多汗症を治療する方法は?費用や保険適用を事前にチェックしよう!

多汗症を治療する方法は?費用や保険適用を事前にチェックしよう!

制汗剤などの汗対策グッズを試しても効果がなく、日常生活にも支障をきたすような場合、多汗症の治療を検討してみましょう。

病院やクリニックでの治療方法はたくさんあり、効果や費用も様々です。保険が適用されるかによっても費用はかなり変わります。

まずは汗のレベルをチェックし、自分にあった治療法を見つけましょう。

多汗症で治療が必要かまずは汗のレベルをチェック

多汗症で治療が必要かまずは汗のレベルをチェック

汗かきと多汗症の根本的な違いは、全身から汗をかくか、局所的に汗をかくかです。

 

全身から汗をかく場合はただの汗かきの可能性がありますが、手のひらや足の裏、脇の下など局所的に汗をかく場合は、多汗症といえます。多汗症の最も多い症状は、手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)といって、緊張やストレスなどによって、手のひらから汗がしたたり落ちるケースです。

 

多汗症のレベルが重症な場合は、病院で手術しないといけないケースもあります。まずは、自分の汗のレベルをチェックしてみましょう。

レベル1:汗で湿る状態

レベル2:汗ばみがはっきり見える状態

レベル3:汗の水滴ができ、汗がしたたり落ちる状態

レベル2、3に該当する方は、日常生活にも支障をきたすため、悩みを抱えずに一度病院で診察してもらいましょう。

ワキガと多汗症は違う

ワキガと多汗症を同じ疾患だと思いこんでいる方がおられますが、実は違います。

汗の汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺があります。

 

エクリン腺 アポクリン腺
症状名 腋窩多多汗症 腋臭症(ワキガ)
汗の成分 ほとんどが水分 脂質やタンパク質等の栄養素
ニオイ 汗臭いニオイ ツーンとした腐臭のようなニオイ

多汗症の原因となる汗はエクリン腺からの汗で、ワキガの原因となる汗はアポクリン腺からの汗になります。

しかし、腋窩多汗症を治療することで、汗の臭いが軽減することはよくあることです。

多汗症の基本的な3つの治療方法

併用療法としておすすめの治療法

外用薬(塩化アルミニウム)

主な対象部位 手のひら、足の裏、腋窩(脇の下)
効果の持続性 数日~1週間程度
主な副作用 刺激性皮膚炎
保険 保険適用外(診察費用は保険適用)

塩化アルミニウムは多汗症の治療によく使われる処方ですが、汗腺にフタをするだけなので効果は1週間ほどです。根本的な改善にはなりませんが、一時的に汗を抑えることができます。

塗り方は、基本的に就寝前ですが、気になる場合は外出時で塗ってもOKです。汗が止まってきたら塗る回数を少しずつ減らしていきましょう。手足の汗の量が多い方は、サランラップやプラスチック手袋で塗った部位を密封してあげるとより高い効果が望めます。

刺激が強いので、肌が弱い方は湿疹やかゆみなどが起こる可能性があります。

ボツリヌス療法(ボトックス注射)

主な対象部位 手のひら、足の裏、腋窩(脇の下)
効果の持続性 3〜9ヶ月
主な副作用 刺激性皮膚炎
保険 保険適用外

交感神経から発汗の指令を出すアセチルコリンを抑制するA型ボツリヌス菌の毒素を、多汗症の気になる部分に注射する治療法です。

1週間程度で汗の量は減り、効果は半年ほど継続します。

痛みを伴いますが、麻酔やアイスパックで冷却することによって痛みを和らげることもできます。

治療費は保険適用外のため、高い場合10万円ほどかかります。

イオントフォレーシス(電気治療)

主な対象部位 手のひら、足の裏
効果の持続性 数日~1週間程度
主な副作用 なし
保険 保険適用

水を入れた容器に手や足を入れ、そこに電流を流すことによって汗の量を減らす治療法です。1回30分の通電を8~12回行います。

効果は一時的なので、維持させるなら1週間に1、2回通う必要があります。

通院が難しい場合、米国製の家庭用(ドライオニック)がインターネットで購入できるので、試してみるのもいいでしょう。

併用療法としておすすめの治療法

併用療法としておすすめの治療法

内視鏡的胸部神経遮断術(ETS手術)

主な対象部位 手のひら
効果 半永久
主な副作用 刺激性皮膚炎
保険 保険適用

ETS手術は全身麻酔のうえ、皮膚に小さな傷をつけ、そこから内視鏡で交感神経を取り除く手術です。交感神経の束を見つけて切断するため、再発率は1~5%と極めて低いです。

 

手術時間は左右両側を施工した場合10分~20分程度と短く、術後の傷跡も目立ちません。全身麻酔をするので手術中の痛みも伴いません。

 

手のひらだけでなく、腋の下や首、顔、頭部などの汗も同時に少なくなるケースがあります。

発汗は体温を下げる作用があるため、術後に汗の量が減ると顔や首が暑く感じるといった方もおられるようです。

 

手術で入院する場合もありますが、ほとんどが手術当日に退院できます。

手術後は特に通院は必要ないですが、効果や副作用を確認するため3ヶ月~6ヶ月に1度検査します。

内服療法(抗コリン剤)

主な対象部位 全身
効果の持続性 4時間程度
主な副作用 口の渇き、眠気
保険 保険適用(プロバンサインのみ)

抗コリン剤は汗を抑えてくれる飲み薬です。

手汗や足汗など気になる部分の汗だけなく、全身の汗を抑えます。

抗コリン剤で唯一保険が適用されているのが、プロバンサインです。費用は80錠900円程度で、約1か月分もちます。

汗をかきたくない大事なシーンで飲むのをおすすめしますが、副作用として口の渇きや眠気に襲われる可能性があるので注意が必要です。

漢方薬

主な対象部位 全身
効果の持続性
主な副作用 なし
保険 保険適用外

漢方は副作用などの危険性がなく、体質改善によって汗を抑えることができるので、安全な治療方法として注目されています。しかし、即効性がない、自分の症状に合わせた漢方薬を組み合わせないと効果が発揮されないといったデメリットもあります。

 

病院で漢方を処方してもらう場合、多汗症治療を行っている皮膚科や多汗症専門外来などの医療機関に相談してみましょう。

レーザー治療

主な対象部位 脇の下
効果 半永久
主な副作用 赤みや腫れ、痺れ、皮膚のツッパリ感、わき毛の減少など
保険 保険適用外

多汗症、ワキガ治療で注目されているのがレーザー治療です。切らない治療なので、傷跡が残らず、効果も半永久的です。

アポクリン汗腺、エクリン汗腺にレーザーを直接照射することにより、汗腺を熱破壊させます。

また、施術後のダウンタイムもほとんどないので、体に負担も少ないです。

最近特に人気の治療法は、「ミラドライ」です。マイクロ波で汗とニオイに元となる汗腺を破壊してくれます。費用は20~50万円ほどと高額ですが、保険は適用外です。

神経ブロック

神経ブロック療法は、神経や神経の周辺に局所麻酔薬を注射する方法で、星状神経節ブロックや胸部交感神経ブロックなどのいくつか種類があります。

もともとは痛みをなくす方法ですが、汗を止める効果もあるということで、多汗症治療にも利用されます。

しかし神経ブロックは効果が不確実なうえ、数ヶ月で再発してしまう恐れがあるため、最近ではあまり特殊な事情のある場合以外行われていない治療法です。

根本的に治す手術

根本的に治す手術

胸部交感神経遮断手術(ETS手術)

主な対象部位 手のひら
効果 永久
主な副作用 代償性発汗
保険 保険適用

「胸腔鏡下胸部交感神経遮断術」「ETS手術」とも呼ばれます。

主に高度の手掌多汗症が対象で、上記の治療でも効果が得れなかった場合に行います。

 

手術は全身麻酔をするので、手術中に痛みは伴いません。しかし、内視鏡を使って胸部の交感神経節を切るため、傷跡が残ります。

 

注意しないといけないのが、手汗だけでなく、脇汗、足汗など他の部位でも多汗がひどい場合です。

手術をすることによって、手汗は完全に止まりますが、ほぼ100%の確率で代償性発汗という合併症が生じ、脇・足裏・胸・背中・お尻などの他の部位からの発汗が増強します。

精神的原因を解決するなら心身療法

局所性多汗症は主にストレスや緊張など精神的な原因で発汗します。また汗を気にすればするほど、その症状はひどくなります。

 

このような不安や恐怖を取り除くためには、カウンセリングによる心身療法を選択するのも1つの方法です。場合によっては、精神安定剤を処方されることもあります。

 

最も自然で安全な方法ではありますが、効果がはっきりしないため、一般的な治療法としてはあまり普及していません。

重度の多汗症の悩みは病院で相談しよう

多汗症の治療は、完全に汗を止めることができる方法もありますが、副作用も伴うことになります。

 

そのため、軽度の多汗症であれば、手術などに比べると気軽に手頃な価格で試せる制汗剤で対策してみましょう。最近では、手汗専用、脇汗専用といった部位別の制汗剤も販売されています。

 

日常生活に支障をきたすほどの重度な症状の方は、一度病院で相談してみてください。治療法はたくさんあるので、自分に合ったやり方で汗の悩みを解決しましょう。