帯祝いというお祝いを知っていますか?
妊婦が無事に妊娠5か月目を迎えたことを祝うとともに、無事な出産を願って神社やお寺で祈祷を受ける、日本伝統の行事です。
一般的には、妊娠5か月目に入った最初の戌の日に参拝するとされています。
しかし、現代社会ではそう上手く予定を合わせられないので、体調と相談し、戌の日に近い週末でも、他の戌の日でも構いません。
またどうしても体調が悪い時には、親族に代参をお願いすることもできます。
この腹帯を巻く祝いを戌の日に行うのは、イヌのお産が、多産で安産だといういわれにちなんでいます。
安産祈願として、さらしの腹帯(岩田帯)に祈願をしてもらい、それをお腹に巻くという儀式を行います。
現代の生活に合わせて、晒しの岩田帯からガードルタイプに人気が移っているようですが、どちらでも大丈夫です。
安産祈願をしてくれる神社やお寺は全国にたくさんあります。今回は四国地方で安産祈願におすすめの神社や寺をご紹介していきます。
【徳島】極楽寺
高野山真言宗の開祖・弘法大師がこちらのお寺に滞在し、「阿弥陀経」を21日間読誦された際に、 難産に悩む女性が訪れ、弘法大師のお加持によって無事安産したという故事にちなみ、安産祈願の寺として有名な極楽寺。
境内には、安産した妊婦さんがお礼に奉納された大師像が安置されています。また、こちらのお寺は四国八十八カ所巡りの第2番札所にもなっており、平日でも多くの参拝客でにぎわっています。
安産祈願の祈祷料は10000円、受付場所は団体納経所です。祈祷を受けると、安産祈祷札・安産御守・腹帯がいただけます。
祈祷の申し込みは、代理でも、郵送でも可能です。妊婦の名前、住所、出産予定日などをお伝えください。
臨月が近づくと、朝勤行の際にあらためて祈願をしていただけるそうです。
住所 | 徳島県鳴門市大麻町桧ダンノ上12 |
---|---|
アクセス | JR「阿波川端駅」から徒歩約20分もしくは「板東駅」から徒歩約30分。 高速バスをご利用の方は、「 鳴門西高速バス停留所」下車、徒歩約15分です。鳴門市営バスをご利用の方は、「極楽寺前バス停」下車。 |
ご祈祷受付時間 | 午前9時~午後3時30分 |
TEL | 088-689-1112 |
公式サイト |
【徳島】大麻比古神社
大麻比古神社と書いて「おおあさひこじんじゃ」と読みます。徳島県最大の神社、阿波国一之宮として賑わっています。
地元の人々からは「おおあささん」「おわさはん」と呼ばれて親しまれているようです。
祀られているのは、大麻比古大神(おおあさひこのおおかみ)と猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)の二柱の神様。
大麻比古大神とは、大昔に阿波国を開拓した阿波の忌部氏)の大祖先の神様です。
天皇の祖先が地上に降りてきたといわれる天孫降臨の際に、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に従って天下った5柱の神のお一人だといわれています。
一方の猿田彦大神は、天孫降臨の際に、瓊瓊杵尊の道案内役をつとめた神様です。
いずれの神様も、安産、交通安全、方除、厄除の御加護をお授けくださる神様として信仰されています。
安産祈願は毎日受け付けています。
祈祷料は、祈祷を継続する期間によって異なっており、初穂料5000円(2夜3日祈念)、7000円(7日祈念)、10000円(15日祈念)です。詳しいことはお電話で確認してください。
祈祷を受けると、御札、御砂、御守、特別安産絵馬がいただけます。10000円の祈祷では、腹帯もいただけます。手持ちの腹帯の祈祷を希望する際は、あらかじめ問い合わせておくと良いでしょう。
安産御守は小さな赤ちゃんがお守りのポケットに入っている可愛らしいものになっています。
住所 | 徳島県鳴門市大麻町板東字広塚13 |
---|---|
アクセス | 車が便利です。(藍住ICから車で15分。板野ICから車で10分。鳴門ICから車で20分。) |
ご祈祷受付時間 | 午前8時30分~午後4時30分 |
TEL | 088-689-1212 |
公式サイト | http://www.ooasahikojinja.jp/ |
【香川】金倉寺
金倉寺の御本尊、訶利帝母(かりていも)様は、地元の人々から「おかるてんさん」の愛称で親しまれています。
鬼子母神(きしもじん)様とも呼ばれ、子授けや安産、また子供や女性の守り神として古くから信仰を集めています。
歴史はとても古く、西暦818年、智証大師様の前に突如女神が現れ、「私はあなたの仏道修行を守護しましょう」とおっしゃったそうで、その御影を刻んで訶利帝堂にお祀りしたのが始まりとされています。
鬼子母神といえば、最初は他人の子供をとっては食べるという悪い鬼だったものが、お釈迦様との約束で改心し、子供を守るようになったといわれている女神様です。
子供と女性の守り神として、全国で祀られていますが、金倉寺に伝わる「おかるてんさん」出現の話は日本最古の記録とされているため、金倉寺の「おかるてんさん」は「日本最初出現訶利帝母」と呼ばれています。
安産祈願の祈祷料は10000円です。祈祷は戌の日の1日4回と時間が決められており、各回7組の定員制です。
事前に電話で予約が必要です。Webから事前受付も可能ですが、2日前までに済ませましょう。戌の日以外の祈祷は、直接お電話で確認してください。
祈祷には、ご夫婦のお名前、生年月日、連絡先、出産予定日が必要です。出産予定日まで毎朝祈願してもらえます。家族も一緒に参拝できます。
授与品として、祈願札、安産腹帯、安産小布、胎児守、肌守、御加持米、ザクロ絵馬、吉祥果じゃむ、智証大師産湯の水、はぐくむBOOKなどがいただけるそうです。
腹帯は持参したものを祈祷してもらえます。事前にマタニティ用品店などで購入しましょう。
住所 | 香川県善通寺市金蔵寺町1160 |
---|---|
アクセス | JR土讃線「金蔵寺駅」より東方向へ徒歩約8分。 |
ご祈祷受付時間 | 9時~17時 ※ |
TEL | 0877-62-0845 |
公式サイト | http://www.kagawa-konzouji.or.jp/ |
※ ご祈祷時間は午前9時30分、午前11時、午後2時、午後3時30分より各回40分。
※ 各回とも限定7組なので、事前予約要。
【愛媛】香園寺
香園寺は、厩戸皇子(聖徳太子)が用明天皇の病気平癒祈願のために創建建立したとされている大変古いお寺です。
現在は、真言宗のお寺となっています。地元の人には、「子安大師」と呼ばれており、安産祈願で有名なお寺です。四国八十八箇所巡りの第61番目の札所としてもにぎわっています。
安産祈願は仏滅以外の日に受け付けています。電話予約が必要なので、訪問日と時間が決まったら問い合わせましょう。
午前午後ともに4回の祈祷時間の設定があるそうです。安産祈願の祈祷を受けると、お札の入ったお守りを授与されます。
このお守りは腹帯にはさんでお腹に巻くものです。この御守りには面白い使い方があります。
陣痛がはじまったらお守りを開き、中のお札を取り出して1時間ごとに1文字、書いてある字をちぎって飲むのだそうです。飲み終えるころには無事にお産が終わると言い伝えられています。
住所 | 愛媛県周桑郡小松町南川甲19 |
---|---|
アクセス | JR「小松駅」下車、徒歩20分。 |
ご祈祷受付時間 | 午前9時30分~午後3時30分 ※ |
TEL | 0898-72-3861 |
公式サイト | http://www.koyasudaishi.or.jp/index.htm |
※午前4回、午後4回の御祈願時間があります。電話で事前予約して下さい。
※仏滅の日はお休みですので注意して下さい。
【高知】下崎神社
元々は、下崎寺というお寺だったそうです。当時の住職はとても真っすぐな性格だったがゆえに、領主から反感を受けてしまい、大桶に閉じ込められてしまいます。
しかし、それを気の毒に思った若妻が夜になると御馳走を運んで逃げるように勧めましたが、住職はこれを断り刑を受けることを決意します。
そして住職の最後のとき、若妻の厚意に対して何か願いはないかと尋ねると、「願い事はないが、安らかなお産とこの成長を願うことが女としての唯一の願いです」と申され、若妻の安産とこの成長を見守ると仰り、命を絶たれたそうです。
このことから、安産と子宝を約束して亡くなった住職を下崎大神として祀られています。
高知県内では有名な安産祈願の神社ですが、とてもこじんまりとした神社です。しかし、安産祈願、子授け祈願の霊験あらたかとのことで、県内外から参拝客が訪れています。
安産祈願の初穂料は5000~10000円くらいです。金額がわからない方は予約の際に確認してもいいでしょう。
祈願の際には腹帯を持参しましょう。手持ちの腹帯を持参すると腹帯にご朱印を押してもらえます。
さらしの岩田帯ではなく、コルセットや腹巻タイプでも大丈夫なのでマタニティ用品売り場などで好みのタイプのものを購入して持参しましょう。
住所 | 高知県南国市岡豊町小篭448 |
---|---|
アクセス | 車でのアクセスのみです。国道32号線が近いです。 |
ご祈祷受付時間 | 午前9時30分~午後4時 ※ |
TEL | 088-863-0909 |
公式サイト | https://simosaki.jimdo.com/ |
※昇殿祈祷を受けたい場合は、事前に連絡を入れておきましょう。電話予約以外にも、HPからも予約可能です。
まとめ
四国の安産祈願のお寺や神社を見てきましたがいかがでしたか?
四国八十八ヶ所の札所めぐりで有名な土地のため、神社よりもお寺が多い印象がありますね。
お遍路で賑わうお寺を、観光のついでに訪れて安産祈願をお願いするのもいいと思います。体調が良い時を見計らい、無理のない日程で安産祈願をお願いしましょう。
実はこのお祝い、正確には安産祈願は事前に受けておいて、戌の日に祈願済みの腹帯を腹に巻くというのが正しいあり方ですが、最近は「戌の日に」安産祈願に行くと誤解されている傾向があります。
いずれにしても、強制ではありませんので、自身の予定と体調と相談した上で、行きたいと思う場合は参拝するという事でいいと思います。