【九州・沖縄】安産祈願で人気の神社・寺とは?お守りもご紹介!
日本には、妊娠5か月目に入った最初の戌の日に、神社やお寺で安産祈願の祈祷をする伝統があります。
イヌのお産が、多産で安産だという言われにちなんだものですが、この日は、安産祈願として、さらしの腹帯(岩田帯)に祈願をし、それをお腹に巻きます。
腹帯はただの儀式というわけではなく、大きくなったお腹の安定のため、そして冷えからお腹の赤ちゃんを守る役割を果たしてくれます。
現代の生活に合わせて、晒しの岩田帯からガードルタイプに人気が移っているようですが、どちらでも大丈夫です。
忙しい日々で、伝統的な行事が失われつつありますが、日本人なら経験しておきたい大切な行事でもあります。安産祈願をしてくれる神社やお寺はたくさんあります。
今回は九州・沖縄地域でおすすめの神社や寺をご紹介していきます。
目次
【福岡】水天宮
安産祈願といったらココ!といわれる水天宮。東京にある水天宮も有名ですよね。全国各地にある水天宮の総本宮が、こちらの久留米市にある水天宮です。
鎌倉時代初期に創建された神社で、江戸時代に、久留米藩主・有馬家に厚く崇敬され、この地に社殿が寄進されました。
ご祭神は、天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)と、安徳天皇、高倉平中宮、二位の尼です。
天御中主神は古事記の中でも一番初めに出てくる、天地の始まりに伴って生まれた最初の神とされており、宇宙そのものともいわれる中心的な神です。天御中主神は、北極星と同一とされ、神仏習合の時代には、妙見菩薩様として寺院でも祀られるようになりました。
妙見様は、水に力をもたらす神様とされ、水=羊水に力を授けるとして祀っている地域もあるそうです。また「ミクマリ」という神様とも習合され、それが転じてミコモリ、つまり御子守りへとつながったとも言われています。
一方の安徳天皇は、壇ノ浦で入水した平家ゆかりの悲劇の天皇です。安徳天皇とともに入水した二位の尼、安徳天皇の母である高倉平中宮(建礼門院)も一緒に祀られています。この4柱の神をまつる水天宮は、安産祈願の神社として古くから信仰されています。
出典:水天宮
安産祈願は毎日行われています。初穂料は決まりはありませんが、5000~10000円が相場です。安産祈願を受けられた方には安産御守と親子御守が授与されます。水天宮安産腹帯(さらしタイプのみ)もありますので、必要な方は受け付けてお問い合わせください。
また、遠方で訪問が難しい方には、通信祈願も受け付けているそうです。メール、ファックス、手紙などで申し込めます。妊婦、配偶者の氏名、住所、連絡先、出産予定日、祈願の希望日(戌の日など)とともに、腹帯が必要かどうかも含めて記載して申し込んでください。
住所:福岡県久留米市瀬下町265-1
アクセス:JR「久留米駅」下車、水天宮口より徒歩約10分。もしくは、「西鉄久留米駅」下車、タクシーで約10分。
TEL:0942-32-3207
ご祈祷受付時間:午前9時~午後4時
※事前予約は不要で、随時先着順で受付です。ただし、戌の日や大安の日、週末には大変混みあいますので、早めに訪問しましょう。
公式サイト:http://suitengu.net/
【福岡】太宰府天満宮
天神さま(菅原道真公)を祀る神社で、学問の神様として大変有名な太宰府天満宮ですが、安産祈願も行っています。
九州を代表する大変有名な神社です。特に受験シーズンは、合格祈願の祈祷で混みあいます。安産祈願の予約は必要ありませんが、ご自身の腹帯祝いが受験シーズンに当たりそうな方は、事前に問い合わせて確認してみましょう。
安産祈願の初穂料は5000円。お札、御守り、腹帯が授与されます。
出典:大宰府八幡宮
住所:福岡県太宰府市宰府4-7-1
アクセス:西鉄電車「太宰府駅」下車、徒歩15分。
TEL:092-922-8225
ご祈祷受付時間:午前8時45分~午後5時
※事前予約は不要で、随時先着順で受付です。
公式サイト:http://www.dazaifutenmangu.or.jp/
【福岡】宇美八幡宮
第15代応神天皇ご誕生の聖地に鎮座する神社です。応神天皇、神宮皇后、玉依姫命、住吉大神、伊弉諾尊の五柱が祀られています。
応神天皇は、神仏習合の折に、八幡様として崇敬されました。八幡様は殖産文化の祖神としての御神徳があります。八幡神御降誕の聖地と伝えられる当宮は、「安産・育児」の神社として、多くの信仰を集めています。
こちらの神社には「子安の石」というのがあり、安産祈願を終えた妊婦が子安の石を1つ持ち帰り、神棚に飾ってお祀りすると安産になるとされています。
子安の石は、実際に子供を出産された先輩ママがお礼参りに名前を書いておいていった石だそうで、それだけでも安産の効果がありそうですね。
目をつむり、掴んだ石を持ち帰ると良いとされていますので試してみてはいかがでしょうか?
また、無事に出産した後には、安産祈願で持ち帰った石とともに、自分で新しく用意した石に子供の名前等を書いたものを返納するという習わしがあるそうです。
出典:宇美八幡宮
お守りは安産御守と子安御守の2種類があり、それぞれ通常のものと手作りのものが用意されており、神社職員の方がひとつひとつ手作業で作られています。また、手作りのものは祭典日限定のものもあるそうです。
安産祈願は毎日行っており、腹帯も昔ながらの晒(さらし)腹帯、ガードル式の補助帯、ワンタッチ式の補助帯と、用途に合わせて3種類用意されているそうなので、好みのものを買い求めましょう。
腹帯は3000円で購入できます。晒タイプの腹帯には、神社のキャラクターの刺繍入りもあるそうです。いずれの腹帯もご神前にてお祓いの後、御朱印(宇美八幡宮のおしるし)を押印してもらえます。
安産祈願の際に、オリジナル腹帯付をご希望の方には、祭典中に神主が墨書にて、御祈願を受けられる妊婦の名前と祈願日付を揮毫して下さるそうです。
初穂料は5000円です。腹帯付きの祈祷は初穂料が10000円となります。
住所:福岡県糟屋郡宇美町宇美1-1-1
アクセス:JR「宇美駅」下車、徒歩5分。
もしくは、西鉄バス「宇美八幡前」下車すぐ。博多バスターミナル14番のりばより33番・37番系統または32番(原田橋行、上宇美行)に乗って下さい。
TEL:092-932-0044
ご祈祷受付時間:午前9時~午後5時
※事前予約は不要で、随時先着順で受付です。
公式サイト:http://www.umi-hachimangu.or.jp/
【長崎】諫早神社
西暦728年に、聖武天皇の勅願により行基菩薩が当地へ赴いて石祠を祀ったのが始まりと伝えられる由緒正しき神社です。神仏習合の神社として、九州総鎮護の神々を御祭神とする「四面宮」と呼ばれていました。
そのため、今でも、地元の人から「お四面さん(おしめんさん)」の愛称で親しまれているそうです。ご祭神は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)の三柱です。
安産祈願は予約制で、毎日受け付けています。
初穂料は5000円、10000円、20000円となっています。紅白の水引の付いたのし袋に包みご持参ください。代理の参拝も受け付けています。
安産祈願を受けた方には、特別謹製のオリジナル腹帯が授与されます。諫早市の縫製企業・美泉と共同製作したもので、より体にやさしく、より使いやすい腹帯を目指して完成したものだそうです。
美泉は、高い縫製技術が定評で、赤ちゃん肌着の「マルマイユ」ブランドが人気となっている企業だそうで、腹帯も期待できますね。腹帯だけの頒布も行っており、2500円です。
住所:長崎県諫早市宇都町1-12
アクセス:JR「諫早駅」からタクシー。
その他、車でのアクセスとなり、諫早インターチェンジ(貝津交差点)から10分、もしくは、鷲崎町交差点から10分など。
TEL:0957-22-2073
ご祈祷受付時間:午前9時~午後5時頃
※電話で予約して下さい。年中無休で受けつけています。
公式サイト:http://www.isahaya-jinja.jp/
【佐賀】武雄神社
武雄神社は、武内宿禰(たけうちのすくね)、武雄心命(たけおこころのみこと)、仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)、神功皇后(じんぐうこうごう)、応神天皇の五柱を祀る神社です。この五柱を総じて「武雄大明神」と呼んでいます。
主祭神である武内宿禰は、政治を補佐する大臣として第12代から第16代までの5代の天皇に仕え、360歳まで生きたとされる人物です。長寿の他、武運長久、開運、厄除けに霊験あらたかな神様として信仰されています。
祀られている神様の中で、特に、神功皇后は、応神天皇を無事に出産した故事になぞらえ、安産祈願の神様として信奉されています。
安産祈願の初穂料は5000円からです。祈祷の時間は20分くらいで、腹帯は、持参すれば一緒に祈祷してもらえます。
出典:武雄神社
武雄神社のオリジナル安産御守は、お母さんとお腹の赤ちゃんを繋ぐお守りとなっています。小さい赤ちゃん子守の紐をお母さん守りの紐にしっかりと結んで一緒に持ちましょう。
住所:佐賀県武雄市武雄町大字武雄5335
アクセス:JR 佐世保線「武雄温泉駅」下車、駅前よりバス(タクシー)にて約5分。
駅から徒歩だと約25分です(約2 km)。
または、「武雄温泉駅」から祐徳バス武雄保養センター行きで約5分「武雄高校前」バス停下車、徒歩3分。
TEL:0954-22-2976
ご祈祷受付時間:午前9時~午後5時
※神職が外の祭典に出張して神社に居ない場合があるため、電話で予約をして下さい。
※電話予約は午前8時~午後7時まで受け付けています。
公式サイト:http://takeo-jinjya.jp/
【宮崎】青島神社
鬼の洗濯岩という奇岩が続く景観で有名な青島にある神社です。蒼い海に囲まれた場所で、神聖なパワースポットして、江戸時代には立ち入り自体が厳しく制限されていた場所だそうです。
主祭神は、山幸彦こと彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)と、その妻である海神の娘・豊玉姫命(とよたまひめのみこと)そして、塩筒大神(しおづつのおおかみ)の三柱です。
彦火火出見命は、古事記や日本書紀に登場する「海幸彦、山幸彦」の物語の主人公です。塩筒大神は、山幸彦が、兄の海幸彦から借りた釣り針を無くして困っていたところにアドバイスをする神として登場します。
昔から、縁結び、安産、航海、交通安全の神として崇敬されてきました。亜熱帯植物のヤシが繁茂している境内は、神社としては少し異質な雰囲気が漂う場所で趣があります。
出典:青島神社
安産祈願の初穂料は5000円からです。予約は必ずしも必要ではありませんが、昇殿祈願を受ける場合は念のため電話で確認しておいた方がいいでしょう。安産御守は1000円でいただくことができます。
住所:宮崎県宮崎市青島2-13-1
アクセス:JR日南線「青島駅」下車、徒歩約10分。
TEL:0985-65-1262
ご祈祷受付時間:午前8時~午後5時
※事前予約は不要で、随時先着順で受付です。遠方の方は郵送での祈願も受け付けます。
公式サイト:http://www.aoshimajinja.sakura.ne.jp/index.html
【熊本】浮島神社
こちらの神社の正式名称は、浮島熊野坐神社といいます。1001年に、当時この地を治めていた井王家3代目当主・井王三郎直久によって創建された神社だと伝えられており、井王家の子孫が代々宮司を務めています。
こちらの神社では、腹帯は「鈴掛けの紐」に由来するといわれています。鈴掛けの紐とは、社殿の前にぶら下がっている五色の紐です。昔の紐は丈夫でなく、月に一度取り換 えていたそうです。これを神社からのお下がりとしていただいて腹に巻くという習慣があり、それが腹帯の由来だといわれています。
ご祭神はイザナギノミコトとイザナミノミコトの夫婦神。天地開闢の時に現れて、国生みを行ったとされる神様です。日本の基礎となる神々を産んだことから、安産、子育てなどにご利益があるとされています。
安産祈願の料金はお気持ちでとなっており、相場は5000円~10000円です。封筒やのし袋に包み名前を書いたものを持参します。
腹帯は、神社では頒布していないため、マタニティ用品店などで購入して持参して下さい。安産祈願を受けるには予約が必要なので、電話やメールで申込みしましょう。
住所:熊本県上益城郡嘉島町井寺2828
アクセス:熊本市電「健軍電停」で下車。タクシーで約10分。
TEL:0742-61-3861
ご祈祷受付時間:午前8時~午後4時
※安産祈願は予約が必要です。当日でもいいので、電話を入れましょう。
公式サイト:http://www.ukishimajinja.com/index.html
【大分】高城山子安観音
1300年前に創建されたと伝えられる由緒正しい天台宗のお寺です。お寺の正式な名前は、行基によって名づけられた生慶寺といいますが、子安観音として親しまれています。
こちらのご本尊は、如意輪観音です。安産祈願、諸願成就にご利益があるとされています。特に、安産祈願には定評があり、特に戌の日は大変混みあいます。予約は不要ですが、問い合わせておいた方が安心です。
安産祈願は、念彼観音妙智力に祈願する秘伝の祈祷が受けられます。安産祈願は、必ず本尊ご開帳しての祈祷となります。その上、祈祷に参内した日だけでなく、出産予定日まで、毎朝の勤行で安産成就の祈念をしてもらえます。
祈願を受けた方には、お札、御守り、お洗米、護符、腹帯(さらし)が授与されます。また、住職より、お産の話や子育ての法話をしてもらえます。無事出産された方には、お祝いの便りも送っていただけるそうです。
出典:高城山子安観音
住所:大分県大分市千歳岡7組
アクセス:JR日豊本線「高城駅」下車、徒歩15分ほどです。
TEL:097-558-1350
ご祈祷受付時間:午前9時~午後4時
※事前予約は不要で、随時先着順で受付です。
公式サイト:http://www.coara.or.jp/~kannonin/index.html
【鹿児島】石體神社
出典:鹿児島県公式ホームページ
石體神社(石帯神社)は鹿児島神宮の摂社で、岩田帯発祥の地ともいわれており、知る人ぞ知る安産の神様です。
鹿児島神宮のご祭神は、山幸彦として知られる、天津日高彦穂穂出見尊(アマツヒダカヒコホホデミノミコト)です。
天津日高彦穂穂出見尊は、天皇の祖とされる神様で、瓊瓊杵尊の息子です。その他に、妻の豊玉比売命(トヨタマヒメノミコト)、仲哀天皇、応神天皇、神功皇后の合計6柱の神様が祀られています。
ともに祀られている神宮皇后や、豊玉比売命が安産だったという伝説により、安産祈願の神社として有名になったそうです。天津日高彦穗穗出見尊が都とした「高千穂宮」がこの神社の境内にあったといわれています。歴史のロマンを感じますね。
石體神社での安産祈願は、戌の日のみ、それも午前9時半~11時半までの受け付けです。
それ以外の日は、本宮である鹿児島神宮で安産祈願を行ってくれます。戌の日の午後などそれ以外の時間帯は、鹿児島神宮でお願いしましょう。いずれの神社の安産祈願でも、初穂料は5000円となります。
腹帯を持参すれば朱印を捺してもらえます。また祈祷済みのさらしの岩田帯も頒布しています。
石體神社で安産祈願を受ける際は、本殿前の石塔で小石をひとついただいてきます。この小石はご神体だそうで、無事お産がすんだら石をひとつ加えて二つにしてお礼参りにお返しするという習わしがあるそうです。ぜひ試してみてくださいね。
住所:鹿児島県霧島市隼人町内2496
アクセス:JR日豊本線「隼人駅」下車、徒歩で約10分。
TEL:0995-42-0020
ご祈祷受付時間:午前8時30分~午後4時30分
※事前予約は不要で、随時先着順で受付です。
公式サイト:https://www.pref.kagoshima.jp/an01/barifuri/sekitaijinjya.html
【沖縄】西来院
沖縄では安産祈願の習慣があまりないという噂を聞きます。そんな中、安産祈願を受け付けてくれるのがこちらのお寺です。
西来院は、臨済宗のお寺で、山号が達磨峰というため、別名「だるま寺」とも呼ばれています。安産祈願で訪れる人の多い、沖縄で人気のスポットです。
日本に留学経験があった琉球出身の僧侶、菊隠宗意によって創建されました。菊隠宗意という人物は、1609年、尚寧王の時代に薩摩の島津氏による琉球侵攻があったさいに通訳を務めた人物だそうです(当時の琉球には日本語を話せる人がいなかったので)。
安産祈願の祈祷料は10000円からです。参拝する日が決まったら電話で予約しましょう。手持ちの腹帯を持参すれば、祈祷をしてもらえます。お寺でも、さらしタイプの腹帯を頒布しています。必要な方は、祈祷予約の際に申し出ておきましょう。
代参も可能ですので、代参の場合はその旨お伝えして下さい。境内には「なでるだるま」という達磨像が安置されています。お参りの帰りにはぜひ撫でてお帰り下さい。
住所:沖縄県那覇市首里赤田町1-5-1
アクセス:沖縄都市モノレール「首里駅」より徒歩7分。
TEL:098-884-1077
ご祈祷受付時間:午前7時~午後6時
※予約制です。電話予約をして下さい。
まとめ
以上、九州・沖縄の安産祈願ができる自慰や神社を見てきました。九州にも古い神社仏閣が多いので、摂社など、思わぬ安産祈願スポットが眠っているのかもしれませんね。
また、沖縄では、安産祈願の風習がほとんどないとのことですが、取り扱ってくれるところは何カ所かあります。内地から移住してきた方でも不安にならずに、近隣の寺社仏閣に問い合わせてみてくださいね。
そして、戌の日はあくまで目安ですので、体調や家族のスケジュールの都合などをもとに、参拝する日を決めましょう。体調が悪くて出向けない場合は、代参も可能です。