生理中は気分が憂鬱になったり、イライラしたりするほか、身体的にも不調を訴える人は多いのですが、毎日学校や仕事がある中でこれらを我慢してしまう人も少なくはありません。
しかし、なかにはどうしても我慢できない痛みや不調に悩んでいる人も多いはず。
そこで今回は、我慢できないほど辛い生理中の症状の中でも、腰痛・腹痛・下痢についてその原因や対処法を紹介していきましょう。
生理中は気分が憂鬱になったり、イライラしたりするほか、身体的にも不調を訴える人は多いのですが、毎日学校や仕事がある中でこれらを我慢してしまう人も少なくはありません。
しかし、なかにはどうしても我慢できない痛みや不調に悩んでいる人も多いはず。
そこで今回は、我慢できないほど辛い生理中の症状の中でも、腰痛・腹痛・下痢についてその原因や対処法を紹介していきましょう。
生理中の症状と言われると、何を思い浮かべますか?
もちろん人それぞれでつらい症状の形は異なりますが、真っ先に思い浮かべるものは「下腹部の痛み」、つまりは生理痛であるかと思います。生理痛といっても人によって程度はさまざまで、例えば生理痛を全く感じないという人もいますし、なかには起き上がれないくらいひどい痛みを訴える人もいます。
では、どうして生理中には生理痛が起こるのでしょうか。
これには実は、「プロスタグランジン」という成分の過剰分泌が深く関係しています。そもそも生理が始まることで、子宮の中では経血を体外へ排出しようとする働きが生まれます。
この時に分泌されるのがプロスタグランジンです。プロスタグランジンは生理の時に、子宮内膜を収縮させ、はがれた子宮内膜を血液と共に経血として排出する働きを持っています。「発痛物質」とも呼ばれるプロスタグランジンは、ホルモンバランスが乱れることで血行が悪くなっていたり、経血の量が多かったりすると、過剰分泌されます。
そうすると子宮内膜が過剰に収縮されてしまい、生理痛として腹痛を引き起こすようになるのです。
これと同時に、子宮の周りの血流が悪くなることで、骨盤周りに腰痛を引き起こすこともありますし、子宮だけでなく胃腸にも影響を与えることで、下痢も起こりやすくなります。
生理中に起こる腰痛について、その原因や緩和方法を見ていきましょう。
そもそも、生理になると経血を体外へ排出しやすくさせるために骨盤が開いていきます。
この時、リラキシンという卵巣ホルモンの一種が分泌され、関節を緩めて骨盤を開きやすくするのですが、この働きが筋肉や腰にまで届いてしまうことで、生理前から腰痛が起こることもあります。
一方で、月経前症候群の一症状として、生理が始まる3~10日前にひどい腰痛に悩まされることも考えられます。
月経前症候群は、ホルモン異常が原因とされていますが、明確な原因はまだわかっていません。
また、先述したようなプロスタグランジンの過剰分泌のほか、血行不良からくる骨盤内のうっ血なども生理中に腰痛を引き起こす原因のひとつとして挙げられます。
ひどい腰痛は日常生活に支障をきたすので、できるうちからしっかりと緩和方法を身につけましょう。
身近な方法としては、ツボ押しやお灸がおすすめです。
しかし腰痛のツボは自分では押しにくい場所にあるので、腰回りを使い捨てカイロで温めてあげましょう。
もしくは、身近な人に手伝ってもらってお灸も置いてもらっても良いと思います。
もしくは、ヨガやストレッチなどの適度な運動も腰痛の緩和には効果的です。
ヨガやストレッチをすることで、骨盤や腰回りの筋肉をほぐし、血流を良くする効果が期待できます。
続いて、生理中の腹痛が起こる原因とその対処法について見ていきましょう。
先述したように、生理中の腹痛は「プロスタグランジン」という成分が過剰分泌されることで、子宮が過剰の収縮することに原因があります。
一方で、疲れやストレスがたまっていたり、無理なダイエットをしていたりなど、生理痛とは一見関係なさそうなこれらの要因が、ひどい腹痛を引き起す原因になっていることもあります。
また、血行が悪いことで子宮が冷えてしまうと、骨盤内がうっ血しやすくなり、ひどい腹痛を引き起こすことも考えられます。
通常の腹痛よりも、重く苦しい生理痛。
生理痛がひどいときは、できればずっと横になって休んでいたいと思う反面、忙しさからそれもかなわない人は多いかと思います。
そこで続いては、ひどい生理痛を緩和させるための方法をいくつか紹介していきましょう。
急な生理痛は市販の鎮痛剤を飲んで対処しましょう。最近は生理痛専用の鎮痛剤も販売されていますし、ドラッグストアなどで手軽に購入できるのも嬉しいですよね。もしくは、産婦人科でピルを処方してもらい、日常的に飲むという方法もあります。
一方で、生理痛の対処として即効性はありませんが、日常生活の中でできる生理痛の緩和方法もあります。
たとえば、栄養補助剤であるサプリメントの服用です。サプリメントは市販の鎮痛剤と同じく、ドラッグストアで購入できますが、市販の薬と違って副作用の危険性もないうえ、生理痛を根本から改善してくれる効果が期待できます。
また、添加物が入っている食品や加工食品などは、日常的に多く摂取することで身体を冷やす原因になります。身体が冷えやすくなると血行不良となり、生理痛も悪化しやすくなるので注意が必要です。
反対に、生理痛としての腹痛を緩和させる食べ物もあります。
例えばカルシウムを多く含む干しエビやシラスや、DHA・EPAを含むサバやイワシなどの青魚はプロスタグランジンの生成を抑制する働きを持ちます。そのほか、冷え性を改善する効果が期待できるショウガやネギなども、生理痛の緩和に効果がある食品といえます。
最後は生理中に起こりやすい症状のなかでも、下痢についてその原因や緩和方法を紹介していきたいと思います。
生理中に下痢になるとその分腹痛も増してしまうので、辛さも二倍になりかねません。
そもそも生理中の下痢は、先述したようにプロスタグランジンが過剰分泌されることで、子宮だけでなく胃や腸などの内臓が収縮されることが原因として挙げられます。これにより通常よりも腸の蠕動運動が過剰に刺激され、下痢になってしまうのです。
また、生理中の下痢は黄体ホルモンの分泌が原因で起こることもあります。そもそも生理周期の中で、黄体期から排卵期までは黄体ホルモンが多く分泌されます。
黄体ホルモンは子宮だけでなく、大腸にも影響を与えるため、この時期は便秘になりやすくなるという特性があります。
一方で、生理直前になると、黄体ホルモンは減少していくため、それまで抑えられていた大腸の動きがだんだん活発化されていきます。これにより生理前~生理中に下痢になる人が多くなるのです。
ただでさえきつい生理中に下痢が重なると余計につらくなりますよね。
そんな生理中の下痢を緩和させるための身近な方法としては、まずお腹を温めてあげることが挙げられます。
そもそも下痢になりやすい人は冷え性である場合が多いうえ、生理中はさらに体が冷えやすいので、お腹だけでなく身体全体を温めてあげることも大切です。
ストレスが溜まっている時は特に、リラックスできるアロマをいれて足湯にゆっくり浸かることもおすすめです。
冷えの解消だけでなく、リラックス効果や生理痛の緩和も期待できますよ。ちなみに特に下痢に効果があるアロマとしては、「カモミール」「工レミ」「クローブ」「シナモン」「ジンジャー」「ユーカリ」が挙げられます。
また、生理痛のツボと腸にお灸を置いてあげることで、腸の動きを正常化できるほか、辛い腰痛にも効果があるとされています。
もしくは腸の動きを正常に戻すうえ、ホルモンバランスを整える効果が期待されている漢方薬を服用しても良いでしょう。
生理に伴う腹痛や腰痛、下痢を緩和する方法を紹介していきましたが、これらは共通して、血行不良やホルモンバランスの乱れの影響を受けることがわかっています。
そもそも血行不全やホルモンバランスの乱れは、冷えと深く関係しているといわれています。そして冷えを増長させていることとして、生活習慣の乱れが挙げられます。
過度な飲酒や喫煙、ストレスや不規則な食生活、睡眠不足、運動不足などの生活習慣は、身体を冷やす原因となり、血流悪化につながることで、プロスタグランジンの過剰分泌を促進、結果的には生理痛を悪化させることになります。
したがって、根本から生理痛を緩和するためには、普段から生活習慣の改善を心がけることが大切なのです。
また、生理前から生理中にかけては、身体を冷やす作用があるカフェインを含むコーヒーや、冷たいものの摂取は控えるようにしましょう。
白砂糖やスナック菓子も身体を冷やす作用を持つので、摂取はおすすめできません。
その分、出来るだけ常温や暖かい飲み物を摂ることで、生理痛の悪化を防ぐ効果が期待できます。
そのほか、身体を冷やさないように上着を羽織ったり、保温性の高い下着を身につけたりなど、服装面でも気を配るようにしましょう。
いかがでしたか?生理に伴う腹痛や腰痛、下痢はその都度緩和することも大切ですが、根本的に改善したいのなら、日頃から生活習慣に気を配る必要があります。
また、人によっては耐えられないほど苦痛を感じることもあるので、その際は我慢せずにゆっくり休むことも大切です。