スマートフォンには「テザリング」という異能があることをご存知でしょうか?
インターネットを利用できるスマートフォンを親機として、パソコンやゲーム機をインターネットに接続する事ができる機能です。
また、同じくスマートフォンを子機とすることで、ネットに接続することができないスマートフォンでネットを利用することができ、格安SIMへの乗り換えに際しても活用することができます。
そんなテザリングですが、端末のアラーム機能などのようにそこまで手軽に利用することが出来る機能というわけでもありません。
きちんと設定しないと十分に活用することができません。「設定」と聞くと面倒だと感じる人も多いでしょうが、便利な機能を利用するためには相応の準備も必要だということを理解しましょう。
そこで、Android端末におけるテザリングの設定方法などを中心に解説していきます。
テザリングするには?
今回の解説では「Xperia Z3」を例にして紹介していきます。
Android端末の種類によっては細かい名称や手順が異なる場合もありますので、詳しくは端末の説明書を読んで作業を行ってください。
まず、通知パネルを開いて「設定」の項目をタップします。次に「無線とメッセージ」の項目にある「その他の設定」をタップします。
次に「テザリング」の項目をタップします(機種によってはこの項目が「モバイルネットワーク設定」の場合もあります)。
これで、テザリングの設定画面に到着することができました。あとの手順については、どの方法で接続を行うかによって異なります。
Wi-Fiテザリングの設定方法
それでは、まず最初に「Wi-Fi接続」を利用したテザリングの設定方法について解説していきます。設定は「親機」と「子機」それぞれに必要になります。
親機側(Android端末)
まず、Android端末側での設定となります。まず最初に、テザリングの設定画面を開いて「Wi-Fiテザリング」のチェックボックスをタップします。
すると「本機能~」「この場合~」という警告メッセージが表示されると思いますので、「OK」をタップしてください。
このメッセージは、テザリングによって通信量が高額になりやすくなるため、自分が契約している通信プランをよく確認し、問題ないかどうかを判断しましょう。
OKをタップするとテザリングが開始されます。画面上部には「テザリングが有効です」というメッセージが表示されていますので、一応確認しておきましょう。
画面中央部には「Wi-Fiテザリング」という文字の下に「~が有効です」というメッセージが表示されています。ちなみに、有効になっている文字列は「ホスト名」です。この画面では「Wi-Fiテザリング設定」をタップしてください。
タップしたら、再び「Wi-Fiテザリング設定」をタップします。いくつかの項目が表示されますが、必要な物は「パスワード」です。
8文字以上のパスワード入力が求められていますので、自分でわかりやすい文字を入力します。これで、Android端末側での設定は完了します。
子機側(Windows 8.1)
次はパソコン側での設定となります。パソコンはおおまかにわけて「Windows」と「Mac」の2種類があります。
まずはWindowsパソコンの設定方法として、Windows8.1を搭載しているパソコンでの設定方法を解説していきます。
画面右下にある▲マークをクリックします。表示されるメニューの中にWi-Fi接続の設定を行うための「アンテナマーク」がありますので、探しだしてクリックしてください。
ネットワークの画面が表示されたら、いくつかの接続再候補が表示されますので、自分のAndroid端末に表示されているホスト名を探してクリックします。
すると「ネットワークセキュリティキーを入力してください」と表示されますので、先ほど入力した8文字以上のパスワードをここに入力します。
デバイスへの自動接続について聞かれますので、モバイルで利用する場合には「いいえ」をクリックしてください。
選び終わったら先ほどのネットワークの画面に戻りますので、Android端末のホスト名の部分が「接続済み」になっていることを確認してください。
また、テザリングがうまく機能しているかどうかを確認するため、インターネットブラウザを起動し、オンラインできちんと利用できているかどうかを確認しておきましょう。
他には、Android端末の画面にパソコンの機種情報が表示されていることも確認しておきましょう。
子機側(Mac OS X 10.10)
次はMacパソコンでの設定方法について解説していきます。OSは「Mac OS X 10.10」を使用します。まず、パソコンの画面上部のメニューバーの中からWi-Fiのアイコンを探してクリックします。
次に、Android端末のホスト名が表示されますので、クリックします。パスワードの入力を求められますので、設定してある8文字以上のパスワードを入力します。
先ほどの画面に戻りますので、ホスト名の左にチェックマークが入っていることと、インターネットブラウザを起動してオンラインで利用できるかどうかを確認しておきましょう。
Bluetoothテザリングの設定方法
次は、Wi-Fi接続ではなく「Bluetooth」を利用したテザリングの方法について解説します。
こちらの場合はAndroid端末のテザリング設定画面でBluetoothの項目がオンにしておきます。パスワード等の設定は必要ありませんが、パソコンとの「ペアリング」が必要になります。
Windows 8.1に接続する場合
まずは先ほどと同様に右下の▲マークをクリックして、今度はBluetoothのアイコンをクリックします。Bluetoothのメニューが表示されますので、「Bluetoothデバイスの追加」をクリックしてください。
Bluetoothデバイスの管理画面が開きますので、お手持ちのAndroid端末の項目を探しだし、「ペアリング」をクリックします。
パソコンとAndroid端末の両方で「ペアリング番号」が表示されますので、これが同じコードであることを確認し、パソコンでは「はい」を、Android端末では「ペア設定をする」をタップしてください。
パソコンで「コントロールパネル」の画面を開きます。
「デバイスとプリンター」の中に、Android端末が携帯電話のアイコンで表示されていますので、右クリックして「接続方法」から「アクセスポイント」とクリックすることで接続が完了します。
念のため、インターネットブラウザを起動して確認しておきましょう。
Mac OS X 10.10に接続する場合
次はMacパソコンでの接続方法になります。画面上部のメニューバーのBluetoothのアイコンをクリックして「”Bluetooth”環境設定を開く」をクリックします。
次にAndroid端末の方でBluetoothをオンにすると、Macの名称が表示されますので、これをタップします。
パソコンとAndroid端末の両方でペアリング番号が表示されますので、コードが同じ番号であることを確認してからパソコン側で「ペアリング」をクリックし、Android端末側では「ペア設定」をタップします。
最後に、パソコンでBluetooth環境設定でAndroid端末を選択し、「ネットワークへ接続」をクリックすれば完了です。
USBケーブルによるテザリング
上記の方法は、どちらの場合も無線接続でのテザリングでした。しかし、有線接続でのテザリングも実は可能で、「USBケーブル」を利用することでパソコンとのテザリングが可能になります。
方法も実に簡単で、Android端末とパソコンをUSBケーブルで接続し、Android端末のテザリングの設定画面に「USBテザリング」という項目が表示されていますのでこれを有効にすれば完了です。
USBケーブルが必要ではありますが、この方法だとパソコンを媒介としてAndroid端末を充電しながらテザリングが可能であるというメリットが有ります。
有線接続は古臭いと思われる方も少なくないのですが、ほとんど設定すること無くテザリングが利用できるというメリットは大きいです。
テザリングのON/OFFをワンタッチで切り替えれるアプリを紹介
しかしながら、毎回のように上記の設定を行うというのも面倒です。操作自体はそこまで煩雑ではないものの、日常的にテザリングを利用するとなると、それなりに鬱陶しく感じてしまうことも多いのではないかと思います。
この不便さを解消する手段は、スマートフォンを便利に利用することが出来る「アプリ」によって実現することができます。
まずは「テザリングON/OFF」というアプリです。文字通り、テザリング機能のオンオフを切り替えられるアプリです。
このアプリは、ホーム画面にショートカットキーを用意しておき、これをタップして起動するだけでテザリング機能をオンに、もう一度タップすることでオフにすることができます。
ワンタッチで機能するところが嬉しいポイントです。ですが欠点があり、最新のOSでは起動しないという声が多数出ています。
2016年の1月にアップデートされ、Android5.0以降に対応しているようなのですが、6.0にアップデートすると使えなくなったというレビューが多いです。利用を検討している場合は、OSのバージョンを確認しておきましょう。
次は「テザリングスイッチ」というアプリです。これも名前がわかりやすいですね。
こちらは先程のアプリほどレビュー件数は多くないのですが、レビューによれば「Android6.0」でも動作するとのことです。
これもランチャーに置いてアイコンをタップするだけでテザリングのオンオフを切り替えることが出来る、使い勝手の良いアプリです。今まで使っていたアプリがアップデートで使えなくなったから、こちらに切り替えたという人も少なくありません。
また、その他にも「Tethering Timer」というアプリのように、テザリングのオンオフ切り替えだけでなく、タイマーをセットして自動的にテザリング機能をオフにすることが出来るアプリもあります。
自身のテザリングの利用頻度や環境などに応じて、必要な機能を持ち合わせたアプリを探すことをおすすめします。
注意したいポイントは「対応するOSのバージョン」です。バージョンアップすることで、今までは使えていたアプリが急に使えなくなるということは珍しくありません。
その際にはアプリのアップデートを待つのもアリですが、何時になればアップデートされるかわかりません。その場合には「同じ機能を持ち、現在のOSのバージョンで機能する別のアプリ」を探す必要もあります。