朝起きての1杯が効果抜群!牛乳が便秘にいいの?
辛い便秘に優れた効果を発揮する食べ物や飲み物には様々なものがありますが、その中でも牛乳が特に即効性のある便秘解消効果を誇ることをご存知でしょうか?
「朝起きて1杯の牛乳を飲む」という便秘解消の方法を耳にしたことのある人も多いはずです。
こちらでは、牛乳に含まれる便秘解消効果をはじめとし、朝に飲むのがベストタイミングとされる理由を分かりやすくご紹介します。
しかし、便秘の種類や体質によっては、牛乳による便秘解消方法が適していない場合もあります。
便秘解消法を目的とした牛乳の飲用での注意点についても最後に触れますので、牛乳での解消法が合っているのかどうかも踏まえながら参考にしてください。
目次
牛乳が便秘に効果的な理由
そもそも牛乳が便秘に効果的なのは、「豊富に含まれる乳糖やオリゴ糖が善玉菌を増やす」「マグネシウムが便を柔らかくする」という便秘の解消には欠かせない効果や栄養素を含んでいるからです。
善玉菌を増やす乳糖とオリゴ糖が豊富
善玉菌は便秘の原因である悪玉菌の働きを抑えたりその数を減らしたり、あるいは腸内を弱酸性に保って悪玉菌が住みにくい環境を作ったりといった腸を健やかな状態に保つ働きがあります。
さらには、便を形成する際には水分量を保って柔らかくしてくれますから、腸のみならず便の質をも排便に適した状態へと導いてくれます。
牛乳には「善玉菌を増やす」というアプローチから腸内環境を整えるオリゴ糖や乳糖が豊富に含まれています。
牛乳から摂取されたオリゴ糖や乳糖が腸内に届くと、腸内細菌である善玉菌の餌となってその数を増やせられるのです。
また、オリゴ糖や乳糖が餌となって善玉菌が増える過程で、腸を刺激して腸の蠕動運動を促進する乳酸や酢酸が発生します。
牛乳を飲むとお腹がポコポコしたり腸が活発に動いたりするのは、乳酸と酢酸の発生によるものです。
便秘の根本的な原因としても考えられる「腸内環境の悪化」を、善玉菌を増やして改善したり、排便に必要な腸の蠕動運動を促進したりといった2つの効果をオリゴ糖や乳糖から得られますよ。
マグネシウムが便を柔らかくする
牛乳200mlあたりには25mgものマグネシウムが含まれています。
実はこのマグネシウムには腸内で水分を吸収し、固くなった便の水分量を増やして柔らかくする働きがあります。
つまり、便秘の原因である固くなった便を柔らかくほぐし、排出しやすくするのですね。
ただし、この便を柔らかくする効果が優れているからこそ、マグネシウムを過剰に摂取すると便が柔らかくなりすぎてしまって下痢に陥ります。
牛乳を飲みすぎると下痢になるのは、便の水分量を増やすマグネシウムの働きも一因として考えられますよ。
飲むタイミングは朝1番!
善玉菌を増やすオリゴ糖や乳糖、そして便を柔らかくするマグネシウムといった2つの働きがある牛乳だからこそ、優れた便秘解消効果が期待できることが分かりました。
こうした牛乳の嬉しい便秘解消効果を最大限に活かす飲み方としては、「朝一番に1杯の牛乳を飲む」になります。
朝起きてしばらくしてから牛乳を飲むのではなく、朝起きてすぐに飲むようにしてくださいね。
これは睡眠中に休んでいた胃や腸が、朝一番の牛乳で驚いて目を覚まして動きが活発になる胃結腸反射という現象が生じるからです。
朝起きて何かを飲んだ際に、強い便意を感じた経験がある人も多いはずです。
あの便意こそが胃結腸反射によって引き起こされていたものです。
牛乳にプラスして、飲むには?
朝一番に1杯の牛乳を飲むだけでも、優れた便秘解消効果が得られます。
ですが、せっかく牛乳を飲むのですから、牛乳に他のものをプラスして腸内環境をより健やかにしてあげましょう。
きなこ
きなこには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維という2種類の食物繊維が含まれています。
食物繊維は腸内で善玉菌の餌となってその数を増やすという働きがあるものの、牛乳そのものには含まれていません。
牛乳には含まれていない食物繊維をきなことしてプラスすれば、相乗効果からさらに高い便秘解消効果を得られるようになります。
牛乳200mlあたりにきなこ7~10gを入れるのがオススメ!
甘さをプラスしたい場合には、はちみつで飲みやすくしましょう。
きなこを少しずつ入れたりスプーンでかき混ぜながら飲んだりすれば、しっかりきなこを溶かせられますよ。
バナナ
バナナに含まれているビタミンB6 は、牛乳に含まれるトリプトファンという成分と結合するとセロトニンという物質が形成されます。
セロトニンは別名幸せホルモンと呼ばれる脳内物質で、自律神経を整えたり良質な睡眠に欠かせないメラトニンの生成に使用されたりします。
つまり、良質な睡眠から規則正しい生活へと導き、朝の胃結腸反射や腸内環境の正常化へと繋がりますよ。
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腹持ちが良いので、朝に弱く食欲がなかなか出ない人はバナナシェイクを朝食代わりに飲んでみては?
注意
優れた便秘解消効果のある牛乳ですが、冒頭で書きましたように体質や便秘の種類によっては適していない場合もあります。
体質や便秘の種類に合っていないと辛い腹痛が生じる恐れがありますから、以下でご紹介します注意点を踏まえて牛乳を飲むようにしてくださいね。
痙攣性便秘、過敏性腸症候群の人
ストレスが原因となって生じる痙攣性便秘や過敏性腸症候群では、便秘と下痢とを繰り返すという症状が見られます。
これは、腸が敏感になっていて蠕動運動が過剰に行われて下痢になったり、便が通れなくなるほどに必要以上に収縮して便秘になったりするからです。
痙攣性便秘や過敏性腸症候群で敏感になっている腸には、牛乳の刺激が強すぎるため逆効果となる恐れがあるのです。
牛乳の刺激を抑えながら牛乳の持つ便秘解消効果を得るには、冷たい牛乳ではなくホットミルクで飲むようにしてください。
ホットミルクにすることで乳糖やオリゴ糖の吸収率が高まるほか、芯から身体が温まって腸の機能が高まりますよ。
乳糖不耐症の人
「牛乳を飲むと必ず下痢になる」と感じる人も少なくはなく、こうした体質の人は乳糖不耐症と考えられます。
乳糖不耐症とは、乳糖を分解するための酵素がもともと少ない・酵素の働きが弱いため、乳糖を上手く消化吸収できない体質のことをいいます。
日本人の場合には薬10%の人が乳糖不耐症であるとされているため、決して珍しくはない体質です。
牛乳に含まれる乳糖は便秘の解消に優れた効果を発揮しますが、乳糖不耐症の人の場合には消化不良から下痢になってしまうのです。
下痢では腸内にあるものを一切合切全て出しきってしまうため、腸内環境の悪化にも繋がる危険性もあります。
そのため、乳糖不耐症と思われる人の場合には、便秘の解消を目的とした牛乳の飲用はお勧めできません。
毎朝、起きて1杯の牛乳を!
腸内の善玉菌を増やしながら腸の蠕動運動を促し、便を排出に適した柔らかな状態にできる牛乳は、まさに便秘解消には優れた効果を発揮する飲み物であることが分かりました。
朝起きての1杯を飲めば即効性のある便秘解消効果を得られますし、飲み続けることで腸内環境を整えられるのは大変嬉しい効果です。
しかしながら、痙攣性便秘や過敏性腸症候群の人や乳糖不耐症の人の場合には、牛乳による便秘解消法は適していません。
陥っている便秘の種類や体質と照らし合わせながら、牛乳による便秘の解消を考慮してくださいね。