ゴルフルールは時代に応じて何度も改定されています。スコットランド(英国)で1700年代にはすでにメジャーな競技として楽しまれていたゴルフは、時代の移り変わりや道具の進化とともに何度もルール改定を行い、今日まで発展してきました。
そして2019年には次の改定が行われることが既にアナウンスされています。そこで今回は2019年の改定内容を中心に、ルール改定の歴史をさかのぼって解説いたします。
ゴルフルールは時代に応じて何度も改定されています。スコットランド(英国)で1700年代にはすでにメジャーな競技として楽しまれていたゴルフは、時代の移り変わりや道具の進化とともに何度もルール改定を行い、今日まで発展してきました。
そして2019年には次の改定が行われることが既にアナウンスされています。そこで今回は2019年の改定内容を中心に、ルール改定の歴史をさかのぼって解説いたします。
実はゴルフのルールは4年に1度のペースで大幅な改定が行われていることをご存知でしょうか?
この改定作業は R&A(英国 ゴルフ協会) と USGA(米国 ゴルフ協会)が共同で行っており、改定後には最新版ルールブックが都度発行されています。ゴルフの長い歴史や背景となる文化を尊重しつつ、時代の変化に合わせて「ルールの近代化」を進め、大小さまざまなルールの変更作業を重ねることでゴルフ人気を維持拡大してきたのです。
ところで、そもそもなぜ頻繁にルールを変えるのでしょうか?
以下そのルール改定を何度も行う理由を列記します。
ゴルフルールがそもそも複雑でわかりにくく、初心者にとってハードルが高いという点が挙げられます。ルールを簡素化明確化することにより既存のプレーヤーも新規プレーヤーも楽しくプレーすることができるようとの想いがこのような度重なる改定につながっているのです。
ゴルフのラウンドにはかなりの時間を費やすことになるため、改定によってスピードアップを図る。
ゴルフクラブやボールの進化によりショットの飛距離や正確性が増してきたため、旧来のルールでは対応できなくなっている。
GPS機能やレーザーによる距離測定などテクノロジーが進化し、プレーに活かせるものとNGなものとを明確に決めなければ公平性が失われるため
このようにさまざまな要因により、ゴルフルールは定期的に見直しを図ることが必要となっているのです。
それでは具体的に2019年に改定されるルールの要点をピックアップしてみます。
実は2019年の改定は少しイレギュラーです。というのも、前回の改定は2016年、その前は2012年であり、慣例であれば次の改定は2020年です。それを1年前倒しにして2019年に改定すると発表したのですが、その中身を見ると非常にドラスティックな変化を伴っており、なるほど1年前倒しするだけのことはあるなと思わせる内容となっています。
インプレー状態にあるボールが動いた場合、明らかにプレーヤーの故意によるものでなければすべて罰則無しとなります。従来は故意過失を問わずアドレス後にボールが動いたら罰則が適用されていましたが、改定により明らかな故意が原因となるケース以外は大丈夫になるということです。
パッティングの際にはピンフラッグを必ず抜く必要がありましたが、改定後はピンフラッグを立てたままでもパッティングができるようになります。
グリーン上にあるスパイク跡やその他の損傷を直すことができます。
池やバンカーなどのハザード内において、落ち葉や木の枝などは除去してもOKとなります。また、バンカーショットの際、ショット前にゴルフクラブのソールを地面につけてもペナルティはありません。しかし、フェアウェイと同じくボール手前にソールして打つのはNGです。
これまで、ボールを探すのは5分までであり5分以内に見つからなければロストボールとなると決められていましたが、この時間が3分となります。
グリーンから遠いプレーヤーが先にショットするのが従来のルールでしたが、今後はグリーンからの遠近を問わず準備できたプレーヤーから打つレディーゴルフが推奨されます。
ボールをドロップする方法が変更となります。従来は肩の高さからと定められていたのですが、今後は地面のすぐ上からでもOKとなります。
なお、これらの改定はまだ確定したわけだはありません。今後さまざまな議論を経て2019年までにはリリースされる見込みです。現時点ではまだこれらのルールは改定が反映されていませんのでご注意ください。
さて、これまで度重なる改定が行われてきたゴルフルールですが、過去においてはどのような改定がなされたのでしょうか。簡単に過去の改定内容を見ておきましょう。
◇クラブのアンカリング禁止
長尺パターなどによる、スイングの際クラブを支点を作ってスイングすることを禁止しました。
◇携行品に関する規定
例えばキャディバッグの中にスイング練習用の器具をうっかり入れたままラウンドした場合、従来は競技失格でしたが改定後は2打罰となりました。
◇スコア誤記
意図的にスコアを過少申告したのではなく、ペナルティを認識せずにスコア提出したケースやペナルティ数を間違って申告してしまったケースなど、従来は理由を問わず競技失格でしたが改定により2打罰となりました。
◇アドレス後にボールが動く
プレーヤーがアドレスに入った後、理由の如何を問わずボールが動いた場合はショットしたことと同じと見なされていました。しかし、改定後はボールが動いた理由が自然現象などである場合は無罰となりました。
◇ハザード内の整地
バンカーなどで地面をならす行為はショットの前はNGされていましたが、改定後は砂や土の状態をテストするケースを除きOKとなりました。
◇高反発クラブの規制
ヘッドの形状や体積、慣性モーメントなどゴルフクラブにさまざまな規制が設けられ、一部の高反発クラブが使用できなくなりました。
◇距離の測定
コース上において距離のみを計測する機器の使用を認めるようになりました。
◇誤球の防止
バンカーなどに複数のボールが入った際、誤球を防ぐためにショット前にボールを確認できるようになりました。
このように、過去に何度も改定されることで、より時代に即したルールとなり、かつプレーにかかる時間の短縮化も図られてきたのです。
ただし、4年に1度の定期的な改定以外に細かな改定も何度か行われています。例えば2010年にはアイアンに関して溝の形状や体積などに係わるルール改定が行われたり、2014年にはインプレー中のボールが動いたか否かの判断は高性能カメラではなく裸眼による確認とすることが定められたりしています。
このように、ゴルフルールの改定は必要に応じて随時行われることもあり、プレーヤーは常に新しいルールを覚えコースで実践する必要があるのです。
ゴルフルール自体、初心者にとってはハードルが高くなかなか覚えることができないもの。ましてやこれだけ頻繁にルール改定を行うとなると頭が追い付かない人もいるでしょう。
しかし、プロの競技会ならいざ知らず、初心者がまざるようなアマチュアのコンペではあまり厳格にルールを適用することは少ないでしょう。厳格すぎるとかえってスロープレーにつながり、後ろの組に迷惑をかけてしまいます。
初心者の方は同伴者に細かなルールを教わりながら、徐々に覚えていくということでも大丈夫。まずはゴルフの楽しさを覚え、徐々にルールに従ったプレーを楽しむようにしましょう。