英語で「見る」を表す単語には、Look・ Watch・ Seeの三つがあります。中学校の英語で習うこれらの単語ですが、同じ「見る」でもどのように使い分けをするのだろう?と思ったことはありませんか。ここでは、日本語に訳すと同じ「見る」でも、英語では使い分けの必要なこれら三つの単語について詳しくご紹介します。
また、lookの後に漠然とした方向を表す前置詞であるforをつけると、~を探すという意味になります。
What is she looking for? (彼女は何を探しているのでしょうか。)
さらに、lookは下記のような場合にも使います。
Look. Remember where you went to at the end of last month.
(いいかい。先月の終わりにどこへ行ったのか思い出すんだ。)
視線を向けるというのは、意識をこちらに向けるという意味でもあります。そのため、相手の意識をこちらに向けたい時にもlookを使います。
次はseeです。seeは視覚的に見るという時に、最も広く使われている動詞です。特に何かを意識的に見なくても自然と視界に入ってくるという時に使う動詞になります。
(向こうの方で美しいサンセットを見ることができるよ。)
(私は1ヶ月に少なくとも5本の映画を見ます。)
⇒映画は注意深く1点を見るように鑑賞するのではなく、長時間眺めるようにみるものなので、このような時にはseeを用います。
(パスポートを見せてもらえますか?)
⇒海外旅行に行った時に身分証明などの際によく使われるフレーズです。パスポートを視覚上見せるということを要求しています。
またseeは、見るから派生して会うという意味にもなります。
I saw Jack last week. (先週ジャックと会いました。)
さらに、seeには理解するという意味もあります。
I see . (わかりました。)
⇒目で見るということは理解するということに繋がりやすいということですね。
(あなたの言ってることはよくわかります。)
⇒seeは意思をもって見つめるというより、自然に目に入ると言いたいときに用います。
(庭に数匹の鳥が見える。)
(昨晩綺麗な流れ星を見たの本当にすてきだったわ。)
⇒この場合、天体観測などで3時間ほどじっくり腰を見たのであればwatchを使います。
I watched stars in southern sky, using my astronomical telescope for about 3 hours.
(私は天体望遠鏡を使って、南の空の星を3時間ほど眺めていました。)
最後はwatchです。watchは意識して何かをみつめるという時に使います。
(私は毎日テレビを1時間診ます。)
またwatchには、気を付ける、注意するという意味もあります。
⇒歩くエスカレーターの終わりの部分にはWatch your step.(足元に気をつけて)と表示されていることが多いと思います。
ここで、次の例文を見てみましょう。
I like watching soccer in my free time.(私の趣味はサッカー観戦です。)
⇒このようにスポーツを見るときには選手やサッカーボールなどを目で追いかけますが、動きのあるものを見るという時にwatchを用います。
I like watching TV. (私はテレビを見るのが好きです)
というように、テレビをみるときにもwatchを用いるのは、テレビに映る動きのある映像を目で追いかけるからです。
また見張る、監視するという動作にもwatchが使われます。
Could you please watching my bag for a moment? (少しの間かばんを見てていただけませんか?)
⇒これは、トイレなどに行く間かばんを誰かが持っていかないように(動かないように)見ていてくださいということですね。
それではこれらの三つの動詞look・see・watchについて、実際にどのように使い分けるとよいのでしょうか。
ここでは、友達を見た。と言いたいときを例にして考えてみましょう。
I looked at my friend.(私は友達に目をやりました。)
友達を見たのはほんの短い間かもしれないし、目を向けたあとしばらくの間見ていたのかもしれませんが、友達に目をやった、見たという目の動きに焦点を起きたいときはlookを使います。
I saw my friend. (私は友達を見ました。)
見るという意味でseeを使うときには、友達が視界に入ったというニュアンスで使います。ただし、seeには会うなど別の意味で用いる場合もあります。
最後にwatchですが、動きを追いかけるという意味合いを持つことから、ある程度時間に幅があるというニュアンスになります。
I watched my friend. (私は友達をじっと見ました。)
この場合、友達が何かしているところをじっと見つめていたのかもしれませんし、これから何か動きをする所を目で追いかけていたのかもしれません。動作に時間的な幅があるというニュアンスを感じさせます。
このように、look・see・watchというのは、どんな風に見るのか(見たのか)によってさまざまなパターンで使い分けることができ、上手に使い分けることで、より状況を正確に伝えることができます。ただし、あまり細かく考えすぎるのも考えものです。
実際、look・see・watchの三つの動詞の使い分けをネイティブに聞いてみると、意外と分かっていないというケースもあります。そのためこの場合はlookなのか?seeなのか?とあまり考えすぎるのではなく、例文などで感覚的に覚えていくと良いでしょう。
look・see・watchは日本語にすると同じ「見る」という意味がありますが、実際にはどんなふうに見るのかによって、ネイティブはこれらの動詞を使い分けています。
英語は日本語に訳して理解しようとするのではなく、感覚で違いを感じ取るのが大切です。
英語と日本語は異なる文化により生まれた言語なので、一つ一つにぴったりと合う訳があるとは限りません。
単純にlook”は「見る」、“see”なら「見える」、“watch”を「よく見る」と訳しても、正しくは理解できないのです。それぞれの動詞が持つ意味を理解して正しく使い分けるには、これらの動詞が表す動作が何を意味するのかを感覚的に掴んでおくことが必要です。
ネイティブと会話をするときや海外の映画を見るときには、これらのことに注意して見ておくと、より使い分けのコツを上手に身につけることができると思います。