「食材宅配」は気になっているけれど、やっぱりまだ踏み切れない、という人の数は、そう少なくないでしょう。
そこでここでは、できるだけ公平な視点で、食材宅配のメリットとデメリットについてお話していきます。
食材宅配に興味はあるけど、よくわからない
「食材宅配」と一口にいっても、その種類はさまざまです。
食材のみを届けるもの。半調理済みのものを届けるもの。「食事宅配」とでもいうべき、お弁当のような形で届けるもの。
「食材のみを届ける方式」は、大きく分けて、定期コースとそうではないコースに分けられます。また、内容についても、「会社側が原則として選び、そのとき、そのときで一番よいものを届ける」という方式と、「自由に選べて、好きなものを買える」という方式と、「一応中身は決まっているが、自由に組み合わせを変えられる」というものがあります。
食材宅配のメリット
さて、では、食材宅配にはどのようなメリットがあるのでしょうか。その形態が異なる以上、一概には言えませんが、以下のような点は、代表的な「食材宅配のメリット」であると言えるでしょう。
買い物に行く時間のない人に便利
食材宅配は、スーパーに自分で赴き、物を選び、レジを打ってもらい、詰めて、持って帰るという工程が必要ありません。
また、スーパーが閉まる時間が早く、残業や子育てに追われているため買い物に行けない、という人にも便利です。
注文も好きな時間にできるので便利
「スーパーが閉まる直前、大慌てて駆け込んだはいいけれど、ゆっくり商品を見る時間がない!」という悩みも、宅配食材は解消します。
24時間いつでも、自分のあいた時間に、パソコンなどから気軽に注文することができます。職場の昼休みに注文を済ませてしまうのもよいでしょう。
不在時でも受け取りができる(一部できないサービスもある)
条件は限られてきますが、現在は、「受け取る人がいなくても、指定の場所に荷物を置いておいてくれる」というサービスを行っている会社も多くあります。
この方法を使えば、「食材宅配を頼むのはいいけれど、お届け時間を一番遅い時間に設定したとしても、その時間も家にいない」という人であっても、問題なく食材を受け取ることができます。
ただし、この方法を使いたい場合は、必ずその条件を確認してください。
買い物の時間を節約
買い物をするのは、意外なほど時間がかかるものです。特に小さなお子さんがいる家庭の場合、自分が食材を選んでいる間に、子どもがあちこちに行ってしまったり、不要なものをねだってきたりということがよくあります。
しかし食材宅配ならば、このようなこともありません。
献立に悩まないレシピ付きサービス
使い方や商品にもよりますが、現在では、レシピ付きのサービスも打ち出されています。
「今日は何を作ろうか」と頭をひねる人にとっては、「今ある食材で、このメニューが作れる」というのは、とても助かる話なのではないでしょうか。
また、料理がマンネリ化してしまっている人にもオススメ。
下ごしらえ済みの食材サービスで、料理初心者も安心
料理の下ごしらえというのは、意外なほど時間がかかります。また、料理初心者さんの場合、食材が手元にあっても、「それから何が作れるのか」ということを把握できないこともあるでしょう。
しかし、現在は、下ごしらえが済んでおり、調味料がすでに用意されているサービスが提供されています。
これを使えば、家で行うのは、炒めたり、煮たり、蒸したりするだけです。
時短が可能になるだけでなく、「このような食材でこんな料理が作れるんだ」ということを学べるため、料理の知識を広げることもできます。
調理済み食事宅配サービスで、忙しい人にとても便利
「レシピがついていたり、野菜のカットが終わったりしていても、それを調理する気力も体力も時間もない」という人は、「食事の配達」サービスをどうぞ。お弁当のような形で届いたり、温めるだけで食事を作れたりします。
「料理が苦手だけど、毎食コンビニ飯なのは飽きた……」という人にもいいでしょう。
栄養やカロリーの管理がされた食生活をすることができる
毎食毎食きちんと栄養素やカロリーを計る、というのは、慣れていない人にとってはかなり難しいもの。
そんな人には、食事の宅配がおすすめです。これらは、カロリーや塩分量などがきちんと計算されているからです。
栄養が偏ってしまいがちな一人暮らしの人、ダイエット中の人はもとより、糖尿病や高血圧で制限食となっている人にもおすすめです。
栄養士がレシピを考案しているので、安心安全です。
飲料水などの重たいものも宅配してもらえて楽ちん
「妊娠している」
「年をとってから重いものが運べなくなった」
「エレベーターがないアパートの上層階に住んでいる」
「腰を痛めた」
という人にとっては、「玄関先まで運んでくれる」食材宅配はとても強い味方です。
自分では運ぶのがつらい、水やお米といった重量物も運んでくれるので、後は家に引き入れて片付けるだけです。
自分では買わないような食材も届けてもらえる
食材宅配はお料理初心者さんにおすすめのサービスですが、料理巧者の人にとっても魅力的なサービスです。
どの会社のどのコースを選ぶかにもよりますが、「自分ではなかなか買わないような珍しいもの」が入ってくることもあります。
あまり使わない食材を、どのように調理しようか?と考えて工夫をしていくことは、レパートリーを広げることに役立ちます。
新鮮な産直送地食材を利用でききる
基本的に、食材宅配で取り寄せることができる食材は、一般的なスーパーに売っているものに比べて、おいしいものであることが多いという特徴があります。
上質で、味がよく、新鮮な食べ物を食べて、ちょっとリッチな気分にひたるのもよいですね。
また、多くのケースで、「国が定める基準」よりも厳しい基準でもって、農薬や放射能を検査しているので、これらが気になる人にもおすすめです。
食材宅配のデメリット
このように便利な食材宅配ですが、これには当然デメリットもあります。
スーパーの価格より少し割高の場合がある
基本的には、食材宅配の食材は、スーパーのそれよりも割高に設定されていると考えるべきでしょう。
「品質がよいもの」を届けることを前提としているので、どうしても値段が高くなるのです。
送料や手数料がかかる場合がある
食材宅配の場合は、ダンボールなどで自宅に届ける方式です。そのため、送料や手数料がかかるケースもとても多いです。
食材宅配が高い、と言われるのは、上であげたような、「品物そのものが高い」ということに加えて、このような送料や手数料の問題があるからです。
入会金や年会費などが必要な場合がある
さらに、入会金や年会費を徴収する会社もあります。年会費の場合は、たとえ一度もそこで買い物をしていなくても発生することがあります。
「食材以外にかかる、目につきにくい出費」があることも、食材宅配のデメリットです。
注文後、届くまで時間がかかる
スーパーは、自分で買ったものをすぐに持ち帰ることができます。
しかし食材宅配はそうではありません。
約1週間程度の時間がかかります。そのため、「今これがほしい!」という要望には応えられませんし、注文したものを忘れてしまうということもしばしば……。
ただし、ネットスーパーの場合は、最短で3時間程度で届けてくれることもあります。
即時性を望むのであれば、スーパー系列にしましょう。
長期利用をすれば、料理のマンネリ化が起きる場合がある
さまざまな食材を送ってくれるし、季節や週で届けられる食材が違うため、短期間の利用の場合は、「食材のマンネリ化」ことは起きにくいでしょう。
しかし、それでも、長期間、同じ会社のものを使っていると、どうしても似たような食材が届きやすくなります。
地域によって配送の対象エリア外になる場合がある
東京や大阪、名古屋といった大都市の場合、「配送対象外エリア」になることはほとんどないでしょう。
しかし地方の場合は、「配送対象となっていません」と断られることもあります。
食材宅配は、決して、「全国すべてを網羅するサービス」ではないのです。
サービス内容をしっかりと踏まえて検討しよう
また、業者は無数にあるため、どれを選んだらいいのかわからない、という人も多いでしょう。
そのようなときは、次の2点を基準として考えてください。
食材宅配に求めるものをきちんと考える
「なぜ食材宅配を利用したいのか」というところに立ち戻って考えてください。
- おいしいものを食べたいから食材宅配を使うのか。
- 重いものを運ぶのがつらいから食材宅配を使うのか。
- 料理をする暇がないから食材宅配を使うのか。
1番目のケースなら、多少値段が張っても、一級品の食材を扱っているところを選ぶのがよいでしょう。
2番目ならば、何も高いサービスを利用しなくても、即時性に優れるうえに価格設定が安めのネットスーパーを使えばよいのです。
3番目の場合は、「食材配達」ではなく、「半調理済み」もしくは「食事配達」のサービスを選ぶ必要があります。
このように、何を食材宅配に求めるかによって、選ぶべき業者(サービス)は変わってくるといえます。
自分のスタイルにあったサービスを探す
大人数用のものばかりではなく、1~2人世帯向けの食材宅配もたくさん作られていますが、家族構成や家で家を食べる頻度を考えることも、食材宅配業者を選ぶことに役立ちます。
また、生活リズムや帰宅時間から食材宅配業者を選ぶ方法も有効です。
食材宅配は、確かにとても便利なサービスです。
しかし、すべての食材宅配があなたにとって、メリットだけがあるサービスであるとは言えません。
自分自身と相性のよいところを選ぶことが何よりも重要です。
