気付いたら生えている親知らず、抜こうと思っているうちにどんどん成長してきた親知らず。
放っておくと痛いだけでなく歯並びを悪くしてしまうことさえあるでしょう。
でも、親知らずを抜くのって怖いし、術後が痛いという話もよく聞きます。
そこで今回は抜いた方が良い親知らずと、親知らずを抜いた方が良い理由についてご紹介します。
気付いたら生えている親知らず、抜こうと思っているうちにどんどん成長してきた親知らず。
放っておくと痛いだけでなく歯並びを悪くしてしまうことさえあるでしょう。
でも、親知らずを抜くのって怖いし、術後が痛いという話もよく聞きます。
そこで今回は抜いた方が良い親知らずと、親知らずを抜いた方が良い理由についてご紹介します。
親知らずとは、親が知らないうちに生えるから親知らずと言われることもあれば、親から自立した後に生えるからそう呼ばれるという説もあります。
いずれにせよ、大人になったら生えてくるものです。
よく問題になる親知らずですが、本来は健康な歯です。
一番奥の臼歯はもともと生えてくるようにできているので、親知らずが問題にならない場合はただ奥歯が一本増えるだけです。
でも、親知らずの問題は人類の進化とともに増えてきたと言われています。
もともと、私たちの祖先である原始人は親知らずが問題なく生えていたと言われています。
しかし、北京原人あたりから大脳の発達とともにあごが小さくなってきました。
そして、縄文時代にはすでに親知らずが生えてこない人が出てきています。
要するに親知らずがちゃんと生えてくるためのスペースが狭くなったのです。
近年の食文化の変遷から「柔らかいものを食べるとあごが小さくなる」と言う説が広く知られています。
多くの歯科医のサイトでもそのように言われています。
しかし、顎の大きさは個人差がありますし、噛む力による骨格がそこまで簡単に遺伝するのかも疑問です。
結局のところ一説でしかないということです。
現段階で言えることは、昔の人は親知らずが問題になっていなかったことと、今の人は顎が狭くなったせいで親知らずが正常に生えづらくなっていることです。
4本とは言わず1~2本だけ変な生え方をしている場合もよくあります。
親知らずを抜歯するのは20代が良いと言われています。
その理由は処置のしやすさと回復力にあります。
親知らずが未発達の初期段階なら抜歯も楽ですし、20代の内は手術跡の完治も早いです。
逆に年齢を重ねた後だと抜歯も痛く、術後も痛みが長引くのだそうです。
特に50代での抜歯は難しいため、若いうちの抜歯が大切です。
ちなみに、親知らずの抜歯は麻酔を使うため妊娠している時は手術ができません。
女性の方はこの点も覚えておきましょう。
親知らずによる影響はどれも、日常生活に支障を与えるものです。
もちろん、痛みや虫歯も大変なことですがそれ以外の影響もしっかり知った上で親知らずの処理を考えることが大切です。
まず、親知らずは虫歯や歯周病のリスクを上げます。
一番奥に歯があるため歯ブラシが届きづらいことが原因です。
しっかり歯を磨きましょう。
さらに、正常でない形で親知らずが生えている場合は、隣の歯と密着することで汚れを落とせなくし、虫歯や歯周病を進行させます。
見えない部分なので目視で確認できないのも面倒なところです。
汚れが落とせないことは口臭の悪化もつながります。
こちらも正常に生えている限りは適切なオーラルケアで対処可能です。
つぎに、親知らずが歯を圧迫するために痛みが発生します。
痛みは歯にとどまらず肩こりや頭痛となってあなたに降りかかることもあります。
たとえまっすぐ生えている場合でも痛みを感じる場合は治療が必要です。
治療は抜歯でない選択肢もあります。
ただし、親知らずの圧迫により歯並びや噛み合わせが変化してしまうことがあります。
特に親知らずが斜めから横向きで生えている時に起こりやすいです。
一度歯並びが乱れてしまうと矯正には虫歯治療と比較にならないほどのお金がかかります。
審美面で言えば親知らずの抜歯は小顔効果もあると期待されています。
それは親知らずがあることによって発達した筋肉や周辺の骨が痩せることによるものですが、小顔になるかどうかは顔の形が大きく関わりますし個人差があります。
ただ、骨格が完成しないうちに抜歯した方がよさそうです。
親知らずはまっすぐ生えないことがあります。
斜めに生えたり横に這えたりすると、何のための奥歯なのかと嫌になりますよね。
このような場合は親知らずが生える過程で他の歯を圧迫するため歯並びの乱れにつながりやすいです。
さらに、隣の歯に虫歯を引き起こしやすいリスクもあります。
まっすぐ生えていない親知らずは、歯の一部が歯茎の中に隠れています。
横向きがひどい場合は歯がすべて歯茎に埋もれていることさえあるでしょう。
このような場合は歯茎を切開して親知らずを抜きます。
切開と縫合には少し時間がかかるものの抜歯自体は普通に終わります。
特に、下の歯の親知らずを抜歯すると、上の歯より痛みが強い傾向にありますし、食べ物が親知らずの跡に入り込むとかなり痛いです。
だからこそ、20代のうちに手術を行っておきたいものです。
これは、もう親知らずかどうかという問題とは関係ありません。
抜歯するしかない虫歯はすぐに抜くべきですし、抜くほどでないとしても虫歯リスクの高い親知らずはさっさと抜いてしまった方が良いのです。
抜歯すべき虫歯というのは神経にまで歯の浸食が見られるものです。
神経まで達するものは歯を削り神経を除去するので、長い期間を必要とします。
まっすぐ生えている場合でも親知らずによる痛みを感じる場合や口の中を良く噛んでしまう場合は、邪魔なものとなってしまいます。
まっすぐ生えている親知らずは他の歯と同じように抜くことが可能です。
場合によっては矯正治療によって症状を改善することも可能です。
逆に言えば、親知らずが他の歯を圧迫していない場合は抜歯する必要がありません。
むしろ、健康な歯が一つ増えただけと思っていいです。
親知らずを残しておくメリットは他の歯の代わりとなる点です。
通常、歯を抜いた時はインプラントやブリッジが考えられますが、自分の歯をそこに移植することも可能です。
これを歯牙移植と呼びます。
歯牙移植は他の材料に比べて適合性が高いこと、新たに、歯を作らなくてよいことが魅力的です。
ちなみに、歯牙移植は古代エジプトから行われていたという研究もあります。
親知らずが歯茎に隠れている場合は切開する必要があります。
しかし、歯を圧迫しないくらい深いところに親知らずがある場合は、そのまま放置した方がいいでしょう。
無理に口の中を傷つけても炎症になりかねないからです。
親知らずの痛さは人それぞれ。
特に切開を必要とする場合は術後の痛みや腫れも多くなるでしょう。
それでも、いつかは抜く運命にあるのが親知らずです。
できれば20代のうちに、もっと年齢を重ねた方なら今すぐに不健全な親知らずを抜いてしまいましょう。