通信の最適化とは?【docomo/au/SoftBank/MVNO】の各内容と解除方法

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携帯電話・スマートフォンを利用するユーザーにとって気になる情報の一つに「通信の最適化」と呼ばれるものがあります。

「最適化」という名称であるからには、ユーザーにとって何かメリットが有るように感じるのですが、実はユーザーにとってデメリットとなることがあるのです。

 

スマートフォンを利用するユーザーにとって、快適な利用環境を害されることは可能な限り避けたいはずです。

では、実際に通信の最適化とはどのようなことを行っているのか、それによってユーザーが受ける弊害はどのようなものがあるのかということについて解説していきます。

通信の最適化とは?

「通信の最適化」とは、データ通信において送受信する「画像」や「動画」のデータを圧縮することで、ファイルサイズを小さくして各基地局の帯域を緩和するための措置です。

通信の最適化において行われるファイルサイズの圧縮は「非可逆圧縮」と呼ばれます。

 

この措置の表向きの理由としては「快適な通信環境の確保」ということになっています。

通信する画像や動画データを圧縮することによって、より快適な通信環境をユーザーに提供するという趣旨です。

確かに、帯域を緩和することで通信環境は改善されるものではありますが、前述の通り画像ファイルや動画ファイルを圧縮するということはつまり「画像や動画の画質を低下させる」ということになるのです。

通信の最適化で何が起きるのか?

通信の最適化による弊害は、画像などの画質の低下だけにとどまりません。

実は、画像を使用する「アプリ」の動作にも支障が出る可能性があるのです。

 

ゲームアプリの中には、いわゆる「チート行為(ゲームデータを改変する等して、通常のプレイでは得られない効果や、入手までに手間のかかる成果をすぐに達成する行為)」対策としてファイルの改変をチェックしていることがあります。

チート行為があればファイルの改変が行われているため、それをアプリが感知するのです。

 

通信の最適化を行うことで、仮にユーザーの目から見て変化がわからない・小さい場合でも、データの改変が行われているためアプリがそれを感知してしまい、アプリの動作に支障をきたす場合があるのです。

これが一時期、大問題となったこともあります

 

このように、単純なファイルサイズの圧縮による画質の変化にとどまらず、データ改変によるアプリの正常動作を妨げる結果ももたらされているのです。

結果、意外なところでユーザーが不利益を被ることになるケースも少なくないのです。

【docomo/au/SoftBank/MVNO】での最適化の有無を検証!

それでは、具体的に各キャリアで通信の最適化を行っているのかどうか、行っている場合であればどのような内容で行っているのかということについて解説していきます。

大手キャリア

まずは「大手キャリア」と呼ばれる、「docomo」「au」「SoftBank」の3社についてです。

この3社については津心の最適化が行われていますが、キャリアごとにその内容は異なります。

 

まず、docomoは動画と画像のデータの圧縮が行われ、auでは画像データの圧縮(3Gは対象外)が行われています。

どちらの場合も、それ以外の弊害については特に報告がありません。

 

問題となるのはSoftBankです。

このキャリアでは動画及び画像データの圧縮をおこなっているだけでなく、前述の「ゲームアプリの動作問題」を引き起こしています。

MVNO

次は「MVNO」に関してです。数が多いので、「最適化が無し」と「最適化があり」の2つに分けて解説していきます。

『最適化が無し』

まずは「最適化を行っていないMVNO」についてです。

これは「NifMo」「IIJmio」「OCN モバイル ONE」「楽天モバイル」「mineo」「UQ mobile」「WonderLink」が該当します。

通信の最適化が行われていないので、画像や動画の画質劣化や、アプリの動作不良などの問題は発生しません。

『最適化があり』

次は「最適化を行っているMVNO」です。

まず「Y!mobile」は、極端な画像の圧縮が見られています。また、「Exif情報」の消去も確認されています。

 

他にも「DTI SIM」「U-mobile」「BIGLOBE SIM」「ぷららモバイル LTE」「b-mobile」でも通信最適化が確認されていますが、具体的な内容に関してはわかっていません。

このように、通信の最適化を行っていたとしても、それが具体的にどのような影響をもたらすのかについては事業者ごとに異なると言えます。

auに「通信の最適化」について問い合わせてみました!

さて、秋ほど「通信の最適化は事業者によって異なる」ということを述べましたが、それを検証するためにも大手キャリアであるauに、通信の最適化について問い合わせてみました。

 

その結果、分かったことをまとめてみると、

  • 「auでの通信の最適化は2014年12月8日から開始」
  • 「通信の最適化は自動的に適用される」
  • 「通信の最適化は通信速度300Kbps以下(上下ともに)の時に適用される」
  • 「動画ファイルは最適化の対象外」
  • 「3G回線は対象外」

ということです。

 

また、「157に電話した後は、どこにつなげば良いか?」という質問に対しては「どこにつないでも、『通信の相手帰化を非適用にしたい』と申告すれば担当部署につながる」とのことです。

「通信の最適化」が行われているかどうかを確認する方法

通信の最適化は、基本的に画像のサイズを確認することで検証することができます。

ですが、常に一定の条件で最適化されているというわけではありませんので、一概には最適化の有無を確認するための指標となるとも言いきれないのです。

 

また、個別に確認したいというのであれば便利なツールがあります。

通信の最低^H^H最適化の確認」と「通信の最適化を確認するやつ」というサイトが有り、こちらのサイトにアクセスすることで自動的に通信の最適化の有無を確認してくれるのです。

大手キャリアでの「通信の最適化」を解除する方法

通信環境が改善されるとは言え、画質が劣化することは避けたいと考える人も少なくありません。

では、大手キャリアで実施されている通信の最適化を解除する方法は無いのでしょうか?

docomo

まずは「docomo」です。こちらは利用規約にきちんと説明があるのでわかりやすいかと思います。

解除方法は「My docomo」と「151」の2つの方法があります。操作が必要になるMy docomoでの解除方法について解説します。

 

まず、「ドコモお客様サービス」にアクセスします。

次に「契約内容確認などオンライン手続き」に進み、「よく使われているメニュー」の下にある「ご契約内容の確認変更」に進みます。

ここで暗証番号を入力して、次に3ページ目に移動します。

そこに「spモード」設定項目があり、その中に「通信の最適化」という項目があります。これが「適用」になっていると思いますので、設定を変更してしまいましょう。

au

次はauでの設定です。auの場合も利用規約にしっかりと記載されています。

auの場合でも通信の最適化は解除することができますが、docomoのようにネット上では解除ができす、151からの解除になります。

SoftBank

最後はSoftBankです。こちらも利用規約に通信の最適化について記載があります。

先の2つのキャリアと違い、SoftBankでは通信の最適化を解除することができません。

もし、SoftBankユーザーが通信の最適化による何らかの不利益を受ける場合、設定で解除することができないので他のキャリアに乗り換える必要があるということになります。

「通信の最適化」についての議論

最後に、「通信の最適化についての議論」について触れていきます。

通常、通信事業者が何らかの方針転換等をするにしても、ここまで問題化するようなこともないはずです。

ですが、通信の最適化に関しては他の変更とは異なる事情があるのです。

インターネットでは通常あり得ない振る舞い

まず、通信の最適化は、通常インターネットサービスにおいては「あり得ない振る舞い」であると評価することができます。

なぜかと言えば、インターネットでは通信の経路上で、キャリアが勝手にファイルを改変するようなことがあり得ないからです。

 

例えば、サーバーから画像ファイルを取得する場合、そのファイルの長さがhttpのレスポンスヘッダーに書かれた値と一致して、かつその内容が一切改変されないことが普通です。

もし仮に、アプリの開発現場において、受け取ったファイルのハッシュ値が異なる場合は、その原因がどこにあるかということを特定しなければならない上に、過去のやり取り全てを疑う必要も出てきます。

 

とは言え、携帯電話サービス向けに小さな画像で通信帯域を節約したいというコンテンツ提供者や利用者も少なからず存在することは事実です。

ですが、そうなればそのユーザー向けにサービスを提供(アプリケーション等の形で)すれば良いだけの話であり、全体的な影響をもたらす必要性は絶対的なものではありません。

と言うよりも、既にモバイル向けの「Opera」には、Webページや動画を圧縮する機能が実装されています。

 

考え方の問題でもあり、大手キャリアの「自社ネットワークに機能を追加すべき」という考え方と、インターネット全体としての「単純なTCP/IPネットワークであるべき」という考え方があります。

これは、海外でも議論されている内容でもあります。

通信事業者は通信の秘密を条件付きで侵害できる

通信の最適化は「ファイルへの侵犯」という、インターネットの仕組みとは相容れない存在です。

ですが、通信事業者は通信経路への介入に関して、「通信の秘密」との兼ね合いを考慮すると話はさらにややこしくなってきます。

 

本来、通信事業者は「通信の秘密」を侵害することができない立場にあります。

そのため、画像の改変や、そもそもの問題としてやり取りされているデータが「画像データであるかどうか」ということすら、本来は知ることができないはずなのです。

さらに、パケットの宛先に該当する「IPアドレス」や「ポート番号」といった情報を機械的に知るというだけでも、通信の秘密を侵害することに該当します。

 

しかし、実際には通信事業者がこれらの情報を知ることについては「通信事業者がサービスを提供するために必要不可欠なことである」つまり「正当業務行為である」として、違法ではないとされています。

例えば「ISPによるP2Pアプリケーション」のような大量通信の規制にも、正当業務行為の考え方が適用されています。

こうした規制行為に際しての通信の秘密の侵害が避けられるものではないとしつつも、ネットワークを占有するアプリを規制し、他の利用者の通信環境を維持するという目的において、これは認められているのです。

通信の最適化は「正当業務行為」にあたるのか?

ならば、本当に通信の最適化は正当業務行為にあたるものなのでしょうか。

 

SoftBankは正当業務行為によって通信の最適化を説明し、その根拠として、

  • 「公平で円滑なサービスの提供のため」
  • 「ネットワークに負荷をかけるデータを最適化処理する必要がある」
  • 「最適化が遜色のない範囲にとどまる」

ということを挙げています。

これは、言い換えると「一般ユーザーの利用する画像や動画を圧縮する」という行為を「P2Pアプリケーションの規制」と同じ論理で行っているということになります。

 

業界団体が策定したガイドラインでは、「利用の公平」という観点において、全てのユーザーに同等の規制を実施することを求めています。

先ほど「SoftBankは通信の最適化を解除できない」ということを話したかと思いますが、それはガイドラインに即した結果ではないかと考えることができます。

 

実際問題として、画像や動画といったデータがトラフィックの大部分を占めているといいうことは容易に想像することができます。

ですが、先ほどの「画像と動画」と「P2Pアプリケーション」を同一視するという観点において、画像や動画といったデータを「アプリケーションとしてみなす」ということ、それに基づいて帯域制限を行えるかどうかということについては、未だ議論の余地が残されていると言えます。

 

さらに、画像や動画のトラフィックを削減することが正当業務行為にあたると仮定しても、単純に帯域を制限するのではなく、ファイル自体に手を加えて改変して良いことの根拠にはならないのです。

つまり、先ほどの根拠において、画像や動画に手を加えることによる通信の最適化は、その根拠が揺るがされているということになるのです。

正当業務行為にあたる、つまり行為が正当化されるとしても、その具体的な方法として画像や動画のデータを改変することの正当性が保証されているわけではないのです。

 

このように、通信の最適化は未だ議論が残された問題であると言えます。

ユーザーにとって単純なメリットとはならない以上、この問題を無視することはできません。

実際問題としてSoftBankの場合「遜色のない範囲にとどまる」という根拠は、ゲームアプリの正常稼働を妨げていることで崩れています。

今後、スマートフォンユーザーが納得する形で決着が付くことに期待することとしましょう。

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