生理痛や憂鬱感、イライラなど、生理中に訪れる不快な症状は人によって違います。
なかには症状が重すぎて、会社や学校に行けなかったり、家事が手につかなかったりと、日常生活に支障が出てしまっている人も多くいるようです。
一方で、そもそも生理とはどんな現象で、どうして生理痛などを引き起こすのかご存知でしょうか?
そこで今回は生理のメカニズムや、生理痛の主な症状などを詳しく紹介していきたいと思います。
生理痛や憂鬱感、イライラなど、生理中に訪れる不快な症状は人によって違います。
なかには症状が重すぎて、会社や学校に行けなかったり、家事が手につかなかったりと、日常生活に支障が出てしまっている人も多くいるようです。
一方で、そもそも生理とはどんな現象で、どうして生理痛などを引き起こすのかご存知でしょうか?
そこで今回は生理のメカニズムや、生理痛の主な症状などを詳しく紹介していきたいと思います。
生理とは、妊娠した時のために準備されていた子宮内膜が、妊娠しなかったことで不要になり、剥がれ落ちる際に出血することを言います。
そもそも女性の体には約4週間のサイクルがあり、これは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2つの女性ホルモンによって形成されています。
この4週間のサイクルの中で、女性の体内では排卵が行われたり、子宮内膜を整えたりと、妊娠の準備が進んでいきます。
サイクルのうち、生理までどんな道筋を辿るのか詳しくみていきましょう。
まず生理が終わっておよそ2週間後に、女性は排卵期を迎えます。
排卵期には卵子が排出され、赤ちゃんができたときのために子宮内膜も厚くなっていきます。
生理直前には子宮内膜は1センチもの厚さにまで達しますが、妊娠がなされなかったことでどんどん剥がれ落ちてしまい、剥がれ落ちる際に子宮の壁から出血することで、経血となって排出されるのです。
生理の時にみられる出血の量は、子宮や子宮口の大きさ、ホルモン分泌量によって異なると言われています。
また、経血の出入り口である子宮口は、ストローの穴より小さな穴なので、すべての血液を一気に排出することは難しいことから、何日間かかけて、ゆっくりと出血が続くのです。
また、子宮の位置が前や後ろに傾いてしまっていると、経血がスムーズに排出されずに、だらだらと出血が続くこともわかっています。そのほか、間を挟んで生理の後半に大量に出血することもあります。
生理が始まった日から、次の生理が始まる前日までの期間を生理周期と呼びます。
正常な生理周期は28~35日とされており、何日かずれてもこの範疇にあるのなら問題はないようです。
一方で、生理周期が24日以内の場合は「頻発月経」、反対に39日以上の場合は「稀発月経」と呼びます。
生理が終わってからは一番痩せやすいという話を聞いたことはありませんか?
確かに生理が終わった直後の女性の体は、代謝が高まり、体も良く動くほか食欲も抑え気味になるので、ダイエットには最適な時期と言えます。
生理のメカニズムが分かったところで、続いては生理痛について見ていきましょう。
人によっては生理痛が全くないということもありますが、反対にかなりひどい症状に毎月襲われるという人もいます。
どうして生理痛が起こるのか、その原因は以下の通りになります。
生理中には「プロスタグランジン」というホルモンが分泌されます。
これは、経血を体外へスムーズに排出するために、子宮を収縮させるという大切な役割を持っているホルモンなのですが、それと同時に痛みを強めたり血管を収縮させる働きも持っていることが分かっています。
したがって、プロスタグランジンが過剰に分泌されることで、頭痛や肩こり、腹痛、吐き気などの症状を引き起こす原因となってしまうのです。
先述したようなプロゲステロンの大量分泌を促しているのが、エストロゲンの過剰分泌であると言われています。
したがって、エストロゲンが過剰分泌されることで激しい生理痛を引き起こしてしまうのです。
骨盤が歪んでしまうと子宮がきちんと正常な位置にいられなくなり、周辺の血行が悪化することで、経血の増加や生理痛の悪化を引き起こしやすくなります。
骨盤のゆがみは、脚をずっと組んでいたり、姿勢が悪かったりと日常的な習慣が原因で起こることもありますし、出産や妊娠が原因で起こることもあります。
若い女性は特に、子宮口の狭さが原因でひどい生理痛を引き起こす人は多くいます。
しかしこの場合、子宮口は大人になっていくにつれ段々と広がっていきますので、年齢を重ねていくことで生理痛が緩和されることがほとんどです。
冷たいものを飲むことが多かったり、ぴったりとしたスキニージーンズなどを履くことが多かったり、冷房で体を冷やしてしまうことが多いなどの生活を続けていると、全身の血行が悪化し、ひどい生理痛の原因となります。
また、転勤や転職、受験などの大きな環境の変化は、良くも悪くも極度の緊張状態を招き、ストレスとして体に現れます。
その際、ホルモンバランスや自律神経のバランスが崩れ、生理痛を悪化させることも珍しくはありません。
PMSとは月経前症候群のことで、生理中ではなく生理前に生理痛やそのほかの不快な症状が現れることが特徴です。
生理1~2週間前から身体的・精神的に不調を感じるようならば、PMSを疑ってみても良いでしょう。
また、ひどい生理痛は生殖器系の病気が原因となっていることもあります。
例えば子宮内膜症や子宮筋腫は、生理痛をひどくさせることが分かっています。
もしも段々と生理痛が重くなってきたと感じているのなら、早めに婦人科を受診するようにしましょう。
生理痛と言われると、下腹部の痛みを一番に思い浮かべる人が大半かと思いますが、実はほかにもいろいろな症状が起こることがあります。
それぞれその原因や特徴を見ていきましょう。
女性ホルモンの一つ、エストロゲンは生理中期の中で増減を繰り返します。
特に排卵後は増えていきますが、生理が始まると減少していきます。この増減によって脳内物質であるセロトニンも一緒に増減することが分かっています。
セロトニンは減少することで脳内の血管を拡張してしまい、頭痛を引き起こします。
したがって、生理前にはセロトニンが減少することが原因で頭痛が起こりやすくなるのです。
ちなみに生理痛としての頭痛は、心臓の拍動と一緒に脈打つような痛みが特徴です。
排卵期から活発に分泌されるプロゲステロンは、生理前になると徐々に減少していきます。
これにより大腸が活発になりすぎてしまい、下痢を引き起こしやすくなるのです。
生理の時には、経血をスムーズに排出するために関節を緩める働きがあるリラキシンというホルモンが分泌され、骨盤を開きやすくします。
しかしこれが筋肉や腰へ影響を与えてしまうことで、腰痛を引き起こしてしまいます。
プロスタグランジンが過剰に分泌されることで、子宮の周りにある胃などの臓器に影響を与えてしまい、胃にひどい痛みを感じることもあります。
これにより吐き気を覚える人も多いようです。
先述した以外にも、プロスタグランジンは胃を収縮させてしまう働きもあり、これにより吐き気や胃のムカムカ感を生じさせることもあります。
普段から足がむくみがちな人は特に、生理になると血行が滞ることで、むくみだけでなく手足のしびれを引き起こすこともあります。
さらに、プロスタグランジンの影響で、その部分に痛みを感じることもあるようです。
先述したセロトニンは、精神を安定させる効果もある脳内伝達物質です。
したがって、生理前にセロトニンが徐々に減少していくことで、精神が不安定になり、イライラを招くこともあります。
生理の時に出血することで、鉄分不足になり貧血を引き起こしやすくなります。
これによりめまいが起こることも多くあります。
意外かもしれませんが、免疫機能が低下すると言われている生理中は、口の中の雑菌も繁殖しやすくなり、歯の痛みを引き起こすこともあります。
また、生理中は、歯茎にたまった女性ホルモンを歯周病菌のウイルスが摂取することで、歯肉炎にもなりやすくなるので注意が必要です。
先述したように、生理痛がひどい場合は子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症といった子宮に関係した病気が原因となっていることもあります。
これらによって引き起こされる生理痛は「器質性月経困難症」と呼ばれており、早めの対処が必要になります。
もしも生理痛がひどすぎて、日常生活に支障が出るほどならば、我慢せずにすぐに婦人科を受診するようにしましょう。
いかがでしたか?生理痛は生理が始まってから2~3日くらいで良くなることがほとんどなので、症状がどんなにひどくても鎮痛剤を服用するなどしてだましだまし生活している人も多いかもしれません。
しかしずっと生理痛がひどいままだったり、どんどん痛みがひどくなっていたりなどの場合は、病気が隠れている可能性もあるので、速やかに婦人科を受診することが大切です。