人の印象も決めてしまう口臭は、その殆どが口内環境に関わるものと言われています。
しかし「ちゃんと歯磨きしたのに口臭がする」「歯周病にもかかっていない」と言う場合は病気による口臭であることが考えられます。
どうして口臭がすることが病気のサインとなるのでしょうか?
人の印象も決めてしまう口臭は、その殆どが口内環境に関わるものと言われています。
しかし「ちゃんと歯磨きしたのに口臭がする」「歯周病にもかかっていない」と言う場合は病気による口臭であることが考えられます。
どうして口臭がすることが病気のサインとなるのでしょうか?
口臭には、普段の生活では避けられない生理的口臭と、病気によって引き起こされる病的口臭があります。
もし、前者であれば少し気遣う程度で大丈夫です。
生理的口臭が起きるのは臭いのするものを食べた時、朝起きた時、緊張で口が渇いた時などです。
このような場合は健康な人でも口臭が出やすくなるものなので歯磨きをして口内をリフレッシュすることが大切です。
他には高齢・思春期・妊娠を原因とする生理的口臭もあります。
対して病的口臭は何らかの疾患において発生するものなので、口臭の原因となる病気を見つけるサインになります。
もちろん、口の中の病気である歯周病が原因の口臭も病的口臭に分類されます。
具体的には胃・腸・腎臓・肝臓などの臓器の異常が疑われるのですが、どうして口臭につながるのか、一見わかりづらいと思います。
口ではないところを原因とする口臭は、臭い成分が血液を巡ることで起こります。
病気を患っている臓器で臭い成分が発生、それが吸収されて血液とともに流れます。
そして肺で分泌されてしまうのです。
私たちの体はつま先から頭まで血管がつながっているので、内臓の病気で口臭がするのもおかしくありません。
では、肺で分泌されなかった臭いがどうなるのか。
汗になります。
成分によっては尿になることもあります。
つまり、病的口臭が起きている状態では体臭も臭くなっている場合があるので、一層の注意が必要です。
口臭や体臭はなぜか自分ではわからないものです。
これはマスキングと言う習性によるもので、相手のにおいを敏感に察知するためです。
そのせいか、自分より臭くない人の体臭はかぎ取れるのに、自分のにおいが分からないと言うことがよくあります。
口臭の有無を確かめる時は他人にかいでもらうことや口臭チェッカーを使うことです。
口臭の複雑なところはただ臭いだけでなくそれぞれの病気に基づいた特徴を持っているところです。
口臭をかぐ人はどんな臭いがしたかも一緒に判別しましょう。
卵が腐る匂いってとても臭いですよね。
このいわゆる腐敗臭ともいわれる正体は硫化水素です。
硫化水素は硫黄と水素がくっついたものですが、硫黄の温泉とは比べ物にならないほどの臭さです。
これは食べ物が腐ることで発生するのでまずは、歯茎の汚れや舌の汚れである舌苔を落としてみましょう。
それでも残っている場合は胃のトラブルの可能性が高いです。
胃が不調になると食べ物が消化されなくなるので胃の中で腐敗してしまいます。
この時に発生する成分が血液に流れることで肺に回り、悪臭となるのです。
確かに、胃の消臭をするタイプのブレスケアも売られていますね。
ただし、胃の出口はふさがっているので、食べたもののにおいが直接口から出てくることはありません。
健康な場合は口臭がしないのです。
おならや便のようなにおいが口からする。
嫌な話ですがこのお悩みは少なくありません。
お察しのように腸のトラブルが関わっています。
便のにおい成分が腸から吸収されることで血液を巡り、肺に分泌されてしまいます。
腸内で悪臭を出すのは悪玉菌です。
悪玉菌は肉類や糖質が大好物なので消化しきれなかった食べ物を異常発酵させてしまいます。
さらに便秘によって便が腸にとどまっているとしたらより多くの臭い成分が腸から吸収されてしまいます。
便秘は肌荒れや体臭にも関わるので根本からの見直しが求められます。
甘酸っぱい臭いだから良い香りと言うわけではありません。
これは脂肪が代謝されることによって出てくるケトン体が関わっています。
ケトン体が発生するのは糖分が足りない時なので、極度のダイエットや糖尿病の可能性があります。
さらに糖尿病の場合は尿からも甘酸っぱい香りがすることがあります。
糖尿病はインスリンがコントロールできない病気なので膵臓が深くかかわっています。
こちらも臓器疾患のひとつと言えるでしょう。
先天性の場合はしょうがないですが2型糖尿病は不摂生が原因です。
ツンとした刺激臭はアンモニアによるものです。
つまり尿としてアンモニアが排泄しきれていないことを意味するので、この臭いで分かる臓器の不調は、腎臓です。
腎臓が悪くなると口臭の他に高血圧やむくみも見られます。
もし、玉ねぎやカビのようなにおいがするときは肝臓の病気が疑われます。
肝臓はアンモニアやアルコールをはじめ様々な有害物質を浄化する臓器です。
つまり、肝臓が弱ってしまうとそれが血中を漂うことになります。
病的口臭は病気を原因とするので、いまどんな病気にかかっているのかを診断してもらうことが必要です。
複数の病気にかかっている時もそのどれかが口臭の原因と思って対策することが望ましいです。
もちろん、病院で処置できることもありますが普段の生活でもこれだけのことに気を遣えます。
臓器の調子に大きく関わるのは食事とストレスです。
原則は栄養バランスの整った消化に良いものを食べることです。
さらに、便秘対策に食物繊維をとることもおすすめです。
糖質・脂肪が多いものや味の濃いものは可能な限り控えること。
高カロリーのものは胃腸だけでなく肝臓にも負担をかけます。
さらに、塩分の高いものは血圧を上げるので腎臓の負担になります。
揚げ物や肉類を避け、薄味のものを選ぶだけでも。
口臭以外も期待できます。
さらに、善玉菌の多いヨーグルトや発酵食品を食べることは腸内細菌のバランスを整えるので便が出やすい腸に代えてくれます。
善玉菌は便のにおいを軽くし、ビタミンやミネラルも作り出してくれるのできれいな腸は美容につながります。
ストレスを軽減させると臓器の働きがよくなるほか、唾液も出やすくなることで口臭の原因となるドライマウスも防いでくれます。
ドライマウスは口の中が乾いてしまう状態で、唾液の行きわたらない部分は雑菌が繁殖しやすくなります。
有酸素運動をすると体の代謝がよくなります。
また、普段使わない筋肉も動かせるので体のコリもほぐれていきます。
代謝がよくなると血行が促進されることで臓器の調子がよくなり唾液も分泌されやすくなります。
筋トレのように必死にやらなくても1日30分のウォーキング程度でOKです。
心肺機能も高めつ有酸素運動の他に柔軟体操も合わせて行うと効果的です。
体の動かす幅が広がるとそれだけ血の巡りもよくなります。
最も体が柔らかくなるタイミングはお風呂上がりです。
このように、口臭から病気を疑うことができますが、どの病気かを特定するのは簡単ではありません。
しかし、私たちのかかる病気のほとんどは不摂生によってかかる生活習慣病です。
生活習慣で患った病気は習慣が変えるとこからです。
できることから始めてみませんか。