肥満で体臭がきつくなる!でもダイエットが原因でクサイ体臭にもなる?!
健康診断で「メタボリックシンドローム」あるいは「メタボリックシンドローム予備軍」と肥満を改めて指摘をされると現実を突きつけられたような気がする反面、「放っておいてよ!」と一種の怒りを抱いてしまいますよね。
特に、脂肪が多く肥満体型であったとしても今のところ何の問題も生じていなければ、「今のままで良いや」と思ってしまうものです。
ところが、標準体型の人と比較すると、肥満体型の人は体臭が強くなったり臭くなったりする傾向にあります。
また、肥満を解消しようとダイエットを始める際に、誤った方法を行ってしまうと「ダイエット臭」という肥満とは異なる体臭が出始めるようになります。
最近では「いつまでも若々しくいたい」という美意識や「健康な毎日を送りたい」と健康のためにと多くの人がダイエットを毎日の生活に取り入れていますが、ダイエットの方法によっては時に「ダイエット臭」を生じさせて体臭を強めてしまいかねません。
こちらでは、肥満が体臭の原因となる理由と共に、ダイエットが原因となって生じる体臭「ダイエット臭」について分かりやすく解説いたします。
今日から体臭を変えていく際の参考にしてくださいね。
目次
肥満が体臭の原因になる!
「肥満体型の人は、標準体型の人よりも体臭がキツくなる」という話を耳にしたことはありませんか?
実は肥満と体臭とは切っても切れない密接な関係にあるのです。
はじめに、肥満が体臭に与える影響や関係性について見ていきましょう。
汗によるニオイ
まず、皮下脂肪型肥満体型の人は、標準体型の人よりも厚い皮下脂肪に体が包まれているため体内の熱がこもりやすいという特徴があります。
本来であれば皮膚から体の外へと放出するはずの熱が厚い皮下脂肪によって阻害され、上手に放出されないからです。
体の外へと熱を放出しにくいことから体温調節が上手く働かずに体温が上昇しやすく、標準体型の人よりも多くの汗をかいてしまいます。
運動時や暑さを感じた際に分泌される汗は、約99%が水分で構成されているので汗自体のニオイは少ないです。
しかし、汗が皮膚に留まる時間が長ければ長いほど、皮膚に存在する常在菌によって汗が分解され、不快な汗臭が引き起こされます。
肥満体型で汗を大量にかきやすく1日のほとんどで汗ばんでいる状態にあると、汗のケアをきちんと行うのは難しいですよね。
ケアを十分に行えずに皮膚に残った汗が、皮膚の常在菌によって分解されて汗臭を発生するのです。
肥満体型にあるとこうした「体温調節がうまく行われずに体温が上昇し汗をかきやすい」そして「汗のケアをきちんと行いづらい」といった汗によるニオイが生じやすいという点で、体臭を強めていたのですね。
皮脂の過剰分泌
皮脂は、皮膚に存在する皮脂腺から分泌されます。皮膚を乾燥から守り潤いを保ったり、十分に潤いがある状態で発揮される肌のバリア機能から雑菌をはじめとした外からの刺激を防いだりと、皮脂は皮膚の健康維持には欠かせない役割を担っています。
しかし、皮脂分泌量が過剰になってしまうと、ベタつく不快感や毛穴詰まりから角栓を引き起おこすほか、空気と触れて酸化することで嫌なニオイを発して体臭を強める原因となります。
つまり、皮脂の分泌量が正常であれば問題ないのですが、過剰な量の分泌量となると様々なトラブルのリスクを高めるのです。
体内環境や体の様々な組織が口にした食事や摂取した栄養素から大きな影響を受けているように、皮脂の分泌量もまた毎日の食事によって左右されます。
特に、肥満体型にある人の場合には食事量が多く、食事から皮脂分泌量が過剰になりやすくなっています。
汗をかきやすいだけでなく、毎日の食事量の多さから過剰になった皮脂分泌量によって体臭がさらに強まります。
食生活の乱れ
肥満体型の人は標準体型の人と比べると食事量が多いだけでなく、高脂肪・高カロリーな肉類や油ものなどの脂っぽい食べ物や甘いスイーツやお菓子の摂取量が多い傾向にあります。
こうした脂っぽい食べ物や甘い食べ物は汗や皮脂の分泌量を促進するうえに、汗に含まれる皮脂量・皮脂分泌料の増加から常在菌の餌を増やし、結果として体臭をいっそう強めてしまいます。
さらには、高脂肪の食事ばかりを口にしていると、体内での活性酸素が生成されやすくなり「体の中の酸化」を促進します。
多くなりすぎた活性酸素は細胞を酸化させて老化を促進しますし、体内の様々な物質を酸化させます。
特に、皮脂腺内で脂肪酸と過酸化脂質とが結びついて生じるニオイ物質「ノネナール」が根本的な原因として挙げられる加齢臭は、活性酸素による老化や過酸化脂質の増加からリスクが高まります。
汗や皮脂の分泌量を増やすだけでなく、活性酸素の増加から老化を促進したり加齢臭のリスクを高めたりする食生活の乱れは、体質自体をも体臭が強いものへと変化させてしまうのですね。
ダイエットも体臭の原因になるの?!
「ダイエット臭」というものがある
肥満体型にあると汗をかきやすく皮脂の分泌量が多くなりやすいという特徴や、多い食事量や高脂肪・高カロリーな食事内容といった食生活の乱れから、体臭が強まりやすいことが分かりましたね。
肥満体型による体臭を解消するには、やはりダイエットが1番の対策になります。
しかし、肥満とは逆にダイエットによる体臭が発生する恐れもあり、ダイエット中に出てくる特徴的な体臭のことを「ダイエット臭」といいます。
「肥満による体臭を解消しようと始めたダイエットが、また新たな体臭を引き起こす……」といつまでも体臭を解消できない状況に陥ることだって考えられるのです。
ダイエット臭ってなんで放つの?
最近では様々なダイエット方法が紹介され、受け入れられていますよね。
多くのダイエット方法の中でも「糖質制限ダイエット」あるいは「炭水化物抜きダイエット」といった摂取する糖質や炭水化物を制限して痩せようとする方法があります。
これは、「炭水化物さえ摂取しなければ、他のものは何を食べても良い」という認識から人気を集めています。
ところが、この「糖質制限ダイエット」あるいは「炭水化物抜きダイエット」では、体の健康維持には必要不可欠となる炭水化物を全く摂取しない方法だからこそ、非常に危険で思いもよらない悪影響を体に及ぼします。
そもそも、炭水化物とはタンパク質や脂質と並んで体に必要不可欠となる3大栄養素の1つです。
食事から口にした炭水化物は消化吸収を経て糖へと変化し、体や脳を正常に働かせるためのエネルギー源として消費されます。
炭水化物ダイエットでは体の活動に不可欠なエネルギー源を断つのですから、当然体はエネルギー不足に陥ります。
エネルギー不足では体や脳が正常に働きません。
こうした非常事態を受けた体内では、脂肪を分解することで糖の代わりとなるエネルギー物質「ケトン体」を生成します。
ここで問題となるのが、エネルギーとして使用される「ケトン体」が強烈なニオイが特徴の物質であることです。
本来のエネルギー源である糖つまり炭水化物の摂取量が極端に少ない状態が続けば、当然体内でのケトン体の量がどんどんと増えていきます。
「甘酸っぱいニオイ」「果物が腐ったようなニオイ」「鼻をツンとつくような甘い匂い」といったニオイの特徴があるケトン体が体内で増加すると、体臭が甘酸っぱいニオイへと変化します。
また、ケトン体はエネルギーとして消費するために生み出した物質です。
血液を介して全身に送られていきますから、体臭のみならず尿や汗そして口臭までもが「ダイエット臭」を放つようになるのです。
肥満臭とダイエット臭の対策は?
最後に、肥満体型による「肥満臭」とダイエットによる「ダイエット臭」との対策をご紹介します。
体臭が出る体質をすぐに解消することは難しいですが、それぞれの対策を毎日の生活の中でコツコツと続ければ確実に改善されますよ。
また、肥満集やダイエット臭の対策を行っていけば、自然と肥満やダイエットによる健康への悪影響を解消できます。
体臭の対策のみならず、これから先の毎日を健康に過ごせられるように対策を続けていきたいですね。
肥満臭の対策
肥満による体臭の対策では、何と言っても痩せることが1番の方法となります。
しかしながら、食事制限による無理なダイエットや糖質制限ダイエットでは、かえってダイエット臭を生み出す原因となります。
また、当然体重や体脂肪は一朝一夕で減らせられるというものではありませんから、痩せていく中で「体を清潔に保つ」という日頃の汗へのケアも並行していきましょう。
運動を習慣にする
肥満体型では少しの運動で疲れたり汗をたくさんかいたりすることから、「運動が嫌い」「できるだけ体を動かしたくない」と感じる人が少なくはありません。
しかし、運動不足の状態が続くことも体臭が強まる原因となります。
というのも、汗をかかないと汗を分泌する汗腺に老廃物やアンモニア成分といったニオイ成分がどんどんと蓄積していき、本来サラサラで無臭であるはずの汗自体が強いニオイを発する・ベタつくようになるからです。
したがって、毎日の生活に運動を習慣として取り入れることで、減量を目指すと同時に汗自体をニオイのないものへと改善していくことが大切になります。
減量や汗の質の改善のために運動を取り入れる際には、ウォーキングやサイクリングそして水泳といったたくさんの空気を吸いながら全身を動かす有酸素運動が最適です。
有酸素運動を20分続けて行うことで脂肪燃焼効果から体脂肪を減らせられますし、汗をしっかりとかくことでニオイの強いものからサラサラとして無臭の汗へと改善できますよ。
しかし、習慣として毎日続けるそして思わぬ怪我を避けるには、無理のない範囲内で行うことが何よりも大切になります。
いきなり20分以上の有酸素運動を取り入れるのではなく可能な運動から少しずつ始め、徐々に運動量を増やしていくようにしましょう。
食生活の見直し
食生活の見直しから対策を行う際には、多くの食事量を適正な量へと減らすことから始めましょう。ただ単に食事量を減らせば良いということではなく、高脂肪・高カロリーな食事内容から栄養バランスの取れた内容へと変更することも欠かせません。
食事の量を減らすのが難しい場合には、食物繊維を豊富に含む野菜類や海藻類の摂取量を増やして満足感を得る工夫を!
食物繊維には腸内の老廃物や便そして脂質を絡め取り、便として体の外へと排出する働きがありますよ。
また、様々な食材から多くの種類に栄養素を摂取するように心がけるにあたって、野菜類や海藻類をふんだんに使用したおかずを豊富に摂り入れるとgood!
満足感も得られやすくなりますし、野菜類や海藻類の摂取量が増えるのと比例して高脂肪・高カロリーな肉類や脂っこい食べ物の摂取量を抑えられますよ。
体を清潔に保つ
毎日の生活の中で運動習慣や食生活の改善をコツコツと続ければ、確実に体重や体脂肪を減らせられます。
しかし、すぐに減るかといえばそうではありません。
したがって、運動習慣や食生活の改善を行っていく中で、きちんと汗のケアでニオイを少しでも減らしていきましょう。
汗をかいたら汗を拭いたり着替えたりとこまめな汗へのケアはもちろんですが、毎日のお風呂で汗臭が強く出る部位を丁寧に洗うことも欠かせません。
皮脂腺が多い部位としては、脇・肘や膝の裏・足の指の間や足の裏そして足首・VIOライン・頭皮・後頭部~首の後ろ・耳の裏・顎の下が挙げられます。
体や頭を洗うときのみならず、汗を拭き取る際にも入念にケアを行いたい部位ですよ。
また、お風呂の際にはシャワーだけで済ませるのではなく、湯船にしっかりと浸かって汗をかくようにしましょう。
体の芯から温まれば毛穴が開いて老廃物や皮脂そしてニオイをも汗と共に洗い落とすことができますよ。
ダイエット臭の対策
ダイエットによるダイエット臭の対策としては、食事のバランスと摂取する食材、運動といった3つのアプローチが有効となります。
食事制限によるダイエットはNG!栄養バランスのとれた食生活を
ケトン体の増加からダイエット臭を引き起こす「糖質制限ダイエット」や「炭水化物抜きダイエット」といったダイエット方法は、ダイエット臭の根本的な原因ですから決して行わないでくださいね。既に始めている場合には、一刻も早く中断するようにしましょう。
また、「糖質制限ダイエット」や「炭水化物抜きダイエット」のみならず食事制限によるダイエットも、栄養不足やエネルギー不足から体の健康を阻害しかねませんからNGです。
ダイエット臭を対策するほかリバウンドなく健康的に痩せるには、やはり栄養バランスの取れた食生活を毎日送ることが1番ですよ。
食物繊維が豊富な野菜類や海草類、筋肉の増強に必要なタンパク質、体や脳のエネルギーとなる炭水化物、体の健康維持に役立つビタミン類……多くの種類の食材をまんべんなく摂取し、それぞれに含まれる栄養素をバランス良く摂取することこそダイエットへの近道です。
アルカリ性の食品とクエン酸を含む食材の摂取を
ダイエット臭の原因となるケトン体は酸性が強いため、ダイエット臭がするほどに体内のケトン体が増加していると体内が酸性の状態にあります。
したがって、バナナ・コンブ・ワカメ・ほうれん草・しいたけといったアルカリ性の食品を摂取し、体内を酸性から弱アルカリ性に保つと体臭を抑えられますよ。
また、酸っぱい成分として柑橘系果物やお酢そして梅干しに含まれる「クエン酸」にもダイエット臭対策としての効果がありますし、疲労回復効果や脂肪燃焼効果からダイエットをサポートしてくれます。
栄養バランスの取れた食生活を心がけていく中で、上記のようなアルカリ性の食べ物やクエン酸が豊富な食品も合わせて摂取していくようにしたいですね。
有酸素運動と無酸素運動を取り入れる
バランスの良い食生活を続ける中で、より効率良く健康的に痩せるには有酸素運動と無酸素運動の2種類の運動を習慣にすることが必要不可欠です。
先述の通り有酸素運動はたくさんの空気を吸いながら全身を動かして脂肪燃焼効果を得る運動です。
一方無酸素運動とは、短距離走・筋トレ・ダンベル体操といった筋肉に負荷を与えて筋肉量の増強を目的とするものです。
無酸素運動で筋肉量を増やすことで、有酸素運動時に得られる脂肪燃焼効果が高まり相乗効果から痩せやすくなりますよ。
逆に、脂肪を燃やす筋肉量が少なければ、どれだけ有酸素運動をしても脂肪燃焼効果から痩せにくいということです。
したがって、どちらか一方の運動ではなく、有酸素運動と無酸素運動との両方を取り入れてくださいね。
また、無酸素運動をすると脂肪燃焼効果を高めるアドレナリンや成長ホルモンといったホルモンが分泌されますから、「無酸素運動を行った後に有酸素運動を始める」という流れが最もダイエットに効果的な運動方法になります。
生活スタイルや自身の体質などと照らし合わせながら、無理のない範囲内で無酸素運動と有酸素運動とを新しい習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか?
まとめ
肥満であれば汗や皮脂から体臭が強くなる一方で、糖質制限ダイエットをはじめとした無理な食事制限によるダイエットではケトン体の増加から「甘酸っぱい嫌な体臭」が引き起こされます。
体臭の原因となる肥満や無理なダイエットは、嫌な体臭のみならず将来の健康維持に大きな悪影響を及ぼす危険性が十分にあります。
したがって、肥満臭やダイエット臭を解消する際には、栄養バランスの取れた食生活を続けていく中で、運動を習慣として取り入れるという健康的な毎日を送っていくことこそが最も大切な事になります。
正しいダイエット方法を続ければ肥満が徐々に改善されていき肥満臭が解消できますし、無理なダイエットから生じていたダイエット臭も確実に軽減していけますよ。
今日からの生活習慣の改善で嫌な体臭を解消していく際には、こちらでご紹介しました内容を参考にしていただけますと幸いです。