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英語の検定試験「TOEFL」「TOEIC」「英検」「IELTS」「ケンブリッジ検定」について知ろう

 

英語の資格を取ろうと思っていますか?英語は試験の種類がたくさんあって「どれにしたらいいのかわからない!」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は特に日本や世界で名が知れていて、おすすめの5つの英語検定試験「TOEFL」「TOEIC」「英検」「IELTS」「ケンブリッジ検定」について、詳しく解説します。それぞれの特徴や試験の内容、レベルや、どのような人向けなのかなど詳しく解説します。

 

目次

「TOEFL」について知ろう

TOEFLとは

TOEFLは(Test of English as a Foreign Language)の略で英語を母国語としない人のための英語試験です。TOEICを行っている、アメリカのテスト開発機関ETS(Educational Testing Service)が開発し運営しています。世界中で3000万人以上の人が受験している英語試験です。

TOEICは日常やビジネスのコミュニケーション能力を計る試験なのに対し、TOEFLは北米を中心とした大学留学に必要なアカデミックな英語力を計る試験です。長文もアカデミックな内容が多く、専門的な単語も多く出題されます。北米の大学や大学院に留学する場合、入学条件としてこのTOEFLのスコアを求められる場合ほとんどです。

日本各地の教育機関で年間30~40回試験が実施されています。受験料は235USドルで、スコアは試験日から2年間有効です。

テストの種類

TOEFLのテストはPBT(Paper Based Test)とiBT(Internet-based Test)の2種類あります。PBTはペーパー式のテスト、iBTはパソコンを使ったインターネットのテストです。現在、世界の96%でiBTが導入されていて、日本でも2006年10月以降このiBTのみでPBTは実施されていません。

TOEFL iBTの内容

TOEFL iBTは、テスト会場へ行きパソコンで試験を受けます。テスト項目は4項目で、項目と点数は以下の通りです。

・リーディング(60~100分)/30点満点

・リスニング(60~90分)/30点満点

・スピーキング(20分)/30点満点

・ライティング(50分)/30点満点

合計120点満点で、合格、不合格の判定はありません。

アメリカ大学が入学に必要な英語力の目安がTOEFL iBT 61点以上、大学院が79-80点以上です。大学の61点レベルで英検に換算するとで2級上級~準1級程度の高い英語力が求められます。

休憩時間や、準備時間等も入れると4時間以上の長時間のテストになります。また、TOEFLの特徴として、スピーキングやエッセイ形式のライティングなど、マーク式以外の問題もあり、実際に使える英語力が試される試験です。

TOEIC」について知ろう

TOEICとは?

TOEICは(Test of English for International Communication)で「トーイック」と読みます。日常やビジネスの場面での英語のコミュニケーション能力を計るテストで、就職活動を控える大学生や社会人向けの内容です。テストは年10回開催され、テスト会場は全国80都市以上にあります。

世界的なテストではありますが、日本人や韓国人向けに作られたテストで、世界的な知名度はTOEFLやケンブリッジ英検などより低くいです。しかし、国内での認知度は高く最近ではビジネスでは英検よりも有効な資格です。多くの企業の採用や昇格の基準として採用しています。また、採用の際に参考にするという企業も多く高いスコアを持っていれば就職の際に有利になる試験です。

テストの種類

一般的にTOEICとして認識されているのは、TOEIC L&Rです。L&RはListening & Readingの略です。この他にTOEIC S&WとTOEIC Bridgeがあります。S&WはSpeaking & Writingの略で、パソコン上でスピーキングの音声を吹き込んだり、エッセイ式で文章を入力したりして解答する形式です。

TOEIC Bridgeは、L&Rの初・中級者向け版です。TOEICには英検のような級がなく、すべてのレベルが同じ試験を受けることになります。そのため、初心者には難しすぎて、試験勉強がしにくいという難点があります。そのような初心者の人たちが、TOEICを受ける前の準備として多く活用されているのがBridgeです。

試験ごとに受験料が違います。

・TOEIC Bridge 4,320円(税込)

・TOEIC L&R 5,725円(税込)

・TOEIC S&W 10,260円(税込)

S&Wはパソコンを使うことや、コンピューターではなく人による採点があるため他のテストより受験料が高くなっています。

TOEIC L&Rの内容

TOEIC L&Rのテストはリスニングセクションとリーディングセクションの2つのセクションがあります。各セクション100問、合計200問を2時間で解くテストです。

設問はすべて四択のマーク式です。テストに出てくる英語はビジネスシーンを題材にしたものが多く、ビジネス用語も多く出てきます。ただし、TOEFLや英検1級に比べ英文や単語はやや易しいものが多いです

TOEIC L&Rのスコア

TOEICのスコアは正答数をそのまま点数にするのではなく、スコアの同一化という統計処理をした上で算出されます。この処理をすることで、受験回ごとのテスト問題の差による、点数のばらつきが少なくなり、受験者全体のどのくらいのレベルであるかがスコアとして表示されます。

リーディングセクションとリスニングセクションは各495点満点です。スコアは5点から始まるため、0点はありません。合計のスコアは単純にふたつのセクションのスコアを足したもので最低が10点、最高が990点です。

仕事に有利なスコア

一般的に、TOEICのスコアとして履歴書にかけるレベルが600点からといわれています。新入社員の場合550点程度でも、基礎的な英語力があることが証明できるので有利になる場合もあります。中途採用の場合、年々企業が期待するスコアも上がっていて、600点ではあまりアピールにならない場合もあります。

英語を日常的に使う国際部門では、最低でも700点以上のスコアが求められます。より実践的に英語力が使えると証明するためには、800点以上のスコアが必要です。一部企業では採用基準として900点以上を要求している場合もあります。

「英検」について知ろう

英検とは?

英検とは「実用英語技能検定」の略で、履歴書に書く場合はこのように記載します。受験を推奨している学校が多く、幅広く認知されている英語の資格試験です。ビジネスシーンではTOEICの人気が高いですが、英検も年間320万人を超える受験者がいる人気の試験です。文部省が後援しているため信頼度も高い試験です。

TOEFLやTOEICと大きく違う点は、5級から1級まで、準1・2級を含めると7段階のレベルごとの試験で、英語学習初心者でも受験しやすいテストです。2級と準2級など隣り合った級のダブル受験も可能です。受験料は級ごとに定められています。

級によっては、高校入試や大学入試で優遇される学校もあります。また、在学中に英検を取得すると、級に応じて英語の単位として認められる学校もあります。その他にも、準2級以上取得すると高等学校卒業程度認定試験(旧大検)で英語の科目が免除されたり、1級合格すると通訳ガイド試験の外国語の筆記試験が免除されたりするなどの優遇措置もあります。

試験の内容

英検は一次試験と二次試験があります。

一次試験は筆記試験です。リスニングとリーディングの試験があり、四択のマーク式です。この他に、1級と準1級はライティング試験があり、指定されたテーマで文章を作成します。問題数や、テストの時間などは級ごとに違います。

二次試験があるのは3級からです。二次試験は面接形式のスピーキング試験です。3級以上は一次試験と二次試験、両方の試験に合格して初めてその級に合格したことになります。

尚、4級、5級には二次試験はありませんが、級の認定に関わらないスピーキングテストがあります。このスピーキングテストは、4級、5級の試験を受けた人が、インターネットで受験できるようになっています。

英検CSEスコア

これまで英検は、合格か不合格かだけでスコアはあまり重要視されてきませんでした。というのも、正当数から出るスコアは、受験回によってばらつきがあるからです。

そこで、2016年からCSEスコア制度を導入し、TOEFLやTOEICのようなスコアも表示され、その点数で合否を決めるようになりました。このスコアは、全ての級が統一でひとつのスケールで表示されます。低い級は満点を取ってもスコアが低くなります。級が上がれば上がるほど満点スコアが高くなります。

各級のレベル

1級

大学上級程度。ライティング、リーディングなどを含めて全ての技能において高いレベルが求められます。TOEICに換算すると900点以上レベルです。ただし、出題される英文や単語は英検1級のほうが難しため、単純にTOEIC900点以上取れば、1級に合格できるというわけではありません。

準1級

大学中級程度。英語をかなり使いこなせるレベルで、TOEICに換算すると750~850点くらいが同等のレベルです。準1級に合格するレベルであれば、仕事でも実践的に英語が使えます。

2級

高校卒業程度。受験勉強でしっかり英語を学んで、英語が得意な状態で高校を卒業したレベルです。実際には、普通の高校生が、卒業段階で英検2級合格は難しいといわれています。TOEICでは550~650点程度が同等レベルです。2級は履歴書に記載すると有利になるレベルです。

準2級

高校中級程度です。3級までは、多くの人が比較的スムーズに合格しますが、準2級からはしっかり勉強しないと難しいという印象です。実際の合格率も、3級は50~55%程度ですが、準2級になると35%前後に下がります。TOEICに換算すると、400~550点程度が目安です。

3級

中学卒業レベルです。中学で学ぶ基礎英語をしっかり理解していれば合格できるレベルです。基礎レベルの英語力があることの証明になります。合格していれば高校入試などで有利になる場合もあります。

4級

中学2年生レベルの英語が理解できれば合格できるレベルです。基本的な問題が多く、約7割が合格します。

5級

中学1年生レベルです。ごく身近な内容が出題されます。合格率は8割以上です。

「IELTS」について知ろう

IELTSとは?

IELTS(アイエルツ)はInternational English Language Testing Systemの略で海外留学や海外移住に必要な英語力を証明する資格です。年間250万人が世界中で受験している試験です。現在日本での受験者も増える傾向にあります。

世界145カ国、約9,000の機関が留学や移住のための英語力判断基準として採用しています。特にイギリス、カナダ、オーストラリアなどで多く採用されていて、その地域では英語を母国語としない人のためのテストとして広く認知されています。また現在では、アメリカでもTOEFLの代わりのテストとして3,000以上もの教育機関が採用して、留学や移住を考える人は注目したいテストです。

IELTSの受験のためには、必ずパスポートが必要です。申し込みの際にも必要で、免許証など他の証明書では受験できないので、この点は注意が必要です。

IELTSの種類

IELTSは目的に応じて2種類のテストがあります。ひとつは、就職や移住のためのGeneral Training Module(ジェネラルトレーニングモジュール)で、もうひとつは留学のためのAcademic Module(アカデミックモジュール)です。リーディングとライティングの内容が、各モジュール別問題が出題されます。

IELTSの試験内容

IELTSはリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのセクションがあり、成績証明書をもらうためには全てのテストを受験する必要があります。全てのセクションが、各9.0点満点で、0.5ポイント単位でスコアが出ます。全体のスコアは、各セクションの点数の平均値で9.0点満点です。

TOEICが日常的な表現を中心に出題されるのに対し、IELTSはリスニングでも半分程度アカデミックな内容の問題が出ます。学術的な講義をリスニングする問題もあります。リーディングで出題される3つのパッセージはすべてアカデミックな内容です。スピーキングでもスピーチやディスカッションが求められるなど、レベルの高い設問が多く英語試験の最難関とも言われています。

リスニング、リーディング、ライティングは、同じ試験日で受験できますが、スピーキングの日程は選ぶことができません。筆記試験の前後6日以内で、指定された日時に受験します。

スコアの目安

IRLTSのスコアの英語レベルの目安は以下の通りです。

5.0:永住権の申請で一般的に必要なレベル。TOEIC換算で700点前後のレベル。

5.5:オーストラリアの専門学校(日本の短大)入学可能レベル、ビジネスビザ取

得可能レベル。TOEIC換算で700~800点程度です。

6.0~6.5:大学入学可能レベル。TOEIC800~900点程度です。

7.0:大学院入学可能レベル。TOEIC満点でも難しい場合もあるレベルです。

9.0:ネイティブスピーカーでも満点を取るのは難しいといわれている。

「ケンブリッジ検定」について知ろう

ケンブリッジ英検とは?

イギリスの名門、ケンブリッジ大学による英語検定試験です。日本では、一般にあまり知られていませんがイギリスなどヨーロッパを中心に認知度がとても高い英語試験です。世界150カ国以上で、年間300万人以上が受験しています。

イギリスの大学などに留学する場合の、英語力の証明としても使える試験です。日本での試験は年2回、東京、大阪のみなので地方の人は受験しにくいという難点があります。

ケンブリッジ英検は基礎レベルから、最上級レベルまで5つのレベルに別れていて、それぞれ合否で判定されます。TOEICやTOEFLなどのような有効期限が設定されていないため、一度合格すると生涯有効です。

試験の内容は?

ケンブリッジ英検の試験は、筆記試験と面接の試験があります。筆記ではリーディング、ライティング、リスニング、文法の試験があります。面接ではスピキングのテストが行われ、他の受験者と2人1組になって議論する問題などもあり、他のテストより会話力が求められる試験です。

各試験のレベル

Key English Test(KET)/基礎レベル

日常の基本的なコミュニケーションができるレベルです。TOEICに換算すると520点程度です。日本の英検にすると4級程度が目安です。

Preliminary English Test (PET)/初級レベル

日常で会話のやりとりができるレベルです。TOEICだと630点程度です。英検にすると3級より少し上で、基礎がしっかり身についている必要があります。

First Certificate in English (FCE)/中級レベル

中級レベルの英語力を証明するテストとして世界的に広く知られていて、ケンブリッジ英検の中では受験者が一番多いレベルです。TOEICに換算すると760点程度で、日常会話レベルの英語はある程度使いこなせて、仕事にも生かせるレベルです。英検だと、2級と準1級の間くらいです。留学を目指す人も最低限このレベルの英語力が必要です。

Certificate in Advanced English (CAE)/上級レベル

仕事で英語を駆使することができるレベルです。TOEICに換算すると870点程度で高い英語力が求められます。英検では、1級と準1級の中間くらいです。

Certificate of Proficiency in English (CPE)/最上級レベル

難関試験です。TOEICでは満点の990点レベル。英検も1級以上の実力が求められます。この試験に合格できれば、高い能力を証明できます。

まとめ

英語は世界的に使われていて多くの人が話す言語なので、検定試験もたくさんあります。ある程度の英語力がついてきたら、英語の資格を取っておくと、就職など様々な場面で役立ちます。

 

試験の種類については、一概にどの試験を受けるのが良いとは言えません。日本の会社でビジネス英語力の証明にするなら一般的にはTOEICが人気ですが、アメリカ大学に留学する時の英語力の証明としては使えません。その場合は、TOEFLがベストで、その他にIELTSなども使えます。このように、何のために資格試験を受けるのか、どのようなメリットを期待するのかを明確にして試験を選ぶ必要があります。

IELTSやケンブリッジ英検などは受けられる場所や時期が限られるなど制限があります。また、TOEICやTOEFLなどのようにスコアに期限があるものや、英検やケンブリッジ英検などのように一度受かると英語力の証明としてずっと使えるものもあります。そのような様々な条件を比べて、受験する試験を選びましょう。