かなり運動をしている人の太ももは女性の腰回りくらいあります。若くて運動をやっている最中の人は気にしなくて良いのですが、運動をやめてもやせていかない人は要注意です。これは筋肉の周りに脂肪がついている可能性が大きいのです。見た目は堅くて筋肉質だからと運動もせずにいると逆効果です。さらに脂肪が増えて太ってしまいます。
筋肉がなくてぶよぶよしている場合もあります。これは筋肉をつけないと、どんどん太っていきます。
4)水分
筋肉と同様、水分も多くてもいけない、少なくてもいけない、やっかいだと思わせる問題です。
水分が不足していると血流が悪くなり下半身に老廃物が蓄積して、その結果、むくみを生じます。夏の熱中症の原因にもなるため、水分は適度に補給する必要があります。冷房や暖房でも水分は意外と失われるので、定期的に少しずつ飲むのが適当だとされています。
逆に水分が多いとむくみの原因になると思われがちですが、そう簡単な問題でもありません。この症状は腎臓や心臓、肝臓などに問題がある可能性も秘めているので要注意です。
人間の体は一定の水分と濃度(浸透圧)を守るようにできています。血液の流れとともに、老廃物は腎臓で漉されて尿として排出されます。腎臓が十分な働きをしていないと、老廃物が漉されず、体内に残ってむくみの原因となってしまいます。むくみとなる原因は、そのほかの心臓や肝臓に問題があることもあるので、長い間治っていかない場合は、健康チェックが必要です。
このように、下半身太りといっても内臓に問題がある場合もあり、特に足のすねを10秒以上強く指で押してへこみが出来るようであれば、腎臓などの疾患を疑い、病院へ相談に行きましょう。ひどいむくみでは、3~4日という非常に短期間で10kgも体重が増加することもあります。
解消するには
原因がわかったところで、ここに対処法を探っていきましょう。
1)姿勢を正しく矯正する
姿勢を正しくすることは、内臓の動きを正しくすることにもつながるので大事なポイントです。
出産後のほかに以下の事に注意しましょう。
- いつも同じ肩、手でカバンを持つ
- テレビ見るとき、ごろ寝、脚を組んで座る
- 横向きで寝る
- 正座をよくする
という場合も注意します。
これを解消するには、まず、歩くときかかとをしっかりつけて歩く癖をつけましょう。
また、仰向けに寝たり、足を90度に曲げ、下半身だけ左右交互に倒すストレッチも改善に効果的です。
これを1~3分くらい続けてください。
それから、おしりを鍛えるおしり歩き体操やふりふり体操なども効果的です。やり方は動画付きで紹介されているサイトも多いので調べてみてください。
2)カロリー摂取を控える食事
下半身太りでも脂肪がつくことは避けたいところ。一般的なダイエットと同じようにカロリーの過剰摂取は禁物です。特にケーキやスナック菓子はカロリーが高いだけでなく、や分も多いので、脂肪がつきやすくなります。昔に流行した”カウチポテト(テレビを見ながら寝そべってポテトチップをかじる)”などはもっての外です。
間食に何か食べるなら、ビタミン類も一緒にとれるフルーツやナッツなどを少し食べる程度にしておきましょう。ゆっくり噛んで食べることで満足感も得られ、ダイエットには効果的です。
極端な食事は問題ですが、下半身太りにもダイエット食は有効です。
2)カリウムを積極的に摂取しよう
カリウムには利尿作用があり、水分によるむくみを解消してくれる成分です。カリウムの多い食材には以下のものがあります。
- 干しひじき
- かぼちゃ
- さつまいも
- アボガド
- キウイ
干しひじきはカリウムのほか、ビタミンB1や鉄分も多くて貧血に悩む女性にはうれしい食材です。カボチャは冬至に欠かせない食材ですが、体を温める効果があり、冷え性の改善にもつながります。
アボガドやキウイもデトックス効果が高く、むくみをとるには積極的に取り入れたい食材といえます。
下半身太りには、カロリーを控えることも併せて、これらの食材をうまく摂取し、バランスのとれた食事を心がけることが重要です。
普段の生活を見直して、スッキリな下半身へ!
下半身太りは、体の線が見えやすくなる夏の時期に、気分をうっとうしくさせる困りごとです。
下半身太りは、普通の肥満とは異なり、内臓の疾患によるむくみも含まれるので、注意が必要です。特に、体内の老廃物がうまく排出できないことで起きるむくみに関しては、腎臓などの疾患が考えられるので、専門医の受診が無難です。
ダイエットの食事にあわせて、カリウムの摂取など体外へ老廃物を積極的に排出する工夫もしていきましょう。
とはいえ、下半身太りで脂肪が原因と思われるものは多く、ストレッチや適度な運動で解消できます。