格安SIM

格安SIMでテザリングするのに必要な通信速度

格安SIMでもテザリングはできる!

まず「テザリング」とは、スマートフォンを親機としてパソコンやゲーム機を子機として、子機をインターネットに接続することができる機能です。

詳しくは別記事で解説しておりますが、ちょっと初期設定をすることで簡単にテザリング機能を利用することができます。接続方法も3つありますので、都合の良い方法を選ぶ事ができます。

そんなテザリングですが、「格安SIMでも利用できるのか」という疑問を持つ人もいます。

確かに、料金の安い格安SIMでは利用できない機能があるというイメージを持っても仕方がありませんし、実際に格安SIMでは機能が制限されるアプリなどもあります。

しかし、格安SIMであろうともテザリングの機能を利用することはできます。設定方法についても大手キャリアとの違いは特にありません。

格安SIMでテザリングする場合に必要な通信速度

さて、テザリングは「インターネット共有」とも呼ばれているだけあって、子機とインターネットを共有することができるようになります。

インターネットと聞くと、真っ先に「通信速度」を気にされる人も少なくありませんね。

テザリングを利用する場合、子機のデータ通信速度は親機のそれに比べていくらか低下する傾向にあります。親機となるスマートフォンの通信速度が速いものであっても、子機の場合はランクダウンしてしまうため、子機の通信速度は遅くなります。

大手キャリアで契約している場合だと、それなりに速く、安定した通信環境を維持することができます。

しかし、格安SIMの場合は基本的に大手キャリアに比べて通信速度が遅いため、契約しているMVNOによってはテザリング先の子機の通信速度が、その子機でデータ通信を行う際に大きな支障となるレベルになる可能性もあります。

子機でのデータ通信が、そこまでデータ量の大きなものではないのであれば、そこまで問題にもならないでしょう。メールの送信や、ウェブサイトの閲覧程度であれば、そこまで支障もありません。

しかし、動画の閲覧や、大きなファイルサイズのデータをダウンロードする際には、それなりに不便に感じてしまう可能性が高いです。

既に格安SIMを利用している人の場合、他のMVNOに乗り換えないかぎりこの問題は解消することはできないでしょう。

しかし、これから格安SIMに乗り換えしようと考えているユーザーの場合、テザリングでの不便さを回避するために通信速度の速いMVNOを選ぶという選択肢もありです。

格安SIMのスマホでタブレットをテザリングして検証

それでは、実際に格安SIMを利用している端末で、タブレット端末とテザリングで接続し、通信速度がどのように変化するのかということについて解説していきます。

あるAndroid端末とタブレット端末をテザリングで接続した場合の通信状況について解説していきます。

その前に、少しばかりデータ通信に関する「単位」等について解説しておきます。

まず、通信速度の単位としてよく用いられている「Mbps」ですが、これは「Megabits per second」の略称であり、これは「1秒毎に何百万ビット(=何メガビット)のデータを送信することができるのか」という意味を持ちます。

例えば10Mbpsの場合であれば、1秒あたり10メガビットのデータを送信することができるという意味です。この数値が大きいほど、1秒辺りに送れるデータ量が大きくなり、膨大なデータ量でも短時間で送信完了するのです。

もう一つは「PING」です。これは簡単にいえば「応答速度」と表現することができます。オンラインゲームでも目にする機会があるのではないかと思います。

端末から通信を行う場合、サーバーへとデータを送ると必ずサーバーから返事が行われます。その返事を受け取ると、端末は次のデータを送信します。

PINGの数値は、大きいほどにデータ通信1回分にかかる応答時間の長さを表しています。つまり、PINGの数値が高いほど、データ通信にかかる総合的な時間が長引いてしまうということになります。

まとめますと、数値で表されるMbpsとPINGについては、Mbpsは大きいほど良くて、PINGは小さいほど良いというわけです。

一般的に数値データは大きいほど良いものだと思われる人が多いので、PINGはそうではないということをきちんと理解しておきましょう。

通信速度が20Mbpsを超えているケース

通信速度が20Mbpsを超えていると、テザリングをしてもほとんど通信状況に変化は見られませんでした。計測時には26~27Mbpsで安定し、PINGも100未満という状態が続いていました。

Android端末もタブレット端末も、そこまで大きな差は生じておらず、非常に安定したデータとなりました。

通信速度が5Mbps程度のケース

通信速度が5Mbps程度になると、これが一変します。

平日の夜に計測を行ってみた結果、テザリング元となるAndroid端末では平均して約5.5Mbpsという通信速度を叩き出しているにも関わらず、テザリング先のタブレット端末では約3.8Mbps程度に低下しています。

およそ7割程度の通信速度に低下していることがわかります。とは言え、この程度の通信速度であればそこまで大きな支障もないと言えます。

通信速度が1~2Mbpsの場合

通信速度が1~2Mbpsになると、テザリング元では約1.7Mbps、テザリング先では約1.45Mbpsの平均値となりました。

平均して8割程度に低下しているので、5Mbps程度の時とそこまで大きな差は生じていないと言えます。

タブレット端末での使用感は「ちょっと遅いかな?」と感じる程度であり、少し我慢すれば問題なく使用できる程度であると言えます。

通信速度が1Mbps以下の場合

通信速度が1Mbpsを下回る場合だと、テザリング元は約0.9Mbps、テザリング先では約0.6Mbpsとなり、6~7割程度まで通信速度が低下します。

速度低下の割合については前述までとそこまで大差はありませんが、1Mbpsを下回ってしまうことでタブレット端末のデータ通信に明確な「遅さ」を感じるほどになりました。

特に、これを「ノートPC」で使用することになれば、相当なストレスを感じてしまうのではないかと思います。

ノートPCを快適に使用したいと考えるのであれば、1.5Mbps程度の通信速度は必要になると言えます。最低限、ノートPCで1Mbpsの通信速度は必須であるとも言えます。

ということは、テザリングでノートPCを使用する場合には、テザリング元となるスマートフォンの通信速度はそれ以上に速いことが求められるということになります。

特に、テザリング元の端末の通信速度が低い場合には致命的であると言えます。

格安SIMのスマホでノートPCをテザリングして検証

さて、先ほど「ノートPCでは厳しい」といったことを述べましたが、タブレット端末に比べてノートPCは通信速度の低下が著しくなります。

つまり、上記のタブレット端末での例に比べて、ノートPCで求める通信速度の実現のために必要なテザリング元の通信速度も高い数値が求められるということになります。

それを、具体的に3つのMVNOで比較してみたいと思います。

楽天モバイル(通信速度:普通)

まずは、通信速度がそこまで速くない「楽天モバイル」での実験結果です。

楽天モバイルを利用しているスマートフォンでは1Mbpsほどの通信速度が出ていたにもかかわらず、テザリング先では0.35Mbps程度しか通信速度が計測されていないのです。

単純に、通信速度が3~4割ほどに落ち込んでいるということになります。減少幅で言えば、タブレット端末をテザリング先にした場合に比べて2倍ほどになる計算です。

先程も「ノートPCでは最低でも1Mbpsは必要」という話をしました。その4割にも満たない通信速度では、当然ながらノートPCは文字通り「使いものにならない」と言えるレベルになります。

よほど緊急の事情がない限り、テザリング元の通信速度が1Mbps程度ではノートPCをテザリングで利用することはおすすめできないということになります。

IIJmio(通信速度:速い)

次は、楽天モバイルよりも通信速度が速めの「IIJmio」で実験してみました。こちらの場合、ノートPCで測定した通信速度は1Mbps前後で推移しています。

安定して1Mbps以上が出ているわけではありませんが、先程に比べて格段に通信速度が改善されています。

さて、テザリング元の通信速度に関して、楽天モバイルの通信速度は平均して1.3Mbps、IIJmioは平均して1.7Mbpsでした。これを見る限りだと、両者にはそこまで通信速度に大きな差が生じていないことになります。

にも関わらず、テザリング先のノートPCの通信速度は、2倍以上の速度が計測されているのです。その理由は「通信回線の品質」にあります。

通信サービスにおいては、単純な通信速度だけではなく通信回線の品質の良さも関係します。厳密には、通信回線の品質の良さが生み出す「通信速度の安定性」がポイントとなります。

具体的な説明は省きますが、通信回線の品質が良いほどにテザリング先での通信速度も速くなり、楽天モバイルよりも通信回線が良質なIIJmioの方が通信速度の低下が少なかったのです。

UQ mobile(通信速度:かなり速い)

最後は、通信速度が速いことでも知られている「UQ mobile」での通信速度の計測です。

テザリング元の通信速度は8Mbps前後を平均値として叩きだしており、テザリング先のノートPCでは7Mbps前後の通信速度を計測していました。

1Mbpsほど通信速度が低下していますが、7Mbosもあれば普通にノートPCを使用するにあたって特にストレスを感じることもなく、快適にデータ通信を利用することができるでしょう。

テザリング元の通信速度が速い場合、テザリングによる通信速度の低下はほとんど無視できるレベルであると言えます。

テザリングに向いている格安SIM=通信速度が速い

それでは、以上の情報を踏まえたうえで、テザリングを利用するのに適した格安SIMのMVNOについて解説していきます。

UQ mobile

まずは、先ほど「通信速度が速い」と紹介した「UQ mobile」です。

この格安SIMは下り(ダウンロード速度)最大150Mbpsと快適な通信速度を持ち、テザリング先の端末も快適にデータ通信を行うことが可能になります。

ところが、このMVNOには一つ弱点があります。UQ mobileの料金プランはシンプルな4種類しかなく、データのみか音声プランかで分けるなら2種類しかありません。

例えばデータ通信のみのプランの場合、「データ高速プラン」と「データ無制限プラン」の2種類がありますが、このうち通信速度が速いのはデータ高速プランだけになります。

これは格安SIMの特徴の一つでもありますが、高速通信が可能なプランは毎月のデータ通信の限界があり、UQ mobileの場合は3GBまでとなっています。それを超えると、低速通信になります(およそ200Kbps=0.2Mbps)。

テザリングをする場合、子機で行ったデータ通信は親機となるスマートフォンの通信量に加算されます。

つまり、テザリングでデータ通信をすることで親機のデータ制限量を圧迫してしまうことになるのです。3GBという容量は、動画の視聴などですぐに消費してしまうため、実用性が乏しいです。

もう一方の「データ無制限プラン」の場合だと、毎月のデータ通信の量に制限は設けられていません。その代わり、通信速度は下り最大500Kbps(=0.5Mbps)となるので、通信速度が極めて遅くなってしまいます。

つまり、このプランではテザリングは使いものにならない可能性が高くなるのです。

IIJmioとDMM mobile

次に紹介するのは「IIJmio」と「DMM mobile」です。IIJmioとDMM mobileはほぼ同じレベルの通信速度であり、IIJmioの通信速度に関しては先程説明したとおりです。

これらの場合はテザリングの利用にもそこまで問題は生じないと思われますが、注目したいのは「料金プランに幅がある」ということです。

特にDMM mobileは幅広いプランを用意しており、ユーザーのスマートフォン利用状況に応じたデータ量を選ぶことができるという特徴があります。

UQ mobileの場合はデータ量が3GBだけなのですが、これらのMVNOの場合は3GB以外のプランも用意されています。

個人の利用状況に応じたプランを利用することができ、テザリングによるデータ量の上乗せにも対応することができます。

テザリングに不向きな格安SIM=通信速度が遅い

逆に、テザリングに不向きな格安SIMは「通信速度が遅いこと」が条件となります。理由は先程述べたとおり、テザリングによって通信速度の低下が著しく見られるからです。

テザリングによる通信速度の低下は、特にテザリング元の通信速度が遅い場合に顕著であり、テザリング先の端末の利用にも支障が出るほどです。

もう一つの条件として「高速通信可能なデータ通信量が少ない」という場合です。これは先程「UQ mobile」で解説したとおり、テザリング先のデータ通信がテザリング元のスマートフォンに上乗せされることが理由です。

ですが、これに関しては2つの解決策があります。

一つは「データ量の多いプランを契約する」ことです。

DMM mobileのようにプラン数が多いMVNOだと、10GBを超える大型プランも用意されていますので、スマートフォン単体のデータ通信だけでなく、テザリングによるデータ量の上乗せにも十分耐えられるのです。

もう一つは「テザリングの際にデータ量の大きなアクションをしない」ことです。

例えば、テザリング中にタブレット端末やパソコンで「動画を見る」「データ量の大きなファイルをダウンロードする」「音楽サービスで音楽を視聴する」といった行動をすると、膨大なデータ量を短時間で通信することになります。

逆に「ウェブサイトを閲覧する」「電子メールを送信する」といった行動は、そこまでデータ通信を必要としません。

つまり、テザリング中はデータ通信量の少ない行動だけに制限して、動画を視聴したい場合はテザリングではなく単独でインターネットと接続するようにすることで、親機の負担を少なくすることができます。

データ量に関しては工夫することができますが、通信速度や通信回線の品質については、個人の努力では解決することができない問題なのです。

なので、テザリングを利用する頻度が高いと予想される場合には、通信速度が速いMVNOを選ぶ必要があるということです。

また、テザリングを利用することで親機の通信速度に制限がかけられた場合には、格安SIMのプランを見直し、可能であればデータ量の多いプランに変更することも必要です。

ABOUT ME
Arima
2014年からデイトレーダーやってます。 FXと株で毎日コツコツ頑張ってます。 nanairoでは主にお金・節約術に関する記事を執筆しています。