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年齢ごとに違ってくる女性ホルモンと生理痛の原因

 

年齢を重ねていくにつれ体つきが変化していくように、女性の体内にも変化が生じていきます。

特に女性ホルモンの分泌に関しては変化が著しいほか、生理痛などの生理トラブルも年齢によってあり方はさまざまです。

ここでは、具体的に年齢によってどのような変化が現れてくるのか、その時期や症状などについて詳しくみていきましょう。

目次

初経の時期は?

初潮を迎える時期は平均して10~15歳頃と言われています。そもそも女性の思春期は9~11歳頃始まり、胸にふくらみが出てきたり、わき毛や恥毛が生えてきたりといった変化がみられるようになります。

全体的に体が女性らしく丸みを帯びてくるのもこの時期からです。

一方で、初潮を迎える時期には個人差があります。早ければ8歳頃、遅い場合は16歳を過ぎて初潮を迎える人も珍しくはありません。

10歳未満で初潮を迎えた場合、医学的には異常とされますが、それが7歳以上ならば治療の必要はないとされています。

生理が比較的早く始まった場合、単にホルモンの分泌が早まっただけであることが多いので、あまり心配はいりません。

一方で、16歳を過ぎて初潮を迎えることを「遅発性月経」と呼びますが、その後正常に生理が来るのなら心配はいりません。

また、初潮の際、突然出血したことでびっくりしてしまい、泣き出してしまう女子もいるので、事前のケアは必要不可欠となります。体は徐々に大人になっていくのに対して、心が追い付かないことで戸惑いを隠せない子が多いのです。

月経周期が安定するのは約3年

初潮を迎えて最初のうちはホルモンバランスが安定しないため、月経周期が乱れやすくなります。

また、思春期特有の悩みやストレスも相まって、月経不順を引き起こしやすくなります。

最初から安定して生理が来る人ももちろんいますが、大体は生理周期が安定するまで約3年はかかります。

また、ホルモンバランスが安定しないことが原因で、10代はニキビができやすくなります。ニキビがひどい場合は、一度婦人科を受診してみても良いでしょう。

年齢によって変化する、生理痛や女性ホルモン

初潮を迎えてから高齢になるまで、女性の体にはさまざまな変化が現れていきます。

ここでは、生理痛と女性ホルモンの変化を中心に、年代ごとの違いを紹介していきたいと思います。

10代

先述したように、10代は多くの人にとって初潮を迎える時期でもあります。

初潮を迎えて最初のころは、生理の量も周期も安定しないことが多く、たいていは「無排卵性月経」となります。

また、子宮がまだ十分に発育していないことで、経血がスムーズに排出されずに、痛みを感じることもあります。

ある程度年月を重ねると、生理周期が安定し、排卵を伴う生理に移行します。この時、子宮の収縮が強くなることで生理痛を感じる人も増えていきます。

もし日常生活に支障が出るほど痛みがひどい場合は、月経困難症である可能性も高いため、我慢せずに婦人科を受診しましょう。

20~30代

20~30代になると、卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)といった女性ホルモンの分泌も安定し、子宮と卵巣で妊娠の準備が整います。

このころ、生理の周期も安定し、一般的には生理痛も軽くなると言われています。

一方で、何らかの原因が作用して生理痛が重くなることも珍しくはありません。

例えば会社でのストレスや食生活の乱れ、不規則な生活リズムなどが心身に負担をかけることで、生理痛が悪化してしまうこともあります。

また、基本的には女性の一生のうちで最も生理が安定するのが20~30代と言われていますが、この時期に生理痛がひどくなったり、生理周期が乱れたりする場合は、生殖器系の病気が原因になっている可能性も低くはありません。

特に生理の都度、どんどん生理痛がひどくなっていく場合は子宮内膜症を患っていることもあります。子宮内膜症とは、通常子宮内にできるはずの子宮内膜が子宮外に発生し、増殖してしまう病気のことで、20代~30代の女性に多く見られます。

もしも心当たりがあるのならば、早目に婦人科を受診するようにしましょう。

また、病気以外に生理周期を乱す原因のひとつに、過度なダイエットがあります。

過度なダイエットによって低体重に陥り、ホルモンバランスが乱れることで、それまでは普通に来ていた生理がストップしてしまうのです。

この状態を「続発性無月経」と呼ぶのですが、特に10~20代の女性に増えてきています。

また、過度なダイエットとは逆に、肥満になることでも続発性無月経は起こると言われており、どちらの場合も体重や体脂肪を正常値に戻すことが必要になります。

一方で、30代に突入するとエストロゲンの分泌量はピークに達しますが、30代半ばを過ぎると、徐々に卵巣機能が低下していきます。そのため、生理の日数が短くなる傾向にあります。

ママの生理痛

出産することで子宮口が広くなり、生理痛が和らぐこともあります。

一方で、出産後に生活が大きく変わることでストレスを感じ、生理痛が悪化したという人もいます。

40代

40代を迎えると、徐々に閉経の準備が始まります。

一般的に、閉経を挟んで前後5年間、全10年間のことを更年期と呼ぶのですが、更年期が始まる時期は人によって違うので、40代になったからといってすぐに更年期が始まるというわけではありません。

早ければ30代後半から、遅ければ50代半ばに更年期を迎えることもあります。

更年期に入ると、生理の周期が短くなったり長くなったりを繰り返します。それが続くにつれ生理の回数が減っていくほか、経血の量や生理痛の痛みも減少します。

この時、生理ではないときに出血する(不正出血)こともあります。その後、だんだんと生理の回数が減っていき、1年間生理が起きなくなったら閉経したということになります。

更年期には、身体的・精神的にさまざまな不快な症状が出てきます。これを更年期障害といいます。そもそも40代には卵巣の機能が徐々に低下することで、エストロゲンの分泌が減少します。

また、排卵が無くなることでプロゲステロンの分泌も減るので、女性ホルモンのバランスが崩れることで、人によっては更年期障害が現れるのです。

すべての人に更年期障害が現れるわけではありませんし、その程度も違います。中には症状が軽く、全く気に留めない人もいますし、逆にひどい症状に襲われ、日常生活に支障が出る人もいます。

具体的な更年期障害は以下の通りです。

身体的な症状 ホットフラッシュ(ほてりやめまい、多汗)、頭痛、肩こり、冷え、動機、息切れ、耳鳴り、疲労感など
精神的な症状 イライラ、憂鬱感、不安感、不眠など

 

人によって顕著に出る症状も違いますし、それが毎日続くわけではないのも更年期障害の特徴です。日常生活に支障が出るほどつらいの場合は特に、一度婦人科を受診することをおすすめします。

60代

60代になると卵巣の機能が止まり、生殖機能もストップします。

心臓や肺の機能が低下していくこともありますし、骨粗しょう症を発症する人も少なくはありません。

さいごに

いかがでしたか?年齢によってホルモン分泌量やそのバランスが変化することで、生理は大きな影響を受けます。

一方で、年齢を重ねても生理痛がひどいまま、もしくはどんどんひどくなっていく場合は、病気が潜んでいる可能性もあるので注意が必要です。

生理痛以外にも、生理トラブルに悩まされているという人はぜひ一度婦人科を受診してみてください。