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亜麻仁油(アマニ油)ってどんな油?その効果・効能は?ダイエットやアトピーにも良い?

 

今話題の油、亜麻仁油を知っていますか? 一昔前に「亜麻色の髪の乙女」という歌が流行ったので、亜麻という言葉を聞いたことがあるかもしれません。亜麻色がどんな色か、想像したことでしょう。(亜麻色は、黄色がかった薄茶色です。)

高さ1メートルほどの植物で、夏に青紫色または白色の5弁花をつける亜麻。亜麻仁油は、その亜麻の種から抽出した油です。亜麻について、さらに詳しく見ていきましょう。

 

目次

亜麻仁油(アマニ油)ってどんな油?

亜麻仁油は、亜麻と言う植物の種からとった油です。

中央アジアが原産の亜麻の利用の歴史はとても古く、石器時代には種も繊維も使われていたことがわかっています。紀元前のエジプトでは、種は食用にされ、茎を加工して繊維を取りそれを編んでミイラを包むための布として使用されていたといいます。日本には江戸時代に油をとるための植物として入ってきました。また、油をとる種だけではなく、茎も繊維が強いためにロープなどの材料として利用されてきました。亜麻は、北海道や東北で、現在も栽培されています。英語ではFlax(フラックス)と呼ばれます。亜麻仁の仁は種子から種皮を取り除いた種の内側(核小体)を指します。

亜麻仁油には必須脂肪酸である、α-リノレン酸(オメガ3)をたっぷりと含んでいるのが特長です。現代人に不足しているオメガ3を、手軽に少量で摂れるのは魅力的です。

魚介類などにはオメガ3系の脂肪酸が多く含まれていますが、アジやサンマ、サバなどの青魚と比較しても、亜麻仁油に含まれるα-リノレン酸は約2倍の量にもなります。

亜麻仁油(アマニ油)の効能・効果

亜麻仁油に含まれているα-リノレン酸の割合は、全脂肪酸のうち54~57%で、ほかの油と比較して、とても高い含有率です。亜麻仁油とは違いますが、同じくオメガ3を多く獲れるアジやサンマ、サバなどの青魚と比較しても、約2倍の量にもなります。

ちなみに、青魚以外で亜麻仁油と同じ成分を持つものに、えごま油、胡桃、しそ油、緑黄色野菜、豆類などがあります。同じようにオメガ3が多く含まれているごま油と比べても、α-リノレン酸は150倍量。食物繊維は約2倍量。抗酸化物質であるリグナンも0.7倍ほど多いそうです。

その他、亜麻仁油には、ドコサヘキサ酸と呼ばれるDHA、エイコサペンタエン酸のEPAなども含まれています。

α-リノレン酸は、体の中でエネルギーに変わる性質があります。そして、消化酵素やホルモン分泌が正常に働くうようにサポートする働きをします。抗酸化作用にも優れ、加齢に伴う身体機能の低下を抑制してくれます。細胞が活性化することで、体の若返りが図れます。オメガ3が不足すると、肌がカサカサ・ゴワゴワになったり、キメが粗くなったりという肌トラブルを招きます。オメガ3は、細胞膜を柔らかくする働きがあるので、亜麻仁油を毎日欠かさず摂ることで、ふっくらとしたハリのある若々しい肌をキープできます。

脳の若返りにも効果があると言われています。記憶力アップや、痴呆の予防などのためにも日常的に摂取したいですね。

また、亜麻仁油には、アトピーなどの症状を抑える働きがあるなどの効果もいわれています。コレステロール値を安定させたり、血流の流れをスムーズにしたりする働きもあります。さらに女性にとっても嬉しい効果の一つに、ダイエット効果が挙げられます。

油といえば、太るとして敬遠されるかもしれません。しかし、亜麻仁油には痩せる油として有名なのです。亜麻仁油にたっぷり含まれているα—リノレン酸は、脂質の中でも脂肪になりにくいという特徴があります。血流を促進させる働きもあるため、摂ることで体全体の代謝アップが図れます。また、亜麻仁油には食物繊維がたっぷりと含まれているため、便秘に悩んでいる女性にもオススメです。亜麻仁油に含まれているリグナンという成分は便秘薬にも使われている成分でもあります。リグナンは植物に含まれるポリフェノールの一種で、抗酸化作用や抗炎症作用、更年期障害の改善、動脈硬化の改善抗がん作用など数多くの効果が期待できる成分です。また、リグナンはフラボノイドやイソフラボンなどと同じく女性ホルモン様物質(植物エストロゲン)です。

期待される効果をまとめてみます。美容と健康にまつわるさまざまな効果効能があることがわかりますね。

  • ダイエット効果
  • アトピー性皮膚炎の緩和
  • 花粉症の緩和
  • ストレスやうつ症状の緩和
  • 癌細胞の抑制
  • 日焼けによる火照りの軽減
  • 美肌作用
  • 皮膚や粘膜の増強作用
  • コレステロール抑制作用
  • 神経細胞の活性化
  • 脳の老化防止。記憶力、学習能力の向上
  • 認知症の予防と緩和
  • 血流改善作用
  • 高血圧や高血糖の抑制
  • 動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病の予防

効果的な摂取方法

亜麻仁油は、液体でもサプリメントでもどの方法でも摂取方法による効果の違いはそれほどありません。飲む美容液とも表現されることがあります。

亜麻仁油は、茶色っぽいものよりも、黄色っぽいものの方が風味も良く美味しいそうです。(これは原料となる種子の色の違いだそうです。)

 

亜麻仁油の効果を最大限に得るためには、毎日欠かさず摂ることが重要です。厚生労働省の健康指針ガイドでは、オメガ3の理想的な摂取量は1日約3グラムと示されています。これをもとに亜麻仁油の1日の理想的な摂取量をかんがえると、体重45kgの人で大さじ2程度となります。

他の食材と一緒に摂ることで吸収率がアップするので、ドレッシングとして利用してサラダにかけて食べたり、スープや味噌汁に混ぜて飲んだりする利用法が簡単でオススメです。卵かけ御飯や納豆にかける、ヨーグルトやホットケーキにかけるという人もいるようです。料理の味を阻害しないので、それほど気にすることなく食べられると思います。逆にむしろ、料理の味をまろやかにし、風味を高めてくれるという意見もあります。

また、フレンチレストランなどで、フランスパンに、オリーブオイルをつけて食べることがありますよね。オリーブオイルの代わりに亜麻仁油を使えば、手軽に美味しく食べることができます。上質な油なので、そのまま飲むという方もいるほど、飲みやすい油です。

しかし、食前や食間などに油だけ飲むのは控えてください。胃が空の状態に油だけ摂取すると、胃腸などの消化器官がうまく働かず吸収されにくくなります。せっかくの優れた成分も吸収されなければ意味がないので、ぜひ、食事と一緒に摂取するようにしてください。調理に使用しても構いませんが、熱によって酸化しやすい性質があるので、なるべく避けたいですね。

ただし、妊娠中の摂取については、その賛否について専門家でも意見が分かれています。植物性のエストロゲンは、性ホルモンでもあるため、大量摂取すると胎児に影響があるという報告もありますので、妊婦中の女性は、摂りすぎに注意しましょう。

亜麻仁油のデメリット

これまでメリットばかりをたくさん紹介してきましたが、ここでデメリットも紹介しておきます。最大のデメリットは、酸化しやすい性質上、長期保存ができないことです。開封したらなるべく早く使い切らなければいけないので、一人暮らしだったりするとなかなか減らないかもしれませんね。

早く使い切ろうとして過剰に摂取してしまうのも問題です。過剰に摂取すると、便が緩くなったり、下痢症状を起こすことが知られているからです。また、妊娠中には早産の発症リスクが高まるとも言われていますので、妊婦さんは特に気をつけてください。さらには、血流を良くするということは、血液をサラサラにするということです。それはつまり、血液の凝固が阻害されるということ。摂りすぎると、血が固まりにくくなるため、傷などがの治りが遅くなります。

まとめ

亜麻仁油の特長を見てきましたがいかがでしたか?

現代人は、オメガ6が豊富な食生活になりがちで、青魚などに含まれるオメガ3が慢性的に不足していると言われています。オメガ3は、アンチエイジングだけでなく、脳細胞の活性化や血流の促進など、体を健康に保ってくれる働きに優れています。手軽に摂取できるようなサプリメントも発売されています。外出先での食事が多い方には、サプリメントもオススメです。

効率良く摂取して、日々の健康管理に役立てていきましょうね。

参考文献: 一般社団法人 日本アマニ協会