MENU

総務省の要請に基づき、大手キャリアが通信速度の実行速度を公開!?

 

目次

大手キャリア(docomo/au/SoftBank)が実行速度公開となった背景

SIMカードの性能を測る上で重要視されるものが「通信速度」です。

通信速度は、容量の大きなデータも早くダウンロード出来るようになるなど、スマホライフを快適に利用するために必要な要素です。

測定方法はいくつか考えられますが、この通信速度を「総務省が、大手キャリアに公開させる」という動きがありました。

その理由は「理論値と実行速度の隔たりの大きさ」が問題となっていたからです。各通信会社ではSIMカードの説明をするページで、通信速度の「理論値」を記載しています。

よくある「上り最大◯◯Mbps」という部分です。ですが、実際にユーザーがそのSIMカードを使ってデータ通信をしてみても、理論値を下回るどころか、大幅にかけはなれた遅さの通信速度しか出せていませんでした。

さらに、各調査機関やメディアが実施している「実行速度」のリポートに関しても、その調査基準がバラバラであり、とても公平に比較することができるようなものではありませんでした。

そこで総務省が、よりユーザーにとって有益な情報を提供するべくガイドラインを策定し、大手やリア3社が同じ測定方法で通信速度を計測し、それを公表するようにしたのです。

もちろん、通信速度という「通信環境等に依存して変化する数値」なので、このガイドラインをもってしても絶対的な指標とはなりえません。

ですが、大手キャリアが同じ条件で通信速度を測定して公表することによって、ユーザーは数値から通信速度を比較しやすくなったことは事実です。

 

通信速度を計測する条件

前述のガイドラインで定められた「通信速度の計測方法」は、まず政令指定都市と県庁所在地を人口規模で3つに分類し、そこからランダムに選定された3都市と東京都特別区の系10都市を対象とします。

この中から、300メッシュ(1メッシュ=500メートル四方)を5地点、合計で1500地点において計測します。

ガイドラインで定められた計測期間は、2015年10月から12月までの間です。

計測の時間は、通信が混雑しやすい時間帯を選んでオフィス街と繁華街においては12時~18時までの間、住宅街は15時~21時までの間で計測しています。

1地点において3回の計測を行い、それを平均した数値を計測値とします。

なお、その際に使用する継続ツールはガイドラインに基づいて作成された共通ソフトを使用するので、ツールの違いによる継続結果のズレは生じません。

「docomo/au/SoftBank」の各計測結果

前述の条件で計測したデータを集計し、これをばらつきのあるものをわかりやすく表示するために「箱ひげ図」(データのばらつきをわかりやすく表現するための統計図、主に多くの水準からなる分布を視覚的に要約して比較するために使用される)で表示します。

大手キャリア3社は、この箱ひげ図の中央値に近い半数を平均値として公開します。

なお、docomoは「AndroidとiOSそれぞれ」において上下の通信速度の平均値を、auとSoftBankはそれらを合算した平均値を公開しています。

さらに、auは上り通信速度の平均値を公開していません。各地域における詳細な測定結果については、各社のウェブサイトから確認することができます。

NTTドコモ

docomoが公開している計測結果は、Androidでは上り13~28Mbps、下り53~91Mbpsを、iOSでは上り14~30Mbps、下り49~89Mbpsという結果を公開しています。

両者ともそこまで大きな違いはないと言えます。

au(KDDI)

auでは、AndroidとiOSの平均的な下り通信速度を50~103Mbpsで公開しています。

docomoが公開しているデータとほとんど同じ水準のデータとなっていますが、若干ですが最大値が高めになっています。

ソフトバンク

SoftBankが公開しているデータは、AndroidとiOSの平均数値を上り16~26.1Mbps、下り42.5~76.6Mbpsで公開しています。

下りの通信速度の最大値が他の2社に比べて若干少なめです。

実効速度の公表だけで通信品質が測れるものではない

大手キャリア3社の通信速度は以上のような結果となっています。

ですが、上記の数値が大手キャリアの通信品質そのものではない事だけは忘れてはいけません。

通信品質はイコール通信速度ではなく、その他にも代表的なもので「通信の安定さ」というものがあります。

要するに、どれだけ理論値となる通信速度が安定的にユーザーに供給されるのかということです。

いくら実行速度のデータが速かったとしても、それが不安定なものだとすれば全く意味がありません。

3社が通信速度の測定を、条件を揃えて行った事自体は決して無駄なことではありません。

これも一つの指標としつつも、それだけで通信速度の実効値が低かったSoftBankを低品質だとは言えません。

この数値結果にだけ躍らされるようなことがないように注意しましょう。

政府主導で生まれたSoftBankの「1GBプラン」は料金値下げにつながるのか

そんな中、SoftBankにおいて「政府主導で生まれたプラン」というものが注目されました。どのようなものか、簡単に解説していきます。

ソフトバンクが月額5,000円以下の「1GBプラン」を発表

SoftBankでは、スマートフォン向けに「月額5,000円以下」のプランを発表しました。

これは総務省のタスクフォースにおいて、「通信量の少ないユーザー向けに、月額5000円以下の安価なプランを提供することが望ましい」という指摘に沿ったものであると言えます。

このプランは、基本料金とプラン料金を合わせて合計で4,900円での提供での発表となりました。

それまでのSoftBankのスマートフォン向けの料金は、必要な費用全てを合わせて月額6,500円というプランが最安値でした。それと比較して1,600円も安いプランを作り出したことになります。

Y!mobileや格安SIMと比べると・・・

しかし、SoftBankは既に「Y!mobile」のブランドで月額2,980円というプランを提供しています。

これと比較してみると未だに2,000円ほど高額であるということになります。

さらに、近年ユーザー数を増やしつつある「格安SIM」と比較すると、さらに料金の格差が存在することがわかります。

音声通話で3GBまでの高速通信であれば、2,000円未満で利用できるMVNOが多いです。

もちろん、格安SIMには大手キャリアにはないデメリットも少なくありませんが、価格面での格差が大きいことは避けられない事実です。

特に、料金の安さを重視するユーザーからすれば、SoftBankの新しいプランに比べて既存の格安SIMの方が魅力的に映ります。

この点、政府の意図を「家計の負担を軽減する」という点に集約するとすれば、SoftBankの試みは明らかに空振りであることがわかります。

もちろん、スマートフォンの通信サービスは料金の安さだけでは語れるものではありませんが、こと価格面だけで見ればその意図を完全にスルーしている内容であると言わざるを得ません。

観光客向けWi-FiルーターとSIMがセットで4,980円

それとは別に、「観光客向けのWi-Fiルーター」と「SIMカード」がセットになって4,980円という価格で提供されるという試みが実践されました。

モバイルWi-Fiルーターのレンタル事業を手がけるビジョンは、訪日外国人をメインターゲットとしている「KABUKI WiFi product by Ninja WiFi」の販売を2016年の1月に開始し、全国15店舗で提供開始しました。

これは、モバイルWi-FiルーターとSIMカードがセットになっており、事前の登録を不要として即座にデータ通信が利用可能であるという特徴があります。

つまり、訪日外国人のように手続きに手間を取る時間が惜しい場合に、登録の手間をかけることなく即座にデータ通信を利用してもらうことができるのです。

今回のサービス開始を前にして、都内の一部店舗では既にテスト販売が行われています。

パッケージ内のルーターには既にSIMカードが挿入されており、電源を入れることですぐに利用可能な状態で販売されています。

この端末、昨今の高速通信に欠かせない「4G LTE」に対応していないという欠点はありますが、通信速度の速さにこだわること無く「すぐに使いたい」「国際ローミングよりも安値で利用したい」というニーズに応える形になっています。

これを購入する際にはパスポートなどの身分証明証を提示する必要がなく、利用者の登録も不要であるため極めてお手軽なものであることがわかります。

主要空港などで「音声通話対応」プリペイドSIMカードが販売

その他にも、テレコムスクエアが訪日外国人向けの「プリペイドSIMカード」である「Wi-Ho! Prepaid SIM」に音声通話対応版を追加して提供を開始しました。

「1回10分以内の音声通話がかけ放題」という機能も付帯しており、「羽田」「新千歳」「福岡」などの主要空港の同社カウンターで販売しています。

データ容量は「1GB」と「3GB」の2種類があり、購入日から15日間が有効期限です。ネットワークは「Y!mobile」で、テザリングの制限はありません。

ただし、先ほどのモバイルルーターとは異なり、購入に際してパスポートなどの身分証明証が必要になります。

とは言え、手続きはスタッフがすべて行うため、購入する側にはそこまで手間を取らされることがありません。

購入手続きが完了すれば、APN設定を行うだけですぐに利用することができます。これはデータ通信SIMの設定と同じであり、特別手間がかかるということでもありません。

注意すべきポイントとしては「テザリング」に関してです。基本的にテザリングの制限は設けられていないのですが、iPhoneでテザリングを行う場合には対応していません。

Android端末の場合は問題なく利用することができますが、このリスクは覚えおておく必要があります。

モバイルWi-Fiルーター「MR04LN」に2016年問題が発生

最後に、モバイルWi-Fiルーター「MR04LN」で発生した問題について解説していきます。

NECプラットフォームズが提供するモバイルWi-FiルーターであるMR04LNにおいて、「2016年以降の日付が正常に取得できない」という不具合が発生しました。

これに関しては既に不具合を修正する本体ソフトウェアが公開されていますが、同社へのアクセスが集中することでサーバーが不安定になるなどの二次災害も発生しています。

さて、この不具合はどのモバイルWi-Fiルーターでも発生するようなものであるのかと言えば、その限りではなく、かなり珍しい部類であると言えます。

今回の不具合に関しては「時刻」だけではなく、「毎月のパケット通信量が正常にカウントされない」といった致命的な不具合も発生しています。

また、同社が提供する前モデルである「MR03LN」においても、本体ソフトウェアの更新後に「海外のSIMカード」で4G LTEが利用できなくなるという問題も発生していました。

今回のモデルではその問題は発生していませんが、公式に「SIMロックフリー端末である」ということをアピールしており、海外渡航後にこの端末を使用する上でのトラブルは起きないと予想されます。