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歯周病、口臭の原因の元!「歯垢」と「歯石」ってどう違うの??

 

歯磨きをしないと虫歯になってしまう。

それは歯にくっ付いた歯垢(プラーク)の仕業です。

しかもプラークは歯周病や口臭も引き起こすので、放っておけませんね。

そこで今回は食べかすと勘違いしがちな歯垢と歯石についてその原因を紹介します。

目次

放っておくと取れなくなる?知っておきたい歯垢と歯石の違い

子どもの時に、赤いタブレットを噛んでプラーク検査をした記憶があると思います。

中には歯を磨き忘れて真っ赤になっていた人もいたことでしょう。

歯垢と歯石についてよく知ることは歯磨きや歯科検診の意義をとらえなおすきっかけにもなります。

特に歯磨きをさぼりがちな人には知っていてほしい!

歯垢とは

食事の後に歯を磨かないと口の中にネバネバした物体ができます。

これを歯垢と呼ぶのですが、食後に発生することから食べ物のかすだと勘違いしていませんか?

しかし、歯垢が食べかすだとしたらちょっとおかしな点があります。

歯垢は1種類?

それは、どうして歯垢の種類が限られているのか?

食べかすが付いているだけならもっと色や種類によってプラークのバリエーションがあってもいいはずです。

肉を食べたら茶色、野菜を食べたら緑といった様に食べ物の性質を反映していないのはおかしいと感じませんか。

仮に消化されるとしても、唾液が分解できるのは主にでんぷんです。

他の成分まで歯垢になってしまうのは、やはりおかしいと感じられます。

つまり、プラークは食べかすがくっついているだけではないと言うことです。

プラークの正体は…!

プラークの正体は、食べかすに沸いた細菌です。

白から黄色磨かった細菌の塊が私たちの目からはただの汚れに見えるのです。

プラークが見えやすい場所と言えば、前歯と歯茎の境目だと思います。

そこが白くなっていればプラークがついています。

プラーク1㎎に対して細菌が1億匹いると言われています。

つまり、プラーク一塊に日本人以上の数の細菌が集まっています。

それが歯のいたるところにくっ付いているとしたら...想像するだけで恐ろしくなりますね。

プラークは虫歯を進行させるほか、歯周病菌や口臭にも悪影響です。

それは、プラークが単一の菌でできていないからです。

そもそも、口内最近は300種類以上いると言われていて、そのうちの悪玉菌が悪さをしています。

虫歯の原因「ミュータンス菌」

虫歯の原因になるのがミュータンス菌です。

この菌は糖分をエサに歯を溶かす物質(酸)を作り出します。

普段は歯磨きや唾液の作用によって、歯が大きく削れませんが歯磨きをしないで甘いものばかり食べていると自己防衛が追い付かず虫歯になってしまいます。

虫歯は時に死に至る病となり、日本での死者は新撰組の永倉新八さんが有名です。

歯周病の原因となる歯周病菌も、プラークの中に棲んでいます。

この菌は歯茎に悪さをして炎症を引き起こします。

さらに、歯茎を減らして、歯の根元を露出させてしまいます。

最も重い状態になると、歯を支えることができずに抜け落ち、菌は骨にまで悪さをします。

このような細菌は食べ物を腐敗させることによって悪臭を発します。

特に歯周病菌が発生させる臭いはきついです。

ちなみに、プラークは歯だけでなく舌にも繁殖するので舌が黄ばんでいる人は要注意です。

舌に細菌が繁殖したものを舌苔(ぜったい)と呼びます。

歯垢はバイオフィルムとも呼ばれます。

バイオフィルムは排水溝のぬめりを指す言葉でしたが、歯垢のぬめりと同じ構造であることが分かりました。

歯石とは

では、歯石は何かというと、歯垢が固まったものです。

つまり、歯垢と歯石は同じもので構成されています。

歯垢がプラークと呼ばれるように歯石にはtartarという単語があてられますが、まず患者に対しては使わないです。

歯石は死んだ最近の塊?!

歯石はプラークと違ってねばつきはありません。

その代わり歯垢よりも黄ばんで見えるのでいつも歯が汚れているのが目立ちます。

特に歯垢が付きやすいのは歯磨きしづらい歯の間や歯周ポケットの中です。

歯石は死んだ細菌の塊なので、それ自体が悪さをすることは少ないです。

しかし、歯の殺菌や再石灰化の働きを持つ唾液さえも遮断してしまいます。

しかも、歯石は凹凸があるのでプラークが付着しやすいです。

つまり、放っておくと歯石は成長していくのです。

歯石はプラークが2~3日で変化してしまいます。

なんと歯磨きで落とすことができないので、歯医者さんで歯石取りをしてもらいます。

歯肉炎が進行している場合は、歯周ポケットの歯石を落とすときに痛みが出ますが、我慢するしかありません。

日々の歯周ポケットケアが求められます。

歯垢・歯石の原因

歯垢

歯垢ができてしまうのは食べ残しが原因です。

これが細菌のエサとなるため、どんどん集まってプラークを形成します。

最近がプラークを形成するまでは食後8時間くらい。

しかも、粘着力が強いのでうがいではなかなか落とせません。

また、食べ物がない状況でもプラークができやすくなることがあります。

それが、唾液の分泌が少ない時です。

唾液には口の中を正常にする作用があるので、その分泌が少なくなると悪玉菌が活発になります。

そのため、唾液の少ない起床時に口がネバついてしまうのです。

ただし、口のネバつきは健康な人でも起こるので過度の心配は不要です。

歯石

歯石は死んだプラークの塊でしたが、どうして歯石は固まってしまうのでしょうか?

それは唾液の再石灰化作用が原因でした。

唾液はミネラルを分泌することで口の中を悪玉菌の好きな酸性度を減らすことができるほか、浸蝕された歯を回復させることができるのです。

ところが歯を回復させるときに歯垢までミネラルで固くしてしまいます。

これが歯石の正体です。

つまり、歯垢が歯石に代わったのは歯の再生と同じ石灰化なのです。

歯石に変わる前に歯垢を除去

よって、歯の健康を守るためには歯石に代わる前に歯垢を除去することが大切です。

歯垢を除去するためには念入りな歯磨きを毎日行うのが基本です。

食後に歯磨きをすれば歯垢は理論上できないのですが、人の手では磨きのこしを無くすことが難しいです。

とくに磨きづらいのは歯ブラシの届きづらい歯の間、磨いたつもりになってしまう奥歯や歯の裏、そして、中までは見えない歯周ポケットです。

まず、歯周ポケットについては歯ブラシを傾けることで毛先を入り込ませます。

次に、奥歯は一本一本磨くよう意識すれば十分です。

そして、歯と歯の間は糸ようじや歯間ブラシを使うことでより、徹底的な歯垢除去ができます。

また、歯垢が見えるように市販の染色剤を使うこともおすすめです。

まとめ

このように、歯垢は見た目以上に恐ろしい存在であることが分かりました。

少し難しい理論はあれど、口の中を不潔にして良いことは一つもありません。

忙しい時でも毎日の歯磨きを心がけましょう。