毎月の辛い生理痛から解放されたいなら、禁煙が1番の近道!
毎月の辛い生理を和らげるためには、食生活を改善したり体を冷やさないよう温めたり、あるいは適度な運動を取り入れたりと「生理痛を和らげる習慣」を始める方も多いはずです。
しかし、習慣の中にはやめなければならないことも存在するのも事実です。その代表例として挙げられるのが煙草です。
「百害あって一利無し」とよく言われる煙草は、生理痛の悪化をはじめとした様々な悪影響を体に与えてしまうのです。
こちらでは、煙草が与える女性への様々な悪影響や禁煙することによって得られるメリットなど、生理と煙草の関係性について分かりやすく解説します。
目次
タバコと生理痛の関係
煙草を吸う習慣のある女性は、ストレスを感じやすい生理中には特に吸う本数が増えてしまうのではないのでしょうか。
しかし、ストレス解消のために吸うその1本が、生理痛をさらに悪化させてしまっているのです。
はじめに、煙草が生理に与える悪い作用の数々を詳しく見ていきましょう。
「プロスタグランジン」の過剰分泌で子宮が収縮する
そもそも生理が重くなる原因には、経血をスムーズに排出するために子宮を収縮させる作用のあるプロスタグランジンというホルモンが大きく関係しています。
プロスタグランジンは生理をスムーズなものにするためには必要不可欠なホルモンですが、過剰に分泌されるとそれだけ強く子宮が収縮し生理痛が引き起こされるのです。
また、血行が悪い状態から生じる骨盤内の血流の滞りによって、プロスタグランジンの分泌量が多くなり、生理痛が重くなるとされています。
そのため、悪い血行状態や体の冷えもまた生理痛悪化の原因として挙げられます。
煙草から受ける体への悪影響は、こうしたプロスタグランジンの分泌量が過剰になる要因に直接関与しているのです。
血行状態の悪化が生理痛を重くする
喫煙の人体への様々な悪影響の中でも、特に生理痛の悪化に最も大きな影響を与えるのが血管の収縮作用です。これは、煙草の中に含まれるニコチンに、末梢血管を収縮させる作用があるからです。
体の末端の血行状態が悪くなると、体内で発生した熱を体の隅々までスムーズに運ぶことができなくなり冷え性の原因となります。体の冷え生理痛を悪化させる要因の1つですから、当然血行を悪くさせる喫煙は生理痛を重くする悪い習慣といっても過言ではないでしょう。
また、喫煙の習慣を続けると血管収縮作用のあるニコチンによって血管自体が徐々に細くなります。体で発生した熱や酸素そして栄養素など、細胞が必要な成分を行き届かせるために不可欠な血管自体が弱まってしまえば、当然冷えやすくなってしまいますよね。
血行不良やそれによる体の冷えに直結する嫌な血管収縮作用があるからこそ、喫煙は生理通の悪化に繋がる悪い習慣なのです。
喫煙による生理痛以外の影響は?
喫煙は、血行不良や体の冷えから生理痛を悪化させることがわかりました。しかし、喫煙から受ける悪影響は生理痛の悪化のみにとどまりません。特に男性よりも女性の方が喫煙によるリスクが高く、以下のような悪影響を受けるとされています。
女性特有の疾患のリスクが高まる
煙草は女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量を減らしたり、体内でエストロゲンが分解されるスピードを早めたりと、女性ホルモンに直接悪影響を及ぼします。
エストロゲンは、女性らしい体作りや子宮・卵巣・膣の発達や健康維持などに作用しますから、その分泌量が急激に減少すると生理不順や早期閉経のリスクが高まります。
早期閉経に伴い更年期障害が悪化するほか、骨粗しょう症の発症リスクも高まります。
また、発がん性物質が含まれていることで知られる煙草ですが、特に女性の場合には子宮がんの発症リスクが若年層の間で高まるとされています。
肌の老化を早める原因にも
煙草の血管収縮作用から血行状態が悪くなると、当然肌の細胞にも十分な栄養素や酸素が運ばれなくなります。
すると、肌の健やかな状態の維持に欠かせない「肌のターンオーバー機能」が正常に行われなくなります。
その結果、シワ・たるみ・くすみ・乾燥肌といった女性にとって大敵とも言える肌トラブルが生じやすくなるのです。
また、喫煙は美白作用が得られるビタミンを大量に消費するため、ビタミン不足による肌荒れも引き起こしてしまいます。
こうした肌へのダメージが喫煙の習慣によって積み重なると、老化のスピードを早めてしまいかねません。
美しい肌をいつまでも保つためには、喫煙は今すぐにでも辞めるべき習慣と言えるでしょう。
妊娠しにくくなる
血管収縮作用によって血流が滞ると、体の細胞が必要な栄養素がスムーズに行き届かなくなり全身の新陳代謝が低下します。
新陳代謝が低下すると、健康な卵子が排卵されなくなります。
また、喫煙によってエストロゲンの分泌量が低下することは先述の通りですが、エストロゲンには子宮・卵巣・膣の発達に作用するほか、妊娠に必要不可欠な体の準備にも大きく関係しています。
そのため、喫煙は受精卵の着床が妨げられたり受精確率自体も低下させたりと、妊娠しにくい体へと変化させてしまうのです。
煙草の悪影響により卵胞が卵巣内で正常に育たなくなることから、排卵が行われていないのにも関わらず生理が始まる「無排卵月経」も起こりやすくなります。
無排卵月経は不妊の一因となりますから、将来子供を考える際に妊娠できなくなってしまう恐れも十分に考えられるのです。
妊娠後には様々な危険性の原因に
また、せっかく妊娠してもそれに気付かずに喫煙を続けると、流産の危険性が極めてたかまります。
それだけ妊娠中の喫煙は胎児に計り知れない悪影響を及ぼすのです。
煙草を吸う胎児への血流が悪くなる以外にも、煙草からの一酸化酸素により血中の酸素が不足し胎児に必要な酸素が十分に与えられなくなってしまい以下のようなリスクがたかまります。
- 早産や死産のリスクが2倍に
- 低体重出生児(2,500g未満で生まれる赤ちゃん)の確率が22%増加
- 早期破水のリスクが1.5~2.1倍にまで膨れ上がる
- 胎盤が子宮口を塞いでしまう状態「前置胎盤」のリスクは2倍に
- 子宮外妊娠のリスクが増加
- 赤ちゃんの先天異常を持つ可能性が高まる
お腹の赤ちゃんに極めて大きなダメージを与える妊娠中の喫煙は、絶対にやめなければなりません。
妊娠中の喫煙がどれだけ悪いものかというのは言わずもがなではありますが、将来妊娠を望む場合にも同じことです。
「まだ妊娠する予定がないから」と煙草を吸うのではなく、できるだけ早い段階で禁煙に踏み切るべきですよ。
禁煙成功は良いことだらけ♡
生理痛の悪化以外にも様々な危険性を高める煙草は、できるだけ早く断つ必要があります。
しかし、煙草の中毒性の高さから「やめようとは思っているけれど、なかなかやめられない」と感じる女性も多いはずです。
そこで、以下でご紹介します禁煙から得られる嬉しいメリットの数々を励みにしながら、禁煙への第一歩になればと思います。
肌が綺麗になる
禁煙を始めた早い段階で、すでに肌に良い変化が現れていることを実感できます。
まず、禁煙3日目で血行改善によって顔色が良くなります。
そして禁煙2週間~3週間すれば全身に酸素がスムーズに行き渡るようになり、ニキビや吹き出物といった肌トラブルが改善され、肌のトーンも明るくなり血色感も増します。
化粧品や美容アイテムにお金を使うことも良いでしょう。
しかし、一番美肌効果を実感できるのは禁煙ですよ。
禁煙で肌を元の健やかな状態へと改善しながら、今まで煙草に費やしていたタバコ代を趣味やファッションに使いませんか?
太りにくい体へと生まれ変われる
禁煙を始めた頃には口寂しさからついつい間食に手が伸びたり、正常になった味覚から食べ物が美味しく感じられたりと体重が増えやすくなる原因が生まれます。
しかし、これはあくまでも一時的なものです。ほとんどの人の場合、1年という比較的長い期間で体重の変化を見ると、禁煙前の体重に戻るあるいは禁煙前よりも痩せていることが多いのです。
これは煙草のニコチンから受けていた血管収縮作用がなくなり、血行状態が改善されると同時に基礎代謝量も高まるからです。
つまり、基礎代謝量が高まることにより、煙草を吸っていた頃と同じ量を食べてもエネルギーとして消費され、脂肪を溜め込まない太りにくい体質に改善できるのです。
元気で健康な赤ちゃんを授かる体に
禁煙をすることにより、女性ホルモンの分泌も正常に行われるようになります。
するとエストロゲンの働きも十分に得られるようになり、妊娠ができる健康な体へと戻ることができます。
また、ニコチンから生じていた血行不良も改善されるため、健康で元気な赤ちゃんを育むことのできる体に変化します。
妊娠をしても早産・流産・死産・未熟児や先天異常といった胎児に関わるリスクが喫煙時よりも大幅に減少します。
最後に
中毒性が高くやめたくてもなかなかやめられない煙草ですが、実は特に女性にとってはリスクが高すぎる嗜好品だったのですね。
生理痛の悪化のみならず、将来の妊娠やお腹の中の赤ちゃんへのリスクが極めて高くなる喫煙の習慣。
ストレス解消や我慢できずに何気なく吸うその1本の煙草が、将来思いもよらぬかたちとなってあなたを悲しませてしまうことだってあり得るのです。
煙草から受ける深刻なリスクを今一度理解し、いかに喫煙の習慣が体に害を及ぼすのかを知り納得した上で禁煙を始めてみませんか?
「煙草を吸うんじゃなかった」と後悔してからでは遅いのです。将来の自分自身が後悔しないためには、できるだけ早い段階での禁煙の実現が必要なのです。
禁煙によって得られるメリットは女性にとって大変嬉しいものばかりですから、「綺麗になるために禁煙する」という目標から始める禁煙でもOKです。