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「SIMフリー端末」でもSIMカードとの相性によっては使えない!?

 

格安SIMについて解説している多くのサイトでは「SIMフリー」の端末を紹介しています。

これは、SIMロックがかかっていないスマートフォンやタブレット端末の事であり、MVNOの種類を問わずに格安SIMを利用することができるため、格安SIMに乗り換える際に端末を新しく購入する場合にはオススメの端末であると言えます。

しかし、SIMフリー端末を格安SIMではなく、いわゆる「大手キャリア」の通信契約で利用したいと思うユーザーも現れることでしょう。

しかし、実はSIMフリー端末を大手キャリアのSIMカードで利用する場合には問題が生じる可能性があることを理解しておく必要があります。

「SIMフリー端末は万能」と紹介していたり、そのように解釈するユーザーも多いのですが、SIMフリー端末とSIMカードの相性について理解できるように解説していきます。

 

目次

「docomoのSIMカード」×「SIMフリー端末」の組み合わせ

まずは、大手キャリアの一角である「docomo」のSIMカードとSIMフリー端末の相性について解説していきます。

大手キャリアの中でも特に知名度が高く、多くのユーザーが利用しているキャリアです。

FOMA契約のSIMカードではLTE端末を使えない!

問題となるのは、「FOMAのSIMカードをSIMフリー端末で利用する」というパターンです。

いわゆる「第3世代移動通信システム(3G)」と呼ばれている通信契約であり、これをSIMフリー端末を新規購入してそのまま利用したいというユーザーが増えています。

これは、ガラケーの料金のままスマートフォンを運用したいとか、docomoの機種変更では割高になるからといった理由で発生するケースなのですが、LTE端末はFOMAの契約を利用することができないのです。

docomoの契約でLTEスマホを利用したいという場合には「Xi」という機種のプランに変えなければならないのです。

FOMA契約のSIMカードでSIMフリースマホを使う方法

どうしてもFOMA契約のSIMカードをSIMフリー端末で利用したいという場合には、「3Gのスマホ」を購入する必要があります。

要するにLTE端末では利用することができないので、3Gに対応したスマホであれば利用することができるということです。対応している端末であれば、利用することはできるはずです。

ですが、これはこれで問題が生じます。3G対応のSIMフリー端末は、docomoのFOMAスマホよりも性能的に何らかの問題を抱えているものが多いのです。

なので、わざわざ割引を受けられないSIMフリー端末を購入するくらいなら、docomoでFOMAスマホを購入するほうが安上がりになり、端末に関連したサポートも受けられるようになります。

端末とSIMカードを同じキャリアで購入する場合は相性を考えなくても良いのですが、そうでない場合は購入後のサポートがないことがネックになる可能性もあります。

また、その他の方法としては「LTEスマホを『3G Only』にする」という方法もあります。

これならLTEスマホでもFOMAのSIMカードを利用することができるのですが、全てのLTEスマホで利用できる方法というわけではありません。どちらにしても、現実的な方法ではないということは確かだといえます。

「auのSIMカード」×「SIMフリー端末」の組み合わせ

次は、「au」のSIMカードとSIMフリー端末の相性について解説していきます。

auのSIMカード(3Gのみ)の場合

まず、「3Gのみ」の契約のSIMカードの場合は、SIMフリー端末を利用することはできません。また、他のキャリアで販売されているスマホはもちろん、SIMフリーのガラケーも利用することができません。

その理由は、auの3GSIMカードの通信規格が「CDMA2000」という規格であり、これは世界的に見てもマイナーな部類なのです。

そのため、auで販売されている端末以外の場合だと、このレアな通信規格に対応することが出来ないのです。

auでこれに対応した端末を用意するか、SIMカードの契約を別のものに変える必要があります。

auのSIMカード(LTE対応)の場合

次は「LTE対応」のauのSIMカードの場合です。この場合は一応スマホを使うことができるのですが、「通話」に問題が生じます。

「VoLTE」に対応したものであれば一応は通話もできるというのが現状ですが、わざわざSIMフリーの端末を利用するメリットはありません。

auのSIMカードを利用したいというのであれば、普通にauで端末を購入するほうがメリットが大きいです。

mineoのVoLTE対応MVNO専用SIMカード

大手キャリアではありませんが、MVNOの中では珍しい「au回線」を利用している「mineo」について少し触れていきたいと思います。

au回線を利用しているmineoの場合だと、VoLTE対応によって通話に関する問題を解決できる可能性があります。

mineoでは、VoLTE対応のSIMカードを用意して、CDMA2000に対応していない端末でもLTEを利用した通話機能を利用可能にして、スマホの選択肢を広げるという結果を生み出しています。

VoLTE対応SIMカードの注意点

しかし、これにも問題が残されています。VoLTE対応のSIMカードが「au用」と「MVNO用」に分かれていることによって、auの「白ロム」との関係性が従来とは異なる形に変化しているのです。

どういう事かといえば、従来はMVNOの格安SIMでも提供元のキャリアのスマートフォンを中古で購入しても普通に使うことができていました。

しかし、MVNO用のVoLTEのSIMカードがauのVoLTE対応の端末に施されている「au用のSIMロック」に引っかかるようになってしまったのです。

つまり、au用のSIMロックを解除しなければ利用できないということになるのです。

SIMロックの解除は、端末購入から180日経過しないと不可能です。端末購入から半年ほど経過しないと、SIMロックを解除することができません。

auの端末を利用するという場合は、購入から時間経過が必要なことと、SIMロックを解除しなければならないということを覚えておく必要があります。

「SoftBankのSIMカード」×「SIMフリー端末」の組み合わせ

次は、「SoftBank」のSIMカードとSIMフリー端末との相性について解説していきます。

SoftBankのSIMカードはSIMフリー端末と割と相性が良い

SoftBankの場合は、今までとは違ってSIMフリーの端末との相性が良好だといえます。

その理由としては、対応しているLTE Bandがメジャーなものをカバーしているため、海外メーカーが多いSIMフリー端末との相性が非常に良いのです。

とは言え、無条件で使えるというわけではない点には注意しなければなりません。

iPhone 5以降の「黒SIMカード」

SoftBankのSIMカードで、SIMフリー端末との相性を考えると「黒SIMカード」と呼ばれるものが使いやすいといえます。

黒SIMというのは正式な名称ではありませんが、単純に「SoftBankのSIMカードの色が黒い」ということです。

つまり、色が黒いSoftBankのSIMカードであれば使いやすいということです。

理由としては、「APN設定」が挙げられます。iPhoneのLTE契約回線におけるAPN設定は、iPhone5以降において共通のAPNになっています。

なので、その設定をそのままSIMフリーの端末に対応させることができるので、使いやすいのです。スマートフォンに詳しくない人でも問題なく利用できるというのは嬉しいポイントです。

SoftBankでAndroid端末を使用していた場合のSIMカード

問題となるのは、使用している端末がiPhoneではない、つまり「Android端末である場合」です。SoftBankでのAndroid端末の契約は、そのほとんどがiPhoneほど簡単にAPN設定ができないのです。

Android端末の場合はSIMカードでデータ通信を行うために必要なAPN設定が設定の値が、契約ごとに異なるという特徴があります。

これは、他のキャリアでは見られない珍しい設定の方法であり、個別の契約に適したAPN設定をしなければそのSIMカードを他社の端末で使用することが出来ないのです。

同時に、APN設定はユーザーが普通の方法で判別することは不可能です。そのため、事実上SoftBank以外の端末でSoftBankのSIMカードを使ってデータ通信を行うことは不可能であるということになります。

ただし、「普通ではない方法」であればこの問題を解消することが可能ではあるのですが、普通ではないのでオススメすることはできません。

また、Android端末用のSIMカードを、同じSoftBankでもiPhoneに挿入して利用することも出来ません。

SoftBankのAndroid端末同士であれば使い回すことができるのですが、「Android」→「iPhone」という流れは不可能です。

もちろん、逆もまた然りであり、APN設定の入力や構成プロファイルの作成が必要になります。

SoftBankに買収されたEMOBILE契約のSIMカードの「IMEIロック」

最後に、SoftBankに関連した情報として「IMEIロック」について解説します。

これは、SoftBankグループのSIMカードに見られる特徴の一つであり、「EMOBILE」時代の回線はこれに該当することが多いです。

具体的には、「Nexus 5を5GBのデータプランで契約する4G-S契約」や「GL07S等のLTEプラン契約」がこれに該当します(現在、Nexus 5の契約ではIMEIロックは撤廃されている)。

これらの契約は、かつて格安SIMが流通する前から格安SIM以上に安い料金で利用することができていました。

これらの契約では、SIMカードにおいてSoftBankがIMEIで通信している端末を判別して、それ以外の端末を察知した場合にデータ通信を出来なくするという制限の仕組みがありました。

これは、先ほども触れた「SIMロック」とは別物であり、SIMロックを解除したり元からSIMフリーの端末でこのSIMカードを利用しようとしても、IMEIで通信していない端末であるため利用することができないのです。

料金が安い代わりに使用できる端末が極めて限定的であるため、別の端末を使いたいのであればSIMカードの契約を解除して別のキャリアで契約する必要があります。

まとめ

「SIMフリーの端末を選べば、どんな状況にも対応することができる」というように考えている人も少なくないのですが、それはそれで問題があるということを理解しておかなければなりません。

相性によってはSIMフリーの端末を利用することができず、端末を買い換えるか、SIMカードの契約を見なおす必要があり、手間になります。

重要なのは、契約予定のプランで入手できるSIMカードを利用できる端末であるかということです。

SIMフリーの端末を選んでおけば問題ないと考えていると、いざ使用するときになって問題が生じてしまい、スマホの利用が遅れてしまう等の問題が生じてしまいます。

SIMカードと端末の相性を考えて契約・購入するように心がけておきましょう。