いま若い女性にも急増中!セルフチェックで早期発見。
元フリーアナウンサーであり、歌舞伎俳優・市川海老蔵さんの妻でもある小林麻央さんが乳がんを発症したというニュースに驚いた人も多いのではないでしょうか。
まだ34歳という若さの小林麻央さん。
最近は若くして乳がんにかかる女性の数が急増しているのです。
今回は、乳がんの概要と予防法、セルフチェックの仕方などを紹介していきたいと思います。
目次
乳がんとは
毎年4万人の女性が乳がんと診断されているという調査結果にみられるように、日本の女性がかかる癌の中で最も発症率が高いのが乳がんです。
最近は16人に1人の女性が乳がんにかかっているともいわれており、発症のピークは40代後半となります。
乳がんは乳房の中でも「乳腺」から発生する癌のことをいいます。
成人女性には乳頭の周りに乳腺が15~20か所点在しており、それらを「乳管」という組織がつなげています。
乳がんの約90パーセントは乳管から発生する「乳管がん」で、残りの5~10パーセントを「小葉がん」が占めています。
初期症状
乳がんにみられる初期症状をいくつか紹介していきましょう。
乳房にしこりができる
小林麻央さんも、乳房のしこりを発見して驚いたと明かしています。
乳房に腫瘍ができ、それが大きくなってくると痛みも出てきますし、触れるくらいしこりが大きくなってきます。
また、乳がんが進むと脇の下や鎖骨のリンパ節に転移することもあり、それが原因で脇の下にしこりができることもあります。
その他、リンパの流れが悪くなり、足や手がむくむこともあるのです。
乳房の皮膚に変化がみられる
乳房の近くに乳がんがあると、乳房の皮膚に変化が出てきます。
具体的には皮膚のへこみ、めくれのほか、乳頭・乳輪部分の湿疹・かぶれなど。
乳頭部分から血の混じった分泌液が出てくることもあります。
症状
乳がんは、主にしこりによる痛みを伴います。
乳房の一部分だけチクチクとした痛みを感じることもありますし、熱を持ったような痛みを感じることもあるようです。
後者の場合は、乳がんの中でも「炎症性乳がん」を発症している可能性があるので、すぐに医師の診療を受けましょう。
乳がんの進行度はステージによって提示されます。
そもそも乳がんの場合、がん細胞が比較的小さいときに乳腺細胞から零れ落ち、血液やリンパの流れに乗ってほかの組織に転移することがあります。
これを「遠隔転移」と呼ぶのですが、乳がんのステージはこのような「遠隔転移しているかどうか」や「リンパ節へ転移しているかどうか」、「しこりの大きさ」で判断されるのです。
ステージは0~Ⅳで示されます。それぞれの症状は以下の通りです。
0期 |
きわめて早期の乳がん |
Ⅰ期 |
脇下のリンパ節には転移していなく、しこりが2センチ以下 |
Ⅱ期 |
しこりの大きさは2センチ以下でも、脇下のリンパ節への転移がある、もしくはしこりが2~5センチだが、脇下のリンパ節への転移はない(Ⅱa期)。
しこりの大きさが2~5センチ、脇下リンパへの転移がある(Ⅱb期) |
Ⅲ期 |
脇下のリンパ節に転移があり腫れているうえ、しこりが2センチ以下もしくはしこりが5センチ以上で脇下あるいは胸骨のリンパへの転移がある(Ⅲa期)。
皮膚にしこりが現れている、皮膚に異常がみられる(Ⅲb期)。
脇下、胸骨の内側のリンパ節療法に転移がある、もしくは鎖骨のリンパに転移がある(Ⅲc期)。 |
Ⅳ期 |
遠隔転移している場合 |
原因
乳がんのはっきりとした原因は、完全には解明されていません。
今のところは遺伝やホルモン異常、肥満などの生活習慣が原因と考えられています。
そもそも乳がんの発生や増殖には、女性ホルモンの一つ「エストロゲン」が深く関わっています。
体内でエストロゲンの分泌が多い時期が続くことや、体外からホルモン補充療法や経口避妊薬としてエストロゲンを摂取することで乳がんのリスクが高まることは根拠もあり確かであるといわれています。
また、初潮を迎えた時期が遅い、出産歴がない、出産年齢が遅いなどの条件のほか、飲酒習慣がある人も乳がんのリスクを高めていることが分かっています。
そのほか、母親や姉妹で乳がんにかかった人がいる場合、乳がんにかかるリスクは2倍になるといわれており、遺伝子異常が発症に深く関わっていることもわかっています。
予防
乳房にできるしこりは触って確認できるため、日頃からセルフチェックをすることで早期発見につながります。
最後は、そんな乳がんの予防策としていくつか方法を挙げていきましょう。
セルフチェック
乳がんのセルフチェック方法として、代表的なものにしこりのチェックがあります。
実は乳房にしこりがあったからと言って、必ずしも乳がんにかかっているというわけではありません。
しかし当然ながら乳がんの可能性も高いので、日頃からセルフチェックを行う必要があるのです。
セルフチェックの方法は以下の通りです。
- 背中の下に枕を置いて、仰向けで寝る
- 片手を頭の方にぐっと伸ばして乳房、脇のリンパ節を触って確認する
この時、乳頭から指の腹を使って優しく触ってあげるようにしましょう。
しこりや塊のほか、へこみや血が混じった分泌液が出ていないかどうかも確認します。
ちなみにしこりはこんにゃくの下に豆を置いて触った感触を思い浮かべてください。
月経終了後の7~10日の間に、日にちを決めて行うことをおすすめします。
閉経後も毎月1回は行うようにしましょう。
予防策
乳がんは生活習慣を改めることで予防できるといわれています。
いくつか紹介しましょう。
飲酒は適量を守る
過度の飲酒は乳がん発症のリスクを高めます。
1日1杯ならば問題はないという報告もあるので、日頃から適量を守って乳がん予防に努めましょう。
食生活を見直す
乳がん予防に良い食材は多くあります。
特にイソフラボンを豊富に含む大豆製品は、乳がん発症のリスクを抑えるといわれています。
そのほか、野菜や魚介類、果物をバランスよく摂取することが大切です。
適度に運動する
乳がんのリスクを高める肥満にならないためにも、適度に運動することは大切です。
特に閉経後は運動することで乳がん発症のリスクを抑えることができるという説は確実だと言われています。
乳がんの疑いがあるなら
乳がんはセルフチェックだけで確実に確かめることができるわけではありません。
特に40代を過ぎると、乳がん発症のリスクはかなり高まってきます。
定期的に乳がん検診を受けることで早期発見にもつながるので、不安な人はぜひ一度病院へ足を運んでみてください。
その際は、乳腺外科、乳腺科、乳腺内分泌外科などの表示がある病院を選ぶようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
乳がんは最悪の場合命を落とす危険性もある恐ろしい病気です。
しかし月1回のセルフチェック、定期的な乳がん検診で予防することもできるので、ぜひ実践してみてください。
参考文献
大阪市 天王寺 乳腺外科ヨシダクリニック | 乳がん