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Y!mobileの「Pocket WiFi」の速度制限の詳細(発生条件や解除方法)

 

通信サービス、それもモバイル端末のデータ通信においては「通信速度」というステータスは非常に重要な意味を持ちます。

いかに安いサービスであろうとも、通信速度が遅ければ使い物にはなりません。文字通り「安かろう悪かろう」です。

そしてもう一つ、モバイル端末のデータ通信には「速度制限」がつきものです。

固定回線では馴染みが薄いですが、モバイル端末でのデータ通信であればほぼ100%つきまとう問題です。

そこで今回は、「Y!mobileのPocket WiFi」の速度制限について解説していきます。

目次

「Pocket WiFi」を契約する前に、速度制限についてきちんと理解しておこう!

まず、Y!mobileのPocket WiFiでは、利用する端末によって最大通信速度は異なりますが、基本的に100Mbps以上の最大値を持ちます。

もちろん、通信環境によって速度は大きく変動しますし、往々にして最大通信速度を叩き出すことは不可能です。

それでも、100Mbpsクラスの最大値を持つため、実測でも相応の速度が出せます。

しかし、Y!mobileのPocket WiFiでは、2つの理由で通信速度が制限されてしまいます。

まず一つ目は、そのプランで設定されているデータ通信容量を超えることです。

例えば「プラン2」の場合、月間で7GBまでのデータ通信を高速通信で利用することができます。

月の途中でこれを超えてしまった場合には、翌月になるまで通信速度が制限された状態になります。

もう一つの理由は「直近の連続した3日間で3GB以上のデータ通信を利用している」ということです。

平均して1日1GB以上のデータ通信を利用してしまうと、その翌日に通信速度が制限されてしまいます。

通信速度が制限されてしまうと、最大100Mbps以上の通信速度が一気に低下し、最大128Kbpsという低速通信に制限されてしまいます。

この状態では、動画やアプリのダウンロードなどの大容量のデータ通信を利用することはまず難しく、WEBサイトの閲覧もコンテンツによっては時間がかかってしまいます。

全くデータ通信が利用できないということではないのですが、その用途は非常に限定的なものになります。

「Pocket WiFi」全てのプランで共通の速度制限→3日で3GB以上

まず、全てのプランに共通している「3日で3GB以上」のデータ通信による速度制限について解説します。

前述の通り、直近の連続した3日間のデータ通信量が3GBを超えた場合に、その翌日に速度制限を受けてしまいます。

例えば、「3日・4日・5日」の連続した3日間で3GB以上のデータ通信をした場合に、「6日の午前6時~7日の午前6時」までの間、通信速度が制限されてしまいます。

後述の「プランごとのデータ通信容量」とは異なり、データ通信量が規定値を超えた時点では通信速度は制限されません。

通信速度が制限されるのは、条件を満たした「3日間の翌日の6時からその翌日の6時」までの間です。

通信速度に制限をかける理由としては、「通信品質およびネットワーク利用の公平性の確保」が挙げられます。

これはつまり、大量のデータ通信を利用するユーザーがいるために通信環境が悪化することを避けるため、1日だけデータ通信の速度を低下させるということです。

なお、昔のプランでは3日間で1GBという制限基準が設けられていたので、そちらと比較すればそこまで酷いデメリットにならないでしょう。

「Pocket WiFi」のプランによって異なる→月間データ量に対する速度制限

次は、プランごとに設定されているデータ通信容量の上限を超えてしまった場合の通信速度制限について解説します。

こちらの場合は上記のような制裁的な意味ではなく、単純に「パケット容量がなくなったから」という理由で通信速度制限がなされます。

契約するプランの「◯GB」

通常、モバイル通信サービスでは高速通信を利用する際に契約するプランに「◯GB」という表記がなされます。

これは「毎月そのデータ通信量までは高速通信が可能になる」という契約であり、一般的にこの容量が多いほど月額利用料が増加します。

つまり、毎月の高速通信の権利を購入しているようなものであり、これが尽きることで高速通信のスイッチがオフになってしまっている状態です。

「Y!mobileのPocket WiFi」で利用できる主なプランは4種類

Y!mobileのPocket WiFiで利用できる主なプランは4種類あって、

  • 「プラン2」「プランL」では7GB
  • 「プラン2ライト」「プランSS」では5GB

のデータ通信容量が設定されています。

プランLでは「AXGP」の通信方式に限り、データ通信容量が無制限になりますが、通信可能エリアが限定されてしまうので注意が必要です。

また、通常の通信方式で7GBを超えてしまった後に、この通信方式に変更しても通信速度は遅いままになってしまいます。

データ通信量を超過してしまった場合

各プランごとに決まったデータ通信量を超過してしまった場合は、その翌月になるまで通信速度が制限された状態になってしまいます。

こちらの場合は、短期間の大容量のデータ通信のような「制裁」の意味合いで行う通信速度制限ではないので、すぐ解消する方法があります。

その場合であれば、500MB:500円のレートで追加チャージをすることで、その分だけ高速通信を利用し続けることができます。

なお、購入した追加チャージ分はその月にだけ適用されますので注意が必要です。

追加チャージの方法「快適モード」

追加チャージを購入する場合はその都度操作が必要になるのですが、プラン2とプラン2ライトの場合は「快適モード」という手段で手間なく追加チャージができます。

これは、専用の設定を行うことで、そのプランのデータ通信容量がなくなってしまった際に自動的に追加チャージを行ってくれます。

また、設定ではチャージする回数についても設定することができますので、使いすぎてしまうことを防げます。

「Pocket WiFiプランL」が月間データ量上限なしは本当?

次に、Y!mobileのPocket WiFiのプランLについて、少し考察していきたいと思います。

このプランについて解説しているページを見てみれば、このプランが最も料金が高く、使い放題のプランであるという印象を受けます。

しかしながら、実のところは、そこまで単純に使い放題のプランであるとも言えないのです。

まず、このプランでは

  • 「標準モード」
  • 「アドバンスモード」

の2種類の通信方式を設定することができます。

標準モードは通常のデータ通信サービスが提供され、アドバンスモードでは「AXGP」の通信方式のみを利用してデータ通信を行います。

標準モードの方が、さまざまな通信方式を利用できるのでデータ通信がつながりやすくなるのですが、プラン2と同様に毎月7GBのデータ通信容量が設定されています。

アドバンスモードでは、標準モードと異なり毎月のデータ通信容量が設定されていません。

なので、通信方式が制限された状態であれば、毎月のデータ通信量の上限を無視してデータ通信が利用できるということになります。

ですが、ここまでお読みになった皆様でしたらお気づきかと思いますが、Y!mobileのPocket WiFiは全プラン共通で「3日間で3GB以上のデータ通信による制限」と言うものがあります。

それは、プランLにおいても同じことです。

ここで少し計算をしてみたいのですが、3日間で3GBということは、1日平均で1GB、つまり1ヶ月30日で計算すれば月間30GBのデータ通信容量の制限があるということになるのではないかという結論になります。

ですが、Y!mobileのPocket WiFiの「通信の制御について」のページを確認してみると、対象は「前日までの3日間のご利用通信量が、2,517万パケット(約3GB)以上」であり、制限期間は「当日6時から翌日6時まで」とあります。

ということは、起算する日まではデータ通信量を確定しておらず、そうなれば制限量である3日で3GBの最終日は、どれだけデータ通信量を発生させても即座に通信速度に制限がかかるということでもありません。

そうなると、単純計算で月間のデータ通信容量があるとも言い切れないのです。

「Pocket WiFi」の速度制限を解除する方法

次に、Y!mobileのPocket WiFiの速度制限を解除する方法について解説します。

まず、解除できるケースは「月間のデータ通信容量を超過した場合」であり、「3日間で3GBのルール」については、その翌日になるまで待つしか方法がありません。

おとなしく、1日我慢しておきましょう。

さて、月間のデータ通信容量を超過してしまった場合は、500MB;500円のレートでパケット容量を追加チャージすることで、その分だけ高速通信を復活させることができるようになります。

追加する方法は、「My Y!mobile」またはPocket WiFi本体からの申し込み、及び一部のプランは「快適モード」を利用することで自動的に追加チャージすることができます。

基本的に、この方法は「どうしても高速通信が必要になった」という場合に使用します。

翌月になるまで低速通信状態が継続してしまいますので、通信速度が重要なアクションを行う場合に、翌月まで待てなければ即座に通信速度を復旧させる必要があります。

ですが、500MB=500円というコストパフォーマンスなので、あまり多用することは経済的に難しい話となります。

さいごに

通信速度の制限は、各通信事業者が明かしていない基準で行われることもあります。

例えば、Y!mobileのPocket WiFiの場合であれば

  • 「VoIPを利用する通信」
  • 「動画・画像などの一部」
  • 「大量のデータ通信、または長時間接続をともなうパケット通信」

において

  • 「ファイルの最適化」

を行う場合があると明言されています。

しかし、「一部」や「大量」「長時間」という不明瞭な基準も多く、はっきりと「これを使うと通信速度に関わる」というのがわからないこともあります。

基本的に無線通信は目に見えないサービスであるため、外見ではっきりとわからない部分も多いです。

そのため、「こうすれば100%、通信速度に影響を受けない使い方ができる」ということも言い切れません。

それでも、ここで取り上げた情報を熟知しておくだけでも、そのリスクは減らせるということは違いありません。

毎月のデータ通信容量については、自分がどれだけデータ通信を利用するかということを把握しておき、それに見合ったプランを契約することで通信速度制限を避けることができます。

3日間のデータ通信量については、短期間で大量のデータ通信を行う際には前後2日間のデータ通信量にも気を配っておくことでリスクを減らせます。

そして、「絶対に通信速度に制限を受けないモバイル通信」というものは存在しません。

使い放題のプランでも、通信サービスの公平性の維持のための通信速度制限というものは、通信サービスである以上は確実に発生するからです。

なので、「Y!mobileのPocket WiFi」固有のデメリットではないということはきちんと理解しておきましょう。