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生理痛は骨盤のゆがみが原因!悪化させる習慣と、改善法は?

 

毎月の生理で生理痛が酷かったりその痛みが長引いたりすると、沈みがちな気分がさらに憂鬱なものになりますよね。

食生活の乱れや体の冷えなど様々な要因が関係する生理痛の悪化ですが、骨盤のゆがみもまた原因のひとつとして挙げられます。

これは、骨盤が妊娠や出産のために生理周期に応じて開閉することで女性ホルモンの分泌に直接関係しているからです。

こちらでは、骨盤のゆがみと生理との関係について分かりやすく解説します。

また、生理痛緩和のために日頃から行いたい簡単な骨盤矯正ストレッチの数々もご紹介します。

 

目次

骨盤のゆがみが生理痛に関係あり!

上半身と下半身を繋ぐ骨格の中でも中心に位置する骨盤は、体を支えるだけでなく子宮や卵巣をはじめとした非常に大切な臓器を守る働きを担っています。

そんな骨盤のゆがみが生理痛に関係する理由としては、「子宮や卵巣を圧迫する」「骨盤内の血管が圧迫され血行不良になる」「ホルモンバランスの乱れに繋がる」「生理周期に応じた骨盤の開閉が正常に行われない」といった体内の変化が引き起こされるからです。

骨盤のゆがみが引き起こす女性の体への悪影響についてそれぞれ見ていきましょう。

骨盤のゆがみが子宮や卵巣を圧迫する

骨盤がゆがむと、骨盤のごく近くに存在する子宮や卵巣が圧迫されます。

迫りくる骨盤から解放されようと、子宮や卵巣が本来の正常な位置からずれることもあります。

すると、正常に行われるべき血の巡りもきちんと行われなくなり、生理痛をはじめとしたPMS(※)が悪化する結果に。

※月経前症候群。生理前に生じる身体的、精神的症状の総称

骨盤内の血管が圧迫され血行不良になる

また、圧迫されるのは子宮や卵巣だけではありません。骨盤内に存在する毛細血管もゆがみから圧迫されるようになり、骨盤内の血行状態が悪くなります。

骨盤内で血行不良が生じると、子宮を収縮させて経血の排出をスムーズにする作用を持つプロスタグランジンが必要以上に分泌されます。

プロスタグランジンは正常に生理を終えるには必要不可欠ではありますが、過剰に分泌されると余計に子宮が収縮され重い生理痛を引き起こします。

プロスタグランジンの過剰分泌に繋がるという点でも、骨盤のゆがみは生理痛の原因として考えられますね。

ホルモンバランスの乱れに繋がる

骨盤がゆがむと骨盤内の血管だけでなく神経も圧迫されます。

すると、脳から卵巣へと送られる「ホルモン分泌の司令」がうまく伝達されず、卵巣が正常にホルモンを分泌することができなくなります。

本来分泌されるべきホルモンが不足すれば、当然ホルモンバランスが乱れてしまいます。

PMSや自律神経の乱れに繋がるホルモンバランスの乱れにも、骨盤のゆがみは間接的に関係しているのです。

生理周期に合わせた骨盤の開閉がうまく行われない

女性の骨盤は、初潮~閉経までの間に絶え間なく変化する女性ホルモンの変化に応じて開いたり閉じたりします。

裏を返せば、骨盤の開閉が女性ホルモンの分泌を促進しているといっても過言ではありません。

そのため、骨盤のゆがみから「脳から卵巣へのホルモン分泌の司令」がうまく伝わらないことに加えて、骨盤自体の開閉が正常に行われないことでもホルモンバランスが乱れ生理痛を引き起こすのです。

次には、骨盤の開閉によって女性ホルモンの分泌にどのような変化が起こるのか、あるいは女性ホルモンの影響からどういうふうに骨盤が開閉するのかを解説します。

骨盤の状態

女性ホルモンの変化によって開閉する骨盤の状態を見る前に、まずは女性ホルモンの変化を現す「生理周期」について簡単に説明します。

まず生理周期とは、生理開始日から次の生理が始まる前日までの期間のことで、月経期(生理期間にあたる時期)、卵胞期(生理後~排卵までの期間)、排卵期、黄体期(排卵期~次の生理までの期間)の4つの段階に分類されます。

生理周期のそれぞれの段階に合わせて、骨盤の状態が変化するのです。

生理後~排卵まで(卵胞期)

まず、生理後~排卵までの卵胞期には、生理中に開いていた骨盤が排卵に向けて徐々に閉じていき骨盤の位置も上がっていきます。

生理中には経血の排出がスムーズに行われるために骨盤が開き、生理2日目には最も開くとされています。

生理2日目に色の濃い経血が増えるのは、開いた骨盤から子宮内の老廃物を経血とともに排出しているからだと考えられています。

生理を終えて骨盤は徐々に閉じていき、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が最も活発になる排卵期に最も閉じている状態になります。

この時期には生理中に感じていた心身の不調も健やかな状態へと改善されます。

排卵から次の生理まで(黄体期)

一方、排卵から次の生理までの黄体期には、排卵中に閉じていた骨盤が徐々に開いていき生理に向けた準備を行います。

この時期には、女性ホルモンであるプロゲステロンの働きが活発になると同時に、エストロゲンの働きが相対的に低下します。

プロゲステロンには、栄養素や水分を体内にためようとする妊娠を想定した作用があります。

したがって、黄体期にはむくみやすい、太りやすい、食欲が増大する、便秘といった症状が起こりやすくなります。

気をつけて!骨盤を歪ませる習慣

NGな座り方や立ち方と歩き方

椅子に浅く腰掛けて背もたれに寄りかかる、横すわり、ぺたんこ座り、脚を組んで座る、といった重心が偏る座り方は骨盤のゆがみに繋がりますから避けましょう。

椅子に座る時には背筋を伸ばし膝が腰の高くなるようにし両足を揃える方法が、床に座る場合には正座がベストな方法になります。

片足に重心を乗せる、猫背や腰が剃りお腹が突き出した状態で立つといった立ち方はNG。

正しい姿勢で両足に重心を乗せ、真っ直ぐ前を向いて立ちましょう。

また歩く際には下を向いて歩く、外股や内股で歩く、足を引きずるように歩くといった重心の偏る歩き方に気を付けましょう。

背筋を伸ばし足先と視線が真っ直ぐ前を向け、腰から足を踏み出すイメージで骨盤に意識して歩くようにしましょう。

座り方や立ち方と歩き方。どれも日常生活の中で何度も繰り返して行う姿勢や行動だからこそ、NGな方法を避けることでゆがみを予防できますよ。

骨盤を歪ませるNG習慣

骨盤をゆがませるような重心に偏りのある座り方や立ち方と歩き方以外にも、以下のような習慣が骨盤のゆがみに繋がります。

  • 高いヒールを履く
  • 座りっぱなしの姿勢を続ける
  • PCやスマートフォンを長時間見続ける
  • 腹筋が衰えポッコリお腹になっている

日常生活の中で心当たりのある習慣が当てはまる場合には、できる限り避けるようにしましょう。

癖の一環でついつい無意識のうちにしてしまう場合には、癖を直そうと意識することや癖に気付いたときに正すだけでも骨盤のゆがみ予防に効果的です。

骨盤のゆがみをなおすためには?

骨盤の開閉がきちんと行われなければ、それぞれの生理周期で分泌されるべきホルモンが不足し、ホルモンバランスの乱れが生じます。

それによって生理が長引いたり生理不順が生じたりと、生理に関するトラブルが生じるリスクが高まってしまうのです。

そのため、骨盤のゆがみを矯正することは、ホルモンバランスの調整やPMSの予防には非常に効果的です。

そこで家で簡単にできる骨盤矯正のストレッチや体操をご紹介します。

毎日コツコツと続けることで、少しずつではありますが確実に骨盤のゆがみを改善できます。

骨盤矯正ストレッチ

はじめにご紹介するのは、横になって簡単にできる骨盤矯正ストレッチになります。

ストレッチは血行状態が良くなっているときに行うとより高い効果が得られますから、体が温まり血行状態が良いお風呂あがりのタイミングで行うとgood!

  1. 仰向けになり、手のひらを上にした状態で両手を骨盤の下に入れます。
  2. 1の状態のまま両足を上にあげて膝を曲げ、この状態を15秒間キープします。
  3. さらに首を起こし、この状態を5秒間キープします。これを3セット行いましょう。

リラックス効果も!ヨガの瞑想ポーズ

ヨガの中でも特に瞑想ポーズと呼ばれるものは、骨盤周辺の筋肉を刺激することができ骨盤の矯正に役立ちますよ。

  1. 軽く背筋を伸ばした状態で右足を組み、右足の上に乗せるように左足を組みます。体が硬くて脚を組むのが辛い場合には、右足に左足を添えるようにするだけでも問題ありません。
  2. おへそから9~15センチほど下にある丹田という位置を意識しながらゆっくりと腹式呼吸を行います。
  3. 丹田あたりに息を溜め込むイメージで息をゆっくりと吸い、そしていっぱいまで吸い終わったら溜めた息をゆっくりと吐きます。

丹田を意識しながら腹式呼吸をゆっくりと行うこちらのヨガは、体や心の緊張がほぐすことができるので高いリラックス効果が得られます。

毎日続けることで骨盤矯正に役立ちますから、リフレッシュを兼ねて続けていきたいですね。

「左右ゆらゆら」「前後ゆらゆら」で骨盤の傾きを矯正

最後に前後に歪んだ骨盤の矯正に役立つ簡単なストレッチをご紹介します。

座った状態でできますから、デスクワークで疲れたときやリフレッシュしたいときに行ってみてはいかがでしょうか?

<左右ゆらゆら>

  1. 椅子に座った状態で、手のひらを上にした状態で坐骨の下に両手を入れます。この時、右手に右の坐骨、左手に左の坐骨をしっかりと押し当ててくださいね。
  2. 両方の坐骨に体重をかけられるようになったら、手を外してお尻の片方ずつに体重をかけるイメージで左右にゆらゆらとゆっくり動きましょう。
  3. 1時間に1回程度の頻度で、左右に10回ずつゆらゆら動かして体重の掛け直しを行うことがポイントです。

<前後ゆらゆら>

  1. 椅子に座った状態で脚を肩幅に開き、おへそを前に出すイメージで腰を前に反らせます。
  2. 次には1とは反対に腰を丸めるようにゆっくりと後ろに倒していきます。
  3. 1と2を坐骨が立ったり寝たりする感覚が得られるよう、丁寧にかつゆっくりと行いましょう。それぞれ前後に10回動かします。
  4. 前後への動きを10回終えた後には、仕上げに恥骨とみぞおちを直線で繋げるイメージでお腹に力を入れて平らにします。この状態を5秒間キープして終了です。

前後への動かしにくさを感じる場合には、スカートやパンツのベルト部分を掴んで前後に引っ張るようにするとスムーズに行えますよ。

まとめ

生理や妊娠出産といった大切な働きを正常に行うために必要な女性ホルモンに骨盤が大きく関係していることから、女性の場合には骨盤のゆがみを矯正して本来の正しい状態に戻すことが大切です。

「PMSや生理痛の予防のために何らかの方法を試しているのにも関わらず、今ひとつ効果を実感できない」という方は、この度ご紹介しました骨盤のゆがみが原因であることが考えられます。

骨盤のゆがみは毎日の癖や習慣が蓄積されて生じていますから、すぐには矯正することができません。

しかし、骨盤矯正ストレッチやヨガを毎日継続して行ったり、骨盤のゆがみに繋がる癖や習慣を断ったりと日常生活の中で意識すれば確実に元の状態へと戻すことができますよ。

生理痛緩和のために骨盤矯正ストレッチを新しい習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか。