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いつもよりも何か変・・・?見逃さないで、経血が教えてくれる体の不調。

 

生理痛や気分の落ち込みなど、いろいろな症状に悩まされやすい生理中。

その中でも、「もしかしたら血が服についているかも」といった経血に対する不安感を抱く人も少なくはありません。経血の量は人と比べることができないため、少ないか多いのかも自分ではわからないこともあります。

そこで今回は、正常な経血の状態を挙げながら、経血の量や色、症状などによって可能性がある病気についても紹介していきたいと思います。

 

目次

経血には個人差あり

妊娠に至らなかったことで、不要になった子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに排出されるものを経血と呼びます。経血にはほかにも、血液を固めさせないための酵素や分泌物なども含まれていると言われています。

経血の量と言われても、自分の経血量が少ないのか多いのか判断するのは難しいですよね。

経血量は個人差がありますし、実はその時のホルモン状態によって経血量が大きく変わってくることも珍しくはありません。ちなみにホルモン状態は経血量だけでなく、経血のにおいや色にも影響を与えることがあります。

ある程度の変化であれば問題はありませんが、もし異常なほど量が増えたり、減ったりした場合は病気が隠れている可能性も捨てきれないため、一度婦人科を受診するようにしましょう。

正常な経血は?

一般的に、量は60~120ml、色はやや濃い赤色、わずかな粘り気がある状態の経血が正常とされています。

60~120mlと言われても、ぱっとしない人も多いかもしれませんが、これは経血量が多い日であっても、2時間おきにナプキンを変えれば問題ない状態に該当します。

また、3~7日続く生理の中で、経血の量が初日は少なく、2~3日目にはもっとも多くなり、その後は少なくなっていくのが生理の正常な流れになります。

経血量が多い

「昼間に夜用のナプキンを当てていても1時間くらいで溢れてしまう」「寝るときに夜用のナプキンを重ねていても朝起きるとシーツやパジャマに血がついてしまう」、このような状態が続くのであれば、経血量が多い「過多月経」の可能性があります。

これは子宮そのものが大きくなって子宮内膜の量が増えているほか、子宮内膜が厚くなっていることで起こりやすくなります。

ケアの仕方

経血量が多い場合、貧血に十分な注意が必要です。

貧血になるとめまいや動悸・息切れ、耳鳴りのほか、疲れやすくだるさを感じやすくなり、日常生活に支障が出ることもあります。

そのため、普段から貧血対策として、レバーやホウレン草などの鉄分を多く含む食材を積極的に摂取するようにしましょう。

また、あまりに経血量が多い場合は、婦人科を受診することをおすすめします。婦人科ではしかるべき対処として、低用量ピルや止血剤を処方してくれます。

気を付けたい病気

「以前と比べて経血量が増えた」「経血量がどんどん増えていっている」、このような状態であれば、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症などの病気は隠されている可能性も低くはありません。

子宮筋腫とは子宮の筋肉層に良性の腫瘍ができてしまう病気のことで、主に経過を観察しながら治療します。

また、子宮内膜症は子宮外に子宮内膜が発生し増殖する病気、そして子宮腺筋症は子宮の筋肉間に子宮内膜が発生し増殖する病気であり、これらはすべて進行すると不妊症を発症することもあるので、早期発見がカギとなります。

もちろん先述したように、経血量はホルモン分泌の状態によっても増減することが分かっていますが、著しい経血量の増加が確認できたなら、早めに婦人科を受診することをおすすめします。

経血が少ない

経血量が少ない場合、卵巣の機能が低下していることが考えられます。

ストレスなどが原因で、卵巣機能が低下するとホルモン分泌も減少し、経血量が少なくなると言われています。

対処法としては、まず食生活や睡眠を見直し、規則正しい生活を心がけることが挙げられます。

少ない量が長く続く

経血の量が少ないまま生理が長く続く場合、「無排卵月経」になっている可能性があります。

無排卵月経とは、その名の通り排卵されていないまま生理が起こっている状態のことを言います。

排卵が起こらないと子宮内膜が十分に作られないので、生理の時に排出される子宮内膜も減り、経血量も少量になります。

一方で、生理を引き起こすホルモンは正常に分泌されていることから、少しの量の経血が長くだらだらと続く状態を引き起こすのです。

無排卵かどうかは日頃から基礎体温をつけることで確認できます。朝ベッドから起き上がる前に体温を測り、それをグラフにすると、正常に排卵が行われていれば排卵日を境に低温期と高温期に分かれます。

排卵が正常に起こっていないと妊娠できないため、将来的に子供が欲しいという女性は特に今から基礎体温を測っておいて損はないと思います。

着床出血の可能性

生理予定日の周辺で、出血したものの経血量が少なく、数日で終わってしまった場合は「着床出血」である可能性もあります。

着床出血とは、受精後に受精卵が子宮へとゆっくり進み、12日後に子宮内膜に着床した際にみられる少量の出血のことをいいます。

こちらは妊娠したというサインですが、起こる確率は低く50人に1人と言われているので、妊娠したからといって必ず起こるというわけではありません。

経血の色は?

経血の色は人によって違います。先述したように、やや濃い赤色が正常と言われていますが、それ以外にも鮮やかな赤色ならば体に熱がこもっていることが多く、色が薄く朱色の経血ならば貧血の可能性があります。

時間がたつと酸化する

「ナプキンを見たら経血が茶色や黒っぽい色をしていた」という女性も多いと思います。

なかには不安に思っている女性もいるかもしれませんが、実はもともと赤い色だった経血が、時間が経って酸化したことで色が変わっただけである可能性が高いので、基本的には心配いりません。また、それ以外にも経血が膣内にしばらく溜まってしまうことで、酸化した状態で排出されると、同様に茶色や黒っぽい経血が見られます。

かたまりが出る

女性ホルモンの分泌が多いことで、子宮内膜が厚くなると、レバーのような経血のかたまりが出てくることもあります。

特に20代後半~30代の女性には多いので、何度も出るわけではないのなら心配はいらないでしょう。

また、体が冷えることで子宮の血流が悪くなり、どろどろとした血液がかたまりとなって出てしまうこともあります。

病気の可能性も

経血のかたまりが何度も見られるようならば、子宮筋腫や子宮腺筋症である可能性も低くはありません。

これらの病気は子宮自体を大きくしてしまうため、剥がれ落ちる子宮内膜も増え、経血の中にかたまりが混じるようになるのです。

この場合、放っておくと不妊につながることもあるので、すぐに婦人科で検査を受ける必要があります。

経血が途中で止まる

子宮後屈の場合、経血が途中でいったん止まり、時間をおいてまた出てくることがあります。

また、子宮後屈でなくても、膣や子宮の奥にたまった経血が、生理後半に排出されることで出血がみられることも珍しくはありません。

正常な経血にするには?

経血の量や色、においなどはもともと個人差があるものですが、その人の生活習慣によっても変化することが分かっています。

例えば冷え性の場合、経血の色や量だけでなく、生理痛も悪化しやすくなるほか、過度なダイエットをすることで貧血になり、経血の色が薄くなることもあるようです。

自分の経血の色や量に不安を感じるのなら、まずは生活習慣を見直してみることをおすすめします。

しかし気にしすぎてしまうと逆にストレスが溜まってしまい、経血の状態が悪化する可能性もあります。もし何か不安に感じることがあるのなら、一人で悩むのではなく、婦人科を受診してみてはいかがでしょうか?

最後に

いかがでしたか?自分の経血が正常かどうかは自分一人で判断するのは難しいですし、何か異常を感じても身近な人に相談しにくいかもしれません。

だからといって、婦人科の門をくぐるのには抵抗があるという人も多いかもしれませんが、その後の人生のためにもぜひしっかりと診察を受け、治療を行ってもらいましょう。